前野ウルド浩太郎の作品一覧
「前野ウルド浩太郎」の「バッタを倒しにアフリカへ」「バッタ博士の異常な愛情~恋愛と婚活の失敗学~」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
前作からさらにパワーアップ!大容量の601ページ!
相変わらず表紙にあるコスプレ写真が面白いです。ティジャニを巻き込んでの2ショット!裏表紙のNG写真も言わずもがな!
内容は前作『バッタを倒しにアフリカへ』よりも専門性が上がるものの、変わらないユーモアと噛み砕かれた文章、間に挟まる豆知識で難なく踏破!
モーリタニアとフランス、日本の3カ国を股にかけてバッタを研究し尽くすその姿はまさにバッタ研究者。何となくの夢だった昆虫学者を実現した結果となった。夢を探すより、夢を叶えようとする方が努力は必要なのだろう。現代ではすぐに現実や金銭に直結するものを「夢」と読んでいる気がする。時代や人の移り変わりなのだろうが、昔より「夢」という輝きが失われてしまっているからだとも思う。「現実見ろよ笑」とか「なに言ってんの笑」みたいなのが増えすぎたね。
否応なしに現実に向き合わされてしまう。
ティジャニの章が厚くて笑った。ティジャニとコータローの関係は相変わらず仲が良く、バッタ研究には欠かせないアッシー君だ。100万という大金を渡したり、仕事の前金を払ってあげたり。ありえなーいと思うがこれがティジャニと築いた信頼というものなのか。
ティジャニに限らず、他人に分け与えることができる人が多いなと思った。前作でも(賄賂)ヤギを贈ればそのままごちそうになったり、ヤギを料理してくれたり、ヤギ…ヤギ…
もちろん、そうではない人もいるけれど。
大人から子どもに限らず読んでほしいけれど、中高生に一番読んでほしいなあ。こんな道もあるんだよって言いたい。お節介おばさんみたいだけどね。
Posted by ブクログ
しばらく前(2018年)新書大賞などを受賞して話題になった本。
一読、作者の人間力の高さに脱帽。
一流の研究者の書いた本は下手なフィクションより面白い事がけっこうあるが本書もまさにそれ。
僕はバッタにはあまり興味はないが、前野ウルド氏の自分の夢を実現するための努力と研究に対する姿勢には心揺さぶられ、おまけに国名しか知らなかったモーリタニアの国とそこに暮らす人々の一端も知る事ができて充実した読書タイムを味わえた。
読んでいる途中で研究での苦労は語られているのに、肝心なバッタの生態や群れのコントロールについてはあまり語られてないのがずっと気になっていたが、あとがきで論文提出との兼ね合いでこの新書の中では書けない事が明かされていた。
すでに本書の続編が出ているようで、そこでは研究生活の中身も語られていると思うので、そちらもぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
バッタ研究のポスドクが、研究人生の起死回生を求めてアフリカのモーリタニアに行ったノンフィクション・エッセイ
幼少期に「ファーブル昆虫記」に出会い、昆虫の研究者を目指した著者
緑色の服を着た人がバッタに食べられて亡くなったというニュースの衝撃から、自分もバッタに食べられたいという妙な欲求が芽生える
無事に博士号を取得するも、職にあぶれて食い扶持に困窮
日本ではバッタ研究のポストは少ないが、アフリカでは大量発生したバッタの被害で深刻な飢饉が起こっている
実験室ではなく、フィールドワークでの研究に賭け、著者は単身でアフリカのバッタ研究所に席を置く事にする
赴任当時、サバクトビバッタの生態調査はほとんどされていない
防除方法も、殺虫剤を散布するという対症療法のみ
これではコストがかかる上に、環境汚染のリスクも伴う
バッタの生態を充分に理解し、効果的な防除方法を開発できたら、問題の解決に貢献できると、熱心に研究に打ち込んだ記録
バッタが大好きなのにバッタアレルギーを発症しているというあたりに若干の納得感がある
そりゃぁ研究対象とは接する機会が多いんだし、アレルゲンとして認識されるわなぁ
私が大学生の頃、隣の研究室はスギの研究室だったけど
その教授はスギの花粉症ではなかった
あれだけ毎年調査で大量の花粉に暴露されてるのにね
そんな謎もあったりする
でももしかしたら、炎症が起こるアレルギー反応を通り越して、無毒化するところまで行き切ったケースとも考えられるか?
文章全体に漂う、自虐系テキストサイト感
昔はこんな文章がネットに大量にあったものですけどね
著者の年齢を見たら、思った通り私と同年代
なるほど、当時のあの雰囲気を知ってる人の文章なら、現代でもこれだけウケるのも納得
赴任直後にもバッタに出会え、野営の際に夜の生態を観察する機会に恵まれる
何故バッタが高いところに止まりがちなのかとか、その理由に合点がいく
これこそ研究室ではなく現地で観察する意義ではあるけど
こんなことすら研究されていないとはね
本当にサバクトビバッタの研究をしてる人がいないんだな
ファーブルへの憧れとフィールドワークの創意工夫、実験のアイデア
私も生態学のこっち寄りの研究をしてたので、かなり共感する部分が多い
再現性と客観性を維持した上で、どうやって対象の反応を数値化するのかは考えるよね
相棒のティジャニもいい味を出している
報酬の交渉はずる賢さが伺えるのだけど、向こうの人のスタンダードなのだろうか?
あと、バッタ研究の世界的権威であるババ所長
この人の信頼と励ましがあったからこそ研究を続けられているのだなと思う
「~~の子孫」という意味の「ウルド」
この名前を貰ったときは嬉しかっただろうなぁ
そして、京大の白眉プロジェクトの面接
研究の話ができるのはそれだけで報酬にもなる
続編もあるので、いずれ必ず読む本ですね
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◎バッタ被害を食い止めるため、
バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。
それが、修羅への道とも知らずに……。
◎『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る科学冒険ノンフィクション!
【本文より】
バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。
夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、
低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。
大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。
翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。
このときを待っていた。
群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。
さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。
「さぁ、むさぼり喰うがよい」
【目次】
まえがき
第1章 サハラに青春を賭ける
第2章 アフリカに染まる
第3章 旅立ちを前に
第4章 裏切りの大干ばつ
第5章 聖地でのあがき
第6章 地雷の海を越えて
第7章 彷徨える博士
第8章 「神の罰」に挑む
第9章 我、サハラに死せず
あとがき
【著者プロフィール】
前野 ウルド 浩太郎(まえの うるど こうたろう)
昆虫学者(通称:バッタ博士)。1980年秋田県生まれ。国立研究開発法人
国際農林水産業研究センター研究員。神戸大学大学院自然科学研究科博士
課程修了。博士(農学)。京都大学白眉センター特定助教を経て、現職。
アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術の
開発に従事。モーリタニアでの研究活動が認められ、現地のミドルネーム
「ウルド(○○の子孫の意)」を授かる。著書に、第4回いける本大賞を
受賞した『孤独なバッタが群れるとき――サバクトビバッタの相変異と大
発生』(東海大学出版部)がある。
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Posted by ブクログ
私は虫が苦手だ。正直に言うとこの世からいなくなってしまばいいのにと思っている。だったらなぜこの本を読んだのか。それはひとえに、この本の著者が私と同郷であり、著者縁の地ということもあって地元の本屋に平積みされているのを見かけたからだ。なんか表紙もファンキーだし。これはズッコケアフリカ道中記の予感。笑わせてもらおうじゃない。
と思っていた時期が私にもありました。はい、舐めた理由で読み始めて申し訳ございませんでした。とても崇高な志で研究に打ち込むも様々な不幸と困難が立ちはだかり、挫けそうになりながらも不屈の闘志で立ち上がって、そびえ立つ大きな壁を乗り越えたり乗り越えられなかったりする素晴らしい研究記録でした。
最後まで虫は好きになれなかったけど、著者の生き方には敬意を表します。
私のような一般人からすれば雲の上の存在とも思える研究者という職業の明日のメシのタネも定かではないという実態。そんな無職一歩手前という状況にも関わらず、机上の空論ではないリアルなデータを求めて、様々な制度を活用しバッタ被害の中心地、アフリカに赴くバイタリティたるや。とてもじゃないけど真似できない。
いろいろと手抜かりなところもあったりして、そこをおもしろおかしく書いてくれているおかげで学術的な小難しさをあまり感じずに楽しく読むことが出来ました。
そしてどうやら続編もすでに出版されているみたいだ。これはぜひ読みたい。同郷ということもありますが、真摯な気持ちで研究と向き合う著者のこれからの研究者人生を応援するつもりで、続きも読みたいと思います!