ビジネス・実用の高評価レビュー
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勉強になりました!
■ 重要ポイント
①スチムソンの善悪二元論
社会ダーウィニズム的な文明序列観を土台に、幣原外交=「善」、軍部強硬派=「悪」という単純な二元図式で日本を見ていた。
満洲事変では、フーバー大統領の慎重論を押し切ってまで満洲国不承認を断行するほど理想主義に凝り固まっていた。
1930年代後半には対立図式が「中国=善、日本=悪」に転換。しかしこの二元論は結局、東アジアの安定にはつながらなかった(戦後ソ連が関東軍の武器を中国共産党に渡し、共産革命を後押しすることに)
②FDRの参戦欲求からくる日本の締め付け
対独参戦を望みながら世論の不干渉主義に阻まれていたFDRが、対日制裁を段階的にエスカレートさせていった。
ハル四原則は、表向きは普遍的な正論に見えながら、実質的には日本に大陸政策全体の放棄を迫る内容だった。
首脳会談の提案も頓挫し、ハル・ノートが事実上の最後通牒として日本に届いた。
③原爆を作った人たち
きっかけはアインシュタインの署名付き書簡(実際に書いたのはシラードら)だったが、彼自身は開発には一切関与していない。
FDR・スチムソン・軍・科学者が短期間で巨大な組織(マンハッタン計画)を作り上げ、開発を加速させた。
標的選定では「早期使用・軍民複合標的・無警告」という結論が出ており、京都だけはスチムソンの個人的な思い入れで外された。
④そして使ったトルーマン
副大統領時代は原爆計画の存在すら知らされておらず、大統領就任からわずか13日後に全容を知らされた。
ポツダム会談中に実験成功の報告を受け取り、既定路線だった使用方針を追認する形で投下を決定。
戦後は「原爆は本当に必要だったのか」という批判にさらされ続け、スチムソン自身も釈明論文を書くほど悩んだ。
■ 気づき
現実や状況を学び判断できる「リアリスト」ではない人たちが、それぞれの限定的な視点・信念で動いた結果が積み重なって開戦・原爆投下に至った、という読後感 -
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ネタバレ面白かった。
■「変革と創造の仕組み化」こそがユニクロの強み
・ユニクロの成長理由は柳井氏のカリスマ性だけでなく、「変革と創造」すらも組織的に組み込んでいる点
・過去の成功体験にとらわれず「Change or Die」の姿勢を徹底する仕組みこそが、日本企業の中でトップクラスの時価総額を維持できる源泉
■「究極の個店経営」を成立させる教育と雇用の改革
・店舗スタッフを主役と位置づけ、本部を「SSC(ストア・サポート・センター)」と呼んで店舗を支える姿勢に本気度を感じた。
・単に現場へ権限委譲するだけでなく、理念の教育を本部主導で行い、地域正社員化を進めることで「経営者マインドの自分ごと化」を実現している点が秀逸である。
■理念とマニュアルをつなぐ「原理原則」の重要性
・抽象的な経営理念と具体的なマニュアルの間に「原理原則」を置き、合理的かつ忘れにくいフレーズでWhyを説明する構造は、あらゆる組織運営において非常に実践的
■仕組みの固定化を防ぐ「連続的なアップグレード」
・一度作った仕組みを維持しようとする「成功の復讐」という罠に対し、完璧を目指さず常に改善し続ける姿勢(Change or Die)が不可欠であると再認識させられる。
■「働きアリの法則」に基づいた合理的な組織マネジメント
・働き者の2割や怠け者の2割ではなく、ボリュームゾーンである「普通の6割」に注力して底上げを図るアプローチは非常に合理的である。全社データを共有し、現場が判断できる環境を整えることで組織全体のレベルアップにつながっている。
■リーダーシップの本質は「ビジョンと仕組み」
・リーダーに必要なのは個人のカリスマ性ではなく、「ビジョンを掲げ、変革し続ける仕組みをつくること」
・自らの仕事や組織運営においても、原理原則を共有し、時代に合わせて仕組みを更新していく姿勢を取り入れていきたい。
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幼児の可能性は3歳までに決まってしまう-
戦争や人種差別をなくせるのは幼児しかいない-
脳内真っ白な状態で生まれながらにして、
3歳までに脳の7.80%が完成してしまうという
恐るべき幼児!!!
そして、そんな幼児をどう育てるか、
親の在り方をじっくり伝えている。
幼児の圧倒的な記憶力、
親やきょうだいの在り方について
教育やおもちゃ、運動について
母親が育てることの大切さについて
ざっくりいうとこんな感じの構成。
最後の母親が育てることについては、
現在共働きが主流となっているため、
この著書とは、すこし時代錯誤はあるが
母親の存在が大切であることは間違いない。
私自身、もうすぐ3歳の子をもつ親として大変参考になったし、身が引き締まった。
1歳半近くから保育園へ通い、
偏食もトイトレも保育園のおかげで進み助かっているが、
あまり頼りすぎることなく、今一度母親としてしっかり改め、この大事な乳幼児期を過ごしたい。 -
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往復書簡形式で、軽やかな語り口でありつつも、依存症(アディクション)や社会問題、福祉について広く分かりやすく書かれていました。付箋をたくさん貼りながら読んでしまいました。
依存症は自己治癒的なところから陥りやすいこと(=ストレス社会において、誰のすぐ横にもあるものなのかなと思いました)、そして何よりも、コミュニティへの所属や人との繋がり、自分自身の「回復したい」という気持ちが回復には大切であること。なんとなく理解していたものの漠然としていた知識を、少しクリアにできたように思います。
社会や家族のあり方についても考えることができた良書でした。
「ダメ、ゼッタイ」のような啓発や、トー横での排除アートなど、なんでもそうですが、そこに至ってしまった人の背景への考慮が足りていないように感じます。また、そうした対応によって、かえって支援から遠のいてしまう人がいることの危険性についても考えさせられました。
少し踏み外した人を排除していくような社会ではなく、その背景を理解し、必要な人がきちんと支援につながれる社会であってほしいなと思います。
そういう人に必要なのは排除ではなく支援であり、そういうところに税金が使われてほしいと願います。
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2019年4月に起こった池袋高齢者暴走事故について、その事故の記録から今に至るまで、被害者遺族の松永氏、そして加害者である飯塚氏の長男への対話と取材の記録である。言わずと知れたこの「上級国民」による事故はさまざまなものを世の中に投げかけ、と同時に現代社会の有り様も浮き彫りにするものであった。高齢者の免許返納、遺族や加害者へのSNSでのバッシング、メディアスクラム等々。
被害者遺族は当然のこと、加害者とその関係者も壮絶な運命に巻き込まれたと言える。ただ、この事故という過酷な運命は彼らから大切なものをたくさん奪ったが、彼らは「目の前の現実から逃げない」という精神的な自由を守り通していた。彼らの言葉や行動からは、事故の当事者でもない我々も様々な悩みを抱えつつ日々をかけがえのないものと理解してどう生きるか、普遍的なものを投げかけられた。
加害者である飯塚氏もまた、相当な精神的な負担を強いられていたであろうことは想像に難くない。特に自分自身が築き上げてきた地位は、客観的な情報をもとにする計測工学の世界であるが、その事故に関する客観的な物理的情報が自分の感覚と相容れないという板挟みにあっていた。獄中で何を考えたか、そこはこの本からは直接的には読み取れず、なんとも残念であった。
本書は社会的に大きなものを投げかけた事故の記録であると同時に、それを取り巻く人々の心の闘いの記録でもある。重く、受け止めるべき本である。 -
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ランドセルを玄関に置いて、虫網と虫かごを取り出しては駆けずり回った子どもの頃が懐かしい。
当時は、緑が生える芝生とともに過ごす時間が多かったように思える。
緑が好きな理由は、子どもの頃の実体験も影響しているのかもしれない。
本書は、植物学者・文筆家の監修のもとで、筆者が全国津々浦々、北海道から沖縄までの9つの植物園を紹介する。
筑波実験植物園や東南植物楽園等、興味深い植物園の世界に誘ってくれる。
個人的には、北海道大学植物園が、印象的だ。
本館は明治15年に建てられ、重要文化財に指定されているようだ。この時代に造られた建物の雰囲気や佇まいに好感が持てる。
香りだけでなく、気分を高揚させてくれるライラックは、札幌の木にも選ばれているようだ。同園にて北海道内で最古のライラックが見られるらしく、興味深い。
なお、植物とは直接的な関係はないと思われるものの、絶滅したエゾオオカミの剥製を確認できるようだ。あわせて拝見したい。
また、本書の巻末には、本書にて紹介した109種類の植物図鑑を掲載している。
なお、本書のカバー裏には全国おすすめ植物園MAPとして、付録の全国植物園リストに掲載されている植物園の2次元コードを付している。ぜひ一読されたい。
本書を通じて、植物園に対するイメージが変わったような気がする。
何かを知ることは、いくつになっても知的好奇心を刺激してくれるはずだ。
少しずつ引き出しを増やしつつ、自分の時間を豊かなものにしていきたい。 -
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僕が50歳になったのを機に、もっと旅行を、と意識するようになり、手始めに紀行文をたくさん読もうと目に入った一冊。
登山家ではない写真家がエベレストに挑む姿に自分を重ねられたし、その過酷さに緊張感抜群だった。撤退の判断等、経営や勝負にも通ずるところがあるものだなと、とても興味深く読めた。
読みやすい文章のうえ、写真家ならではの写真も多く満足感高い。エベレストは自分ではとても登れないのに疑似体験できたのは貴重でありがたい。
また、ネパールの雪崩事故の後で複雑な思いもあった、ある意味数奇なタイミングだった。
著者のXにはエベレスト山頂でのパノラマ動画もあり、今後の活躍も応援したくなった。 -
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『新書大賞2022』第2位。話題になった生物にかんする新書というと、『生物と無生物のあいだ』が想起されるが、本作は同作よりも個人的には読みやすかった。本作は文字どおり「生物はなぜ死ぬのか」について解説しており、結論からいうと、生物は死ぬからこそ多様性が生じて進化しやすくなるため、生物にとってはより生き延びるために死ぬ必要があるということである。なかなか興味深くはあったが、しかし、内容としてはそれほど新鮮味がある話ではない。もし多様性がなかったとしたら、たとえば病気が蔓衍したさいにたちまち絶滅してしまうということは容易にわかるであろう。本作は難易度としては高校の教科書と同等ないしはやや発展させた程度であろうか。それゆえ、だいぶ読みやすく、それが本作の話題性にも繫がっているのであろう。
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タイトル: 「死」と「老い」は生物が数十億年かけて磨き上げた、最も精緻な生存戦略
AIとの議論も含み、この本に記載がないこともふくみます。
小林武彦氏の『寿命はなぜ決まっているのか』を読み、細胞老化から個体の死に至る生命のメカニズムをあらためて思考・整理するきっかけになった。
本書の核心にも通じるが、私たちが普段「衰え」や「不都合なバグ」と捉えがちな老化や死は、生物学の視点で見ると驚くほど合理的で、美しく設計された適応戦略である。
1. テロメアとDNA損傷応答――がん化を防ぐ防波堤
テロメアの短縮は単なる「分裂の回数券切れ」ではなく、細胞にとっては深刻な「DNA損傷(切断)」の擬態シグナルである。生物にとって最悪のシナリオは「傷ついた設計図のまま分裂してがん化すること」。細胞は二度と分裂できないよう不可逆的なブレーキ(細胞老化スイッチ)をかけることで、若年期の命をがんから力ずくで守っている。
2. なぜすべてをアポトーシス(自死)にしないのか
重度の損傷を受けた細胞をすべて自死させてしまうと、皮膚や血管、内臓に穴が空き、組織の物理的崩壊や感染症を招く。老化した細胞はその場に「土嚢」のように踏みとどまり、足場を維持しつつ、SASP(老化関連分泌現象)によって傷口を塞ぐ現場監督としても機能する。また、幹細胞プールの無駄な乱費を防ぐ緩衝材でもある。
3. 幹細胞の枯渇と「使い捨て体細胞(ディスポーザブル・ソマ)」
幹細胞の老化はテロメアだけでなく、エピゲノムの乱れや周囲の環境(ニッチ)の劣化によって進む。幹細胞の分裂が止まれば日々の補完が追いつかず、組織は衰えていく。しかし、限られたエネルギーを体細胞の100%完全なメンテナンス(不死)に注ぎ込むより、「繁殖期を全うできる程度にそこそこ維持し、余力を次世代(生殖細胞)へ回す」ほうが遺伝子の生存には圧倒的に有利だ。
4. 「死」という新陳代謝がもたらす多様性
単細胞生物にすら非対称分裂による老廃物の押し付けと寿命が存在するように、「死」は生命の根源的な発明である。親世代が老いて退場し、資源と生息地を明け渡すことで、有性生殖によってシャッフルされた新たな多様性を持つ子世代へとバトンが渡る。これがあるからこそ、劇的な地球環境の変化や病原体の進化に絶滅せず適応し続けることができた。
個体の主観から見れば「死の克服」は悲願かもしれないが、進化の視点に立てば、個体の死こそが生命システム全体を存続させている。
「死があるからこそ、現在存在する生命はよくできている」という生命の深淵なトレードオフを、分子生物学的な手触りとともに深く納得させてくれる一冊。