前野ウルド浩太郎のレビュー一覧
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購入済み
気軽に読める虫の話
バッタ等の昆虫が苦手な方にも読みやすい内容。研究結果や論文の内容にはあまり触れていないが、その分素人にも分かりやすく楽しめる作品になっている。
馬鹿馬鹿しくも夢を追いかける筆者に感動を覚える良い本でした。
お勧めです。 -
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生物図鑑を読んでいると、生態が明らかでない種の数に驚かされる。
メジャーな生物ですら専門書が出版されていないことも多く、
カニとワタリガニの生態の違い、タコとイカの進化系統、カバの亜種など、
さほど専門的でないことですら詳しく調べようとすると苦労する。
では、そもそも生物を理解するためには何が必要とされるのか。
遺伝子やゲノム、分子生物学的な装置や手法に頼らずとも、出来ることは山とある。
例えばバッタ。
脱皮回数を記録し、体長を計測し、触覚の節を数え、数ミリの卵のサイズをノギスで測る。
もちろん闇雲に繰り返すのではなく、飼育密度、エサ、部屋の明るさを変え。
さらには卵黄を減らしたり、蛍光塗 -
Posted by ブクログ
『バッタを倒しにアフリカへ』という新書がけっこう売れているらしいです。それは,昆虫学者の研究物語なのに,まるで,冒険物語のように読めるからでしょう。
新書版では,文字通りアフリカへ行ったときのことが書かれているわけですが,本書の方は,前野ウルド浩太郎氏が,昆虫学者として独り立ちしようともがいている期間のことが書かれています。もちろん,新書版とは違う専門的な研究の部分も詳しく書かれています。
かといって,そんなに難しい内容ではありませんし,新書版で魅せた著者の軽快な文章の片鱗も感じられて,こういうタイプの本にしては,読みやすくなっていると思います。
帯には「必読! 今話題の『バッタを倒 -
Posted by ブクログ
サバクトビバッタの研究者の、学生時代から現在に至るまでの記録。生物学の知識がまったくなくても楽しめる。研究者がどのように研究するのか、どのように物を考えるのかがなんとなくわかった。この著者はなぜこんなにバッタに熱中できるんだろう?ひとつのものに集中し、長く継続して取り込めるのは、純粋にすごいと思う。この本は、そんなちょっと変態的なバッタ愛が面白い。
修士の頃の試行錯誤やアフリカに行くあたりのエピソードが面白かった。後半になると、更に熱くなる。
バッタが混み合いによって孤独相・群生相へと相変化し、見た目もまったく別の物になることはこの本で知った。昔テレビでバッタ大量発生の映像を見たが、そのバ -
Posted by ブクログ
バッタの研究者である著者が西アフリカのモーリタニアやモロッコ、アメリカ、フランスを飛び回って論文を発表するまでの10年以上にわたる体験記。
尋常ではない苦労をしているんだろうけど、軽妙な語りとバッタに対する熱い思い、強烈な異文化紹介によって気楽に読める。
ネットで紹介されていたので興味を持って読んでみた。
って、読んでみたら、本作「バッタを倒すぜアフリカで」は「バッタを倒しにアフリカへ」の続編だった。たぶんネットで紹介されていたのは前作。間違えた。名前が似ていてややこしい。前作読んでいないのでどうしようかと思ったけど、続編といっても話がつながっているわけではないっぽく、スピンオフ的な内容 -
Posted by ブクログ
あれ、この本、東海大出版で出ていた(らしい)やつだな、『バッタを倒しに〜』でモーリタニアのフィールド初日の様子はここにかいてある、と説明されていたな、と思い、手に取る。
※その時点では、表紙のキャラクター(!⁇!)には気づいてなかった。
読み始めてから、作者のまえがきに納得。
たしかに本書はこってり味。素人あてに広く浅く読みやすい作風だった『バッタを倒しに〜』とは対照的だった。
でも本人が、疑問、実験の手順を考える、師匠に相談、思いつき、実験、結果、考察、師匠に相談、工夫、実験、考察、と繰り返す様子が本当にたのしそう。
相変わらずユーモアあふれ、チャレンジ精神も旺盛、そして謙虚。
研究者とは -
ネタバレ 購入済み
作者のバッタにかける情熱が凄い
研究者という仕事の過酷さを知ったが、作者自身がユーモラスな方で、内容が重すぎずサクサク読めてしまった。
研究者として絶体絶命な状況であっても、どうにかして現地で研究を続けられるよう考えて、乗り越えられるのが凄い。発想力も凄い。