桐野夏生のレビュー一覧

  • 眠れぬおまえに遠くの夜を

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    韓国芸能界の光と影を描く。

    男性アイドルの頂点を極め
    その後、全てを失い転落していくナダン。
    アメリカ・アナンデールへ留学し
    行先を模索し、やがて成功を収めるテミン。
    2人は経済危機を回避するため訪れたアメリカで出会った。

    韓国のドラマが好きなので
    登場人物が辿る人生を興味深く読んだ。
    やはり、桐野夏生さんも韓国ドラマを観ているそうだ。
    詳しいはずだと納得。

    インタビューで
    「人が黒くなる過程を見るのが大好き」と話す。
    もっと黒くドロドロとしたストーリー展開なら
    桐野夏生ファンで、韓国芸能を知らない読者も
    存分に楽しめたのではないだろうか。

    SNSに流れてくる韓国芸能の苛烈さ。
    それを少しは知っている者として
    本書は桐野さんの韓国への愛が詰まった作品だと感じた。

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    2026年05月31日
  • 眠れぬおまえに遠くの夜を

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    IMF危機のあおりで一家離散となり、アメリカに逃れアルバイトで暮らしている中学生のナダン。
    金も後ろ盾もないがその恵まれた容姿と歌声で、いつしかスターにと夢見ている。
    街角で歌っているナダンを偶然見かけ、心惹かれるテミンは、会社を経営する父を持ち、恵まれた境遇であるが、そんな父が嫌で、韓国が嫌で、勉強が嫌で親せきを頼りアメリカで暮らしている。
    そんな二人が努力やチャンスにより、韓国で芸能生活を送るようになる。
    が良いことは続かず・・・

    兵役や高学歴社会、SNSの怖さなど韓国独特の風潮を交えながら、ひとりの人間の儚い人生が語られる。

    何かを訴えかけるような桐野作品にしては、考えさせられる作品になっています。

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    2026年05月26日
  • 水の眠り 灰の夢

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    ようやく、ダークネスから遡って読んだミロシリーズが終了。
    これは村善の若き頃の話。
    ミロから見た村善とこの話の村善では印象が違うなぁと。でも、全て繋がったから満足。
    ダークネスだと、登場人物全て悪人で嫌なヤツだったのに、この話だと鄭にしてもなかなかの人物で高評価なんだけどなぁ。

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    2026年05月24日
  • 錆びる心

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    人間の狂気を垣間見るのは、どうしてこんなにドキドキするのか。自分の中にもその欠片があるという感覚が、手触りをリアルにするのかもしれない。

    人の醜い側面を鋭く抉りとった短編集。どれも好奇心を刺激される。「虫卵の配列」が好きだった。表題作もよかった。巧い。

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    2026年05月24日
  • 柔らかな頬 下

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    ネタバレ

    普段最後がすっきりしない話はあまり好きじゃないのだけど、この話は途中も、終わり方も、とても良かった。
    解説も良かったんだけど、曰く"行方の解明というカタルシスを拒否して、…結末にいたった読者は、たちつくすとともに、自らの胸の奥を、深く、深く、覗き込まずにはいられないだろう"と。
    読み終わった後は本当にぼんやりどうしようか、たちつくしてしまう感があった

    最初の激情から、失踪を経ての戸惑いや怒りがあって、最後には諦めや達観に到達する…というのが人生のようで、落差に心抉られつつも最後にはほっとするような、羨ましいような、謎の感覚があった。

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    2026年05月21日
  • 眠れぬおまえに遠くの夜を

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    アメリカで知り合ったテミンとナダン。
    ナダンは有名アイドルグループに入り一気にスターへ。テミンも俳優になって着実にキャリアをつんでいく。勝手に脳内で実際の韓国スターを思い浮かべて読んだ。ページ数が少ないのであっという間に読めてしまうけど、余韻はなかなか。

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    2026年05月20日
  • だから荒野

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    ネタバレ

    「あなたの使命はあなたが探すしかない。誰もが自分で探すのです。私はこの荒野にいることを選んだのですから、それで終わればいいのですよ。荒野を選ぶというのは、そういうことなんだと思います。」

    お互いを思いやることをやめ、子供たちからも軽視、軽蔑されている夫婦の物語

    40代以降になって円満な関係の夫婦というものがあまり小説で見なかったのでこれを主題に組み込んだ本ということで購入

    妻と夫の目線で家族を振り返ることで進んでいくが、
    妻からみた夫は妻を使用人のように扱っており(実際夫目線でもそう)、悪いのは夫だけかと思ったけど、目線を変えてみたら妻にもうまくいかなかった原因があるなあと思った。

    この本ではどちらもお互い慮ることをしていなかったけど、実際にはどちらかが家庭を守ろうと心身をすり減らしてるケースも多いだろうなと感じた。

    長い結婚生活を続けていくとやっぱり相手を思いやる努力をしなくなり同居人のようになってしまう現象は起こりやすくなるのでどうすればいいんだろうとも感じた。

    この本では、一度距離をとってから結婚生活という荒野を沃土に変えていく決意を妻が最後に抱えていたけど多分、それは夫婦片方ではできなくて、夫の理解を得ることから始めないといけないのかと思い、応援したくなった、

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    2026年05月19日
  • オパールの炎

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    ネタバレ

    自らのための備忘録

    彼女がその後どうしたのか、私も気になっていたが、今回、彼女が京大薬学部卒であることも初めて知った。どこまで真実に近いのか不明だけれど、知らないことばかりだった。ぐいぐいと読ませる力はいつものように圧倒的でした。

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    2026年05月18日
  • ハピネス

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    ネタバレ

    やっぱり結婚前に自分の過去をきちんと話しておかなかったのはダメだと思う。全てを話す必要はないけれど、主人公が隠していたのは婚約者に知っておいてもらわないといけない最たることだ。隠していたんじゃなくて話す機会がなかった、などと言うのは言い訳だと思う。読みながらずっとこの主人公にあまり好感を持てずにいたけれど、この一点が決定的だった。

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    2026年05月17日
  • ダークネス

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    ミロシリーズ、たぶん昔のは
    読んでるはずだけど
    1ミリも思い出さないまま
    こちらを読む

    全く思い出さなくても
    これはこれで、面白かった
    いつか仕事辞めて暇になったら
    シリーズ全部読み直したいなぁ

    ミロも、ハルオも
    あまりにも、計算できない
    安易な行動ばかりで
    アホか?と思う事が多々あった

    そもそも『成瀬が刑務所で自死
    それを隠していた義父が心臓発作で
    死に、愛人の久恵がミロが殺した
    と思って追ってきた』という展開を
    この本だけで簡潔に書いてあると
    アホか?と思えてしまう

    というわけで、いつかシリーズ
    読み直したいなぁ

    読み直す頃には
    新作も出てるかもな
    期待しておこう

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    2026年05月17日
  • 新装版 天使に見捨てられた夜

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    ミロの本能に従う後先考えない軽率さに苛立ちやもどかしさを感じました。
    人間なんて一貫性がなくて心が揺らいで、深い後悔を抱いたりそんなもんです。
    探し物、Googleレンズ使わせてあげてほしい

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    2026年05月16日
  • 眠れぬおまえに遠くの夜を

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    韓国芸能界を舞台に栄光と凋落の循環を描く

    漂う空気が好みだったので楽しく読めた

    もう一周じっくり鑑賞したい

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    2026年05月15日
  • 原発回帰を考える 3.11から15年目の大転換

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    生じたデプリは800トン。取り出せたのは0.3g。これから何年かかるだろう。もし、遠い遠い将来に片づけ終わったとしても、なかったことにはできない。‥忘却は自己を防衛するための本能。個体を守るために獲得した仕組み。時にそれが種の保存を脅かす。人類も例外ではない。…80年前に地獄に導いた発明。平和利用と銘打って、記憶を上書きする。再び牙を剥いたのは、ほんの15年前。不都合なことを覆い隠し、事実を意識から遠ざける。そして、また回帰していく。…ペンは剣より強く、思いの記録は時には流されない。本能に抗う、忘れない。

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    2026年05月12日
  • 水の眠り 灰の夢

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    戦後から10年ほどの間に、日本における主な週刊誌の創刊は新聞社が主体となってスタートしたが、その後に出版社が追従した歴史があるそうだ。
    主人公の村野善三は、出版社が創刊した「週刊ダンロン」の「トップ屋」として、事件を追って自ら記事を書き起こしていた。
    「トップ屋」とは、記者を擁していない出版社が、取材能力と記事を書き起こす能力のある者を雇い入れたフリーの人材のことだ。
    常に週刊誌のトップを飾る記事をモノにする、記者として辣腕を誇る人たちだ。
    「週刊ダンロン」の創刊時に雇われた能力ある遠山が、スタッフとして声を掛けたのが善三と後藤伸朗で、この3人を中心に「遠山軍団」を組織し、瞬く間に発行部数60万を超える週刊誌のトップの座に押し上げた。

    63年9月に起きた地下鉄銀座線での爆破事件に、村野善三が偶然にも遭遇したことから物語は始まる。
    この事件の前に、草加次郎と名乗る男から当時の人気歌手だった「島倉千代子」の講演会事務所に爆弾が送りつけられた。
    その後に爆破事件は次々と起こり、デビュー以来人気のあった「吉永小百合」の元にも脅迫状が送られていた。
    善三はこの事件を追うことになると同時に、偶然にも女子高校生の殺人犯として警察から容疑者扱いをされる。
    そのために出版社から謹慎令が出され、「遠山軍団」のチーム取材も行えなくなってしまう。
    がしかし、事件を追及する「トップ屋」根性から一人で草加次郎を追い、同時に女子高生殺人犯をも追うことになるのだが、悲劇が次々と起こる。

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    2026年05月11日
  • ダークネス

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    タイトル通りのダークネスなお話。ただし、闇の先が必ずしも暗黒とは限らない… そして、さらなる暗闇かもしれないという意匠。

    ミロシリーズは番外編も含むてすべて持っている。が、ほぼ忘れていたことを思い出した、本書を読んで。
    さすがの桐野女史、濃くて深くて重くてしんどくて、痛くて苦いのに止まらない。超絶ダークでビターなスパイシーチョコレートだ。ヒリヒリがやめられない。

    【勝手にキャスティング&脳内再生】

    ✣ミロ∶鈴木京香(桐野夏生原作ドラマ『だから荒野』でのヒロイン時のイメージ) 、もしくは常盤貴子(『ドラマ続 遙かなる山の呼び声』ヒロイン時のイメージ)

    ✣ハルオ∶眞栄田郷敦(ちょっと目元が濃いか…)

    ✣ジンホ∶仲村トオル(年齢と共に渋くなりました)

    ✣由惟∶池田エライザ(勝ち気なお嬢さんテイストで)

    ✣由惟の母∶黒木メイサ

    ✣リナ∶仲里依紗

    ✣紗奈∶清野菜名

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    2026年05月10日
  • 新装版 顔に降りかかる雨

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    桐生さんの小説を初めて読みましたが、非常に登場人物が魅力的で楽しめました。主人公の女性としての強さや物語が進むにつれてわかる人情が良かったです。

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    2026年05月09日
  • 水の眠り 灰の夢

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     新刊と間違えて予約して借りた本。ミロが幼いころの村善の話だったのね。
     やはり桐野さんは切れがあるねー。しかも「草加次郎事件」なんて実在の事件を扱ってるし。犯人は分からずじまいだったと聞いているけど、ほんとにこの人だったかも。
     よく今の若者は・・・っていうけど、この頃だってひどいもんだったのね。いつの時代にも乱れた世界はあるってことね。

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    2026年05月08日
  • 真珠とダイヤモンド(下)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    一気読みしてしまった。
    上巻で感じていた不安がまさに当たってしまい、さらに最悪の結果になるとは、やはり桐野夏生の話は後味が悪い。

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    2026年05月08日
  • グロテスク 上

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    容姿、学力、家庭環境、互いの引け目から生まれる悪意や欺瞞が閉ざされた人間関係の中で顕在化、主人公を次なる行動へと駆り立てる。『東京島』、『ハピネス/ロンリネス』に続く3作目の桐野夏生作品でしたが、本作は最もフィジカルで、最もプリミティブな内容でした。人間の奥底に眠る毒的要素をこれでもかというほど炙り出す桐野さんの描写力は流石と言うしかありません。無頓着が過ぎる和恵に対する主人公の嗾に、いいぞもっとやれと思ってしまう自分もいました。下巻の展開にも期待です。

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    2026年05月07日
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    バブル期の証券会社の話。NTTが民営化されたのってこの時期だったんだ。
    桐野夏生の小説に出てくる男はどうも好かん。これも同じ。下巻へ!

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    2026年05月04日