桐野夏生のレビュー一覧
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江國香織さんの「夕涼み」と綿谷りささんの「青春リグレット」が読みたくて手に取った。夕涼みは、夫の行動にゾッとしたし、私だったらそんなズレた夫とは一緒にいられないと思った。「逃げたかったわけではない、が、逃げられないと思わされることは恐怖だった。竦むような、恐怖だった。」という言葉に共感。誰かに自分の選択肢を奪われたり、縛られたり、自分で自分を決められないことを、人は恐怖と感じるんだなと思った。そして誰にもその出来事は話せないことも、夫を含む周りにはいつまでも愛し合っている夫婦だと思われていることも、自分だけがこのザワザワした気持ちに気づかないふりをしていればいいんだと感じるのもわかる。老女たち
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7つの短編小説が収められた短編小説集。雑誌掲載の作品を集めたものであるが、発表時期は2006年から2014年の間でばらついている。何かに物理的に捉われていたり、あるいは、支配されている状況を描いた小説ばかりである。「奴隷小説」という短編小説集全体の題名も、そこから来ているのだろう。
どれも、やり切れなさ、あるいは、自分が実際に同じ状況に置かれたらどうなるだろうという怖さを感じる小説ばかりである。どの小説が最も印象的かというのは、人によって異なるだろうが、私は「告白」という短編小説が最も印象的で、最も怖かった。他の小説も、絶望的な状況に置かれた人たちを主人公にしているが、それでも、場面が展開する -
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この本の文庫版の解説は、井上荒野が書いているが、井上荒野は、本書の前書の「ハピネス」について、斎藤美奈子が文庫版に書いている解説を引用している。孫引きになるが、引用する。
【引用】
「桐野夏生はつまりプチセレブのバイブルである"VERY"の読者に向けて、読者層と重なる女性たちを徹底的に皮肉り、批評した小説をぶつけたのである」
【引用終わり】
本書「ロンリネス」も、「ハピネス」と同じく初出は「VERY」連載であり、登場人物も前書から継続しているので、この斎藤美奈子の解説は、この「ロンリネス」にも当てはまるはずだ。
「VERY」という雑誌を知らなかったので、ネットで調べてみた。 -
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ネタバレ夫や息子にないがしろにされた中年女が突発的に家出して車で(東京から長崎へ)一人旅に出る、っていう話。
途中被DV女と知り合って「テルマ&ルイーズ」的な展開になるのかと思いきや、そういう初期作みたいな破天荒な方向へは突っ走らず、最後の最後は何だか気の抜けたようなトホホなオチ(帰宅)に。
旦那息子をはじめ、登場人物の8割がたが中途半端なクズっぷりを披露。ママ恋しくて長崎までやってくる次男が特に情けなかった (T_T)
長崎の思想的なボケ老人はスゴかったな(゚д゚)!。「極端な正義は悪魔と見分けがつかない」とか何とか偉い先生が言ってたような気がするけど、まさにそれを体現した感じの御仁。て -
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バブルと金融業界、未知の世界。自分が生きる福岡と地続きのはずなのに最早ファンタジーである。
望月が動き始めてからが面白いが、思考行動すべてが場当たり的でハラハラする。「マジか望月…」と心の中で3回は呟いた。博打が当たり続ける望月くん。誠実さが欠片もないので友達にしたくないタイプだが、成り上がって他を見下してやる、という人間臭い欲望を純粋に追い求める姿はなんか羨ましい。緩やかな諦観がずっと流れている現代を生きていると、良くも悪くも熱量がある人間って眩しい。
稼いだ奴がエライんじゃひれ伏せ!という価値観はシンプルで楽だけど、そこから落ちてしまった時、絶望するのか、笑い飛ばせるのか。でもこんな時代 -
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大好きな桐野夏生さん。
やっぱり面白い。
貧困、孤独、格差
重い‥重すぎる‥なのになんでこんなに
惹きつけられるんだろう。
記憶を失った主人公のギンジと
故郷の宮古島を捨てた昭光が
安住の地を求めて放浪する。
二人の関係は友情?とは言えないものだけど
孤独で極限の状態にいる二人にしかわからない
心の繋がりがあるのだろうな。
主人公の家族が崩壊していくシーンは
辛かった。
例え家族であろうと、人との繋がりは
努力して維持していくものなんだと感じた。
ラストは切なかった。
逃げても逃げても明るい未来なんてないのかもしれない。
解説にある
安っぽい同情など愛ではない、自己責任
誰かの不幸を