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『テルマエ・ロマエ』の作者・ヤマザキマリさんのエッセイ集。
ご本人をして「ちょっとばかり特殊だった」とおっしゃる家庭環境の紹介で始まる1つめから怒涛の28エッセイが楽しめます。MANGAにトイレ、ビールに結婚式…とあちらこちらに話題が飛んでいるように見えて、実際は、17歳で絵画を学ぶためにイタリアへ留学して以来ずっと海外暮らしの筆者が、改めて祖国である日本について「再確認」「再発見」したことがつづられています。
海外には旅行をしたことがある程度で住んだ経験はない私でも、海外に出たからこそ気づいた日本のあれこれはありますが、やっぱりヤマザキマリさんの視点は非常におもしろくて、「なるほど!」「そういう見方があるのか…」「そんなことある!?」など、さまざまに感情が揺さぶられます。また、エッセイの間に挟まれているイラストも最高ですので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに、私は「その二十六」がお気に入りです。
Posted by ブクログ
望遠ニッポン見聞録
著:ヤマザキ マリ
出版社:幻冬舎
幻冬舎文庫 や 35 1
外国から、日本を遠目で見るというのでしょうか。
体験記と称していないのは何故?
ヤマザキマリは、昭和42年生まれで、高度成長期のウォークマンやら
兼高かおるの「世界の旅」とか、ポケモンカードゲームとか、けっこうかぶっていて、あるある感が。
「おしん」あったなあ、という感じです。
TVなどで、耳どしまになっているところに、彼女がぶつけてくる生のエピソードは違和感と臨場感とで、抱腹絶倒のかぎりです。
外国からニホンを見た世界と、それにかぶって、漫画が挿絵としてはいっています。
日本人と、外国人も、滑稽なほど、必死感が満載です。
テレビドラマでみる外人というのは、落ち着いていて、大人ってかんじですが、ヤマザキマリが描く、外人は、なんかまぬけて、ぬけていて、喜怒哀楽のはげしい、落ち着きのない人。
これじゃあ、やっぱり、日本男子と、大和撫子のほうが、一枚も二枚も上手ではなにかと、錯覚してしまいそうです。
1つ1つの章は8頁ぐらいで、読みやすいです。たのしかった。
目次
【その1】世界を飛び回る、世界一幸福な人たち。
【その2】巨大化するおっぱいMANGA。
【その3】ぽっとんの闇が生んだ、世界最高峰トイレ文化。
【その4】アイデンティティなんていらない日本の国酒、ビール。
【その5】厳かに行われる俄か結婚式の妙。
【その6】子供の物欲をあおりまくるメディアに注意せよ。
【その7】同化しようとするカメレオンたちのストレス。
【その8】信頼できるのは、女好きより、猫好き人間。
【その9】ナチュラルに着飾れない、みすぼらしい東洋人の悲哀。
【その10】伊達男は伊太利亜にはどこ探してもおらず。
【その11】四季のある国は、毎年命がけの越冬をする。
【その12】いっそブラジル人になれればいいのに。
【その13】味覚は「気」から。自称グルマン民族を卒業せよ。
【その14】キレることが苦手な一億総「おしん」
【その15】情ではなく商品力で勝負する、意外と強気な商人たち。
【その16】決死のディスカッション。
【その17】全世界から憧れの眼差し。電化製品のドラえもん。
【その18】節電してもガゼンギラギラのバブル国
【その19】世界を侵略する変な民芸品に注意せよ
【その20】血みどろにならない敏腕歯医者。
【その21】何がなんでも歯をみせない、鋼のアルカイックスマイル。
【その22】運動嫌いの応援好き。
【その23】しゃがむ。
【その24】想像力を刺激し、行動力を抑制する旅番組。
【その25】平和の仮面を被ったちょっとした犯罪国。
【その26】ドSな吹き替えに脅される民。
【その27】大和撫子が強くなっても、日本男子は弱いまま。
【その28】それいけセクシーナデシコジャパン。
あとがきにかえて
文庫版あとがき
解説 角田光代
ISBN:9784344423817
出版社:幻冬舎
判型:文庫
ページ数:240ページ
定価:570円(本体)
2015年08月05日初版発行
2023年07月20日3版発行
Posted by ブクログ
本書はイタリア→日本→中東→ポルトガル→シカゴ在住。 西原理恵子画伯曰く「海外ドサ周り」こと異国暮らし歴十数年の著者が、自分の生まれ故郷である日本を「近くて遠い」目線からつづった、エッセイ集であります。
本書はイタリア→日本→中東→ポルトガル→シカゴ在住。西原理恵子いわく「海外ドサ周り」こと異国暮らし歴十数年の著者が自分の生まれ故郷である日本を「近くて遠い」目線からつづったエッセイ集であります。
もともと自らの「モーレツ家族」の日常をmixiにアップし続け、更新されているブログを拝読させていただく限りでは、筆者の文章は独特の味わいがあって好きです。
さらに、自身がイラストを描いているので、またそれも一服の清涼剤となっております。書かれていることはいまや筆者の代表作となった『テルマエ・ロマエ』のルシウス並みに日本に驚き、日本文化を楽しみ、真面目に悩む姿であり、彼女の真剣なまなざしや苦悩する姿が真摯であればあるほど、それがユーモラスな笑いとなって行間からにじみ出てくるのでした。
たとえば、おっぱいだけが巨大化しつづけるオタクMANGAや、日本における宴席には必ずといっていいほど出てくる「国酒」ビールについてや、伊達男は伊太利亜にはいない、という箇所にも衝撃を受けました。
僕は「イタリア男」というのはベルルスコーニ元首相のことを考えていましたが、イタリア人の筆者の夫に言わせるとああいう男はイタリアでもまれだそうで、「その話題には触れないでくれ」というのが一般的な認識だということを読んだときには『やっぱりそうだよなぁ』と思ってしまいました。
最後のほうに、日本の女性が強くなっても、日本の男性は弱いまま、というタイトルの文章があって、そこに関してはわれわれ男性は十分に反省しつつも、最後まで面白く読める一冊でございます。
※追記
本書は2015年8月5日、幻冬舎より『望遠ニッポン見聞録 (幻冬舎文庫)』として文庫化されました。
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