【感想・ネタバレ】バッタを倒すぜ アフリカでのレビュー

あらすじ

自分の婚活よりバッタの婚活!? 日本、モーリタニア、モロッコ、アメリカ、フランス――世界中を飛び回り、13年にわたり重ねてきたフィールドワークと実験は、食糧危機の原因となるバッタの大発生を防ぐ可能性を持っていた! 現実を舞台にした異世界転生ストーリー、ついにリブート! 新書大賞受賞、25万部突破の『バッタを倒しにアフリカへ』刊行から7年。画期的な研究内容がベールを脱ぐ。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 ここまでのボリュームの本を書かれては、☆は5つつけるしかない…

 前作も読んでいたが、その後の前野氏の七転八倒の研究がどのように進められたかが事細かに描きつくされる。

 条件がそろえば異常発生するバッタ。しかし通常の状態では捕まえることすら難しく、集団で着地している状態のバッタを見つけることはさらに難しい。しかも現場は気温40-50度に達する砂漠。動くことですぐ体力は削られ…

 そんな中、著者はふと、バッタが雄雌別々の集団を形成していることに気づく。そしてそれが発見へつながる。

 研究者が研究を進めるには、カネ(給与をもらえるか、研究費がつくか)、そして周囲との人間関係を築けるか(無理を言っても研究に協力してくれる人をどれだけつくるか)。

 学術書として十分な内容が含まれるがその発見に至る、サイドストーリーの方に多くの紙幅が割かれる。

 「データや論文は書いた時のまま残るがその時どう思ったか、という感情はどんどん薄まる」というのは至言。ここまで人情、感情に敏感な筆者でもそうなら…

 読むのが大変な分量だが最後に差し掛かると、「もっと別の話はないの?」と感じられる一書。

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アフリカに生息するサバクトビバッタの謎に迫る、バッタアレルギーなのにバッタ狂いという訳が分からないバッタ研究者の右往左往ノンフィクション研究紀行(研究内容は真面目)続編??。

・面白かった点
今回バッタの生態説明が結構あったんだけど、それが柔軟すぎて感心した。孤独相⇔群生相の話は知ってたけど、孤独相の時は単為生殖できて、群生相の時は雌雄別居からの交尾スポット利用とか、日々変わる状況に適応しまくりで手強すぎて研究対象にしたくなるのちょっと分かる気がした。
あと砂漠の過酷な環境故に研究されてこなかったのも分かる。日本で酷暑36度(湿度の問題もあると思うけど)ですら具合悪くなるのに、東北出身で40度を超すサハラ砂漠に身を置こうとか本当ーーに酔狂だと思う。

・よくなかった点
よくなくはないのだけど、「研究成果を発表したい!」と「研究中のあれこれを披露したい!」と「面白いって言ってほしい!」が溢れまくって「ちょっと落ち着いてくれ」といいたくなる。「どこが面白かった?」と聞かれた時に情報過多でちょっと困る。これでも相当削ったらしいし、このまねできない情熱が面白さの源泉なので難しいところではあるけど。

<総評>
謎の解明は端緒についたばかりだけど、身も心も金も時間も捧げてできた研究結果が日の目を見られたのは本当にめでたい。パーマネントな定職も得られてますますめでたい。あとは人間のパートナーを見つけるだけ、っていうか婚活本が次に出るらしい。「そんな寄り道してる場合かーい」とツッコみたくなる衝動と「この人から見た婚活ってどうなってるんだろう」と怖いもの見たさでうずうずするのとで複雑。

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2025年10月11日

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