あらすじ
全人類が、生まれた時はすべて女性、のちに出産を経て一部男性に転換するという特異な世界。天文部の流星観測の夜、わたしの姉・優子さんは、何者かに殺害される。男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の優子さんが、どうして殺されたのか? さらに期末試験が終わった日、優子さんの後継者と目されていた小百合までも殺害されてしまう。捜査の過程で次第に浮かび上がる“BG”とは、果して何を意味するのか。そして二人を殺害した人物は? 気鋭の著者が放つ、破天荒な舞台と端正なロジックを堪能できる学園ミステリの意欲作。
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全人類が生まれた時、すべて女性だったというマジカルな世界観に意表を突かれました!作者である石持氏は、宇宙人が主人公の『暖かな手』や、特殊能力を持つ人物が登場する『ガーディアン』など、意外性に富んだ推理小説を描く作家として有名です。本作はその極めつけで、物語の前提となる世界観をまるごとひっくり返してしまった超意欲作。
この作品中の男性は、一部の優秀な女性が出産後に転換することで誕生します。主人公の「わたし」は男性化候補の筆頭で、学校のみんなから慕われていた姉・優子殺害の謎を追ううちに、「BG」の秘密に触れ、事件の深みにはまっていきます。
突飛な設定とキーワードを駆使して、読者をラストシーンまで引っ張るパワーを持った一作です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
人が皆XX(女性)で生まれ一部の人がXO(男性)に性転換する世界。本格ミステリのようなハウダニットを問うことはなかったがちゃんと読者にもフェアな内容で楽しめた。あと読む前に予想していたよりもSFしてて嬉しかった。ちゃんとストーリーに絡めてあってただの舞台装置じゃなかった。
Posted by ブクログ
生まれた時は全員が女性で、その中で優秀な女性が男性へと変わる、という世界での話。
BGとはなんなのか、なぜ男性化筆頭の優秀な姐が殺されなければならなかったのか、先が気になって終盤は一気に読んだ。
世界観が独特なので、なんとも説明しづらいが、読めば、石持先生作品の中でもライトな部類だと思うので、読みやすくはある。
ただ、設定を受け入れない人もいるかもしれないので、万人に薦めるかというと、ちょっと難しいかな…というのが、なんとも悔しい。