【感想・ネタバレ】子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本のレビュー

あらすじ

世界中から共感の声、続々! 世界46カ国200万部のベストセラー。子ども時代の親との関係を見つめなおし、子どもと自分の感情に向きあえば見えてくる、子どもが幸せになるための心がけ。

・「心を揺さぶられた」「涙なしで読めない」「子育て全般が変わった」……など、世界中から共感の声続々!世界46カ国、200万部のベストセラー。
・多くの親子関係の悩みに向きあい続けてきた英国の心理療法士が、さまざまな親子の実例をもとに、子どもが幸せになるための心がけを丁寧にまとめた話題の書。

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Posted by ブクログ

早く読めば良かったとも思うけど、様々な失敗と反省を経た今だからこそ内容がスッと入ってくる気もする。今読めて良かった。人生は常に今が一番若い日だ。何か問題があるとすれば今から治すしかない。過去は良くも悪くも変えられない。


子供への接し方。ベースにあるのは子供への愛、子供の成長への期待と言う。君のため、君のため。

しかし根底にあるのは、不安だ。そして、その主語は子供ではなく自分にある。過去の自分、かつて子供であった自分、その時の記憶と経験が今の行動を規定している。僕はこうだった、僕はこうしたほうが良いと思う。なぜそれができない?なぜそれに取り組まない?君のためを思って言っているのに大丈夫なのか?その不安定さを解消するために、支配とコントロールが始まる。

ここには2つの問題がある、と僕は仮説を持つ。
不安に支えられた強力なインセンティブ構造と、主語のすり替えだ。

一つ目の問題、不安への対応。
おそらく僕らは生き抜くのに必死だった頃の記憶が強力に残されている。不安。それは様々な面での存続の危機への対応のアラート機能だ。不安という予測能力で、個々の個体の生き延びる確率を高めることができた。ある意味高度な認知能力であり、集団化するための組織形成能力にも上手く機能したのだと思う。この能力がホモサピを地球上の王者にしたのかもしれない。
一方で、不安は自己破壊をする機能も持つ。いや自己破壊をするくらい強力だから有効に働くのだと思う。便利なものは常に危険と隣り合わせだ。

ではどうすれば良いのか?
答えは、不安を認めることだと思う。不安は否定しても消えない。認めても消えない。不安が解消するまで消えない。生きている限り、様々な種類の不安は常に生じる。不安は常に身近にあり、自分を助けてくれる機能であり、味方なんだと考えることだ。不安は別に悪くない。要は不安との向き合い方、不安の使い方の問題だ。不安を認め、適切に情報を集めて、行動するための力に変える。それが理想だろう。そして不安は生きている限り無くならないと受け入れることだ。


二つ目の問題、主語のすり替え。
不安から始まる支配とコントロールは、自分のうちなる不安を原動力に、不安が解消されるまで続くはずだ。自分の不安を子供、つまりは他者を通じて変えようとする。ここに主語のすり替えが生じている。

ややこしいのは子供によっては支配とコントロールへの抵抗力に差があることだ。素直に受け入れる子も嫌がる子もいるだろう。素直であれば、支配とコントロールは上手く機能して不安は治るが、そうでなければ不安は治らずさらなる支配とコントロールが進むことになるだろう。

支配とコントロール、これ自体が悪いわけではない。ある段階では有効ではあるが、ある段階では無効になるだけの話だ。永続的に機能しないだけであって、使い方次第では有効に機能する。
古代ローマ帝国も巨大な帝国を支配するのにいくつかの知恵を絞った。君臨すれども統治せずや、分割して統治するなどは一時期までは仕組みとして有効だった。しかしながら、支配とコントロールはやがて破綻する。なぜなら常に監視が必要であるが、ずーっと監視し続けるのは難しいし、仮に監視出来ていたとしても心の内までは支配することは極めて難しいからだ。被支配者の気持ちに変化が生じれば支配とコントロールの体制を常に変えざるを得ない。それに追いつけない時、綻びが生じ始める。そして、古代ローマ帝国は滅亡した。

ではどうすれば良いのか?
主語を元に戻すことだ。強力なツールはアイメッセージ話法だ。不安があるのは、あなたではなく、私だ。あなたのためではなく、私が不安なのだ。

何か言いたければ、まずは自分が不安であることのみを伝える。子供も不安を感じていたら、子供の気持ちや意見を聞いてから、解決策を一緒に考えていくのがいいだろう。昔、自分も親に意見を聞いてもらいたかったように。そのプロセスを飛ばして、いきなり自分の考える解決策を子供に提示すべきではない。その行為自体が支配とコントロールの始まりであり、やがて破綻を迎える行為の始まりになるのだ。

では逆に、特に子供自身は不安を感じていないとすればどうする?私の不安はあなたの不安であるべきだと押し付けるべきなのか?あなたは経験がなく私には経験があるから、あなたは知らないだけで、あなたは私のいう事を聞くべきだと。あなたのためだからと。それは支配とコントロールの始まりでは?

そもそも親と子供との関係とは何か?兄弟とも、妻とも違う。友達や知り合い、他の誰とも違う。親として、生まれたその瞬間から死ぬまで、生涯をかけて付き合っていくのが親子の関係だ。唯一無二。その関係が支配とコントロールの関係でしかなかったら、なんと悲しいことだろう。

子供は一個人である。自分も一個人である。

自分の好きなことは自分で決めたいし、やりたい。自分の話を聞いて欲しいし、自分を認めてもらいたい。舐められたくないし、無視されたくない。やるべきだと思っていることもやりたくない気持ちの時もあるし、うまくいかないからと言って怒られたくない。そんな時は慰めて欲しいし、見守っていて欲しい。たまには厳しいことも言われたいけど、なるべく優しく言って欲しい。

それは子供も同じではないのか?

親子だからと言って特別なことはなく、自分のして欲しい事をする。して欲しくないことはしない。しかし、して欲しいことの内容は自分とは違うかもしれない。それはその人に聞くしかない。人を支配することはできない。そして、よくない事をしたら謝る。このシンプルな原則を忘れないことではないか。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

小さい子供がいる人はもちろん
小学生から大学生、20代の子供がいる人
30代〜80代90代の親の人
年代に関係なく、親子関係を見直したい人
全ての人に読んでほしい本です。
私も、今後の親子関係(対他人も)が良い方向に変わっていけると思います。(別に今が悪いわけではないですよ!笑)

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

海外の本の邦訳なので日本の育児では無理なのもあるかな…と思ったらそんなことは全くなく有用すぎた。
タイトルがこれだが、どちらかというと未来の世代に向けた本。もう大人である自分の親世代には読んでもらって実践してもらうのは悲しいかなもう時間として少し遅いので、自分の子どもや、それだけに限らず自分自身の職場やいろんな人間関係をこれから先良好に保つための指針にもなる。

「子供は親の言う通りにしない。親のする通りにする」
→自分を見ても、自分の子を見ても本当にこれ。

「判定することをやめよう」
「判定はせず、よく出来た点を見てその真価を褒める」
「判定は保留し、ふんわり結論を保持すること」
「子どもによくやったやすごいねと伝えるのは必ずしも得策ではない。子どもは判定してはダメ。子どもに必要なのは普通の対話」
→一つの正解っぽいものを押し付けるのではなく、こうすることによって子供がゼロ100思考でなくなり、判定にもグラデーションが存在し、またその意味を自分で考える主体性を持てるってことなんだろう。そして普通の対話とは「あなたに関心があるよ」という態度を向けることだと言う。関心はあるのに、判定から入ってしまいがちになるのは気をつけたい。


「正しい境界線を引く」
「親(自分)の気持ちを伝えるのを習慣にしておくといい」
→「これは私にとっては嫌だ、傷つく」「私が心配だから夜遅くならないようにね」と伝えるということが大事。
そこで思い出したのが、怒りは第二感情と言われていて、私は先に心にそちらが出やすいのだけど(周りには撒き散らしませんが‥)第二感情の前に悲しい、傷ついたという第一感情が隠れている、と別の記事で知ったことがあり、親としてもそちらを先に子供に伝えた方が、自分と子供の間に境界線が引けるらしい。
私は悲しいという感情があまり湧かないな?と若い頃からずっと思っていたけれど、自分が怒りを感じているときは実は悲しいんだな、傷ついてるんだなと理解できた。
私の母はヒステリックで私が子供の頃はいつも怒っていて教え諭すとか物静かだったということはなかったが、母の生育歴を鑑みてもなるほどなと思ってしまった。母もある程度放置されて育ったっぽいので、悲しい、傷ついたと親に言うことが子供の頃できなかったのだろう。そしてそれが冒頭で書いた「子どもは親のする通りにする」と言う通り、私にも移ってるんだなと納得出来た。
私が怒りの感情を出す前に、どう感じたかの気持ちを伝えるほうが恐らく子供にも伝わりやすいし大事なのだろう。

他にもいろんなためになることが載っていて、総じて「親からやって欲しかったな」ということばかりが詰まっている。
もう自分はいい大人なので親にやってもらうのは無理だけど、せめて自分の子には親としてやってあげていきたい。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

タイトルからてっきり、自分の親に読んでほしかった「既存の」書籍リストが紹介されているのかと思った。自分の親に読んでほしかった「本」って、「本書」のことだったのね笑

今の子育てって、こんなにも目新しいのか…!
目新しいのか、本来あるべき理想の子育てにようやく現代人が気づいただけなのかは正直分からない。(とりあえずここでは「目新しい」ってことにしておく笑)
しかし少なくとも、私の幼少期から親元を離れるまでの期間には、お目にかかれなかった価値観がたくさん散りばめられていて、目から鱗の連続だった。(私の親世代が読んだ日にゃ、目から鱗どころかショックの連続だろうな…)

「星形のシールをほしがるように条件付けするよりも、子どもと良好な関係を築くほうがよっぽど大事です」(P 243)

本書は、「良好な親子関係をどう築いていくか」をテーマとしている。
目新しい視点で読者から驚きの反応があった一方、「子どもとお互い分かり合えるようになった」といった成功体験も多く寄せられたという。さすが、2024年度のベストセラー本となっただけのことはある…

一貫して言えるのは、子どもの視点に立ちつつも、親自身の意志を犠牲にしないこと。
子どものことは確かに愛しているし、大切に思っている。でも親の思い通りにいかないことがほとんどで、その時はどうしても大人の力で子どもの意志をねじ伏せてしまう…。
こういうケースって、大抵は大人が批判されるイメージにあったが、大人は大人で私見を子どもに伝えて良いらしい。

まだ本当の気持ちを上手く伝達できない子どもに代わって言語化したのち、彼らの主張を一旦受け入れる。でも親自身の意志を伝えることも忘れない。
それで子どもの態度が良い方向に変わるというのだから、驚きを禁じえないというものだ。(…といった風に、子どもができたら一度は試してみたい事例ばかりだった)

「どうやら親にとって一番高いハードルは、子どもが”常に”幸せでなければならないという考えを手放すことのようです」(P 328)

この視点も言ってしまえば新鮮だ。生きていれば絶望することも多々あるのは承知しているのに、親というのはどうしても子どもに100%幸せでいてもらいたがる。
親ではないけど、以前外国人の上司から”How are you?”と聞かれた際、「疲れている」と回答しただけで「何で!?一体何があった!?」としつこく問い詰められたことがあった。上司にとって”How are you?”の答えは常に、”Fine. Thank you”であって欲しかったのだと、いま振り返って思う。
親に置き換えても同じことなのかも。苦楽ともに寄り添うのが親・上司だってのにね。(そう言う自分は、果たしてどうなるのか…!?)

もちろん子どもサイドの視点も疎かにしてはいけない。
初めて親になるのと同様、子どもだって生まれ落ちた瞬間から生きるのは初めてなのだ。親は自分の思い通りにいかず途方に暮れるけど、下手すれば、本当に困っているのは、知らない世界に放り込まれた子どもの方かもしれない。
「良好な親子関係」は、そこらへんを分かっていくところから始まるのかな。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

インサイトが多かった。
子供にイラついてしまう時は、自分が親から受けたコンプレックスを反映している時

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

出産前に購入したものの、産後のバタバタでなかなか読み進められず漸く読み終えた。娘は一歳半になり、プチイヤイヤ期のようなものも始まりつつある。このタイミングで集中して読み終えることができてとても良かった。

親の気持ちやモヤモヤを子供に押し付けず、私がどう思うをちゃんと伝える。娘がなにを思っているのか、怒っているのか、悲しんでいるのか、喜んでいるのか、寄り添って言葉にする。この二つは娘がこれから成長していく中でずっと大切にしていきたいと思う。
娘が泣いているとそんなこと忘れてしまって、私もイライラしてしまったりすることもあるけど、できる限り落ち着いて寄り添いたい。

最後の後書きのところで、昔私自身が子供だった頃を思い出し涙が出てしまった。母のことは好きだったけど、いつも妹のことばかりで我慢していることが多くて、物心ついた時には妹が嫌いで、、、8歳くらいの時に、もっと自分を見て欲しくて言えなくて泣いていた時に、「なに泣いてるんだか分からない。あなたは泣いてばかりで嫌だ」と母に言われてしまってショックだったことを思い出した。
多分母に悪気はなかったけど、妹のお受験でいつも夜まで家にいなかったり、遠足のお迎えに来てもらえなかったり寂しい記憶がある。

いつか私も娘に同じようなことをしてしまうかもしれない。そうならないように(負の連鎖を繋げてしまわないように)、日々娘に接する時に寄り添うこと、自分の気持ちを正直に伝えることを続けていきたいと思う。

そして子育てをする中で、時々この本を開いて立ち戻りたいと思う。

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

感情に名前を付けてあげることが大事。
何度か試しましたが、落ち着くことが多いのでこれからもやっていきたいです。
飼い犬を邪魔者扱いする場合にも効くかな...やってみたい。

自分の本当の気持ちを表現すること
私はこれが1番苦手ですが、やるしかないと思った。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

「子育てに時間をかけることは未来への投資」
❶子供の感情を受け止め、なだめることが大事
❷赤ちゃんからの影響を受け入れる

家事や仕事に忙しい毎日の中で、つい子育てに効率を求めていることに気付かされた。「上手いことやりたい」「早く楽になりたい」と思ってしまっていた。

今の育児は、大人にとって都合がいいように、大人の負担が軽くなるように、そこに重きが置かれているのかも。大変で手がかることを受け入れて、根気良く向き合うことこそが子育てであり、その積み重ねが、子供の自尊心を育むのだと学んだ。わたしが大変であればあるほど、それは我が子が「親に影響を与える存在である」ということの証なのだと思った。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

ちょうど幼児の子供を育てている身として、心に染みるものがあった。特に、自分の対応の元がそもそも幼少期に自分が受けた経験から来ていることを深掘りして考えたことで、自分でも気づいていなかった潜在意識を引き出すことができた。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これまでにも育児本は他にも読み、共感の大切さやその理由は知ってはいましたが、心から納得はできていませんでした。
この本では、なぜ親がそのような思考になるのか(私の場合、なぜ共感に納得できていなかったのか)の理由も明記されており、自己分析ができたことに心がスッキリしました。
共感に納得できるようになったので、実践していきます。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

自分がどう子供と接するか、の前に自分が子供の際にどう親と接せられてきたかを見つめ直すきっかけとなる本。途中途中の例題が面白い

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

子どもとの接し方について考えるいいきっかけとなった。
子どもの目線で物事を捉えること、自分の境界線を伝えることなど実践していきたい。

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2025年08月19日

購入済み

何度も読み返すべき作品

現在2歳0歳子育て中だが、
妊娠中の人にも子供が小学生になった人でも読んでほしい。
子どものステージが上がるたびに読み返して心に刻みたいエピソードがたくさん。
私の親は毒親ではないが、私が子供に対して過剰に反応してしまうケースがどこなのか、それはなぜなのか、自分の幼少期を何度も思い返しながら読んだ。

文量も多く、自分と置き換えながら考えながら読むので非常にボリューミーで体力がいる作品だったが、その分自分のものになったと信じたい。
しおりつけすぎて上限超えた。

#深い #タメになる

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2025年02月08日

Posted by ブクログ

著者自身の実体験や、さまざまな親のケースが記してあり、どうすべきであったかを振り返る内容。
一般的な教育本と言いたいことは同じ。
それが具体的に書かれてある点は良い。
一方、長たらしい。

以下メモ

感情的な反応のトリガーは、目の前で起こっている物事だけでない、自分の過去の中にもある。
子どもへの怒りなどは、自分が子どもの時に抱いた感情から自分を守るための行動。 
大人は絶対に正しいと思わせるのはダメ

興味がないは距離を置きたいというサイ
内なる批判はしない。
自分を制止するような物事は思い浮かべない
断定よりもふんわりした結論
正しいか間違っているかよりも、互いにどう感じているかを考える。
あなたではなく私を主語
すぐに反応しない
決めつけない
4つのスキル
•ストレス耐性
•柔軟性
•問題解決力
•相手の視点で物事を捉えられる能力

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

革新的なことが書いてあるわけではないが、心でわかっていてもなかなか行動に移せないことが事例を踏まえながら書かれていてわかりやすい。

・子どもの感情を受け入れる、受け皿になる
・子どもが感じている感情を言葉にする
・線引きをする、親である自分の意向をしっかり伝える
・子どもの手本になる行動をとる(背中で教える)
・★子どもが興味を持っていることに親が興味を持つ

ことを意識して子どもに接していきたい。

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2025年11月21日

Posted by ブクログ

過去の経験が子に連鎖する
無理に気を逸らさない
あなたは有言実行の人
気持ちに寄り添い、共感する
気持ちを言語化してあげる
自分の限界の前に境界線を引く
親子関係は終わらない
いついかなる時も子供にとっての安全基地である
感情や目的を偽らない
無闇に助けずサポートに回る
勝ち負けのゲームではなく協調と協力の関係

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

- 子供が生まれてから育児本は何冊か読んだが、いざ兄弟喧嘩したとき、悪いことした時に「あーこれどうするんだっけ…」と思考停止になってしまってあまりしっくり来るものはこれまでなかった。この本も半分くらいは同じような感想で、全てに共感できるわけではなかったが、ところどころハッとさせられる部分があって、気づいたらいつもより多めにメモをとっていた。
- 自分と子供の関係って知らず知らずのうちに自分と親の関係が映し出されてるんだなあ…ということをこの本を読んでから何度も思うようになった。「自分もこうだったしやはりこうあるべきだな」という価値観の影響を受けてる部分、ここだけは嫌だったと反面教師にしてる部分が良くも悪くも色濃く出ている。
- 子供が興味を持っていることに興味を持つことの重要性は、実体験としてよく分かる。自分も両親との思い出で一番残っているのは、自転車の練習でもなく、旅行でもなく、なぜか一緒に気まぐれやってくれたスーファミの時間だったりする。
- 10代後半の子供を下宿人として想像し、接するのはとてもよさそう。特に「洗濯機はいつでも自由に使ってもらってかまいません」というスタンスとかとてもしっくりくる。


p24
“子どもにとっては—たとえ成人した子どもであっても—親からの修復の働きかけは非常に大きな意味を持つのです。”
もし自分の親が修復しようと歩み寄ってくる発言があったら、もっとずっと良い親子関係だったんだろうなと思う。これが難しい最大の要因は、親が間違いを認めると子供が調子にのる…とかなんだろうけど、恐らくそんなことよりもポジティブな効果の方が大きい。自分はちゃんとそれができる親になりたい。

p31
“私たちは、こんなに子どもに手がかかるのはほんの一時期であることを知っています。仕事や友人とのつきあいやほかの趣味は、目の前の小さな人がこれほど私たちを必要としなくなってから再開すればいいのです。”
目の前の小さな人はすぐに自分たちにまとわりつかなくなる。今うっとおしいと思ってるものが10年後どれほど欲しくなるのか。何度でも思い出したい。

p49
“一方の親(100パーセントではありませんが、たいてい父親)が離婚のあと疎遠になってしまうと、子どもは不安や、怒り、鬱、自導心の低下に悩まされる確率が高くなります。イギリスでは、両親が別れた子どものうち4分の1以上が、別離後3年が過ぎると父親と連絡を取らなくなってしまうのですが(日本では、この数字はおよそ7割にのぼります)、これは大変憂慮すべきことなのです。”
7割かあ…

p57
“議論してうまくいくことが多いのは、「あなた」を主語にするのではなく、「私」を主語にした場合です。”
相手の行動ではなく、自分の感情を起点に話す。この本で一つだけ覚えたいことがあるとすれば、これだと思った。

p204
“いまある親子関係や、いままで自分がしてきたことを覆すには、心理学者のオリヴァー・ジェイムズの言う「愛情の絨毯爆撃」をしかけるのもいいでしょう。(始まりと終わりをはっきり決めて、常識の範囲内で子どもの言いなりになる時間)”
よさそう。やってみたい。子供がどんな過ごし方を選ぶのかも気になる。

p227
“父親は言われたことを全部やりました。しばらくすると、娘は波が引いたあとの濡れた砂で遊ぶことに没頭しはじめました。父親はそばにいましたが、一緒に遊んではおず、娘を見ながら新聞を読んでいました。女の子が徐々に「自動運転」モードに移行して、父親も少しばかりくつろぐことができたすばらしい一例です。”
これは意識するととても効果ある。本当に一人で遊び出す。親に見てほしいのは本当に最初の1-2分だったりすることがほとんど。

p249
“あたしには、何かが速すぎて、もっとゆっくりになってほしいときに「やだ」って言う癖がある。気難しくなろうとか、相手を思いどおりに動かそうとしてるわけじゃなくて、自然とそういう反応になるの。予想外の突然の変化が大嫌いだから。”
子供にそんなにこっちに向けた悪意なんてない。単純にキャパを越えているだけ。これだけ意識してあげたい。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

子どものどんな感情も受けいれる。
子どもが嫌がった時は何をしたいのかを想像してみる。嫌がっていることではなく、本当は何がしたいのかを考えることが大事。

これは仕事でも同じことが言えるかなと思います。相手の立場で考えてみることで、本当の要求が見えてくるのかもしれない。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

子供の感情に向き合う。全て受け止め共感する。親は子供の感情の受け皿であること。
そうすることで、子供は親の愛を認識し、自己の感情の伝え方らコントロールを身につけ、精神性が育まれていく。

ネントレは不要。むしろ脳の発達に害あり。
親が子に関心を持ちなだめられることで子供はその経験や記憶を内面化し、やがて感情のコントロールを身につける。

親から離れることで自立を促してはいけない。自立プロセスを阻害しかえって長引かせる。
親がいつでもいる、頼れる、と理解していくことで勝手に離れていくもの。

身体的な活動含めて、すべては赤ちゃんのペースにより任せること。親がハイハイやお座り、寝返りなどを強要してはいけない。自力を奪っては害しかない。

何もせず、ただそばにいて子供にリードさせる。
よく観察して手を貸す。問題を解決しようとする子供に手を貸すだけであって、親が解決してはいけない。

子供は感情の固まり。心のままに振る舞う。
自分で感情を観察する方法も、自分の望みをはっきり理解する方法も、それを叶える方法もまだ身につけていない。
これれらを身につけるには助けが必要。
よく観察し、子供の立場で気持ちを想像し、子供の気持ちを親が言葉にして表現してあげること。

何かを子供にやらせるとき(おもにしつけ的な)、方法は三つ。厳しくする、甘くする、協力する。
やるべきは協力するアプローチ。
・自分の考えを明示し、問題を示す
・子供の行動の背後にある感情を突き止める。助けが必要かもしれない。
・その感情を受け入れる
・意見を出し合って解決法を考える
・決まったことを最後までやり通す。必要ならステップを分ける。
この過程でポイントは、親が判定を下さないこと。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

子育てにおける重要なマインドセットのうちのいくつかを本書で得られたと感じる。
とはいえ、読み進めるのはかなり苦労した。
主張は一貫しているが、一貫し過ぎていて、読み物としての劇的な展開はあまり無い。それでいいのだけども。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

子供との接し方を考えさせられた。具体的な育児法じゃなく考え方や接し方で参考にしたい。ただ、翻訳本なので言葉の使い方に日本語との違いを感じた。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

翻訳された本はちょっと自分的には読みにくいといつも感じるのでこちらも読むのに時間はかかったが、内容は面白かった。
子育てをしているとまず自分の過去と向き合わないといけない時が来る。本当にそう。親にこうして欲しかった、ああしてくれれば、これをしてくれなかったから私はこんな風になっちゃった、みたいな今更何を言っても仕方ないのにタラレバが次から次へと出てきて親への不満が溢れてくる。
でもこの時間って割と大事で、子供に対して色々と悩む時、あぁ私は子供の時きっとこうして欲しかったんだ、だったら我が子にはこうしよう、みたいな気付きが出てくる。
あと大事なのは我が子をよく観察すること!これがなかなか難しい。。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

【子供に対して、より先に、自分自身に目を向ける】
子供は親のやることを真似る。自分の内なる批判者に用心して。

・子供につらく当たったり自分の悪い癖がある時
→振り返る。原因は、自分の過去の経験or自分の親の癖(又は祖父母から親が受け継いだ癖)に起因している。イライラしている(上手くいかない)のは今の事象が原因ではない。
過去が解消されていないからor無意識の癖になってしまっているから。自覚して改善するよう意識して。

・判定することをやめる
→子供に対しても自分に対しても良い悪い(おとなしい、不器用など)を判断しない。具体的に今の状態を表現して、いい部分を見て。

【安心できる家庭環境を作る】
良好な家庭環境は子供の安全地帯となる。いい夫婦関係を保って。

・議論で勝ち負けを作らない。相手を理解すること(決めつけない)、妥協点を探ること。
・自分の感情を認める。弱さや恥ずかしさをオープンにする、説明することが大事。(思いやりは、怒りを抑える事でなく伝えること)
・相手と繋がりを築こうと試みる。話しかけられたらやっていることを中断して聞くなど。家族の投げかけに敏感になること。

【子供の感情に向き合う】
子供が自分の感情と向き合えるようになるまで親が一緒に練習してあげる。その瞬間は時間がかかるが、自立までには1番の近道。年単位で考えて。

・子供の感情の受け皿になる。例えば泣いた時の反応パターンは以下で、親が子供の感情の受け止め方をサポートする。
→励ます ×。感情を跳ね除けてしまっている
→一緒に悲しむ ×。感情を乗っ取られるor悲しませていると感じる
→悲しいのね。抱っこしてほしい? ◯。見てくれている、決めつけられないと分かる。後々、自分自身で感情と向き合えるようになる。

・負の感情も抑えなくていい。子供の感情に心を寄せて、その後なだめること(なだめる方法を一緒に探すこと)。それを習慣化すれば自分でできるようになる。抑えてしまうとその感情を見なかった事にしてしまう。(悲しみ、怒りを感じないと痴漢にあってもそれを表現できない等、危ない)★
※否定しない(子供が不幸だと言った時にそんな事ないと励まさない)。
※気を逸らさない(週末に遊べるよと他の話をしない)。

・その瞬間に出来ていなくても「あの時はごめんね。こうだった」と後からやる。
・子供が自分の感情を口に出すよう励まし受け入れる。言語化できないなら親が代弁して確認する。
・不味い食事もセクハラも、子供にとっては同じ感覚への攻撃。なので、子供の発言は全て等しく聞く。じゃないと話してくれなくなる。
・気を逸らさない。子供相手と思わず、正直にダメなことは否定していい。癇癪を起こしても嫌だったのねと感情に寄り添う。じゃないと気を逸らしてばかりいると集中力が育たない。

【子どもの行動への対応は冷静に】
子どもの行動、言動にいちいち大騒ぎしない。感情的にならず、背景を探り解決する。

やって欲しい事、やらないで欲しいことは、自分の我慢できる境界線を明確にして伝えて徹底して守る。理屈っぽいものを作らず自分を主語にして伝える。

・子どもがする事、言う事には過剰反応しない。その方がコミュニケーションの間口は開かれたままになる。(悪い事をして怒りすぎると秘密にする、言わなくなる)
・思春期に親と距離を取る、嘘をつくのは、親とは違う自分自身のアイデンティティを形成しようとしている最中だから。仕方ないこと。
・幼少期〜思春期いつでも嘘を怒っても改善しない。嘘が上手くなるだけ。嘘をついた背景を探って、その解決をするのに労力を使って。解決策は子ども主体で一緒に考えて。これを何度も繰り返して。

・境界線をつくって頑固として守る。
例えば、仕事が遅くなったときは公園に寄らずに帰りたいと思っている場合、それを言っていい。子どもの行動に対して自分が許容できる範囲を境界線とする。境界線をはっきりと子どもに伝える事でお互い癇癪を起こさなくて済む。「夜ご飯が遅くなって貴方は明日の朝寝坊するでしょ」みたいにそれっぽい理屈を伝えて説得するのではなく、「自分は遅くなると大変だから嫌だ」と自分を主語にして伝える。自分の勝手な感情が理由でいい。むしろ境界線は自分を主語にしないといけない。相手への判定や感情の決めつけはNG
・伝えた境界線を子どもが守ってくれなかったら子どもに敬意を払いつつ辞めさせる等の行動に出ていい。
例えば5分だけ公園に行くとか。公園で駄々をこねたら5分で帰るって言ったよ、って抱っこして連れて帰るとか。有言実行することが大事。

・10代の子どもへの対応はP303〜

パートナーにも読んでもらいたい箇所
53-68
127-129
154-157、160
203、210-218 (特に215-218)

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

読むのに時間がかかってしまった。本に書かれているように親子の関わりが出来たらいいなと思うけれども、自分の子どもとの関わりを見つめて、より良い方向に変えていくのはよっぽど意識しないと難しいなと思った。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

1/3くらい読んで、知ってることばかりだったので読むのをやめました。
子どもが小さい時に読む本だった

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

0歳児の母です。これからの自分のためにもメモをとりながら読みました。

✓寝かしつけのときは子どもを泣かせたままにしない。いっしょに寝る。
✓子どもが遊びたがったら最初にしっかり付き合う。子供が夢中になったらそっとフェードアウト
✓癇癪を起こしたら子供の望みを叶えるのではなく、子供の不満に共感を寄せる。
✓子供がうそをついたときに罰を与えるのではなく嘘の背後にあるものをつきとめる。罰を与えても嘘がうまくなるだけ。
✓子供への決めつけをやめて自分の気持ちを明示する。
✓10代後半の子どもは下宿人だと思え。

星3にしたのは、文章が回りくどいというかザ翻訳的な文だったのでやや読みづらかったからです。内容自体はとても勉強になりました。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

自分が子供にとってきた態度がことごとくダメだったことにがっかり…
でも「親子関係を修復しようと思うなら、遅すぎることはないのです」という言葉に少し勇気づけられた。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

・子どもとの関係は自分が死ぬまで続く
当たり前だが、改めて考えると旦那と同じように尊敬し、思ったことをきちんと言い合い、レベルアップしあえる関係値を努力して築く必要がある
・「私は(主語)+(状況)で+(どう感じた)+(どうしてほしい)」
相手に何か伝えるときは自分はこの状況だと悲しく感じる、だからこうしてほしいという伝え方が大切
・親から受けたものの無意識の伝達
もっと自由に体を動かして遊んだりしたかった気がする。「自分もこうされてきたからきっと正しい」という考えは黄色信号

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2025年10月09日

Posted by ブクログ

自分の子供に対しイライラするのは、自分が子供の頃に親から同様の扱いを受けた記憶から、というひと言に納得した
その記憶があるので私は子供には自分が言われて嫌だったことは言わないように気をつけていたが、やはり避けきれずに同じような現実は起こり、イライラすること数知れず…
もう子供達も成人したが孫にはきちんと自分の気持ちを伝え、子供の気持ちを聞く大人になりたいと思った
ただ、この本は同じような文章が繰り返し書かれているので読んでいてとても眠くなる一冊である

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

孫に恵まれたタイミングで読んでみた。
我が子の時は、何も考えずに、ただただ愛情だけを夢中で注いだ
自分がされた、されなかったという視点はなかった。
それよりもこうされたかったという想いで育てたのかもしれないと、読後に感じた。
今度は、本の知識も得、少し余裕を持って接せられそうに思った。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

理解し合えると思うが故に、結果が伴わないと残念に感じてしまうだろう最も近い存在の他人。
内容は自分が親から受けてきたことを自分の子に無意識で行なってしまうことが多く、大抵は自分の考えを押し付けてしまうこと。それが許される関係だと誤解してしまいがち。
たとえ意見が合わなくても、それを受け入れて、子どものニーズ、何を求めているか、言動の背景を考え、言語化することが大切。
良本だが翻訳本特有のボリュームがあり、なかなか読み進めるのが難しかった。内容が良かったので意訳本があるとよいと思う。

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2025年08月18日

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