【感想・ネタバレ】BG、あるいは死せるカイニスのレビュー

あらすじ

全人類が、生まれた時はすべて女性、のちに出産を経て一部男性に転換するという特異な世界。天文部の流星観測の夜、わたしの姉・優子さんは、何者かに殺害される。男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の優子さんが、どうして殺されたのか? さらに期末試験が終わった日、優子さんの後継者と目されていた小百合までも殺害されてしまう。捜査の過程で次第に浮かび上がる“BG”とは、果して何を意味するのか。そして二人を殺害した人物は? 気鋭の著者が放つ、破天荒な舞台と端正なロジックを堪能できる学園ミステリの意欲作。

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全人類が生まれた時、すべて女性だったというマジカルな世界観に意表を突かれました!作者である石持氏は、宇宙人が主人公の『暖かな手』や、特殊能力を持つ人物が登場する『ガーディアン』など、意外性に富んだ推理小説を描く作家として有名です。本作はその極めつけで、物語の前提となる世界観をまるごとひっくり返してしまった超意欲作。
この作品中の男性は、一部の優秀な女性が出産後に転換することで誕生します。主人公の「わたし」は男性化候補の筆頭で、学校のみんなから慕われていた姉・優子殺害の謎を追ううちに、「BG」の秘密に触れ、事件の深みにはまっていきます。
突飛な設定とキーワードを駆使して、読者をラストシーンまで引っ張るパワーを持った一作です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

人が皆XX(女性)で生まれ一部の人がXO(男性)に性転換する世界。本格ミステリのようなハウダニットを問うことはなかったがちゃんと読者にもフェアな内容で楽しめた。あと読む前に予想していたよりもSFしてて嬉しかった。ちゃんとストーリーに絡めてあってただの舞台装置じゃなかった。

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2016年01月31日

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性転換が人為的な操作で行われるというSFチックな世界観で描かれるミステリ小説。
ミステリだけでなく世界設定だけで楽しめるし作者の文章はとっつきやすいので勧めやすい作品。

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2014年12月03日

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女性しか生まれず、優秀な人だけが性転換によって男性になるという世界。そんな世界で起こった殺人事件・・・。とてもおもしろく、すらすら読めた。とてもよかった。

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2014年05月22日

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面白かったです。
楽しめました。
まず、設定にビックリ!石持ワールド全開です。
ラストも驚きました。小説の中だけのありえない話なんだけど、
リアルな世界にもちゃんとつながっていて、おもわず、唸ってしまいました。

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2010年01月13日

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全ては女性として生まれ、
その中で一部が男性化するという社会の話。
ある日、男性化筆頭の優等生の姉が誰かに殺される。
乱暴をされた形跡。
女性が多い社会。
女性が男性をレイプすることはあっても、逆はありえない社会。
寝台列車の中で読んだ。

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2010年01月02日

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おおお。面白かったです。
生まれた時はみんな女で、後に一部が男性化するという世界でのミステリ。
設定は変わってますが、普通の感覚で読めます。
その世界ならではの謎が散りばめられていて、非常に面白かったです!

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2009年11月29日

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ミステリと言えば十分ミステリなんですがパラレルワールドなのに違和感なく、ある種青春もの。
読んで損はなし。石持さんは凄い。

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2009年10月07日

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ネタバレ

生まれた時は全員が女性で、その中で優秀な女性が男性へと変わる、という世界での話。
BGとはなんなのか、なぜ男性化筆頭の優秀な姐が殺されなければならなかったのか、先が気になって終盤は一気に読んだ。
世界観が独特なので、なんとも説明しづらいが、読めば、石持先生作品の中でもライトな部類だと思うので、読みやすくはある。
ただ、設定を受け入れない人もいるかもしれないので、万人に薦めるかというと、ちょっと難しいかな…というのが、なんとも悔しい。

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2023年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。生まれてくるのは全て女性で優秀な人のみ男性化して女性と結婚し子どもをもうける、という独特な世界。その男性化候補筆頭だった姉が殺され、妹の遙がその理由を探っていくという話。男性化する条件や、その条件にあてはまらず突然急激に男性化するせいで発症する病、BGというキーワード等、殺人の謎のほかにいろいろと興味をひかれました。
殺人の動機も、どこかもの哀しいものがあり、男性化した人は優秀だから優遇されているという認識も、別な側面からは違うように見え、何が人間の幸せなのだろうと考えてしまいました。

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2018年07月25日

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女性の中で優秀な人が「男性化」する社会。生まれる人類は全て女。
創造するだけぞっとする、なんかよしながふみの大奥みたい。
あれれ、読み終わってから時間経つとなかなか思い出せなくなってしまう内容、でもすらすら読めたミステリ。
この作者さんは性別にチャレンジするのが好きなのかしら。

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2011年03月17日

Posted by ブクログ

特殊な世界観の中での話しなのでそういう世界なんだからと思えば
なんでも許せるんじゃないでしょうか。

なかなか面白くドキドキしながら読めました。
あまり期待せず読んだ分、余計に評価が高いです!

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2010年05月12日

Posted by ブクログ

不思議な本だった。



そもそも設定が不思議。
全ての人類は、女性としてしか生まれず、その中で、
優秀な人のみが『男性化』という性転換を遂げる。
しかも、男性化するためには原則として処女ではいけない。

だから、自分の父親は、姉の母親でもあるとかいう、
不思議な家族が成り立つ。

その世界では、男性は生物学的に『優れている』とみなされる。
たいした仕事でなくても、高給をもらえるが、
逆に要職は女性で占められる。
少子高齢化対策のために、男性は
『暇と金を与えるから、その代わりに沢山の子供を作りなさい』
という役割となっている。
男性にとって、性行為はある種の義務でさえある。

そんなわけで、その世界では、相手の見つからない女性が
男性をレイプすることはあっても、その逆はない。

そんな中で、殺人事件が起きる。
被害者は主人公の姉。暴行を受けた跡があるものの、
性行為の跡はない…

物凄ーく変な前提条件の下で、
原理的に変な事件。
でも、それは逆に、
『じゃあ、現実はどうなの?』という問いを与えてくれる。
現実は、人それぞれの捉え方次第という気はする。

多分、15年位前までは、『男は外で働いて…』
見たいな論理があったと思うが、
実感として、今はなかろう。
少なくとも、私の会社では、昇進に男女の差は
さほど感じなくなってきたし、
この歳になっても、共働きじゃないと生活はきつい。

そうなると、それぞれの場面で、
『男だから』とか『女だから』といった理由での
役割分担は限られ、その場『その場で出来る人がやる』
という風になってきて、後は、本当に、生理的な部分しか
変わらなくなってくる気がする。



それはそうと、著者の石持浅海という人。

生年月日   ★1969年
出身地    ★愛知県
 九州大学理学部を卒業後、食品会社に勤務。
 2002年4月 Kappa One 登竜門 「アイルランドの薔薇」にてデビュー。

ということなんだけど、その人自身も謎の人で、
色々調べたが、そもそも男なのか女なのかさえも不明である。

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2010年04月15日

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全ての人間は女性として生まれ、優秀な人間が男性へと自然に性転換するという世界設定。
特に優秀な男性「BG」の話を中心に、主人公の少女がそれに巻き込まれていく話。
世界設定が面白い。そこで繰り広げられる話は幾分単調ながら、少なくはない登場人物がみんなキャラが立ってて、楽しめました。

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2010年03月07日

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人間はすべて女性で生まれ、やがて一部の人間だけが男性になる世界。
そんな特殊な世界で起こる殺人事件。
「男性化」筆頭候補の優秀な姉を持つ主人公。その姉が殺される。

特殊な世界観が面白かったです。
その世界を説明するのに「授業」という形をとっているので、わかりやすいし。
単に殺人事件で犯人が捕まっておしまい、というのではなくて、どちらかというとそれはおまけで、ちょっと異常な世界にオチがつくのも面白かった。

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2009年10月04日

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生まれた時はみんな女、出産を経験してのちに男に変化するのが常識の世界。
主人公の遥と異母姉妹で男性候補の優子が殺される。
なぜ死ななければいけなかったのか、優子の秘密とは何か。
男になってしまった女性たちと、それを厭う女性たちの水面下の苦しみが遥を襲う。
人工による優秀さを望むもの、あたりまえを望むもの、男性からの女性への不理解がまとわりつくミステリ。

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2009年10月04日

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奇想天外な舞台設定がすごいですね。そしてその中でのきっちりとしたミステリ。伏線の張り方も上手いです。一行も見逃せません。

ただ、登場人物たちに魅力が無かった点が残念。台詞が硬いので、何かの台本を読んでいるような感じ…。特に主人公のキャラというか、性格が掴めませんでした。他の人物にも感情移入出来ませんでしたし…。

でも結果的には面白いと思ったので、石持氏の作品はこれからも読んでいきたいです!

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2010年02月06日

Posted by ブクログ

変わらず独特な世界観設定。逆に言うと、そちらに全力を振りすぎて、中身のミステリーは比較的凡作かな。犯人が絞りやすすぎるし、いかにもすぎる。フーダニットが先行したおあつらえむきな場面設定。解明されていく謎は懇切丁寧すぎる割に、最大のオチである「BG」が何を指すのかもあっさりすぎ感。石持作品にあるズレた動機と感情の欠落、人間の淡白さがもっと欲しかった。

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2022年12月09日

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特殊な設定のミステリーで、石持さんらしい作品。評価高いみたいですが、自分にはあまり共感できなかった。

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2018年12月14日

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題名のアルファベットの意味が今一つ落ちてこなかったのが残念。一方で人間が性転換する世界と言う独特の設定においてパズラーとしてのミステリーを成立させているのは見事だった。ジェンダーフリー、高齢化社会といろいろな現実の社会問題を取り込む為のとしての舞台装置だったことを読み終わってから理解する。好みはわかれるところだろうが、この作品に限って言えば好感が持てた。伏線の張り方からするとあくまでも本格ミステリーが作者の意図するところであろうし、その部分が失敗しているとは言わないが、SFのスパイスがよく効いてそちらのほうが印象に残る作品。

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2012年02月16日

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流星観測の夜に優等生の姉が殺され、風邪気味の妹が真相を探る話。
生まれるヒトはすべて女性、後に一部が男性化する世界。

カイニスはポセイドンと交わったとき、何でも願いをかなえてやるといわれ、男になることを望んだ。(ギリシャ神話)

無茶な舞台設定ですが、そのなかで展開される論理は整然としています。
衝撃は弱め、でも骨太な印象。

石持作品をぜんぜん知らなかった頃、SFと思ってました。
あとなぜか死せるイカロスって読んでた。けっこうちがう。

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2010年08月01日

Posted by ブクログ

舞台設定はあまり見られないもので面白い。また、その成り立ちについても、学校を事件のステージとしているところから、自然に説明が頭に入ってくるので、それほど戸惑うことも無い。
ただ、本格ミステリとして見たとき、十分に魅力が発揮されているかといわれればそうでもないと思った。事件の解決のための手がかりとか伏線がいたるところに貼られているが、推理の詰めの部分にご都合主義的な匂いが感じられてしまった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

こういう世界観から構築されたミステリ大好き。
大胆な設定なのに、説明の仕方が巧くて理解することが苦にならない。
世界観をなぞるのも、ミステリとしても、面白かったです。

タイトルのカイニスって何ぞやと思ったら、ちゃんと一番はじめに記載されていました。
「ギリシャ神話に出てくるエラトス王の娘で、男になることを望んだ」と。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

女の子しか生まれなくて、優秀な人だけが後に性転換して子供を作る、という世界での女子校(まあ、女の子しか生まれませんから)ミステリ。

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2009年10月04日

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