あらすじ
自分の婚活よりバッタの婚活!? 日本、モーリタニア、モロッコ、アメリカ、フランス――世界中を飛び回り、13年にわたり重ねてきたフィールドワークと実験は、食糧危機の原因となるバッタの大発生を防ぐ可能性を持っていた! 現実を舞台にした異世界転生ストーリー、ついにリブート! 新書大賞受賞、25万部突破の『バッタを倒しにアフリカへ』刊行から7年。画期的な研究内容がベールを脱ぐ。
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Posted by ブクログ
2017年発行の前作『バッタを倒しにアフリカへ』。たまたま行った本屋でコーナーの一角にたくさん平積みされていた。全身緑の衣装で眼光鋭く虫取り網を構えるバッタ博士こと前野先生の写真は陳列されている本の表紙の中でも一際目立っていた。本を手に取ってパラパラとめくってみると「バッタに食べられたい」とかいう文言が目に飛び込んでくる。「新書らしからぬ」というのが最初の印象だった。しかし、いざ買って読んでみると、バッタの生態のみならず、アフリカの文化や、社会人としての働き方など、著者の人生がぎゅっと詰め込まれた、瑞々しい体験が綴られている本で、働き始めたばかりで失敗続きの私は、先生が遠い異国で奮闘する姿とその知見に大いに励まされた。
続巻が出た暁には絶対に新刊を本屋で買うのだ、博士の活動費の足しにして頂くのだ、と心に決めており、2024年に本書『バッタを倒すぜアフリカで』が出た時は喜び勇んで本屋に買いに行った。それからずっと積んでいたけれど2026年になってやっと読んだ。
私が働いている職場では、2019年のコロナ禍をきっかけに、海外拠点から来ていた社員さんの多くが帰国してしまった。コロナが収束していけば以前のように色々な国籍の人たちが行き交う風景が職場に戻ってくるかと思っていたけれど世界の緊張感は増すばかりで、そんな風にはならなかった。いろいろな国で戦争が増え続け、2026年2月末の中東情勢緊迫化に伴ってホムルズ海峡が封鎖されてから、いよいよ私の生活にも色々な影響を感じるようになった。必要な資材が入ってこなくて仕事のスケジュールに影響が出たり、カルビーのポテトチップスが白黒パッケージになったり。
閉塞感を感じる日々の生活の中、『バッタを倒すぜアフリカで』で前野博士が示してくれる、壁を真正面から突破し続ける姿は、前巻と同様にやっぱり励まされた。
正面から突破といってもすぐに壊せる壁ばかりではない。何が起こっても、世界中の伝手をつかって研究を続ける突破力もすごいのだけれど、絶対にこの方向で貫通すると信じて、熱心にやり抜く忍耐力にも感嘆する。スプーンで一さじずつすくって厚い壁を掘り進めるがごとく。研究や論文というものはなんと地道な積み重ねなのだろう。
社会を維持するために対立をどのように管理するのかは大切である、という大きな関心から、サバクトビバッタの繁殖行動が果たしてどのように雌雄間の性的対立にかかわる問題を解決しているのか、という流れで論文を執筆し始めた。
『バッタを倒すぜアフリカで』p.484より
サバクトビバッタは普段、雌の集団と雄の集団が別々で生活していて繁殖の時に雄雌は群れを成すのではないか、という着眼点から博士は沙漠で過酷なフィールドワークに挑む。過酷であるし、予想外のアクシデント続きでつらい。でも語り口がおもしろおかしい。ユーモアのところを書いちゃうと、ギャグの面白い所を説明する野暮なヤツみたいになってしまいそうだからやめておくけれど、今の時代に漂っている閉塞感は集団幻覚でも患ってるのかもしれないと思うくらい、読んでいるとワクワクしてくる。
アフリカはイスラム教徒が多い国で、日本で暮らしている私にとっては全く馴染みの無い国だけれど、著者のディープなアフリカ暮らしの目線から書かれている人々の生活ぶりはパワフルで、親しみに溢れている。論文調の文章を好む人はこの本を回りくどく思う人がいるのかもしれない。しかし、広く色々な人に読んで欲しい、色々な人の興味関心を喚起したい、という願いが一冊の本に貫かれていて、私のように世界を狭く生きている人間の心を打つ。
専門外の人へ説明することを徒労に感じたり、対立相手はエネミー!になる事が組織的にも個人的にも多くなっている。もし「アフリカの農作物をバッタが食い荒らしている現状を知らない無知な読者(お前)」という雰囲気をこの本が持っていたら私は読み切れなかったと思う。
「こんなことも知らないのか」に耐えられない非力な私(読者)にどこまでも並走してくれる、懐の深い一冊だった。
Posted by ブクログ
青年記としての色合いが濃かった「バッタを倒しに〜」に比べ本著は研究色が強い。とはいえ学術書ほどお堅くはなく、専門的な分野もすんなりと頭に入ってくる。
この本を読まなければバッタ学なる学問
永久に知ることはなかった
孤独相と群生相について詳しく知る事ができて知的好奇心が満たされる
バッタなんて何の興味も関心も無かったのに
今やどんなバッタでも見つけて観察したい気分
「バッタを倒しに〜」の中で著者に匹敵する濃いキャラだったティジャニの話もがっつり楽しめた!
表紙の写真
もう一人はティジャニだった!
著者にとってはバッタ研究の欠かせない永遠の相棒なんだね
バッタの繁殖行動を解明し、バッタ被害の
防除研究に貢献していくであろうこれから
著者のバッタ愛から導かれた必然だと思っていたけれど、逆境や挫折も同じくらい運命を引き寄せる力になっていたのかもしれない
論文発表にこぎつけた本著
新たなスタート地点に立っているウルドさん
バッタ共々何かの機会でまた出会えたら嬉しいな
Posted by ブクログ
前作とは異なり、本作はかなり本格的な学術書寄りの内容となっている。しかし、難解な専門知識を扱いながらも、著者が随所でユーモアを交えたり、興味深い脱線話を挟んだりするため、非常に読みやすい。全600ページという大部の一冊で、読み終えるまでには相応の時間を要したが、最後まで飽きることなく読み切ることができた。
また、本書を通じて強く印象に残ったのは、著者のひたむきな前向きさと周囲への感謝の姿勢である。単なる知識の習得にとどまらず、その考え方や生き方から学ぶことも多く、実生活においても大いに参考になる一冊だった。
Posted by ブクログ
前作に続いて前野さんのバッタに対する情熱と魂が込められた作品でした。前作を読んでいたのでより楽しめました!
著者のあらゆる人への感謝やリスペクトが溢れていているので、読んでいて気持ちが良かったです。研究内容も面白いてすが、途中で脇道に逸れた話も全部面白く、思わずフフッとなってしまう場面がありました。
読み終わった後には、著書へ何らかの形で応援したい!!と思ってしまうような素敵な作品です。
Posted by ブクログ
面白い!
著者の十数年にわたる研究生活並びに自伝的な一冊。
面白おかしく、だけど真摯な姿が好ましい。
まれに専門的な話は出てくるけれど、全体の数%に抑えられているし、興味のないものにもしっかりと伝わるよう丁寧に書かれている。
Posted by ブクログ
いゃ〜、面白かった!
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編です。
前作のレビューで筆者の文章が面白いと書きましたが、今回は圧巻の約600ページ!
しかもご本人曰く、「学術書」と言われるように、研究内容もしっかり触れ、それが最終的にどのように活かされるかまで分かりやすく解説され、大変楽しく読みました。
私は商業雑誌への依頼原稿しか書いたことないけど、共著者としてスタッフの論文投稿でリジェクトを繰り返してアクセプトされた時の嬉しさは何度か経験あります。日本語でも大変なのに、研究者の皆様の熱意と努力には頭が下がります。
そして最後にいろんなものが報われて良かった!
あとは婚活がうまくいきますように!
オススメです♪
Posted by ブクログ
人に何かをしてあげる時、何かをしてあげたという優越感と経験を得ることができる。
この考え方すごく好き、実践したい!
逆に、何かをしてもらった時は、ありがとうございます!と、とにかく元気に感謝を伝えたい!
筆者の前野さんはエリート感がなくて(失礼)、謎に親近感が湧くキャラクターだなと、、
だからみんなに好かれるんだろうな〜とも思うけど!
p.s.
ちょうどこの本を読んでいるときに呪術廻戦の渋谷事変を見てたら、蝗GUYが出てきた。やけにこのアニメバッタの習性に詳しいな、、、と思ったら、ね(笑)
Posted by ブクログ
前に読んだバッタを倒しにアフリカへがとても面白かった+
自身の研究室での研究を思い出し、研究者への道を選んでいたら
どうなったんだろうなと色々と感慨深い思いを味わわせて頂いたので
本作も発売してから結構すぐ買っていたのですが
しばらく積ん読状態でやっと読み終えることが出来ました。
しかし読み始めれば600ページに迫る大作の本作もあっという間に読み終えましたし
今回はバッタの生態からバッタ学の歴史、そして著者の研究の細かい点から
馴染みのないモーリタニアの文化やアシスタントのティジャニのキャラクター
論文投稿のあれこれなど本当に盛り沢山の内容でした。
それにしても事実は小説より奇なりを地で行くような
本当に色々あったんだろうなと思いながらも
これらをよく記録しておいたなとその点も恐れ入りました。
著者はエンタメ資質に加えてやはり研究者としての資質も
持ち合わせているんですね。
なお前作では研究の細かい部分が論文発表前で全く触れられていなかったのですが
今回はお腹いっぱいになるくらい研究について触れられているのでスッキリしました。
当然バッタの研究について述べた本ではありますが
研究とはかくあるべきのような話が本当に分かりやすくそして面白く
書かれているので研究室に入る前の理系学生や研究室に所属したものの
どのように研究を進めていいやら悩んでいる学生なんかにもおすすめの本です。
私は著者と同年代ですが研究室時代にこの本に出会っていたら
研究者の道を選んでいたかもなと思います。
Posted by ブクログ
前作の「バッタを倒しにアフリカへ」は論文発表前ということで、いろいろ書けなかった部分もあったそう。今回はそこら辺もしっかり網羅、みっちり600ページ。厚い。
相変わらずの前野節がさらに絶好調でニヤニヤしちゃう。
前野さんが取り組むのはバッタの大発生、ことに繁殖の謎を明らかにする研究。その結論に至るまでの観察・実験から研究業界のあれこれ、論文が完成するまでの紆余曲折がギチギチに詰まっています。
世界中をあちこち飛び回っていろんな人と出会ったり、研究に刺激を受けたり。何より「巨人の肩に乗ってる」という、諸先輩方へのリスペクトがそこかしこに感じられるとこ。研究者あるあるなのかな、ジーンとしちゃう。
自身の婚活は二の次にバッタのカップル達を見守り続け、ついに論文を発表。どこに行ってもみんな大喜びなのは、前野さんの人柄(と気前のよさ)あってこそ。
しかし。なんならバッタより気になっちゃうのはやっぱりティジャニ。
私も「バッタを倒しに…」買いましたので、その印税がティジャニを潤わしたと思うと「もうちょっと用心しなはれ」と言わざるを得ない。
それでも憎めないティジャニ。前野さんとのやり取りもほほえましいし、彼が有能すぎる相棒だったのは表紙からも伝わってきます。
前作はバッタに会えなかったり、スパゲティでゴミムシダマシを捕まえたりしていましたが、今回は「もうバッタはしばらくいいや」ってくらいずっとバッタ。
今なら私もけっこう詳しいかも!
Posted by ブクログ
これほど続編を待ち望んだ本はなかったかもしれない。前作は薄かったが、今回は600ページもの大ボリューム。あのポジティブでアツい前野ウルド氏が、今回もフィールドワークで戦い、分野をまたいで新たな発見に気付き、多くの人々に支えられながら論文を執筆した。それがPNAS(世界最高峰の総合学術誌)に掲載されたのだから大尊敬である。
本書には「前野ウルド浩太郎」という人間の魅力が詰まっている。PNASに論文が掲載され、日本学術振興会賞も受賞した立派な博士なのだから、もっと偉そうにしてもおかしくないはずなのに、前野氏はまったく飾らない。賢そうに見せようともしない。前作の印税でウハウハな状況を素直に喜び、友に分け与え、自分の感情を隠そうとしない。どこまでも等身大で、ありのままの自分を表現しているから、人はこの男に惹かれるのではないだろうか。
正直、ついに前野氏がサバクトビバッタの防除技術を開発し、モーリタニアを蝗害から守ったのかと淡い期待があった。だが、そうではなかった。異分野を跨いで点と点をつなぎ、疑問に光を当て、仮説を検証し、新たな発見をした。それを論文として後世に残すという偉業を成し遂げていた。何年先になるかはわからないが、誰かの論文が誰かの研究の役に立つ日がきっとくる。その輪の中に前野氏の論文が組み込まれた。我々はその現場にリアルタイムで立ち会えたのだ。それだけで本書を読んでよかったと思える。
助手のティジャニ氏の愛嬌と図々しさは見ていて微笑ましい。前野氏の婚活がうまくいっていないのも、申し訳ないが本書のいいスパイスになっていると思う。幼い頃から両親の背中を見て、「自分もがんばれる素質があると思い込んでいた」「人のためにがんばれる素質を秘めていると信じていた」と語るシーンが特に印象的だった。彼はおそらく、人生の道に迷った時、悩んだ時、自分を信じて自身を鼓舞しながら道を切り開いてきたのだろう。最終章のタイトルのとおり、「結実のとき」を迎えられてよかった。
いつか蝗害の防除技術が開発される。前野氏の研究は、それに近づくための貴重な一歩だったと思う。研究はまだまだ続けられるそうだし、前野氏が蝗害から世界を救う救世主になることを強く願っている。
以下、本書より抜粋。
「父はときおり何かの試験に向けてハチマキをしてがんばって勉強していた。その後ろ姿を見て、自分もがんばれる素質があると思い込んでいた。母が手料理を一生懸命作る姿を見て、人のために何かをできることは喜びであり、自分も人のためにがんばれる素質を秘めていると信じていた。口であれこれ言われたわけではなく、両親の普段の姿から、自分も大人になったらあれこれがんばれるだろうと勝手に思っていた。」
Posted by ブクログ
バッタの続編。
時系列的には、完全に前著からの続きというわけではなく、前著で語られなかった内容を掘り下げて書かれている部分も多分にあります。時系列が混乱することもありますが、文体や表現が面白いので、そこまで気にはなりませんでした。
内容としては特に、アカデミックな内容が多分に盛り込まれ、仮説からの実験内容やその方法が詳しく記されています。「小難しい内容はちょっと…」と思われるかもしれませんが、専門用語が出たとて、相当噛み砕かれて表現されているので読みやすいです。
また、海外での実験道具の作り方や、その素材の調達等、海外ならではの面白さが満載です。
さらに、番外編的としての、モーリタニアの相棒ドライバーのプライベートや突飛な発想もとても面白かったです。
著者の成功ばかりではない体験と、その失敗を通じての次へのポジティブなステップ、さらに打算の開示も他者への感謝も含め元気をもらえる1冊でした。
Posted by ブクログ
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。あいかわらずサバクトビバッタの研究を続けている著者。今回はバッタの婚活について調べる。集団別居をしているのではないかとの仮説のもと、その根拠となる証拠を集めていった結果、別居中は卵巣が生育過程にあること、卵巣が成熟したら、オスの団体の中にメスが入っていって交尾することなどを突き止める。
フランスでの実験では、オスとメスが一緒にいると、オスの性的アプローチの支配下に常時入れられてしまう為、普段は別居しているのではないかとの考察が得られる。
モーリタニア、モロッコ、フランスの美味しい食事なども紹介されていて楽しい。最後は論文アクセプトまでの道のりで、読んでいて心が痛かった。無事の掲載まことにおめでとうございます。
Posted by ブクログ
専門的な知識を説明しつつ、諸外国のルポや面白ネタを入れるなど文章が軽くて読みやすい
こういう本がもっと流行れば理系不人気も改善できるんじゃないかなと思った
Posted by ブクログ
著者が論文を発表したサバクトビバッタの交尾に関する研究内容が詳細に書かれている。
どうやって研究したかだけでなく、仮説を立てるための発想をどこから得たのか、研究の手法をどうやって体得したかという背景にも丁寧に触れている。
Posted by ブクログ
バッタを倒しにアフリカへ、よりもアフリカでのフィールドワークの詳細にフォーカスした内容。深刻なトラブルも多々あるが、基本明るい文調なので、楽しく読める。研究者の苦しみが一般向けに平易な言葉で綴られている。
Posted by ブクログ
「バッタを倒しにアフリカへ」から10年、モリータニアとフランスだけではなく、モロッコやアメリカにも渡り、相変わらず精力的な活動をしていたら、なにやら有名な賞を受賞していました。おめでとう。パチパチパチ。
本書にも一章を割いているが、次は是非ともティジャニ物語を発表してほしいものだ。
Posted by ブクログ
読み応え(厚み?)があって面白かった。
バッタの生態も興味深かったし、読みやすい文体も前作同様で、楽しい時間だった。読む時間がなかなかとれず、2ヶ月ぐらいかかってしまったのは私の個人的な事情。。
ティジャニの章は声を出して笑いながら読んだ。
本筋ではないとは思いつつ、ティジャニとのやりとりが一番好き。
最後に、ティジャニがバッタアレルギーになってしまったというオチがうけた。
著者のバッタの論文を読んでみたいという好奇心に駆られるが、多分理解できないのだろうなあ。。。
この研究の先にどのようにバッタの退治に応用、転用していくのか気になるので、研究についての続編を望みます。
彼が研究を続け、著作を出す限り、追ってしまうと思うので、私はもう、ファンの一人と言えると思う。
Posted by ブクログ
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。研究の成果として論文発表が叶ったとのことで、前作で書かれなかった当時の研究の仮説、データ集めの手法や結果、コロナ禍の研究・論文執筆や発表にまつわる壮絶な苦労についても詳しく書かれていて、ああ!これが読みたかった奴だ!となった。研究ってこういう感じなんだなあ。想像以上にストレスやプレッシャーが多そうで、自分なら潰れているだろうと尊敬の念が湧く。著者の研究が報われる結果となって本当に良かった。
研究だけでなくアフリカ、フランス、モロッコなどでの暮らしの話や前作でも活躍した運転士兼便利屋兼親友のティジャニの話などもたっぷりあって面白い。ティジャニ、ついに子供に著者の名前をつけるまでになっていたとは!浪費家なのは御愛嬌、調子が良くて憎めないところが良い。著者にも、ティジャニの人生にも幸あれ。
一つだけ気になったのは、聖書の十の災いを引用している部分で英語の単語を「原文では」こうだと書いていること(旧約聖書の原文はほぼヘブライ語。英語はその訳)。専門外だから分からなかったのだと思うが、本当の原文のヘブライ語ではバッタなのかいなごなのか、どうなっているのか知りたいと思った。
研究からの脱線部分もありかなりボリュームのある本になっているが、楽しくサクサク読めるので長く感じない。また研究の成果が出たら本を書いてほしい。
Posted by ブクログ
著者の人柄と熱意が溢れ過ぎてる学術書
感謝を言葉だけでなく、行動で示す姿勢は読んでいて気持ちがよかった
やる気をなくしたり笑いたい時に読み返したい
Posted by ブクログ
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編。前作で語られなかった研究内容の詳細を平易に解説。何はともあれ長きに渡るフィールドワークが報われる日が来て安心しました。ドライバーとして苦楽を共にしたティジャニの章や、有力誌への論文掲載までの苦難など、読みどころ満載。
Posted by ブクログ
文庫本で読んたけれど、すごいボリュームでしたね。
気に入った部分は、どのページか分からないのでうろ覚えですが、
たまに人に『好きなことばかりできていいですね』と言われるが、【好きなことが仕事になるようにしている】【好きなことが何か世の役に立つようなところはないかと探して仕事として認めてもらう】
というような趣旨の事が書いてあったと思う。そう、好きなことを仕事にして食っていくにはこういう姿勢や努力は不可欠だと思う。最終的に、有名専門誌に論文が受理されて、いろんな賞を受賞できてめでたしめでたし。
40度を超える砂漠で何日も過ごしたり、そのなかでトビバッタを次々に解剖したり、色々な国の研究機関で仮説を検証する実験を行えるようやりくりしたり、好きでないとできないことです。
でも、ティジャニさんに多額の現金渡すのは、もうやめといたほうがいいと思うな~
Posted by ブクログ
本書で提唱される「集団別居仮説」が興味深かったです。集団のグループが実は雄と雌で別々に行動しているという発見は、よく気づけたなと感心させられます。
著者自身も認めているように、基本的に寄り道の多い作品です。
助成金獲得のために研究を中断して帰国したら余計に出費がかさんだ話、コロナ禍でドライバーの安否を気遣って大金を渡したところ警察に盗まれた話など、研究の前段階で生じた悲喜こもごもの苦労話や、価値観の異なる異国でのトラブルが次々と展開されます。
アカデミックな研究書というよりは、観光紀行ドキュメンタリーの趣きが強いです。
著者の行動力とコミュニケーション能力は凄まじく、現地の人々と関係を築き、トラブルを乗り越え、ようやく研究の土台を作っていく姿には圧倒されます。
そして同時に、そうした力がなければ、そもそも海外でのフィールドワークは成立しないのだという現実も伝わってきました。
バッタ研究そのものの面白さに加え、研究者が現場で生き延びるための逞しさや苦労まで味わえる、読み物として非常に楽しい一冊でした。
Posted by ブクログ
前作よりも、研究方法や研究内容についてさらに詳しく綴られており、興味津々で読ませてもらった。
レックという用語や、サバクトビバッタの繁殖力の凄さ…そして、著者がバッタの卵母細胞を採卵し、計測するという緻密な作業に感動した!
研究って、そこまでしないといけないのね…大変。
これも全て、著者のバッタへの愛の深さ故。
凄まじい努力の結晶が報われてよかった。
これからもさらに研究を進め、サバクトビバッタと人間が平和に共存できる未来が1日でも早くやってきますように!
ティジャニ(音速の貴公子)の息子の名前に感動したり、ラボの教授の言葉にうるっときたり、私が研究していたわけではないけれど、著者の努力と苦労が描かれているからこそ一緒に感動できる本だった!
Posted by ブクログ
バッタを倒しにアフリカへの続編。
600ページ。けっこうなボリューム…サバクトビバッタの繁殖についてストイックに研究する著者。その研究内容を事細かに記述してくれているが、ちょっとついていけない部分も、正直言ってけっこうあったかも。
だけど、大人気ティジャニとの愉快なやりとりや、いろんな国での研究生活の記述はキラキラしていて、本当に面白い。
この本、日本十進分類法だと昆虫学の分類になっていた。まぁ、それは当然だよなと思いつつも、この分類区分って私生まれて初めて読んだのでは?と思った。いろいろなジャンルの本を読んだ方がいいに決まってるけど。この本の著者も、いろんな本を読むべしと結びに書いていた。お気に入りの一冊を見つけよう!夢を持とう!と。さて、わたしにとってのお気に入りの一冊は何かな。
Posted by ブクログ
前作は論文発表前で肝心のバッタ研究内容があまり語られていなかったが、今回は過去のバッタ研究史からサハラ砂漠でのフィールドワークまで幅広く紹介されていて面白かった。蝗害でも有名なサバクトビバッタの繁殖システムを、進化的な背景や仮説で説明する点が非常に分かりやすかった。オスが集団で特定の場所に集まってメスに対して集団でディスプレイする配偶システムをLEKと言い、様々な生き物で見られるとのこと。サバクトビバッタも同様で、オスの集団とメスの集団は別で暮らしていることを発見した。それにしてもバッタの交尾が非常に時間がかかる点が気になった。人間でも祭りや遊びスポットなどで似た現象を感じさせる。
しかし600ページは長すぎでバッタ研究の内容に特化して圧縮してほしかった。モーリタニアで世話になったアシスタントのエピソードを入れたい気持ちは分かるが、途上国に住んでいた身としてはあまりにも日常的で…タクシープロジェクトについては概要聞いただけで結末が見えてしまった。スピンオフで別の本にしてもよかったのでは。あとフランス語のC'est trop(英語のToo much)をC'est 徒労と空耳するとことか、Beaucoup(英語のmany/much)を多様してるノリとか、語学に精通してなければさすがに通じないネタではないかと思ってしまった。個人的にはすごく面白かったが…
Posted by ブクログ
『バッタを倒しにアフリカへ』の続編。表紙の緑の人が2人に増えている。
前作では論文発表されていないという理由であまり触れられていなかった研究内容(サバクトビバッタの繁殖行動)について、今作ではかなりのページを割いて説明されている。当然バッタの写真も多く、虫嫌いの私は極力薄目で読み進める。
長年にわたる研究成果が実を結び、いよいよ次作は博士自身の婚活の話だ。実はいちばんこれが読みたいんだよね。
ちなみに表紙の緑の人No.2は、モーリタニアにおけるバッタ博士の運転手なのだが、前作から珍エピソードに事欠かない。読者からの人気も高いようで、今作ではまるまる一章が彼に捧げられている。