あらすじ
死んだあなたに「とりつくしま係」が問いかける。この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ、と。そうして母は息子のロージンバッグに、娘は母の補聴器に、夫は妻の日記になった……。すでに失われた人生がフラッシュバックのように現れる珠玉の短篇小説集。
読み終わった後、大切な人に自分の想いを伝えたくなる…
切なくも、優しい気持ちになれること間違いなし! の10話から成るショートストーリー。
この世に未練を残したまま、生涯を終えた人の前に突然現れる『とりつくしま係』。
主人公たちは『とりつくしま係』との契約により、大切に想う人の近くで
なりたい“モノ”として存在し、もう1度だけこの世を体験することが出来るという。
愛する家族、憧れの先輩、お世話になった人達の元へ“モノ”として戻った主人公たちは、
残された人たちと再び時間を共有していく…
作者の一つ一つの言葉選びが絶妙で、“モノ”目線で見る世界も新鮮で良い。
また一話ごとに語り口が変わり、主人公から放たれる言葉や感情が心にスッと入って来ます。
タイトルだけではストーリーの想像が付きにくいですが、
目の前にある細やかな幸せと人を大事に想うことを再確認させてくれる素敵な一冊です。
感情タグBEST3
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ずるい!!「ロージン」から始まるなんて、ずるすぎる!!こんなの泣いてしまうし、この小説が大好きにならざるをえない!!
という感じで、とっっても良かった。
「日記」もとってもよかったし、「くちびる」も可愛かった。
Posted by ブクログ
死んだ人の魂がモノにとり憑き遺された人の生活を覗く話。短編11編
とてもいい。映画化時にすごく売れた本。失ってから気づく大事なものがたくさん詰まっていて短編なのにどれも心がぎゅっとなる。私は誰の何に取り憑くだろう、時を惜しんで大切な人に会いたくなる
2024年に映画化。
動かない物に憑依するのは不思議な感覚、描写なのですが、死後の世界を面白く想像出来る本です。気分が落ちているときに読むと心を優しく救い上げてくれます
Posted by ブクログ
めーっちゃ良かった。ほっこり、泣ける部門で下半期ベストに入ってくると思う。文体もものすごく好みだった。ずっとうるうるしていた。
亡くなった人が無機物にとりつく。大切な人のすぐそばにある無機物に。無機物だから、こちらの声は届かない。
自分は亡くなっているから、大切な人にとっては過去になって、大切な人は少しずつ新しい環境に慣れていく。切ない。でも亡くなった側からしたら嬉しいのかな…。
特に好きだったのはロージンと青いのとマッサージと日記かなぁ。子供が出てくるのには弱すぎた。親目線も子目線もしんどいて。泣くて。
私がもし先に亡くなったら、なんにとりつこうかなぁ。我が家のフェイクグリーンにでもなろうかしら。娘と夫をずっと見守りたいな。
Posted by ブクログ
東直子さんによる文庫版あとがきより引用します。
P206~
前略
「とりつくしま」とは、命をなくした人がこの世に戻ってきて魂を宿すモノのことをそのように呼びならわすよう設定したのですが、「とりつくしま」を考えるということは、死んで間もない人のことを考える、ということになります。誰でもその身に潜ませている「死」を考えることでした。実際に書きはじめる前に、頭の中で、なんらかの未練を残して亡くなった人を想定し、さらにその人が生前一番大事に想っていた人のことを考えました。物になって大切な人に再会した死者たちが、どんなことを呼びかけたいと願うのかを。
後略
全十一話の連作短篇集なのですが、全話がとてもいい話ばかりで、どれがよかったかは選べないので前から順番に三篇挙げると
「ロージン」
ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。
これはもう切なかったです。
「トリカラトプス」
夫のお気に入りのマグカップになった妻。
これはちょっと最後にスカッとするいい話でした。
「青いの」
いつも遊んでいた大好きなジャングルジムになった男の子。
優しい優しいお話で涙が出そうになりました。
全部の話がよくて、はずれは一話もありませんでした。全部説明したいくらいですが。
この本は明日、作者の東直子さんのオンラインの講座に出るために少し前から積んでいたのですが講座の前に拝読しておけて本当によかったです。
歌人としての東直子さんの歌集や詩集はほとんど拝読していましたが、小説は初読みでした。
歌人という個性を活かされた、どこの誰とも違う個性的な作風に思えました。
天は二物も三物も与えられるのですね。
講座に参加するのは昨年の穂村弘さんの対面講座以来で一年ぶりです。
明日の講座がとても楽しみです。
何だかドキドキ、ワクワクします。
Posted by ブクログ
死んでしまったら、「今日」が終わる。
本当にあっさりとした短編集なのに、しっかり辛くなったし、あたたかい気持ちにもなった。
特に「日記」「マッサージ」では感情移入しすぎて、涙が止まるまでの数分間は次に進めなかったほど。その次の「くちびる」はまさに中学生の青春で、ほっこりしつつ落差にバグった。笑
各編の最後の文が心に浮かんで、そこから死者の代わりに綴ったというあとがきを読み、東直子さんのことが大好きになった。
生きていく勇気をもらいました。
Posted by ブクログ
朗読劇で知ってから原作を読もうと購入。こんなにも原作が朗読通りだったとはと衝撃。作者が歌人なので必要な分だけそり落とされた言葉たち。でもまるで1人1人が語っている様な文体に心奪われました。短編でここまで書き分けられる人がいらっしゃるとは!東さんのご本、もっと沢山読みたい!!と魅力にとりつかれてます。
どのお話も好きだけれど
特に「名前」と「レンズ」はキラキラした希望の中で終わる感じが優しくあたたかい光が見えて好きでした。
逆に「青いの」と「ささやき」は辛かった。
私は何にとりつきたいかなと考えながら読み進めて、母の眼鏡かなという結論に。
そう考えてるうちに、「今」ときちんと向き合って惜しみなく生きようと思えました。
Posted by ブクログ
死んだ後に未練が残る人に「とりつくしま」係が
現世でモノにとりつく機会を与える。
死後というのは分からないもので、モノに命ありというのはもしかしたら死後の魂!?と、そんな観点で見ることも自由だ。
全てが死者の思うように進むことはないし、死者が生きているひとに干渉することが正しいかといえば疑問だ。
ただ、少しのきっかけが救いになることもある。
そんな、少しだけやさしいおはなし
Posted by ブクログ
あらすじを読んでいわゆるファンタジー的な小説かと思いきや、とても現実を再確認できる本だった。
死者から見た現実の世界、モノから見た現実の世界という体験することの出来ない視点2つを絡み合わせた作品で、当たり前がいかに尊いものかを感じれた。
このような追体験ができる本は読んでいて物語の中に入り込むような感覚になるのでありがたい
Posted by ブクログ
何にとりつきますか?
ときかれてもちょっと困る。
『木』がいいなと、思ったけれど命があるものはダメらしいです。
このお話しではそれぞれの死んだ人が色んな物にとりついていていました。
だいたいのお話は切ないもの。
でも中には温かい涙が溢れるものもあったりして。
死後の世界の話しでも暗くないし怖くないし良いお話しばかりでした。
さて、私なら何にとりつくことにしましょうかね?
(Word)
たとえほんとうに欠点があったとしても、それは、、気づかない人にとっては、欠点にならずに済む。だから、欠点なんて知ろうとしなければよいのだ。
Posted by ブクログ
ふんわりと包み込むような世界。死んでしまってちょっと後悔はしてる。後悔していいんだよ。大切な人の元に戻って言いたいことがある、うまくは伝えられない。それでもいいんだよ。
Posted by ブクログ
心にじんわり染み入る作品集だった。
悲壮感というより心温まる感じがした。
「ロージン」
勝ったか負けたか、どっちでもいい。確かにそうだと思った。
「白檀」
香ってくる話だった。美しい。
「マッサージ」
最後の美穂の言葉にぐっときた。
Posted by ブクログ
とりつくしまってどういうことだろう?から始まる読書体験。白檀が1番好きだった。ロージンもレンズもトリケラトプスも名前もお気に入り。
わたしがなにかをとりつくしまにするなら、何にするだろう。心があたたまり、自分を振り返る、少し切ない良い書でした。
Posted by ブクログ
死んでしまったあと、生命のないものに『とりついて』大切な人の近くにいて思い遺したことを見ているというお話。
11のお話です。
第一話の『ロジン』が切なくて、でも潔い感じがしました。
夫に思いを遺して、マグカップになるお話は…この先もずっと見ていかなきゃならないのはしんどいかなと思ったり笑
それぞれの大切なモノになるのは選択によっては、辛い思いもしそう。
私だったら何に『とりつこう』かなぁ。。。
でも、死んだらどこからでも見ていられると勝手に思っていたけど。。。
やっぱり死んだら見られないかぁ…。
その日が来るまで、一日一日を大切にしていこうとあらためて思った。
周りにいる人が愛おしく思える一冊でした。
Posted by ブクログ
気がついたら「とりつくしま係」に話しかけられている。モノになってもういちど、この世を体験できるらしい。
残してきて気になる人のモノになる。その視線から色々な体験ができる。もしもそうなったらいいのにという気持ちを味わえる短編集。
私は、白檀の扇子と日記になった物語が潔くてよかった。
ロージン、トリケラトプス、青いの、白檀、名前、ささやき、日記、マッサージ、くちびる、レンズ、番外編びわの樹の下の娘
Posted by ブクログ
私なら…?そう考えてみる
いやだなぁ
何にもとりつくしましたくないな
死んでも尚、辛い思い哀しい思いしたくない
ロージンのように無くなれば終わりなら、まだ救いがあるけれど そうでないものたちは、いつまでとりつくしまなのか…
わたしのまわりにも、とりつくしまがいるかも知れないのか
皆さん、どうか安らかに。
Posted by ブクログ
ロージン
トリケラトプス
青いの
白檀
名前
ささやき
日記
マッサージ
くちびる
レンズ
番外編 びわの樹の下の娘
ーーーーーーーーーーーーーーー
東直子さん初読み。
死者が現世に戻り何か物に取り憑いて、もう一度会いたい人の元にかえったら…という心惹かれる設定。
あらすじを聞いて、勝手にドラマチックなストーリーを想像してしまいましたが、いい意味で地味に落ち着く短編集で、一章ずつじっくり読みました。
大竹さんの解説を読んで。
確かに死者といえば怨念渦巻くどろどろと暗いものだと第一にイメージするが(ホラー好きなこともあり)、この作品は明るくて少しサラッとしている気がします。
全てがすっきりと感動するだけのお話ではなく、かわいそうだったり気持ち悪かったり、バラエティ豊かなお話もあったりするところがリアリティを感じました。
個人的には白檀、日記、マッサージが好きでした。
きっと自分も死んだら残してきた人たちに前に進んで欲しいから。。。
Posted by ブクログ
死んだら、モノに取り憑ける。
大切な人が大切にするものに。
好きな人が大好きなものに。
自分の思い入れの強いものに。
生まれ変わるのではなく、取り憑く。
その人が使ってくれる時だけ、一緒にいられる。何もできない。ただそこにあるだけ。
モノだから、使い終わって消えてなくなったり、しまい込まれたり、売られたり、使われなくなったり、捨てられたり、その行方はそれぞれ。
モノの視点からの物語。取り憑く側も老若男女さまざまで、お話によって好き嫌いはあるだろうけど誰が読んでも何か引っかかるものがある短編集だと思う。
私は、息子のロージンバッグになったお母さんの話、年上の師匠に惚れて弟子入りまでした女性の話、カメラになったおばあちゃんの話が好き。だけど、親に捨てられた補聴器の人の話や新婚さんのマグカップの話も不思議と心に残る。ああ、モノになってでも側にいられるって幸せなだけじゃないんだ、モノになるってこういうことなんだって突きつけられる。
私は死んだらどうしましょうか。
子供はあと数年で出ていくだろうし、1人でいる旦那を見守っててもなぁ…
死んだら私は、家族じゃなくて、なんかこう、生きてたら行けない世界を見られる何かになりたいな。
Posted by ブクログ
帯で書かれているほどの感動は感じられなかったけど、やさしくていいかおりのする、ちょっぴり切ない物語がたくさんあった。扇子が好きかも。
いまは自分のとりつくしまを思いつけないので、また忘れた頃に読んで考えたい。
Posted by ブクログ
一編一編詩のような軽やかさで、スッと体に入り込んでくるような読み心地。笑えたり、泣けたり、短いお話しの中で感情を揺さぶられました。自分が死んだあと、どんなモノにとりつくか。モノとしての人生もあれやこれやと考えながら読みました。
Posted by ブクログ
死んだあと、モノになって会いたい人の側に
いける橋渡しをしてくれる「とりつくしま係」。
現世に戻った人達が、必ずしも幸せになって
ないのを目の当たりにして
あー未練など残してはいけないのだ。
と、つくづく思った。
それを踏まえて、はて自分なら何になる?
と考えた。
私なら、ネコのお気に入りのブランケットに
なって、一緒にうたた寝をしたい。
なんと平和なことか。
Posted by ブクログ
亡くなった人の魂が指定した無機物にとりつき、この世に戻ることができる。ある人は母親の補聴器に、ある人は夫のマグカップに、ある人は公園のジャングルジムに。そして、自分がいなくなった後の大切な人の生活に触れる。気になることはあっても声に出すことはできず、もちろん行動することもできない。ただ、見て聞いているだけ。もう何もしてあげられないもどかしさもあり、見えなかった一面が見えることもあり、切なさや哀しみ、温かみが交錯する。
Posted by ブクログ
とりつくしま。残された家族を見守りたいが故に、縁のある物に移ることで進むストーリー。
自分の経験からは寿命を全うするよりも、圧倒的に突然死んでしまう方が多い。(それが寿命だと言われれば、何も言えんが。)
仮に今自分が亡くなり、とりつくしま係があったとして、何になろうと思うだろう?ふと残される側より、先立つ側にいるということを考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
この世から亡くなり、何か物にとりつく事ができた短編集。
ロージンとして側にいる事にした母のお話しにはホロリときました。
全体的に切なくホロリとくるお話しでした。