浮世絵研究家としても知られる、高橋克彦氏の著作。
氏はたびたび、荒唐無稽とすら思える超古代文明やそれにまつわる神やUFOなどの考察を書かれているが、オカルトブーム真っ只中で刊行された本作がそういった側面を期待されていなかったと言われれば嘘になるだろう。
確かに、偽書論争を巻き起こした「東日流外三郡誌」など、眉唾とも思える書物をもとに論拠を組み立て、ストーリーを形作っている部分もあるため、すべてを信じることはできない。
しかし、実際に読み進めていくと、もしかしたら…と思わされる箇所にぶつかることになる。
もしこれがばらばらに組み立てられた論拠であれば、その箇所のみ切り捨ててしまえばいい。
だが、巧妙に論拠につながりを持たせているため、それもできずにいつの間にか丸め込まれてしまい、作品に引き込まれていく。
ぜひご一読いただき、それが嘘でないことを確かめてもらいたい。
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Posted by ブクログ 2010年02月20日
小説ってのは、どれだけ読み手に
「読んでいる時間、嘘を信じさせるか」
ってのがキモなんだろうと信じて疑っていない私の原点。
とにかく嘘が鮮やかすぎる。
冷静になると「んなアホな!」と思うんですが
読んでいる間は頷いている不思議!
Posted by ブクログ 2009年10月04日
とにかく面白い。
すっごくハマッて、何度読み返したかわからないくらい大好き。読み出したら止まらない!!
「神話」「SF」「ミステリー」「遺跡」・・・私の好みが全て詰まったツボ中のツボ!
作者の推論がかなり入ってる(そこが面白い!)ので、「神話」が好きで頭の軟らかい人にはかなりオススメ!...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
世界各地に散らばる龍伝説の謎を追い求めるうちにとんでもない仮説が実証されていく!!
第1巻はヒノモト編です。
津軽、諏訪、出雲を旅し龍に近づくにつれある組織が妨害を企ててくる!!そしてついに龍に辿り着いた!?
Posted by ブクログ 2019年02月24日
竜の正体を考察したり、記紀に新たな解釈を加えたりと、高橋氏が自由に遊んでいる感じがして面白い。高橋氏といえば東北の歴史のスペシャリストだという印象が強かったのですが、出雲もこんなに詳しかったのは東北人のルーツとして研究したからだろうか。
出雲で一行が訪れた神社は自分もほぼ行ったことがあるので、情景が...続きを読む目に浮かんできて楽しく読めました。この調子が全4巻まで続けばいいな。
Posted by ブクログ 2015年06月17日
古事記や神話を元に『竜』そのものの正体を明かしていく話。
竜=ロケット。
神様=宇宙人。
こう書いてみても、は?何それ?な感じなのですが、いやいや私も虹人(主人公)の解説に洗脳されました。
滑稽無糖な説の様に見えるのだけれど、
いつの間にか、もしかしたら本当にそうなのかも知れない!と思えてしまうか...続きを読むら不思議。
古事記の内容をほとんど知らなかったので、
調べ調べ読み進めました。
こんなの嘘に決まってるじゃん!馬鹿馬鹿しい!と思ってしまうと多分興醒めして読み進めるのが難しくなると思います。
こんな説もあるのか、こうだったら楽しいな
と思いながら読むと、きっとワクワクすると思います。
Posted by ブクログ 2011年11月30日
現代科学では解明できないオーパーツなどに
興味がある人はおもしろく読めると思う。
かなりぶっとんだ仮説(物語?)だけど
そんなことがあってもおかしくないかもと思わせる筆力。
もう一度読み返す気だったけど、
長さを思うとついあとまわしになってしまう・・・
全6巻。
1)聖邪の顔編、2)ノアの方...続きを読む舟編、3)神の星編、
4)約束の地編、5)心霊日本編、6)交霊英国編
Posted by ブクログ 2010年10月09日
第1部。
古代,日本を支配し,神と崇められていたモノはいったい何なのか。
その正体を求め,日本ピラミッドのある東北津軽~中国地方を旅する。その中で次第に明らかになっていく竜の存在。古代,出雲の国でスサノオや大国主命と言われていた神とは何者なのか。神話は本当にあった話がしるされているのかその謎を突き止...続きを読むめる主人公九鬼虹人は架空の人物だが,実際の遺跡など,著者の綿密な調査をベースに仕上げられている。(第1巻)
そして,竜の正体を突き止めるため,虹人はインド,パキスタン,トルコに向かう。そこではパキスタンのモヘンジョダロ遺跡は実は古代核戦争の跡なのだということを遺跡からの出土品,ヒンズー教の神などをもとに論証する。そして,トルコのアララト山を目指し,聖書に記されているノアの箱舟を探し当てる旅に出る。その目的は,神がエイリアンだったということ,ノアの箱舟はUFOであることを証明するためである。ノアの箱舟はいわゆるUFOで,神と崇められていたモノは,科学技術の発達した惑星から来た宇宙人だったら,一番困るのは,宗教の権威者である。自分たちが神とあがめているものが実際はエイリアンだったとしたらしゃれにならない。精神の拠り所を失うと言うことだ。このため,ローマン・カトリックの手先達が虹人がノアの箱舟を探し当てるのを阻止しようと試みるが,失敗し,遂に虹人達はノアの箱舟を発見する。そこから新たな旅が始まる。(第2巻)
Posted by ブクログ 2009年10月04日
ノン・ノベルで読んでいたけれども、カヴァ無しなので講談社で。
壮大な、壮大過ぎる「竜」を巡る物語。
もの凄く長いけれど、難しすぎない文体なので気軽に読み進められる。
高橋克彦の良いところは、難解すぎないことじゃないかなぁ。
荒唐無稽な感も漂うけれども。
ノン・ノベル版読者なので、講談社のは続編ま...続きを読むで含んでるのかどうかが謎だが、ラストは苦しさとじんわり感があったな……。
Posted by ブクログ 2009年10月07日
伝奇もの?、かなり壮大に描かれている。
もし今読み返したら、いろいろつっこみたくなるだろうが中高生あたりで読むと楽しめるんじゃないだろうか。(別に大人向けじゃないと言ってるのではなくて生半可に知識があると、その説は無茶すぎ。とか言いたくなるかも)
Posted by ブクログ 2019年09月16日
日本史のロマンスを追いかけているようで、そこへ謎の組織が関わってきて、やり合っているうちに、とんでもないものを発見ー高橋克彦氏のいつものパターンかな。面白いんだが、いつの間にやら、呆れちゃったり、苦笑いになったり。歴史の探求のほうに重きを置けば、また違った小説になるとは思うが、この伝奇性が高橋氏の持...続きを読むち味なんだろうな。