1.子育てに「絶対的な正解」はない
子育てはケースバイケース。褒めることも必要だし、叱ることも必要。大切なのは、「いつ、どのように対応するのが適切なのか」という判断基準を持っておくこと。
「褒めるべき」「叱るべき」と一律に考えるのではなく、その子の性格や状況に合わせて対応を変えていくことが重要だと感じた。
2.「平均」「常識」に子どもを合わせすぎない
「平均的にはこう」「普通はこうする」という常識にとらわれすぎないこと。
子どもにはそれぞれ異なる特性がある。その子の特性に合わせて対応すればよく、無理に「平均」や「常識」という枠の中に閉じ込めることが、その子にとって良いとは限らない。
世間が作った空気感に子どもを合わせるのではなく、「何がその子の成長につながるのか」という視点で子育てをすることが大切。
3.子どもが変わらないなら、やり方を変えてみる
子どもがなかなか変わらない場合、「子どもが悪い」のではなく、「自分のアプローチが合っていない可能性がある」と考える。
子どもに合っていそうな方法をいくつか試してみて、合わなければ別の方法を試せばいい。そのうち、その子に合ったアプローチが見つかっていく。
宿題の例として、「宿題を全部終わらせる」ことをゴールにすると、なかなか取り掛かれない子もいる。
その場合は、「まず3問だけやってみよう」「1問だけやってみよう」「5分だけやってみよう」「3分でどこまでできるか挑戦してみよう」など、量や時間を区切ってハードルを下げる。
「最後までやり切る」ことだけを正解にするのではなく、その子が動き出せる方法を探すことが大切。
4.子どもは「言葉」よりも親の「感情」を受け取っている
子どもは親が話している内容そのものよりも、親の感情や態度を受け取っている。
そのため、正しいことを言おうとするだけではなく、「自分がどのような感情で子どもに接しているか」を意識する必要がある。
5.「褒める」より「承認する」
子どもへの関わり方として、「褒める」と「承認する」は違う。
承認とは、子どもの存在や行動を「認めてあげる」こと。
例えば、「いいね」「さすがだね」「すごいね」など、軽く短く伝える。
褒めることは強い刺激になるため、頻繁に使っていると、子どもが「前より強く褒めてもらえないと物足りない」と感じる可能性がある。
一方、承認はSNSの「いいね」のような感覚で、ふわっと軽く伝える。
基本は「承認」、非常時は「褒める」。
普段から強い褒め言葉を多用するのではなく、通常は軽い承認を使い、本当に強く伝えたい場面では褒める。
6.子どもと大人では「時間の感覚」が違う
大人と子どもでは時間の感じ方が違う。
例えば40歳の大人と10歳の子どもでは、人生経験の長さから考えると、時間の感覚は大きく異なる。
また、子どもは大人ほど過去や未来を意識せず、目の前のことに集中しやすい。
この性質を利用して、片付けや勉強などをゲーム感覚にするとよい。
「どっちが早く片付けられるかな?」
「3分でどこまでできるか記録に挑戦してみよう」
など、時間制限を設けてゲームやクイズのようにする。
達成できたら、「いい感じだね」「いいね」「すごくない?」と軽く承認する。
7.子どもの行動基準は「楽しいか・面白いか」
子どもは、「楽しいか」「面白いか」を行動の大きな基準にしている。
だからこそ、親が「やらせよう」とするのではなく、どうしたら楽しくできるかを考えることが重要。
子どもをどんどん調子に乗らせていくことも大切。
「出る杭は打たれる」という言葉があるが、そもそも出ていない杭はいつまで経っても出ることはない。
子どもの良い部分や積極性を抑えるのではなく、まずは伸ばしていく。
そして、そのためには親自身が楽しむこと、面白がることが重要。
8.「反抗」は子どもからのメッセージ
子どもが反発したり、言うことを聞かなかったりする場合、それは「親側のアプローチが適切ではない」というサインかもしれない。
反抗したくなるようなことを親にされているから反抗する。
つまり反抗期は、「これまでとは違う対応をしてほしい」という子どもからのメッセージとも考えられる。
子どもが大人へと変化していく過程では、親側も対応を変えていく必要がある。
親が対応を変えることで、反抗期が短くなる可能性もある。
9.「親が変わることで、子どもが変わる」
子どもを変えようとする前に、自分の接し方を変えてみる。
「親としてどうするべきか」だけで考えるのではなく、「もし自分が子どもの立場だったら、どう感じるか?」「どう考えるだろうか?」という視点を持つ。
子どもの行動を変えようとするのではなく、自分の見方や関わり方を変える。
10.「親が選択肢を出し、子どもが決定する」
基本的には、親がすべてを決めるのではなく、親が選択肢を提示し、最終的には子どもが決定する形がよい。
親が決めてしまうと、その決定後に何か良くないことが起こった場合、子どもは「親が決めたから」と親の責任にしやすい。
一方で、自分で決めたことであれば、自分の選択として受け止めやすくなる。
その際には、選択肢のメリットとデメリットを公平に伝えることが大切。
親の意図や誘導が入ると、子どもはそれを敏感に感じ取る。
「親が答えを決める」のではなく、「子どもが自分で決める」という経験を増やすことで、自主性を育てられる。
11.「子どもを良くしよう」と頑張りすぎない
子どもを良くしようと頑張るのではなく、「どうやったら今を楽しめるか?」を考える。
頑張りには、「楽しい頑張り」と「苦しい頑張り」の2種類がある。
楽しい頑張りは、本人には「頑張っている」という認識があまりない。なぜなら、自分がやりたくてやっているから。
一方、苦しい頑張りは、本人自身が「頑張らなければ」と感じている。
親としては、子どもに苦しい頑張りを強いるのではなく、できるだけ「楽しい頑張り」に変えていくことが大切。
12.「イヤイヤ期」を感情ではなく「観察」で見る
2歳頃のイヤイヤ期など、子どもの行動に対して親がうんざりした感情で反応するのではなく、まず観察してみる。
「どんなときに『イヤ』と言うのか?」
「逆に、どんなときには『イヤ』と言わないのか?」
「昨日と今日で何が変わったのか?」
を観察する。
「観察」という視点を持つことで、感情に飲み込まれにくくなる。
さらに、観察したことを記録として残しておく。
1年後に振り返ると、「あの頃と比べてこんなに成長したんだ」と確認できる。
自分が頑張りすぎていると感じたときには、「ちょっと待って、観察、観察」「どうやったらこれを楽しめるだろう?」と考える。
13.「今」は二度と戻ってこない
「子どもが小さかった頃に戻りたい」と思うことがある。
しかし、実は「あの頃」と言っているその時間も、当時は「今」だった。
数年後には、今日という日も「あの頃」になる。
1日1日は平凡に過ぎていくように感じるが、今日のこの子には、もう二度と会えない。
だから、ワクワクすること、イライラすること、楽しいこと、大変なこと、すべてを含めて、今日という日を大切に受け止めたい。
14.子どもを「一人の人間」として尊重する
親はつい、子どもを「自分より下の立場の人間」と考えてしまうことがある。
しかし、子どもも人格を持った一人の人間。
「一人の人間として認める」という姿勢を持てば、命令・脅迫・強制などで子どもを動かそうとすることも減っていく。
我が子だからこそ過剰に干渉するのではなく、他人の子どもに接するくらいの距離感で接したほうが、ちょうどよい場合もある。
15.子どもへの期待値を究極まで下げる
子どもは本来、親を喜ばせることが好き。
親を喜ばせたいから、期待を超えて喜ばせようとすることもある。
しかし、親が「子どもは自分の期待に応えて当然」と考えるようになると、期待に応えない子どもを動かすために、指示・命令・脅迫・説得などを使ってコントロールしようとしてしまう。
だからこそ、子どもへの期待値を極限まで下げる。
「元気に生きているだけでありがたい」
「今日も生きているだけでラッキー」
というくらいの気持ちで接する。
そうすれば、子どもに対して過度な要求をしなくなり、結果として子どもが自主的に行動しやすくなる。
16.「何のために子育てをするのか?」を忘れない
「何のために子育てをしているのか?」と聞かれれば、多くの親は「子どもの幸せのため」と答える。
では、「子どもの幸せ」とは何か。
それは、その子がその子らしく生きていくことができる状態なのではないか。
親が「ここまで成長してほしい」「こうなってほしい」「これくらいできるようになってほしい」という目標を作り、その目標に向かって子どもが頑張らざるを得ないのであれば、それは本当に子ども自身の幸せにつながっているのか。
もしかすると、親が「子どもに期待に応えてほしい」と思う気持ちは、子どもの幸せのためではなく、「親自身の心配をなくしたい」「焦りを沈めたい」「安心したい」という親側の感情を満たすためなのかもしれない。
もし「自分は犠牲を払って子育てをしている」と感じることがあれば、「そもそも子育てって何だったんだろう?」と原点に戻って考えてみる。
子育ての目的は、親が望む人間に子どもを育て上げることではなく、その子がその子らしく幸せに生きられるようにすること。
【この本を読んで特に残ったこと】
一番大きな学びは、「子どもを変えようとするのではなく、まず親が見方や関わり方を変える」ということ。
子どもが言うことを聞かないとき、「なぜこの子はできないんだ」と考えるのではなく、「今の自分の関わり方は、この子に合っているのだろうか」と考える。
子どもを良くするために頑張る、という考え方にも注意したい。
子育てで大切なのは、親が正しい方法を押し付けて子どもを理想の方向へ導くことではなく、その子の特性を観察し、その子に合った方法を試しながら、今この瞬間を一緒に楽しむこと。
そして、今日の子どもは今日しか存在しない。
将来「あの頃に戻りたい」と思う日が来たとき、今この瞬間が「あの頃」になっている。
だから、子どもを育てることだけに目を向けるのではなく、子どもと過ごしている「今」を楽しむことを大切にしたい。