ブックライブの書店員おすすめレビュー

小説・文芸のおすすめレビュー

  • ネタバレせずに、まっさらな気持ちでお読みください!
    ゴッドオブミステリー・島田荘司のデビュー作にして、御手洗潔シリーズ第1作目。
    六人の処女の肉体部分を合わせて完璧な女、アゾートを創るという画家の遺書から始まる。画家の死後に日本各地で体の一部を切り取られた死体が発見される。事件から40年後、御手...続きを読む

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  • 闇の中、真実に辿り着けるのか!
    第60回江戸川乱歩賞受賞作。全盲の村上和久は孫に自分の腎臓を提供しようとするが状態が悪く適さない。兄である竜彦に提供を訴えるも拒否され、次第に兄は偽者なのでは?と疑いはじめる…。
    視覚以外の描写が続くため、急に襲われたりしたら?今話している相手は本物なのか?と、読...続きを読む

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  • 緊迫感溢れるSFスリラー! ~深海での未知との遭遇~
    約300年前に海底へ沈んだ未知の飛行物体。調査に訪れた科学者チームはそこで謎の球体を発見し、次々と奇怪な現象が……。
    読者をガッシリ引き込み抜群のテンポで展開していく本作。奇怪な現象や犠牲者だけでも恐ろしいのに舞台は深海、凄まじい水圧に囲まれ...続きを読む

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  • 大学時代、一方的に親友4人に絶縁を宣言された多崎つくる。過去を乗り越えるため、36歳になった彼は絶縁の理由を求め元親友たちを訪ねます。次々と明かされる絶縁の真相と深まる謎。衝撃の結末に読み返さずにはいられない作品です。
    恥かしながら村上春樹作品をきちんと読んだのはこの作品が初めてでした、好き嫌いが...続きを読む

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  • 盛岡の書店で「文庫X」として表紙もタイトルも内容も伏せて販売され、話題となった本作品。書店員さんの手書きPOPで「どうしても読んで欲しい」作品として紹介されていたため、てっきり感動モノの小説と思っていたら、ノンフィクションだったので驚きました。
    今まであまりノンフィクションの作品を読んだことがなく...続きを読む

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  • 謎解き好きの方には絶対おススメの「館(やかた)シリーズ」の最初の作品です。
    この作品をきっかけに、本格ミステリ界では「綾辻以降」という言葉が使われるようになったほどです。
    奇妙な館(十角館)で起こる連続殺人事件、様々なトリック、そして綾辻先生独特の幻想怪奇的な世界を、たっぷりと楽しんでください。...続きを読む

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  • 超綿密な金塊強奪劇!クライム&アドベンチャー小説!
    19世紀半ばのロンドンにて謎の紳士ピアースが大胆不敵な強奪計画を実行する……と粗筋としてはシンプルながらその計画の綿密さが本作の魅力!用意周到に計画を進めていく様子は冒険小説にも通じるワクワク感があります!
    物語は金塊強奪の計画立案や準備進行に...続きを読む

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  • 浮世絵研究家としても知られる、高橋克彦氏の著作。

    氏はたびたび、荒唐無稽とすら思える超古代文明やそれにまつわる神やUFOなどの考察を書かれているが、オカルトブーム真っ只中で刊行された本作がそういった側面を期待されていなかったと言われれば嘘になるだろう。
    確かに、偽書論争を巻き起こした「東日流...続きを読む

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  • 読み終わった後、大切な人に自分の想いを伝えたくなる…
    切なくも、優しい気持ちになれること間違いなし! の10話から成るショートストーリー。

    この世に未練を残したまま、生涯を終えた人の前に突然現れる『とりつくしま係』。
    主人公たちは『とりつくしま係』との契約により、大切に想う人の近くで
    ...続きを読む

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  • 『海猿』、『ブラックジャックによろしく』などのヒット作で有名な佐藤秀峰先生の、出版業界、電子書籍業界に鋭く切り込んだエッセイです。なぜ『ブラックジャックによろしく』は全巻無料になったのか、なぜ自身の会社を立ち上げたのか、それらの経緯とそのきっかけとなった出版業界の闇が書かれています。本というコンテン...続きを読む

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  • 動物農場は複数の出版社から訳本が出ていますが、1972年のソビエト連邦が健在なりしころに高畠文夫さんによって訳された本作。
    農場の管理者である人間を、動物たちが蜂起して追放し、自分たちの自由で平等な理想の農場を作ろうとします。様々な動物が登場しますが、キャラクターが旨く描き分けらていてわかりやすい...続きを読む

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  • 強烈な個性を持つ登場人物たち、ドライブ感あふれる独特の文章、先の読めないストーリー展開、そして唯一無二の世界観。人気ライトノベル作家・西尾維新の魅力が全て詰まっているのが、本作「物語シリーズ」です。

    ツンデレというよりツンドラって感じの毒舌ヒロイン・戦場ヶ原ひたぎをはじめとした、怪異と出会った...続きを読む

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  • これぞまさに読む映画!傑作恐竜映画の原作小説!
    遺伝子技術によって作られた恐竜のテーマパーク。しかし完璧なはずのセキュリティが度重なる予測不能な出来事で次々とシステムが破綻、パークの視察団は恐怖のドン底に……!恐竜映画不朽の名作、その原作小説です!
    映画は役者の演技や巧みな演出で素晴らしい臨場感...続きを読む

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  • 家庭用ゲーム機と言えば任天堂かソニーという今だからこそおもしろい。
    セガが任天堂を追いかけていた1990年代のゲーム業界について、アメリカ側そしてセガ側をメインに描いた翻訳ノンフィクション。とは言え、ここに書かれている数百本のインタビューからの情報で組み上げられた20年以上前の出来事には、著者も前...続きを読む

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  • 「1700年代の英文学なんて退屈でつまらなさそう」と敬遠するなかれ。
    恋愛や婚活などの現代に通じる問題を、シニカルにポップに、そしてリアルに描いています。
    ラフカディオ・ハーンや夏目漱石も絶賛しています。
    本作は、高慢なダーシー(母は貴族、実家は大金持ち、しかもハンサム)、偏見を持ちがちなエリ...続きを読む

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  • アイザック・アシモフの数ある作品の中で『映像化不可能』と言われている作品です。そう言われるだけあって読み応えあります。
    アシモフの作品には、有名な「ロボット三原則」のようにシリーズ毎に一貫したテーマがありますが、この「銀河帝国興亡史」では「心理歴史学」です。
    「銀河帝国はどのような滅亡の道を辿る...続きを読む

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  • 「たいへん遺憾ながら、淫乱な母から美しく生まれてしまった」少女、川村七竈(ななかまど)。
    出奔を繰り返す母親、実父を語る男性、幼馴染みの少年、元タレントの芸能マネージャーが、少女の繊細な心を揺らす。
    登場人物の芝居がかった台詞も印象的。
    美しい少女と少年に憧れる、平凡な後輩が言う台詞。「憧れな...続きを読む

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  • 伝説の宇宙海賊男と、元軍人で威風堂々な巨躯を誇る財閥令嬢が夫婦となって繰り広げる、破天荒な物語。
    いきなりすごい紹介ですが、誇張はゼロなので仕方ありません。
    「素晴らしい夫婦」という表現は見かけることもありますが「凄まじい夫婦」というのはなかなかに稀でしょう。夫婦ともに規格外、敵は正直やってらん...続きを読む

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  • 宋建国の英雄、楊業(ようぎょう)の愚直な生き様に胸が熱くなる!
    軍人として圧倒的な力を誇る楊業は、帝の思いや政治が渦巻く国家の中で不器用なまでに軍人としてのみ戦い続け、その背中を見て育つ七人の息子たちもまた軍人として戦い続ける。
    北方謙三先生による手に汗握る戦争描写と精巧に書かれる政治と世相の中...続きを読む

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  • 盲目の王女レイアと失脚した王の物語。
    最初はファンタジーなのかな?と思いきや、徐々に違和感が姿を現す。王女の成長とともに、童話のように幻想的で耽美な「美しい」闇の世界から一転して…。その一文で世界が崩壊する見事などんでん返し。ぜひこの世界観に酔いしれてほしい!第120回直木賞候補作。

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