桐野夏生のレビュー一覧
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この本の文庫版の解説は、井上荒野が書いているが、井上荒野は、本書の前書の「ハピネス」について、斎藤美奈子が文庫版に書いている解説を引用している。孫引きになるが、引用する。
【引用】
「桐野夏生はつまりプチセレブのバイブルである"VERY"の読者に向けて、読者層と重なる女性たちを徹底的に皮肉り、批評した小説をぶつけたのである」
【引用終わり】
本書「ロンリネス」も、「ハピネス」と同じく初出は「VERY」連載であり、登場人物も前書から継続しているので、この斎藤美奈子の解説は、この「ロンリネス」にも当てはまるはずだ。
「VERY」という雑誌を知らなかったので、ネットで調べてみた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ夫や息子にないがしろにされた中年女が突発的に家出して車で(東京から長崎へ)一人旅に出る、っていう話。
途中被DV女と知り合って「テルマ&ルイーズ」的な展開になるのかと思いきや、そういう初期作みたいな破天荒な方向へは突っ走らず、最後の最後は何だか気の抜けたようなトホホなオチ(帰宅)に。
旦那息子をはじめ、登場人物の8割がたが中途半端なクズっぷりを披露。ママ恋しくて長崎までやってくる次男が特に情けなかった (T_T)
長崎の思想的なボケ老人はスゴかったな(゚д゚)!。「極端な正義は悪魔と見分けがつかない」とか何とか偉い先生が言ってたような気がするけど、まさにそれを体現した感じの御仁。て -
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バブルと金融業界、未知の世界。自分が生きる福岡と地続きのはずなのに最早ファンタジーである。
望月が動き始めてからが面白いが、思考行動すべてが場当たり的でハラハラする。「マジか望月…」と心の中で3回は呟いた。博打が当たり続ける望月くん。誠実さが欠片もないので友達にしたくないタイプだが、成り上がって他を見下してやる、という人間臭い欲望を純粋に追い求める姿はなんか羨ましい。緩やかな諦観がずっと流れている現代を生きていると、良くも悪くも熱量がある人間って眩しい。
稼いだ奴がエライんじゃひれ伏せ!という価値観はシンプルで楽だけど、そこから落ちてしまった時、絶望するのか、笑い飛ばせるのか。でもこんな時代 -
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大好きな桐野夏生さん。
やっぱり面白い。
貧困、孤独、格差
重い‥重すぎる‥なのになんでこんなに
惹きつけられるんだろう。
記憶を失った主人公のギンジと
故郷の宮古島を捨てた昭光が
安住の地を求めて放浪する。
二人の関係は友情?とは言えないものだけど
孤独で極限の状態にいる二人にしかわからない
心の繋がりがあるのだろうな。
主人公の家族が崩壊していくシーンは
辛かった。
例え家族であろうと、人との繋がりは
努力して維持していくものなんだと感じた。
ラストは切なかった。
逃げても逃げても明るい未来なんてないのかもしれない。
解説にある
安っぽい同情など愛ではない、自己責任
誰かの不幸を -
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主人公の女の子たち(真由、リオナ、ミト)がどうなるのかハラハラしながら一気読み。三人のたどる道はあまりに過酷で、容赦がない。
社会問題としてトー横に集まる若者が度々取り上げられている。ひと昔前の非行少女たちと事情がちがうのは、彼女たち自身には落ち度はほとんどない場合が多いという点かもしれない。背後には貧困があり、子をきちんと養育できない家庭があまりに増えているという厳しい現実がある。
それでも桐野夏生の小説らしく、彼女たちは自らの境遇に抗い、果敢に行動する。両親が突然行方不明になってしまい、何とか自分で生きようとした真由は、バイト先で性被害に遭って深く傷つくが、警察に被害を訴えようとするし -
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桐生夏生ってホラーチックという先入観があるのか、その存在も知ってるし過去に読んだ作品も面白かったしはずれのない作品を書ける人というイメージをもっているにもかかわらずあんまり読んだことがない。久しぶりにたまたま見かけた『バラカ』という小説を読んでみた。
震災で原発事故が起こった日本が舞台になっている。作品自体も2011年夏頃、つまり東日本大震災と福島第一原発の事故から間もないうちに「小説すばる」での連載が始まり2015年まで続いた。だから途中から震災後であり原発事故である世界は、実際の世のなかとはちょっと違う方向に動いている。いや、あえてより悲惨な状況を描いたのだろう。そんななかを数奇な生まれ育 -
Posted by ブクログ
桐生夏生ってホラーチックという先入観があるのか、その存在も知ってるし過去に読んだ作品も面白かったしはずれのない作品を書ける人というイメージをもっているにもかかわらずあんまり読んだことがない。久しぶりにたまたま見かけた『バラカ』という小説を読んでみた。
震災で原発事故が起こった日本が舞台になっている。作品自体も2011年夏頃、つまり東日本大震災と福島第一原発の事故から間もないうちに「小説すばる」での連載が始まり2015年まで続いた。だから途中から震災後であり原発事故である世界は、実際の世のなかとはちょっと違う方向に動いている。いや、あえてより悲惨な状況を描いたのだろう。そんななかを数奇な生まれ育