専門家のための 中小PMI実践ガイドブック

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以前はM&A に抵抗を感じる事業者も多かったと思うが、これが近年ではだいぶやわらいでおり、中小企業の世界でもM&A が受け入れられるようになってきた。中小企業にとってM&A には2つの側面がある。後継者不足に悩む企業にとっては、第三者が自社を買収してくれることによって事業を存続させることができるという意味がある。技術を次世代につなぐとともに、雇用を守り、お客様にも迷惑をかけずに済む。一方、成長指向の強い企業にとっては、時間をかけて新規事業に取り組むよりは、他社を買収することによって失敗するリスクを軽減しつつ時間を買うことができる。つまり、M&A は廃業から生ずる経済的損失を回避できるという点で社会的に意義のある取り組みであり、個々の中小企業の成長戦略にとって有効な手段なのである。
しかし、中小企業でM&A が期待通りの結果につながっていない場合が多いといわれる。その原因は様々であろうが、M&A 後の統合作業、いわゆるPMI が十分に行われていないことが1つの要因になっている。M&A 自体が目的になっていたり、M&A で実現させたい自社の姿が明確でなかったりする場合がある。また、M&A の目的は明確なのだが、買収後の経営にどう取り組めば良いのかが分からないケースもあるだろう。そもそも他社を買収して適切に経営していくのは難易度の高い作業なのである。
これを中小企業を支援する立場から見てみると、M&A 自体には仲介業者やアドバイザーなどの支援者がいるものの、M&A 後の経営であるPMIに対応できる支援者は多いとはいえない。
そんな中、2022年3月に中小企業庁から「中小PMI ガイドライン」が発行された。M&A を成功させるためにはPMI が重要であるという点に着目し、譲受側の企業が取り組むべき課題を整理したものである。
私たち事業承継支援コンサルティング研究会は、従来から、親族内承継、第三者承継など事業承継全般について研究を行ってきた。M&A およびPMI の重要性が社会において高まる中、士業やコンサルタント等の支援者が支援活動を進める際に役立つ情報を提供することが必要とされている。そこで、支援者を対象とした参考資料として本ガイドブックを制作した。もちろん、M&A を考えている中小企業の経営者や経営幹部の方にも役立つ内容を目指した。本書が支援者や中小企業の経営者に少しでも役立ってくれれば幸いである。

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