あらすじ
新書大賞受賞の『バッタを倒しにアフリカへ』が、リクエストにお応えして児童書版で登場! 小3以上で習う漢字は総ルビ、著者による爆笑用語解説、新エピソードも追加。オールカラー。ファーブルのような昆虫学者になるため、世界をバッタの害から救うため、アフリカに向かった若きハカセの冒険物語。
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Posted by ブクログ
2020年、アフリカの砂漠から4000万匹にも及ぶバッタの集団がアジアめがけて進軍中と言うニュースを発見。インドの次は中国か?と言う記事に、迎え撃つ中国軍は、アヒル10万匹の陣容を整える予定と言う、なんとも胸熱な展開に童心に戻ってワクワクしていたところで、この本の存在を知ってしまいました。(バッタを倒しにアフリカに行った人が書いた本より後でバッタがアジアに? 察し)ちなみに、アヒル10万は人間の食事になる予定と言うオチも胸熱だったがあれはどうなったのか?
しばらく寝かせておいたら児童文学的なポジションで新装された様なので、手にとって読み始めたら、この著者(ウルド、これも文中で秘密と顛末が明かされる)は、胸熱な人材と即座に分かりました。なぜなら、本の題名は”バッタを倒しに”とあるのですが、ウルドの本心、願望は”バッタに食べられたい”と… 更に、バッタの研究をし過ぎてバッタアレルギーになっちゃうってw これは、NS釣法を編み出した釣り師が、真鯛釣りの時に使うアミ餌を触り過ぎてアレルギーになっちゃったのと同じパターンのやつ。(腸管から吸収していれば免疫細胞は無害と認識するが身体の傷口から入ると異物として認識して、以後アレルギー反応を起こしちゃうやつ)
この本では、バッタ(サバクトビバッタ)が、集まると変身して凶暴になると言う、書いていて欲しいことは当然ながら書かれているし、モーリタニアと言う国と日本についての繋がりも触れられているし、モーリタニアではヤギがご馳走である事、程度の知識が得られる。
地味に良いなと思う点は、大学院を出た博士の身の振り方を書いているところ。海外の研究者も転々としながら生き場所を見つけている記述があったりしたのを読んだ事(『天才数学者、ラスベガスとウォール街を制す』など)があるが、ウルドは研究者として金を貰う事に執着している点が生々しいし清々しい。京都大学から資金を貰えた事も凄いなと、まぁ凄いのはあげた方なのかもしれないけど。海外ものは、その頭脳で別の職を見つけて成功した話が多い印象。(株とITに関する本)
あと、ウルドが研究の段取りをしっかり考えているところや、生き残り戦略として何をしたのかなど、児童文学書としても綺麗事で終わらせない味がある。
そして、肝心要のバッタを倒せたのか?夢であったバッタに食べられたのか?それは読んでのお楽しみ。(まあ、上の流れでだいたい察し…)
砂漠で生活しながらのリスクもだいたい経験していて、サソリに刺されて、その後の件は人智を超えているなと感心させられる。
ウルドは、現在、国際農研と言う所に所属しているようで、今も夢を追い続けている模様。
自分の好きな事が長期的に見れば世界を変える力になるって凄い事だし、現在進行形で頑張り続けて欲しいと思える良書だと思いました。
Posted by ブクログ
夢にまっすぐ
言い回しが言い得て妙で笑ってしまい、苦労話がおもしろい
バッタに興味がないどころか嫌いでも、この作者のことは読んだ人は皆好きになるはず
Posted by ブクログ
児童向けの本で写真が多く、また漢字に平仮名がふってあり、さらに2ページに3つぐらいは言葉の解説がある。
フィールドワークとして民族のこととか一般とはかけはなれたものが多いなかで、これは異色のものである。教員養成系大学の学生がフィールドワークについて読むのにもっとも適した本であると思われる。
Posted by ブクログ
面白かった
バッタを研究し昆虫博士になるべく夢を
叶えにアフリカへ行く。
海外での不条理から人々の人間模様、
そんな色々をユーモラスにわかりやすく
展開しながら日本で研究者になる事の
難しさや悩みを赤裸々に表現している。
Posted by ブクログ
おもしろすぎる。
全く知らない異国でたくましく生きて行くサバイバル的な面白さはもちろんのこと、研究者として生きて行くためにあらゆる手を尽くして夢に向かって突き進む筆者に感動しました。
研究費のためにお偉いさんと面接するシーンがたまらなく好きです。
Posted by ブクログ
面白いですねぇ。
多分、自分ではできないなぁことを実現している行動力に惹かれるのだと思います。
無収入でもやりたいことを見つけられたのが、才能というか、幸せなんだと思いました。
Posted by ブクログ
虫が苦手なので、昆虫記か…と読み始めたけど、
めちゃくちゃ面白かったし、泣きそうになったし、なんならバッタちょっと好きになった←
よく、「悩んでるって考えてない」っていうけど、考えるってどうするのってなってた。
でもこの本で、考えるってこういうことかも!ってちょっとわかった気がする。
仮説立てて、検証して、考察するのを繰り返していく前野さんの姿に心が動かされた。
「暇な時に寂しさを感じる」っていうの、めちゃくちゃ共感する。だったら忙しくしたらいいのか。
目標や夢に対して、虫と同じく苦手意識があったけど、
あれば自分を楽しくできるものなのかってなった。
目標は果てしないと途方に暮れちゃうから、まとめやすいものから形にして成功体験を味わって、さらに上位の課題に取り組む。
自分で自分のご機嫌をとりながら進められる人が結果を出すんだな。。
夢の数だけ喜びが増えるって読んで、日常で、小さくても夢を探していこうってなった。
自分の中でモヤモヤしていたことに「こうしたらいいんだよ!」って背中を押してもらえるような本だった。
バッタを見ると、この本を思い出すようになった。
前野さんの楽しい人柄に、大変なことがたくさん起きているのに、明るい気持ちで読み続けられた。
Posted by ブクログ
大量に発生して農作物を食べ尽くしてしまうバッタを研究しに、モーリタニアへやってきた著者の破天荒な(失礼!)滞在記。
新書版「バッタを倒しにアフリカへ」の児童書版。版を大きくし、カラーやイラストを増やしている。漢字にはルビをふり、難しい(?)言葉には解説を付けた。それがめちゃくちゃ面白い。だんだん解説を読むのが楽しみになっていく。
Posted by ブクログ
バッタ博士のファンになります!
ババ所長も素晴らしい方!!
虫苦手でもめちゃくちゃ面白くてあっという間に読み進められちゃう。
ゴミダマとハリネズミの話が...
Posted by ブクログ
バッタ博士の著者が、アフリカで発生するバッタの大群による農作物被害をなくすためにサハラ砂漠で研究する様子を記録したノンフィクション。
児童書版のこちらは、難しい言葉の注釈が多く追加されており、その説明文がまた面白い。
虫が苦手な私は、大量の虫が写った大きなカラー写真に「ひえっ」となってしまったので、同じく虫や集合体が苦手な人は要注意。
けれどそんな苦手も気にならないくらい、ユーモアがあって読みやすい文章に惹き込まれた。
大変なことを乗り越えながら、夢を追い続けることの楽しさ・希望が溢れており、読み終わった後の清々しさといったら!
子どもたちにもぜひ読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
p310
便宜を図ってもらう特別な行為を日本人は編み出していた。そう「お近づきのしるし」だ。調査部隊にプレゼント送って親密になり、その見返りとしてバッタ情報を受け取るのだ。
(研究は、地道な人付き合いから始まるのだな…)
p375
夢を語るのは恥ずかしいけど、夢を周りに打ち明けると思わぬ形で助けてもらえたりして流れが良い方向に向かっていく気がする。夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかなと、今気づく。
p378
ラマダンとは、物や人に頼らずとも幸せを感じるために編み出された、知恵の結晶なのではなかろうか。
Posted by ブクログ
語注とルビつきで子どもにも読める!ということだがそれはどうかな、大人が気楽に読む本。構成や文の読みやすさ、その後が知りたくなる度は☆5
読んだ直後にバッタの研究で他国グループが大発見したとニュースを見てしまった。コータロー大丈夫か!ファーブル昆虫記やソロモンの指環が好きな人は楽しめる本。