【感想・ネタバレ】漫画貧乏のレビュー

『海猿』、『ブラックジャックによろしく』などのヒット作で有名な佐藤秀峰先生の、出版業界、電子書籍業界に鋭く切り込んだエッセイです。なぜ『ブラックジャックによろしく』は全巻無料になったのか、なぜ自身の会社を立ち上げたのか、それらの経緯とそのきっかけとなった出版業界の闇が書かれています。本というコンテンツが紙から電子に代わっていく過渡期に、自ら先導を切って漫画の電子化を進めた佐藤秀峰先生の熱意に感動!
ちなみにこの作品は一冊まるごと無料で配信されています!気になった方は是非チェックしてみてください!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

購入済み

漫画家さん

2022年09月29日

給料のシステムとか…
漫画を書くまでに下調べをどうしてるのかとか…
勝手にセリフを変えられてるとか…
いろいろ面白かったです

0

Posted by ブクログ 2019年01月01日

これはいい。しかも0円。一人の漫画家の苦悩と努力。「笑ってくれて構わないのですが、僕は世界を変えようと思っています。」こんなことを考えながら日々仕事に向かいたくなる。

0

Posted by ブクログ 2015年05月23日

出版社が、取材や監修の責任を取らないくだりに苛立ちました。お金の問題もあるけれど、作者が編集者にビジネスパーソンとして扱われず軽視される立場に疑問です。

0

Posted by ブクログ 2014年11月30日

漫画家が生活していくことの厳しさが非常によくわかる。連載作家でもアシスタントに給料を払うと赤字。連載期間の2年半、全く休みなし、私生活というものが存在せず、それでも原稿料だけでは赤字という事実に愕然とした。

そもそも漫画雑誌自体がビジネスとして赤字。紙媒体での漫画ビジネスは衰退の一途。
著者は漫画...続きを読む家の未来のため、オンラインコミックのサイトを立ち上げる。

実体験に基づいた豊富なエピソードが漫画でも綴られる。面白い。

0

Posted by ブクログ 2014年10月12日

漫画家になることがどれほど大変なことか、これまで全く知らなかった。
読んでみて大変とかいう言葉では表現できないほど過酷な世界であることがわかる。
漫画家と編集者は本来対等な関係でありながら、実際は編集者の立場が絶大で、自分が書いた漫画でさえ、自分のものにならない理不尽さも感じることができた。

0

Posted by ブクログ 2014年06月28日

代表作「ブラックジャックによろしく」をはじめとするリアルなストーリーと描写でヒット作、問題作を連発するマンガ家による、リアルなマンガ家の内幕。

語られるマンガ家像は、夢の印税生活による文化人ではなく、収入以上に費やされる必要経費に押しつぶされ、頼りとする出版社・編集者にも搾取され続けるプロレタリア...続きを読むートだった。

労働時間の割に報われることのないマンガ家の現状を、主に金銭面からクローズアップ。結果、このままではマンガに将来がないと悟った著者は出版社・編集者、そして一部のマンガ家たちにも背を向け、ネットの世界に飛び込んだ。そんな未決着の闘いの記録。

0

Posted by ブクログ 2012年05月28日

現役漫画家の出版システムへの挑戦。
タイトルにあるように、漫画家は一般的に儲からないらしい。斜陽産業である出版業界の中でどうやって漫画文化を守り育てて行くかと筆者の奮闘が、既得権益者との軋轢や時代の潮流を背景に、綴られている。
クールジャパンの筆頭である漫画が、古臭く無駄・無理がまかり通るシステムで...続きを読む成り立っているのに、それを世界にアピールとか言ってる厚顔ぷりに落胆してしまう。
この本も筆者のサイトで電子媒体で購入したが、筆者の筋を通す姿勢に好感を持ち、今後も応援したくなった。

0

Posted by ブクログ 2012年05月12日

出版社と漫画家の関係性を漫画家からの視点で赤裸々に告白。漫画に賭ける凄まじい執念というか、脱帽。
ただ、漫画が好きじゃだめなんだよな。
読んで改めて漫画出版と漫画家のあり方を見直すきっかけになりました。てか、出版業界衰退につくづく肌で感じる。

0

Posted by ブクログ 2012年08月26日

本の内容的に、私も共感した部分もあれば、ちょっと違うんじゃないかと思った部分もあります。
若干、客観性というか意見の多様性というかが少ない気がします。
少人数で企画・編集・出版した本、良くも悪くも若干独白気味という気がしました。
論理的に書いてはいるのですが、こう、なんか、そんな印象を受けてしまいま...続きを読むした。

しかしながら、漫画家の実態が少しわかった気がします。

連載ものでは赤字。
コミックの印税が入るようになれば生計が立つ。
アシスタントは徒弟。
編集部は高飛車。

といった感じ。

編集力というのは非常に曖昧だが、一つ言える事は
会社に属している編集員はリスクをほとんど負わないということ。

自分が担当した本が売れなくても給料は貰える。
しかも相当高給らしい。

本書で紹介されているサイト:漫画 on Web

払ってもいい金額:900円

0

Posted by ブクログ 2012年08月01日

小さな頃から漫画が大好きで「いつか絶対漫画になってやる」と心に決め、23歳ぐらいで初めて原稿に描いた漫画を集英社に持ち込んだ。ボロクソに言われるかと思いきや「何か才能的なものは感じる」風なことを言われ、普通なら喜んで更に漫画家になろうと決意を固めるのでしょうが、私の場合は満足してそこで試合終了した。...続きを読むそれでも心のどこかで「あの時、漫画家を本気で目指していたらどうなっていたのだろう…」とノスタルジックな気持ちになることも多々あったのですが、この本を読んで、やはり漫画家にならなくて正解だったと確信しました。
それほど現実は厳しい。生半可な私の決意では簡単に折れて路頭に迷っていたでしょう。あの誰もが知ってる映画の原作者である著者がこれほどの苦労を強いられていたとは露程にも思わなんだ。
漫画家を目指している人にこそ読んで欲しい一冊。
あなたはこれを読んでもまだ漫画家目指しますか?

0

Posted by ブクログ 2012年06月06日

出版社には出版社なりの言い分があるのだろうが、出版社が漫画家を”搾取”している構図であることは間違いない。
Win-Winの関係でない限り発展はないにも関わらず、出版社が優先的地位の濫用を続けている限り、現在のジリ貧状態はむべなるかなである。

0

Posted by ブクログ 2012年05月10日

どこまで本当のことなのか、という問題はあるにしても面白かった。

『海猿』『ブラックジャックによろしく』などで知られる佐藤秀峰さんによるエッセイ。内容自体はツイッターやWebで語られていることを、再度まとめたような感じ。語り口は面白いし、リアルな「バクマン」漫画も読めるし、なかなか価値のある本だと思...続きを読むう。

帯には「10年後も漫画はあるのだろうか?」とあるように、赤字体質の漫画雑誌の状況、出版社との契約(おもに原稿料)の不備、Web漫画立ち上げのあれこれの理想と現実……などなどが切々と語られている。特に、原稿料については大手出版社であっても口約束と搾取の構造で成り立っているようで、これは漫画という出版社の主力商品に対する姿勢としても恐ろしいことだと思った。ぺーぺーの三流漫画家ならともかく、それなりに名のあるタイトルを持つ漫画家であるなら、原稿一枚にかかる原価を計算して原稿料を出してあげるべきだよねぇ。それがなっていなかったという不思議。

要するに、ここに書かれていることは「破綻したビジネスモデルの物語」なわけで、今は例えばワンピースが大人気とかで表面上は豊かに見えても、実は空洞化が広がっているのだということが良く分かる。でも、じゃあ新しいビジネスモデルを構築しようとしても、それを一から作り上げるには漫画家一人の力量では如何ともしがたい部分があるみたいだ。新しいビジネスモデル、というのは死屍累々の上に立つ一本の棒のようなものだから、現状がダメでも誰かが新しいアイデアを生み出すかもしれない。というわけで、進んで人柱になろうという佐藤秀峰さんという奇特な人を、私たちはみんなで応援してあげないといけないと思うんだよねぇ。

将来的にはオタキングこと岡田斗司夫がやっているような、個人の企業化みたいな形態が漫画家を支えていくような気がする。ファンが毎年千円でも1万円でも払って、その金で活動するような感じ。そうなるともはや漫画家ではいられないかもしれないけれど、一つの在り方だとは思う。とにかく日本の今の状況は、漫画業界に限らず「焼き畑」的な手法が罷り通っている。今が売れればいい、今が利益でていればいい、将来のことは知らない、というような状況。これも一種のバブルではないだろうか。もっと持続可能なシステムを作ることこそ求められているのに、誰もそこに手をつけたがらない。

この本を読んでみると、日本のクリエイターが置かれている立場がいかに過酷かが良く分かる。大手でさえ売れっ子漫画家にこういう態度に出るのだから、pixivに投稿している絵師なんて十把一絡げで使い潰そうとするのも当たり前のような気がする。これまでは市場そのものが右肩上がりで問題を叩き潰すことができたけれど、市場が右肩下がりになると問題を放置することもできなくなるだろう。でも、今のシステムに乗るのなら搾取の構図から逃れられないだろうけれど、もっと広い視野に立てば、別にこのシステムに乗らなくても自由に活動できるし、それなりに稼げるようになるとは思う。

0

Posted by ブクログ 2016年01月26日

2012年現在の「海猿」「ブラックジャックによろしく」漫画家の状況あれこれ。前半は連載赤字に憤る話。後半は雑誌衰退に対し、個人で稼ぐための試行錯誤色々。

何かよく言えば冒険的、悪く言えばモメごとの多い作家さんなのは知ってた。確かに台詞や人物の無断変更は酷い(っていうか打合せ何やってたの?)。連載作...続きを読む家になりたきゃまず100万貯めろって現実も苦い(マンガ家志望の専門学校や塾では教わるのかな?)。我の強い個人的な主張を鵜呑みにするのは危険だけど、作者が憤るのも分からなくもないと思う。

反面、収入-経費=所得が原則なので税金計算違わん?とか、効率を考えて取材費のかからないテーマや作画のデジタル化、人件費の最適化など、努力はしてるのかなーとその辺書かれてないことに対して疑問に思ったりもした。週刊連載がいかほど激務か分からないし理屈屋というか職人肌ぽいので妥協は嫌そうだけど。

あと後半の交渉の不味さを読んでて、タイトル通りお金に飢えた印象、というかお金もそうだけど信用できる人が周りにほぼいなくて、フリーで不安定な人生だからこんな感じの突っかかった人なのかな~と思ったり思わなかったり。でもそこがこの人のマンガの強みと言うか根幹なんだよなと思ったり。新しい試み:漫画on webも見てみたけど、うーんー別にここで買い物しないといけない感じはなさそう。協賛企業なんかついてボチボチはやれてるのかな。

面白いかと言われると微妙。マンガ家の格差構造というより佐藤秀峰という作家のノンフィクションどっぷりという感じだった。果敢な先駆者か偏屈な道化師か。でも本当、紙の本が急落してるのは本当なので彼の七転八起ぶりには敬意を表したいと思って星3つ。

1

Posted by ブクログ 2022年05月29日

unlimitedにて。
ブラックジャックによろしくの佐藤秀峰さんが、出版業界の慣習に疑問を持ち、また出版の将来性に危機意識を持って、2000年代に電子コミック販売にチャレンジした話。
危機意識と正義感と行動力がすごい。

システムエンジニアとしては、サイト構築費用をケチったあたりは悪印象。
暗黙の...続きを読む決まり事にもいちいち口を出すし、たぶん身近な仕事相手としてやりとりすると嫌になりそう。無関係な立場から成し得た成果だけ見ると正当だしすごい、ってなる人なのだろう。

0

Posted by ブクログ 2018年09月14日

・ブラックジャックによろしく。で無断でセリフが4箇所変更。連載1話。名前変更、第5話。
→もっと漫画家の意志が入るもんだと思った。

・編集者が行った取材内容を元に書いたら、抗議をうける。編集者は代行してるだけで責任取れないという。その翌年には、担当編集者の氏名を明記し、責任を取らせられるように。
...続きを読む→自分で取材は忙しくて行けないからのジレンマ。でも最終的に編集者をまけさせてるから、漫画が売れてるからこそできる技。

・お金の話はわからない。ヒットしてるんだからいいじゃんと編集部。原稿料の定義がなされてないまま話がこれまですすんでた。覚書を交わしてようやく収穫。
→力のある漫画家じゃないとできないだろーな。

・新人漫画家に原稿料の交渉ができる人は一人もいない。
→載せてもらえるだけでありがたい所に足元見られるよね。

・小学館とは良い契約ができて感謝している。ただ、同時に出版社を通じてしか読者に届けられない挫折感。
→もうすぐ電子書籍とクチコミで圧倒できる漫画がひとつくらいあってもいい気がする。

・漫画は出版社の商品。漫画家は協力してるだけ。
→媒体が限られれば、強気にできるよね。

・電子書籍のウェブサイトで世界を変えたい!
→ここが肝ですね。ただ、作者の漫画にどこまでの魅力があるか不明確。


出版社の汚いところをぶちまけた本。想像はしてましたが、実際に漫画を書いてかつある程度の成功を積み上げた人だからこそ批判できるんでしょうか。この人もこの人でうがってる感じはあるので全部の言い分を真実とは思いがたいですが、業界に風穴を開けようとする姿勢に応援したいと思いむす。

0
購入済み

2017年04月08日

著者と出版社の関係について、考えさせられる内容でした。

0

Posted by ブクログ 2016年10月07日

漫画家の苦労。

漫画で全部書いているのかと思ったら
途中から文章。
最初にあった漫画は、Webに使った分、だそうで。

漫画家と小説家、といえば、印税で左うちわ、だと
思っていましたが、まさかの赤字だとは。
確かにひとりで書けば、時間はかかるけど丸儲け。
人が入ってしまえば、それだけお金がなくなり...続きを読むますし。

読んでいて、かなり漫画家ってしょっぱいんだな、と。
原稿料は貰えるけれど、自分の本なのに
自分の本ではないとは。
そういえば、前に勝手に使った、というニュースを
見た事があります。
それがあれだったようです。

今はそうではないらしいですが、某社は原稿命で
作者の命はうすっぺら、だったと聞いた事があります。
漫画家って、まったくもって対等ではない現実。
新人の本をカバーするために、と聞いた事がありますが
それでも…これは、きつい。

となると、小説家ってどうなのでしょう?
一人でしているとはいえ、取材とか資料とか
色々ありますよね??

0

Posted by ブクログ 2014年09月23日

「ブラよろ」が何故無料で読めたのか、これで全貌が理解できた。彼ほどの才能、ヒット作の数々を持っていても、個人の看板一つで食っていくのはかくも厳しい。メディアの電子化はフリーランスの重要な活路だと思っていたが、一概にそうとも言い切れないようだ。

0

Posted by ブクログ 2014年07月11日

漫画家の金銭的な実情が生々しく書かれているのは興味深い。
佐藤さんの作ったサイトにより、細々とでも食っていける漫画家さんが増えることを祈ってやまない。今後、「この人、漫画onWeb出身だったんだ」と言われる人が出てくるかどうか。
アシスタントの人件費が圧倒的にネックな様に思える。クラウドソーシングと...続きを読むか活用しやすい枠組み作るのはどうだろうか。
愚痴っぽいところはご愛嬌。編集も随分酷いことしてる。無許可で許諾はダメだろ。

0

Posted by ブクログ 2014年06月11日

「ブラックジャックによろしく」の著者が
出版業界から離脱し、オンライン出版へ、そして
この漫画の無料公開へ踏み切った経緯が書かれています。

いかに世の中の漫画家が不遇な立場になっているか、
出版業界の問題点やこの先の展望なども書かれています。

未だにこんな古い体質がまかり通っているのかという
...続きを読むきもありました。

ただ、この著者もビジネスというものが全く分かっておらず
結構なワガママ発言を連発。
アイデアと熱意があっても売上はたてれない、という現実に苦しむ。
世間知らずな面を自ら露呈してしまっているような。。。

目線が漫画家目線に絞られているので、
出版業界目線のこの手の本があれば比較してみると面白そう。
また、オンライン出版が今後どれだけ発展していくのかも
楽しみになってくる本でした。

0

Posted by ブクログ 2012年11月22日

ドラマ化もされた「海猿」「ブラックジャックによろしく」の作者が、漫画界を憂い自分の描きたいマンガを世に送り出すためにWEBサイトを立ち上げた過程を書いたもの。

作品へのこだわりを主張し、漫画家としての権利を訴えるために戦っているなぁという印象を受けた。
編集により作品のセリフが改ざんされたり、勝手...続きを読むに作品の二次使用が許可されていたりといった問題点や、経費を差し引くと赤字になってしまう原稿料の話などが興味深かった。

0

Posted by ブクログ 2012年11月11日

ブラックジャックによろしくの作者である佐藤秀峰氏が、自信の漫画人生を振り返り、「漫画家は儲からない仕事」と説く本。

著作権は漫画家にあるにも関わらず、編集部にやりたい放題やられ、原稿料も十分にもらえないという状況に我慢できず、今は、自信でWEBによる漫画販売を行っている佐藤氏。

漫画は日本の文化...続きを読む、と言われながらも、作成している人たちの扱いはひどくなる一方。漫画文化を守っていくためには、佐藤氏のように、新たな取り組みをしていける人が必要なのかもしれない。

0

Posted by ブクログ 2012年10月13日

既存のスキームを打ち壊そうと思ったら、こんなにも障壁があったよ、という話。
よい出版社、よい編集者、というのはいるのだと思う。しかし、ここに登場するそれらはほぼ皆、悪として描かれている。運が悪かったのか、著者がわがまななのか、実はやっぱり悪い人しかいないのか。

著者のことは、もめてWEBで漫画公開...続きを読むしている人だ、ぐらいしか知らなかったのだけど、思ったよりも骨太ではなかった。むしろ、弱い人だとも思った。弱いけれど、転びながら強くなっていかざるを得なかったのか。
漫画業界を舞台にしているけど、ことは漫画に限ったことではない。生産者と消費者の間にいろんなものが挟まってきた近代、そして挟まっているところにいる自分はどうあるべきか。どんよりした気分が抜けない。

0

Posted by ブクログ 2012年04月21日

映像化された作品は見たことがあるが、原作の漫画は読んだことがなかった。店頭で見つけて、何となく読んでみた。
漫画の現場は予想以上に過酷なのですね。

0

「エッセイ・紀行」ランキング