前野ウルド浩太郎のレビュー一覧
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バッタ博士こと前野ウルド浩太郎氏の「私は、あと何回フラれたら、運命の人に出会えるのだろうか。あと何回ラブソングを歌えば、想いが届くのだろうか。たった一人、たった一人の相手に出会えたらとがんばってきたのに、なぜこんなに婚活は難しいのか。」という本である。
様々な失敗談を披露しながら、自省しツッコミを入れつつ、第5章に至っては、「トイレットペーパー理論」なる独自の自説を展開する様はムネアツである。次第に熱を帯び、動物の場合、また特異な虫さんの「メスの好み」が必ずしも生存や繁殖の役にたつ特徴とは限らないことなどを指摘する様はもはや何言ってんだおまえ。そんなことより早くカップリングしろよとツッコミたく -
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「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。あいかわらずサバクトビバッタの研究を続けている著者。今回はバッタの婚活について調べる。集団別居をしているのではないかとの仮説のもと、その根拠となる証拠を集めていった結果、別居中は卵巣が生育過程にあること、卵巣が成熟したら、オスの団体の中にメスが入っていって交尾することなどを突き止める。
フランスでの実験では、オスとメスが一緒にいると、オスの性的アプローチの支配下に常時入れられてしまう為、普段は別居しているのではないかとの考察が得られる。
モーリタニア、モロッコ、フランスの美味しい食事なども紹介されていて楽しい。最後は論文アクセプトまでの道のりで、読んでいて心 -
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なぜその研究が必要になったかの背景、限られた資源・労力で研究を進めるための手法、そしてその結果が分かりやすく書かれており、サバクトビバッタの知識を深めることができ、また研究者の仕事について理解が進んだ。
特にバッタのどの感覚器官が群生化に影響を調べる際には、バッタにマニキュアを塗る手法をとっており、こんな手法もあるのかと感心した。
グラフのサンプル数が非常に多く、調査には膨大な時間と労力がかけられていることが伝わってきて驚いた。(p.202のグラフでは5000個程度の卵長、孵化幼虫の種類、1卵塊あたりの卵数を調べている。)
筆者は次々に新たなことを解明していっており、賞や奨学金も獲得しているこ -
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相変わらずカラー写真がたっぷりだし文才ありすぎてさいこー!
まじでワクワクする!
〝Standing on the shoulders of giants〟が〝まじ先人リスペクト〟はわかりやすすぎる
シュークリームのシューってキャベツとか初耳
たしかに形似てるわ
ティジャニ話をぶち込むタイミングばっちしすぎ!
しかもティジャニの一人称がティジャニになってるのさいこーすぎる!かわいい!おなかいたい!
なんだよそのメルセデス!ふざけすぎ!やば!
これで30万とか基地外すぎ!あーおもろ
てかおうちの内装やばぁ!豪邸じゃん!
日本の若手研究者への(特に経済的な)支援システムの問題点はノーベル賞 -
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アフリカの地で自身の知恵とアイデアをフル活用し現地のバッタ被害解消に尽力するノンフィクションストーリー
コミカルな描写が沢山交えられていて、とても読みやすい。現地の人達と阿吽の呼吸で次々と直面するクスクス笑えるトラブルを対処しつつ、好きなことにのめり込んで自分の仕事にしておられる筆者を尊敬した。
やっていることが本当に好きだからこそ、「なぜ?、どういう仕組み?」という興味関心が尽きない。平凡なサラリーマンをしてる自分との大きな違いだなと感じた。仕事でなかなかそんな風になる機会は正直少ない。頼まれ仕事を「タスク」扱いにしてさっさと80%程度出来上がればいいや、そんなことが専らである。
好きな -
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「俺にとってのバッタを見つけたい」
そう思った。
面白すぎた…。
アフリカを悩ます大問題であるバッタの大発生。
本書いわく、古来からバッタの大発生は深刻な問題で、「神の罰」という中学生男子なら心踊らされるような名前がついているほど。
そんなアフリカに単身移住し研究する道を選んだ著者の前野さん。
子供の頃に読んだ『ファーブル昆虫記』をきっかけに昆虫学者を目指したそうで、私も大好きだった本だ。
読む人によって、本は人生を変えてしまう魔力があるなと実感する。
前野さんは日本では考えられない困難にたくさん出会うが、その度に打ちのめされながらも、周りの人に助けられて乗り超えていく。
そ -
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ネタバレ昆虫は全く触れないし、目で見るだけでも鳥肌が立つほど苦手だが、この作品は最後まで読み切ってしまうのがもったいないと感じられるほど面白かった。
専門的なことを分かりやすい言葉で説明してくれているし、なにより著者のバッタ愛、ユーモア、ポジティブ精神が終始伝わってきて読んでいるこちらまで幸せな気持ちにる。
研究現場の西アフリカ・モーリタニアという国についても詳しく記されている。
国民性や生活、文化が日本とは全く異なっていて驚きの連続だった。
木の枝で歯を磨いたり、ヤギに段ボールを食べさせたり。
どこか他人事として捉えていたバッタ問題も身近に考えるきっかけとなった。 -
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表紙と著者名のインパクトが強く本屋でも人目を引いていた本書をついに読みました。サバクトビバッタを研究するために西アフリカのモーリタニア(モーリタニア・イスラム共和国)に渡った著者の体験記です。続編も出ている(そのためまず一冊目を読もうと思った)ので、本書からさらに研究は進んでいるのですよね。
著者がサバクトビバッタを研究するのは「大量発生して、植物を食い荒らし、アフリカの人々の生命を脅かすバッタを抑えるぞ」という熱い思い、実はそれよりも「バッタにまみれたーーい!いや、喰われたーい!」という個人的欲望のため・笑
そんな著者のため、文章の口調もなかなか軽妙でユーモラス、写真もたくさん載っていて