【感想・ネタバレ】楊家将(ようかしょう)(上)のレビュー

宋建国の英雄、楊業(ようぎょう)の愚直な生き様に胸が熱くなる!
軍人として圧倒的な力を誇る楊業は、帝の思いや政治が渦巻く国家の中で不器用なまでに軍人としてのみ戦い続け、その背中を見て育つ七人の息子たちもまた軍人として戦い続ける。
北方謙三先生による手に汗握る戦争描写と精巧に書かれる政治と世相の中、楊業と七人の息子たちは躍動し輝きを放つ!
濃厚な上下巻に訪れるクライマックスでは、熱い涙が自然と流れた。
中国では「三国志」と並ぶ人気を誇る「楊家将」の世界を是非、体験してもらいたい。

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Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。そしてアツい。
何回か目が潤んだけど、ラストの四郎の話は普通に泣いてた。
こういう歴史ものはアツいね。壮大な物語を魅せられました。あっぱれ。
初北方謙三だったんだけど、歴史小説の語り手は斯く様に在れ、と学んだ。
作者は一切顔を見せずに、ひたすらに語り手に徹する。
語彙も地に足のついたものでありながら、淀みない筆致で全く読む上で苦にならない。物語の臨場感を圧倒的な筆力で書き上げていて震えた。
戦場でのせめぎ合いもさることながら、登場人物ひとりひとりへのカメラワークと展開の仕方にとんでもなく長けていて全く冗長でない。一つ一つのエピソードが一個たりとも無駄でなく、血の通った物語になっている。
六郎の調練、そして最後の四郎の戦はマジで泣ける。
後編も大いに期待している。

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2023年03月01日

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10世紀後半、遼と宋。そこで繰り広げられる白き狼と楊家の戦い。
「夢を追う、それが男だ。」
いつもそうなのだが北方氏の本には、登場人物の中の会話の一部に、なぜか自分に問いかけられているように思わせるものが必ずある。

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2021年07月15日

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中国が舞台の歴史小説は初めてだったけど、ものすごくおもしろい。

展開が早くて中弛みしないし、人物も様々で、それぞれに特徴がはっきりあって一人一人にドラマがあって、一切飽きない。

あと半分で終わってしまうのが惜しい。。

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2018年12月12日

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「北方水滸伝」シリーズの原点。
中国の大平原を疾走する騎馬軍団の戦闘の描写は、他の追随を許さない。
文章だけで、映画やテレビをはるかに上回る迫力とスピード感が表現され、痛快極まりない。
どハマりして、気がついたら水滸伝、楊令伝、岳飛伝と、延々読み続けてしまった。
読み始めたら、貴方も北方マジックの虜(とりこ)に!

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2020年07月09日

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上下合わせて読む。楊家将演義をベースにした北方氏オリジナル作品らしい。楊業以下7人の息子達の楊家軍(宋)がと敵対する遼との対決する話。戦いを通して死に様を描く。北方氏が思う軍人の生き様が熱く書かれてた

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2014年09月03日

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歴史ロマン小説でここまで先が気になる本は、久々だった。

きっかけは経営コンサルタントの小宮一慶さんの”ビジネスマンのための「読書力」養成講座”の『不利な戦況をいかに切り抜けていくかという戦略論として、また、リーダーはかくあるべしという、ヒューマンリソース・マネジメントの書としても、楽しめます』より

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2014年02月16日

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北方さん三国志が苦手だったのであまり期待してなかったのですが、これはヤバイ。ページをめくる手が止まりません、一気読み必至。楊業のオトコ前ぶりに気絶しそう。次は「血涙」買いに走ります。

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2013年09月29日

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古本で購入。
北方節溢れる熱い作品。上下巻。

舞台は宋と遼が対峙する10世紀後半の中国。
主人公は武人“楊無敵”楊業とその7人の息子たち。

物語は楊業が元々仕えていた北漢へ宋が侵攻、楊業率いる楊家軍がそれを迎え撃つところから始まります。
その後の宋への帰順、宋帝との信頼関係、息子たちの成長、やがて始まる遼との決戦、立ちはだかる遼の名将・耶律休哥…

あとはもう読んで!おもしろいから!

「中国では三国志よりも人気の高い作品」とのことだけど、これだけの物語がこれまでほとんど知られていなかったっていうのは、不思議だな。

この北方版楊家将は、北方謙三お得意のオリジナル要素満載なわけですが、そこがまたよし。
そして楊業を始めとした登場人物が非常に魅力的です。
「漢」と書いて「おとこ」と読む。この表現がピッタリなのが北方ワールド。

下巻クライマックス、楊家の漢たちの生き様に熱涙をふるうべし。

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2013年07月22日

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ネタバレ

「北方水滸」で早々に命を散らすことになる青面獣楊志、そしてその養父の死を目の当たりにするあたりからかなり特異な光を放ち始め、挙句、続く「楊令伝」ではタイトル・ロールを演じることになる楊令。  そんな2人のルーツ(と言っても楊令は楊志の養子だから厳密な意味ではルーツとは言えないかもしれないけれど)ともいうべき宋建国の英雄・楊業とその一族の物語ということで、ついつい手を出してしまった1冊です。  全2巻のうち現段階ではまだ上巻なので話は始まったばかり・・・・・という感もなきにしもあらずですが、年代的にはこの後に続く水滸伝、楊令伝でも描かれた文官 vs. 武官の確執とか、多くの小国が建っては滅びていくその空気感みたいなものがじわ~っと漂ってくる物語だと思いました。

さて、この楊業さん、現代の少子高齢化日本では想像できないほどの子沢山で7人の息子と2人の娘がいるそうな・・・・。  そしてこの男の子たちがそれぞれ「武家の男」として鍛え上げられているわけだけど、それぞれが少しずつ資質が異なり、戦の仕方や配下の兵との接し方も違うらしい。  そのあたりの書き分けみたいなものは「水滸伝」や「楊令伝」と比較するとちょっと粗いような気もするんだけど、これは上下2巻という冊数の少なさによる部分も大きいのかもしれません。



KiKi にとって「水滸伝」や「楊令伝」が面白かったポイントに、テンポ・臨場感のある戦の描写というのももちろんあるんだけど、それ以上にそれ以外の部分(時に世論的には「中ダルミ」と捉えられがちだったみたいだけど)、特に心理描写や生活様式、生産活動やら経済活動といった周辺の描き込みの部分に魅せられたということがあったのでそういう面ではこの作品はちょっと物足りなさも感じないではありません。  武家の物語だから仕方ないのかもしれないけれど戦、戦、調練、戦という感じだし・・・・・・。

でも、そんな不満をちょっぴり抱きつつも、結構楽しめちゃったのは敵側(≒ 遼側)の描写が緻密なうえ、恐らくこの楊家軍の最大の敵となるであろう「白き狼」こと遼の名将・耶律休哥という人物が何とも魅力的だったおかげかもしれません。  それに宋という国が文治主義の国であるのに対し、遼という国が古代ギリシャのスパルタそのものの軍国家であるというあたり、この2つの毛色の異なる勢力が乱世の中でどんな風に絡み合っていくのか、好奇心をかきたてられます。

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2013年07月15日

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京劇にもなってる楊家将の話。
宗の時代、遼との攻防で名を馳せた楊業とその息子たちの戦いは熱く、兄弟(二郎、三郎、五郎を除く)たちそれぞれの個性が描かれていて面白かった。悲劇とわかっていても下巻が楽しみ。

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2013年05月20日

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「楊令伝」で消化不良に終わった北方さんでしたが、以前に書かれたこの作品はいいです。水滸伝を髣髴とさせます。いつも書いてますが、魅力的で強い敵を書くのが北方さんは本当にうまい。この話ではそれが耶律休哥。楊家軍団と彼の軍団の戦いがどんどん盛り上がってきて後半に続くですね。

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2013年01月27日

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三国志の後、楊家将へ。

相変わらず武将の生き様がかっこいい!あんな風に生きられればなぁと思う。やっぱり戦の書き方が秀逸。情景が浮かぶ。この頃簡単に万単位の兵の数が出てくるがどんなもんやろう?・・・想像がつかん・・・

下巻での楊業と耶律休哥のライバル争いが楽しみ。六郎の活躍に期待!

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2012年11月29日

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面白い!!!
上巻では、軍人楊業と7人の息子が宋に帰順し愚直に立ち向かう様を描いている。負け戦から殿を選び敵に包囲されていくところで終わる。
んん~・・・下巻が待ち遠しくもあり今後の展開にハラハラ。
氏の本は初めてですが、男の強さ弱さを書かせたら秀逸ですね。

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2012年11月02日

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楊業と7人の息子たちの戦いを描く。これが全員個性的で面白い。戦の描写も臨場感がある。なにより楊業の存在感がいい。さくさく読める。

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2012年02月14日

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「水滸伝」(全19巻)を読み終え
「楊令伝」へ進むための繋ぎとして軽い気持ちで手に取ってみた。

…が、これが思いの外面白くて。
「三国志」「水滸伝」と並んで今年のベスト本にランクインしそうな勢い。
もはや北方さんのファンになりつつあります(笑)

宋に帰順した軍人・楊業と7人の息子達の戦いを描いた作品。
7人もいたら描き分けが難しそうなものだけれど
皆個性的で誰一人として同じ印象の息子がいない所が凄いなぁ。

皆の頼れるお兄ちゃん・延平、心に暗いものを抱えた四郎。
どこか茫洋とした六郎、直球勝負の戦上手な七郎。
そして特筆すべきは父親楊業の存在感!

とにかく戦の描写が、臨場感溢れていて素晴らしかったです。

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2011年12月31日

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ハードボイルドな作品です。

楊家の人はとにかくかっこいい。
生き様といい、考え方といい。

最後の戦の場面はホントに泣けます。
器量が違う。昔の人は。

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2011年10月14日

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北から中原を狙う遼は燕雲十六州を奪い取り、さらに南に進出しようと機を窺っていた。北辺を守る『楊業』と七人の息子の前に、遼の名将「耶律休哥」が立ちはだかる。白い毛をたなびかせて疾駆する「白き狼」と楊家軍の力と技のぶつかりあい。終章は何度読み返しても泣かずにはいられない感動の名作。北方謙三の真骨頂、滅びの美学満喫。

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2011年09月24日

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1000年前後の中国宋・遼をめぐる戦いの話。
戦の描写が細かく、戦術のぶつかり合いが手に汗握る。
続きは下巻で。

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2020年05月04日

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北方さんらしい、というか、らしすぎる作品ですね。
まずは登場人物の格好良さ。
主人公の楊業もそうですが、その息子達、特に長者の趣のある長男、ニヒルだけど奥に熱いものを持つ四男、人情厚くしかも知的な六男、天真爛漫な七男など、魅力的な人物が次々出てきます。ライバルとなる白き狼・耶律休哥も良いですし、更には遼の文官・王欽招吉でさえ格好良い。オンパレードですね。
続いては戦いのシーン。
なんだか全編戦闘シーンと言う感じさえするほど多いですね。それが何時ものようにダイナミックで迫力がある。戦術レベルの記述中心で、個々の戦いが少ない分、残虐性は余り感じない。
とは言えね、ちょっと”らしさ”が出過ぎかな。
戦闘シーンが多い上に、上下二巻では収まりきれないほど人物がでてきてしまいまうので、個人に割り振られたページ数が少なすぎるように思えます。その分、書き込み不足と言う気もします。

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2017年10月30日

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ネタバレ

楊家の武人たちが、政局の思惑が入り乱れる中にあっても、武人としての誇りを最後の最後まで貫き通す。物語にはつきものであろう「愚将」との対比効果もあるんだろうけど、その凛とした生き様がとにかく格好良い。読み終えた後には、なんとなく背筋がシャンと伸びるような一冊。爽やかな読後感が欲しい人にお勧め。続編も読んでみたいな。

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2016年10月06日

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多かれ少なかれ、歴史物語は似るものだし、中国という枠組みで括れば更に似ていく
それを北方謙三という作家の作品にしていけば、やはり似通っていくのは、致し方ないのかもしれない
楊家将(上)を読めば非常に面白い。ただ、ふと冷静になった時に、北方謙三の作品に共通されるものを、時と所と人物を替えて描かれているだけではないか、という疑念。面白いが故の疑いが頭をもたげた
しかしおそらく、本当の意味での、楊家将ならではの面白味が、きっと(下)に待っていると期待している

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2016年02月05日

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ネタバレ

後代十国時代末期、北漢に仕える楊家の物語。

楊家の長、楊業とその7人の息子たちが活躍する。

登場する人物たちの人物像がしっかりしており、物語もとても読みやすいです。戦いの様子もわかりやすいし、登場人物の変化なども丁寧に表現されています。敵・味方だけでなく、様々な登場人物の視点から物語が進められるのも、面白いと思いました。

楊業とその息子たちの間に信頼感があるのが、とても読んでて気持ちが良かったです。
主人とその家臣の関係も見ていて小気味よい。

四朗と太后の娘との関係がどうなるかが気になります。
個人的には六郎が一番好きかも。

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2013年10月23日

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北方謙三の「三国志」、「水滸伝」、「楊令伝」を読み終わってから読んだ。

水滸伝のプロトタイプのような位置づけでもあり、楊令伝へと続く「原野での騎馬戦」が手に汗握る、戦う男たちの物語だ。

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2013年06月03日

Posted by ブクログ

熱い漢達の闘いの序章の物語。
国の威厳をかけて、先代からの悲願を果たさんとする
帝と、その絵の実現のために、文字通り命を懸けて闘う
武将達の闘い。

圧倒的な力同士がぶつかりあったときに、
そのレベルについて来れないような
足を引っ張る味方がいないことがどれだけの
差を生むか、また、直接の対決で
負ける」ということに対して、どれほどの
憤りを持ち、矜持を保つための形で見返すのか。

あくまで、物語の序章だけれど、
己が掲げたもののために闘う、という姿勢が
如何に誇り高く、如何に儚く、美しいか、を
感じることができる本。

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2013年01月31日

Posted by ブクログ

水滸伝、ヨーレー伝がそれぞれ文庫版でも完結して、次の岳飛伝は単行本で刊行中。文庫版になるまでまだ時間かかりそうだから、その合間を使ってってことで、たびたび話題にも出てくる楊家将を読むことに。これはまだ宋の黎明期の話で、やっとこさ中華は統一されたけど、外部に遼って難敵を抱えてて、まだまだ安寧には程遠い、って時代背景の物語。岳飛伝の時にも思ったけど、ただひたすらお上のために戦って、でも優遇されずにこき使われて、みたいな人を英雄にするのが好きですね。内容的には、さすが北方作品だけあって、少し前に読んだ岳飛伝・翻訳版よりずっと楽しめるけど。

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2012年11月11日

Posted by ブクログ

厚い。熱い。アツイ。
楊業、ここにあり。序盤は六郎の成長シーンが非常に良かった。物語は怒濤の下巻へ続く。

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2015年04月11日

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やっぱり北方謙三の中国物はおもしろいねえ。
理屈抜きで。
教練を説明に使うのはうまいな。実践だとすぐにインフレーションを起こすけど、教練だとそこがうまいことできるし、感想戦もできるし。

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2018年04月24日

Posted by ブクログ

久方ぶりの北方作品。やっぱり初期作品だけに荒削りで、三国志、水滸伝みたいな奥行きには欠ける気がする。でも、その分、混じり気はなく、純度100%。気圧される面白さはさすが、北方ハズレなし。

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2013年02月12日

Posted by ブクログ

読みやすい。
つるっと読める。
これがハードボイルド時代小説かと。
当時の中国の時代背景等全然勉強にできないが(宮城谷の本は大分勉強になる)まさに大衆娯楽小説といった感だ。
かっこいい男が書きたいんだ!という意思がびんびん伝わってくる。
なんだか、息抜きにいい気はするので、下巻もつるっと読み進めてみる。

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2015年07月14日

Posted by ブクログ

北漢の武将 楊業とその子供たちの話。
前半の、楊業の武人らしさは、もどかしい部分もあるが格好いい。
子供たちに関しては、それぞれの成長について書かれている。

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2013年04月20日

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