あらすじ
国立の筑波大学を卒業したものの、就職することができなかった著者は、大阪西成区のあいりん地区に足を踏み入れた。
ヤクザ…、指名手配犯…、博打場…、生活保護…、マイナスイメージで語られることが多い、あいりん地区。ここで2カ月半の期間、生活をしてみると、どんな景色が見えてくるのか?
西成の住人と共に働き、笑い、涙した、78日間の体験ルポ。
感情タグBEST3
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この間久しぶりに新世界に行ったら、昔はたくさんいたおっちゃんがあまり見当たらず観光客ばかりになってて驚いたのでこれを読んでみた。
結果めっちゃ面白かった!し、一歩違えばこんな人生もあったかも?と思うとそれぞれの人物にすごい感情移入してしまった。
自称証券マンは、10代の頃思い描いていた自分は証券マンだったのかな…?
読んでると刺激がありそうな街だと思ったけど、それぞれの人たちを見ると案外刺激がない人生なのか
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新今宮や動物園前駅などはここ10数年でビックリするほど洗練されてきましたが、西成はまだまだ、興味本位で近づくには危険すぎることをよく理解できる良作ドキュメンタリー
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大阪旅行の時にUSJや通天閣、アベノハルカス、道頓堀などの有名観光地を巡った後に「そういえば、西成のあいりん地区はヤバいらしい」と思って新今成駅で下車。どんなところだろうと思って行ったが全く持って静かな街だった。肩透かしをくらった後に、この本の存在を知って読んでみたら全てがスッと腑に落ちた。
下手な小説よりも、小説らしいが、内容は現実であることに不思議な感覚を覚える。
人は金も尊厳もなくなったら、何を考えるのか。その答えを書いた作品といえる。
リアルな西成生活
筆者が78日間、西成で生活してみて出会った人たちの記録。とりかくリアルですらすら読めた。そこにいる人たちが名乗る経歴などは、すべて設定であり、本当の素性は明かさない…という人間関係を読み取っている。建設業の飯場や、ドヤと呼ばれる簡易宿泊施設の日常など、とにかく細かく描いており、なかなか立ち入れない西成を体験した気分になる。
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著者の西成での体験を記したこの本は、西成に行ったことのない読者でも、その街の様子をリアルに想像できるほど詳細に描かれています。薬物、アルコール、ギャンブル、暴力といった、一見恐ろしい世界が繰り広げられる西成。自分では足を踏み入れることのないであろうその「別世界」を教えてくれる一冊です。
特に印象的なのは、巻末にある**「人生は暇つぶし」**という言葉。この言葉に共感した読者は、多くの人が何かしらの「暇つぶし」をしながら一生を終えるという真理に触れ、肩の荷が下りたように感じたようです。
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想像を超えた世界でした
ルポライターさんのおかげで知ることのできる世界
いろいろ考えさせられました
世の中の成り立ち、彼らを含めて日本という国がまわっていること
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「みんな死ぬまでの暇つぶししとるだけや」
安いホテルを探してたら西成で1泊2000円だった。
この場所に興味がありウロウロしてたみた。確かに他のエリアと違う雰囲気は感じてた。この本を読んでから行ってたらまた違ったんだろうと思う。
人生に悩んだら、一度は読んでみると良いと思う。こういう世界があるんだって。
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なんとなく西成で生活してみたくなりました。多分10日くらいなら平気な気がするし、もしかしたら戻ってこれなくなっても良いんじゃないかと錯覚してくる楽しさでした。今日もただの暇つぶしに楽しく本を読みました。宮崎さん元気かな。
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この町と著者は合わなかったのによく78日間もいられたなと思った一冊。本書は著者のデビュー作。その後、上梓される、「ルポ歌舞伎町」が面白かったので読んでみました。ドヤ街?ってなに?繁華街?(※違います)という知識レベルで読み始めても、怖いもの見たさな感覚で読み進められました。「ルポ歌舞伎町」と比べると人間の種類が違い、金の匂いよりも汗とか血の匂いみたいなものを感じました。
■よく生きて戻れた
そんな印象を持ちました。この町にいたら、なにがきっかけで戻れなくなるかわからないと感じたからです。でも、そんな町の中でしか生きていけない人も確実にいて、外で聞く「困った人の受け入れ先」という言葉が意味深に感じました。ここでいう困った人はおそらくこの町の人ではないでしょう。
■よく働けた
会社を選ばないと危険な飯場。いや、選ばなくても危険な飯場。その中で合わない仕事に潜入しよく色々聞き出して人間関係を作れたなと驚きながら読みました。ほかの著作でもその能力はいかんなく発揮されるのでぜひ読んでみてください。
■歌舞伎町は見続けたいと言っていたが・・
本書では「まだここに来るような人間ではなかった」というようなフレーズがでてきます。一方で、「ルポ歌舞伎町」では、「この町の変遷を見続けたい」というようなフレーズもあります。本書では、書いていない色々なことを見聞されたのかもしれません。著者は仕事でこの町に来たのもあり、まだ自分を捨てていないからかもしれません。
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人にはそれぞれ事情があって、、、といいますかありすぎるだろって思わず突っ込んでしまう本でした。
西成のあいりん地区といったら何でもありのごった煮と言っても過言では無いディープな場所ですが、そこの住人になってしまうのは流石國友さんだなと思いました。
國友さんの淡々とした文章が好きですが、お若い頃に書かれたためか、以降のルポよりも國友さん自身の気持ちの動きがはっきりと伝わってそれもまた良きでした。
『人は何のために生きるのか?』という終わりにの一文にこのルポに登場した方々へ想いを馳せてしまいました。
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西成の住人の精神状況や生活状況、特に住人のヒエラルキーや覚醒剤、貧困ビジネスなどのアングラの描写がリアルである。
人生に目標はなく、将来の展望はせいぜい1週間先で、その日その日をただ暮らしている人生をここまで突き詰めていくと、本来はこういった姿が動物としては自然なのではないかと考えさせられてしまう。とにかく描写がリアルで読書における他人の人生の追体験という視点から、全く違った価値観の世界を覗き見れて面白かった。
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★★★★
今月6冊目。
日本一のスラム、西成のあいりん地区で78日過ごした著者。
6割はシャブ経験者、4割は元ヤクザという。
そして生活保護は4人に1人。飯場で金を手にしても即ギャンブルで使い切る。どうしようもないクズの溜まり場に大阪行ったら行ってみなければ
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大阪西成あいりん地区への潜入ルポタージュ。
しょーもない連中ばっか出てくる。
でも所詮は人間みんな糞袋だし、死ぬまでの暇つぶしで生きているのかもしれない。
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漫画「地元最高」の舞台があいりん地区だと聞いて、あいりん地区についての本を読みたくなった。
著者のルポタージュは路上生活、歌舞伎町も読んだけど、西成が1番真に迫っている。
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あまり期待はしてなかったのだか、めちゃくちゃ面白かった。西成のやばすぎる人物たちが、皮肉もこめつつ愛も感じる形で描かれていて最高。筆者の若者ゆえのリアルな心情描写もよかった。生活保護者の実態、やはりか。
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めっちゃ面白かった。西成という身分証明書のいらない、その日暮らしが出来る町にたどり着いた人達の人間模様。それを垣間見てしまった就職浪人の著者のやり切れなさや、西成ならではの面白みなど、軽快な語り口、洒落のきいた文章で紹介されていて、どんどんと引き込まれていってしまった。西成という町に行ってみたいと思ってしまった。あくまで垣間見をしたいだけで、どっぷりと染まりたいとは思えないけれどね。
この本を読んで、西成という町は「生きているから生活している」そんな人達が集まる町なのかもしれない。
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2018年刊行。
駆け出しのライターである著者が、西成に潜入し、その経験を基に著したルポ。
西成。現在は大阪市西区あいりん地区と名を変えたこの地区は、関西最悪のゲットー、日本最大のドヤ街と呼ばれる。
地元の人間も、夜はまず近寄らない。
本著では、著者が実際に西成の真ん中に住み、飯場(ばんば)に入り、土工として働き、その過程で西成の人々と交流した実体験が描かれる。
非常に生々しく、どこまでが著者の演出かは分からないが、リアルな西成の姿が感じられた。
現在の西成は、かつてとは異なり、活気のあるドヤ街というよりは素行の悪い老人たちの掃き溜めとなっている。
住人が老い、若い人たちはあまり近寄らず、西成を仕切っていたヤクザも力を落としているためだ。
このルポを読んでそのような印象を受けた。
たまにあのエリアを通る時も、同様のイメージを受ける。
西成の住人たちは、様々な事情故に、どうにもならなくなって西成に辿り着く。
そして西成で最下層の暮らしをして、なんの発展も成長もないままに寿命を減らしていくだけだ。
しかし、そうなっても尚、人間は仮面を捨てられない。
「私はこういう体で生きています」という、「設定」があって、それを周りに開示しながら暮らしているということだ。
本書ではこのことが繰り返し語られる。
ここに人間の空虚さ、不憫さを感じた。
どこまでいっても、人間は見栄や自尊心を捨てられないのだ。
反面、「何のために生きるのか?」や、世界の発展・循環を全く考えずに、曖昧模糊に働き、ただその日を生き延び続ける姿というのは、動物の本来的な姿であるとも言える。
人生の意味や自分の存在意義を考えるのは「暇な」証左であり、衣食住が満ち足りた有閑階級の発想なのかもしれない。
もっと何も考えずに、ただただ毎日を繰り返す方が幸せなのかもしれない。
そんなことを考えさせられた本だった。
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大阪に住んでるのに西成は近くて遠い町
最近は随分近くなったようだけれど行ったことは無い町
案外、大阪以外の人のほうがハードルを感じないのかもしれない
著者が西成に住んで生活して少し染まって外に出ていくお話
いつか本当に西成の住人になった著者が書いたルポを読んでみたくなった
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人間の成れの果てが集まる西成。自分自身では極力行きたくない場所。
だからこそこういったルポを好奇心で覗いてみたくなるのだろう。ルポを見ると丁寧に描かれている。西成に住む人々のことを対等に扱っており、それもそれでなんだかなぁと…最後の方で言ってるように期待するだけ無駄だし、そういう役になりきってるだけなんだと割り切ったほうが西成という場所に限らず、どこの場所でもやっていけるのではないかと感じた。
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ルポ物は初めて読んだが著者の実体験手記なので非常に面白く読めた。西成という、日本でも最もアクの強い現場に潜入してよく無事に生還したと思う。また、あだ名の付け方や心の呟きが面白かった。
難しかったと思うが、もう少しコアな写真も欲しかった。
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ルポ歌舞伎町が面白かったので、こちらも読んでみた。
歌舞伎町もヤバい人が多いけど、西成はさらにその上をいく感じ。興味本意で近づいてはいけない地域だなと感じた。
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その日暮らし
ってな事で、國友公司の『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』
筑波大学を7年かけて卒業した著者が就職を諦めフリーライターの道へ。
その第一発目が西成ルポタージュ。
ドヤ街に入り、飯場で仕事をしながらドヤ街に住む底辺と言われる人々の生き様、街の様子を描写する。
まともな人間は居ないと言うくらい、元ヤクザ、元犯罪者、元ヤク中、現犯罪者、現逃亡者、現ヤク中と身元も過去も訳ありな人々が行く着く巣窟。
リンゼイさんを殺害して逃亡してた市橋も西成のドヤ街で身を隠し飯場で働いてと言う…
覚せい剤、麻薬なんかは日常的、昔ほど暴動とかは年寄りが多くなった為、殆ど無くなったが、大声で喚き散らすヤク中等はご健在みたい。
昔ほどの日雇労働者の街では無くなり、生活保護者が多くなり福祉の街となってきてるらしい。
まあ、福祉と言ってもヤクザ絡みで生活保護費を摂取してるとの事。
まあ、面白い内容じゃったんで、これ読んだら西成に行ってみたくなるかもね
何のために生きてるの?って聞くと
『みんな死ぬまでの暇つぶししとるだけや』
まあ、確かに…
読んでると色々と考えさせる事もあるね。
10年くらい前に引き継ぎで大阪担当になる時に、前任者から『三角公園行ってみる?』って聞かれたからアメ村の三角公園かと思って、ええねと付いて行ったら、西成の三角公園へ連れて行かれたんよ、昼間に…
まあ、溢れとるわな浮浪者達が。
あちこちで罵声や叫び声を上げててビビってた
そして晩に飯食いに行こって、また西成に連れて行かれて…
じゃが夜の西成は皆さんお疲れなのか殆ど人は居らず、たまに天然ドレットのおじさんが道端で寝てた(死んでたかも?)位で割と安全じゃったね。
更に今は観光地化と再開発で段々変わってるんじゃろね。
また、西成行ってガード下のホルモン食いに行って、飛田新地を散歩しに行きたいな
2021年40冊目
Posted by ブクログ
Youtubeで見ると國友さんまともそうな人なんだが(比較対象が丸山ゴンザレスや草下シンヤだが)ああいう人があいりん地区に潜入するというのが面白い。
Posted by ブクログ
読みやすくて面白かった。
西成、不謹慎かもしれないけど興味がわく場所。実際に体験することはできない世界を見事にルポルタージュしてくれています。
著者のコミュ力はすごい。度胸はあるけど、引くところは引くところがリアル。色々な人がいるけど、一人ひとりの言動に不思議と親しみを感じました。