桐野夏生のレビュー一覧
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久々に桐生夏生作品が読みたいと思って
手に取った本。
リアルフィクション。
行き場のない女子高生たちの現実。
親に捨てられた(そう思っている)女の子たちの現状。
自分の体をお金に変えるしか生きる術がない彼女たち。
ずっと苦しい話が続くんだけど
読む手が止まらなかった。
それは桐生さんの文才。
最後の真由の荒れ方が1番苦しかった。
怒りの裏にあるのは
どうしようもない寂しさや、苦しさ。
「落とし前をつけなよ」
この全てを悟っているリオナのセリフも、
リオナのこれまでの経験を物語っていて
切なかった。
どうしても家庭環境が良くないと
子どもは荒れる傾向にある。
だって
1番身近な大人に傷つ -
Posted by ブクログ
一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。
例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏。近年、アートの世界では政権の意向に沿った展示しかできなくなってきたと言う。意向に反せば、補助金が下りないなど不自由を強いられるそうだ。
詳しく知らないが、おそらく、この展示は慰安婦像などを展示するのが目的ではなく、賛否両論のものを公の場で示すこと自体が目的だったのではないか。こうした国の動きに対 -
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福祉システムが崩壊した近未来の東京で生きる身寄りのない少年イオンの物語。東京は中流や金持ちが住む世界と、そこからはみ出したまま一生を終えるホームレスの人々が住む世界に分かれており、さらにその地下に陽の目を避けて生きる地下住民たちの世界がある。ホームレスは毎日がサバイバルで、女子供はかたまって派閥のようにして身を守りながら生きている。少年は守られたい気持ちと自由になりたい気持ちの両方を持ち、生き延びつつ成長もしているという、危ういながら伸びやかな存在として描かれている。最期の最後で両親を思う気持ちが切なく、人はみな、愛を注がれて育ちたいものなんだなと思った。いくつになっても、「優しいおとな」を求
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1994年刊。『顔に降りかかる雨』(1993)に続く、桐野夏生さん初期の女探偵ミロ・シリーズの2作目に当たる。
やはり、面白かった。やはり現代のエンタメ系文学は非常にスイスイ読めるし、物語の展開にはまって先へ先へと駆り立てられる。
本作でミロは、むしろ敵側と思われるようなダ男性に性的に惹き付けられて寝てしまい、それが原因となって失敗を招くなど、「アラアラ」と悔しくなるような弱さを露呈しており、それもあって、非常にリアルでなまなましい女性像を確立している。
ミロが探し求める女性リナも、極めて不幸な幼少期を送って情緒面で発達障害的になってしまった人間として、後半リアルに描き出される。
そ -
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高級タワマンに暮らすママ友たちの人間模様を描いた『ハピネス』の続編。
前作で主人公・有紗の夫が出張先のアメリカで女子大生と不倫したという告白を聞いた一件を経て、今作では有紗自身がタワマンの一階下の住人(『ハピネス』にも登場した高梨という男)と怪しい関係に、そしてやっぱりというか、親友の美雨ママは別のママ友の夫と相変わらず不倫&修羅場継続中という、何だかドロドロとした展開のお話である。
『ハピネス』ではタワマン住民内にある格差みたいなところがテーマとして前面に出ていたと記憶しているけど、今回はお受験に関する話は出てくるものの、プライベートな不倫ネタがメインとなっており、やや俗っぽくなった印象 -
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2001年刊。『柔らかな頬』の2年後で、『グロテスク』の2年前。桐野さんのキャリアの中では比較的初期の作か。
桐野さんの近年の作品の文体はずいぶんと薄っぺらく人物の風貌や情景はさほど書き込まないまま、スピーディーにプロットを追うようなものが多いようだが、『OUT』(1998)辺りでかなりきめ細やかな文章力を発揮していた。
本作もそれに近く、特に冒頭は何やら文学的な雰囲気が漂っている。しかし、そんな文章を噛みしめつつ読み進めると、突如強烈な、ショッキングな出来事が起きてビリビリと来た。第1章の主人公有子は上海の学生寮に住む留学生なのだが、同じ留学生の女性が、その寮で数人の日本人男子留学生(