あらすじ
桐野夏生が描く「バブル」
欲、たぎる地で迎える圧巻のクライマックス
時代はバブル全盛に。東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那(かな)は、ヤクザの山鼻の愛人・美蘭(みらん)のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。一方の水矢子(みやこ)は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す……。
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Posted by ブクログ
下巻も一気読みのスピードが落ちず、私も望月や佳那のように、得体の知れない強力な力に引き寄せられている感じがした。
思い描いていた未来、幸せな日々…。それはどこまで続く?結末は「やっぱりね」と思えるものなんだけど、「まさかそこまで…」というかなんというか。
ただ、望月にも佳那にも水矢子にも感情移入や同情はなくて、その読後感が不思議だなって思った。ずっと傍観者として人の不幸を望みながら楽しんでいたのかもしれない。だからペースを落とさず読めたのかな。
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イケイケドンドンのときはいいけど・・・の典型なんだろうな。でも現在進行形でその渦中にいたらこの先になにが待ってるかなんてわからないし、あと1回あと1回と引き際が分からなくなってしまうんだろうな。怖い怖い。でもバブルとは関係なしに、地方から東京を目指すギラついた若者って今でもいるのかしらん。いつの時代だってそういう若者はいそうな気もするし、今の時代ならいないのかもって気もするし・・・
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バブルの時代の物語。地元の証券会社の現地採用で貧しい家庭に生まれ育った水矢子と佳那は自分達にまとわりつく負の連鎖を断ち切りたいと願い、二年後には東京へ出ようと心に誓う。
また、コネもカネも学歴もない営業の望月昭平は、佳那と縁のあった客を足掛かりに、なりふり構わず成績を上げていくが、何かに憑かれたかの如き姿に、この先に待つ時代の終焉を案じずにはいられなくなかったが、永遠に株価も地価も値上がりを続ける右肩上がりのこの時代なら、この天国が永遠に続くものと思ってしまった。
あっという間に読めた。まさにその頃、金融機関で働いた己を思い出した。
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上下巻!?
長いなぁダラダラ系かなぁ
と、少し疑いながら(笑)読み始めたら...
全然ダラダラ系じゃなかった(笑)
さすが桐野さんです。
内容は、バブルの頃のお金がらみの話だけど人間模様も面白く、あの時代、こう言った人たちがたくさんたくさんいたんだろうなぁと。
少し読み始めに躊躇した上下巻でしたが、読み終わってみると、上中下巻でもよかった!
それでどーするの?どーなるの?と、どんどん読み進む読み進む。
最後が、"ご想像にお任せします"的な、すっきりしない終わり方でなく、あの人...そんな終わりだったのね...と、きっちり読み終わらせてくれました。
再読したい作品でした。
ぜひ、読んでみてください(^^)
Posted by ブクログ
あ、これヤバいぞって
子供だってわかるのに、
欲に目が眩むと人って
どこまでも愚かになる
んですよね。
どこで道を誤ったのか。
後から振り返るとよく
わかるその分岐点も、
そのときは気付かない。
あるいは薄ら気付いて
いてもリスクを軽ーく
甘ーく見積もるんです。
まるで綿アメのように
・・・
波に乗ってるときほど
冷静さを失わないこと
ですね。
とても身につまされる
作品でした。
Posted by ブクログ
プロローグとエピローグで見える景色がだいぶ違う。こうなりますか。
表題のダイヤモンドの意味が中盤で見えてきて、終盤になって真珠の意味が回収される。
スピード感があって乱高下する物語の展開は、金に踊りバブルに踊った儚い時代の移り変わりのようで、上下巻600ページがあっという間でした。
Posted by ブクログ
サクサク読めるストーリー。結末はほぼ予想していた通りだった。バブルに乗っかって、バブルに沈んだ。自分も当時はその勢いと共に調子に乗っていたなあ。その時はバブルとは思わなかった。ただ、イイ事は多少味わったが、酷いことには全くならなかった。
Posted by ブクログ
時代の流れから展開はある程度予想してたけど、あまりに救いがなくショックが大きい。長編で登場人物達に感情移入してしまっていたから余計辛い。
望月が嫌いだったけど、最期まで自分よりかなを心配する姿には胸が熱くなった。死に際で望月が本当に一番大切なのは仕事ではなくかなだと確信した。望月は自分が成功することが、かなの幸せと信じてたと思うとすれ違いが悲しい。
本のタイトルが「一生輝かないダイヤモンドに薄汚れた真珠」だったことに驚いた。素敵な意味が含まれていると思い、最後まで希望を捨てずに読んでしまった。あのプロローグにもすっかり騙された。作者が容赦なくメンタルを潰しにくる。
下巻は夢中になってスラスラと読むことができた。面白かったけど、この作者は他の作品も重そうなので、回復するまでしばらくは読まないでおこうかな。
次は優しい内容の本を読んで、気持ちを中和させたいと思います笑
Posted by ブクログ
上下、一気に読みました
バブル、泡はやっぱり消えるのね
金は人を変える。貧しかった佳那が、桁も考えずに平気で大金を使う。姉を売った男との結婚が間違いだった?
結果、死!怖い!
Posted by ブクログ
お金に気持ちも身体も絡め取られ
身動きが取れなくなるまで気が付かない。
なんて愚かな・・・。
と、今ならわかる。
渦中にいれば冷静ではいられないのだろう。
狂った世の中に翻弄され人生をダメにした人たち。
自業自得というには気の毒すぎる。
彼らを救うことはできなかったのか。
その頃を知っているだけに切ない。
Posted by ブクログ
上巻と下巻ついに読み終わりました。
下巻は一気読みに近く、最後のほうで結末が見えてきて、ちょっとさみしい気持ちになりました。
バブルの泡と一緒に弾けてしまった人生を駆け抜けた若者たち。
誰もが憧れる暮らしを手に入れると同時に失っていく大事な物。
真珠とダイヤモンドの比喩が自分が思っていたものと違って意外だったかな
面白い作品でした。
Posted by ブクログ
バブルの後半を知っている世代なので、面白くあっという間に読めた。娯楽作品としては満足。でも、桐野夏生さんなら、もっと深みがあって読み応えのあるものが書けるのではないかと思ってマイナス1。
Posted by ブクログ
自分はバブル崩壊と共に生まれたような世代。
私は上の世代の人達がバブルを謳歌した黄金時代の話を聞くのが好きだ。
嘘みたいにエネルギッシュで、豪華で、それでいて馬鹿げていて。
バブルを語る人達は皆「おかしな時代だった」とは言うけれど、その顔は青春時代を懐かしむように、はにかんだ表情をしている。
我を忘れてはしゃいで、浪費して、がむしゃらに生きて、大の大人が皆で馬鹿やって楽しそうだなぁと純粋に羨ましい気持ちも持っていた。
この本ではバブルの光と闇が描かれているけれど、闇の印象の方が強く残る。
もがいてももがいても強い引力に引っ張られてしまうような生活。
自分で居場所を勝ち取ったと思っていたのに大人たちに踊らされて搾取されていただけ。
自分の人生をそんな風にしか表せられなくなってしまう若者達の悲劇を思うと、バブルって、お金って、こういうことなんだよなぁとしみじみしてしまった。
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上下巻ものだが、あっという間に読み終わってしまった。
時代に乗り分不相応な生活を送っていた若夫婦。妻の方はこの夫と出会わなければ、キャリアウーマンとして地道で幸せな人生だったのかもしれない。
バブルの頃、金銭感覚も麻痺して、この主人公たちのような目に遭っていた人も数多くいたのかもと思うと、人生ゲームは終わるまでほんとに誰が勝ち組で誰が負け組なのかわからない。
死ぬことで楽になれるというのはあまりにも悲しすぎる。
Posted by ブクログ
野心金金酒金金暴力。
ヤクザ屋さんがおしまいあたりは持っていきました。
大ラストは3人の主人公のうち生き残ったみやこが(失われた)30年後井の頭公園で疲れたよパトラッシュでも会えたから、ってまだ53歳じゃないかあの頭を使って自分一人で生き抜こうとしていたみやこはどこへ?!というか死んだ親の借金って引き継がなくていいんじゃなかった?!それだけ故郷と上京を共にした2人の悲惨な最期がダメージだったということか。
私は個人的に川村の存在がショッキングでしたねそんな複雑な生き死にあるのかと。
読み応え読みやすさの見事な両立があり上下巻4時間くらいで読めた。すごい速さで複数の誰かの人生を体感するというフィクション小説の娯楽はやはりいい。音楽と一緒で35歳以下までに気に入った作家しかもう読む気がなくて桐野夏生は私にとってその一人。
「ダーク」で感化されて私も自分の力で生きたいと家出したクチなので、今作では何もここまで不幸にしなくていいんじゃないか命だけは助けて欲しかったとも思うがあんな狂騒の中ではこうなるしかなかったのだという説得力はあった。
「ダーク」のように私は子孫は残せませんでしたが公園のみやこが私の数年後、とならないように気を引き締めていきたいものだとリアルにまた感化をされた。
Posted by ブクログ
一気読み!
1986年、のちにバブルと呼ばれる好景気に差しかかった頃に、証券会社に入社した水矢子と佳那、そして望月の男女3人。
貧しい家庭で生まれ育った水矢子と佳那は、いつか上京するという夢を温め、やがて野心家の望月とともにマネーゲームの渦へと身を投じていく。
この時代をひと言で表すなら、まさに"狂騒"。
そんな空気感がひしひしと伝わってくる様なストーリーだった。
株式投資なんて無知でお金もない私には縁遠いものだけど、景気のいいこの時代ではこんなにも身近なものだったのか〜。
だけど、お金、お金の世の中って、やはり欲にまみれ、人を狂わせていくから怖い。
今から35年ほど前のお話だけど、完全な男社会だったり、まだポケベルだったり、、たった?35年でこんなにも世の中変わるのかというのも驚きだった。
成り上がりのなれの果て。
まさにジェットコースターの様な人生。
物語の結末は分かっていたけど、虚しい(TT)
めっちゃ読み応えあって面白かった〜
Posted by ブクログ
なんとなく、上巻を読んで予想していた結末でした。バブルに翻弄された若者達の悲しい物語。
一気に読んでしまいました。
人って、時に、そんな狂気的な暮らしをするのかな。
水矢子、佳那、望月の3人と比較的世代が近いので、なんとなくわかるような…わからないような…。
Posted by ブクログ
終わり方が結構好きだった。
なるほど、上巻の冒頭はそうゆうことだったのかと、メリーバッドエンド。
完全なバッドではない気がする。
騒ぐだけ騒いで散るのだから、人生を謳歌したともいえて、そういう意味ではハッピー?
上巻は読み始めたら先が気になるドラマ感覚だったが、下巻ではヤクザやホストも登場してブランド品を豪遊するなど派手になってきて、展開が目まぐるしく面白かった。
終わり方もハッピーではないがきっちり終わったので、まぁこんな終わり方もいいじゃない、という割とすっきりした読後感だった。
↓ネタバレ
上巻では須藤の存在が強かったが、下巻になると忘れた頃にチラッと出たくらいだった。(それも、姉の住所を望月が教えた件の暴露)
下巻ではヤクザ・山鼻の存在が強く、さらにその愛人・美蘭が佳那の新しい友人として絡んでくる。
水矢子は志望校に落ち、第三志望の女子大に通うも、周りは自分より若いし金持ちのお嬢様が多く馴染めず。第三志望に通うというのが妙にリアルでその惨めさは共感するのだが、周りが自分より若かったりお嬢様が多いのは入学前から分かっていたことだしな、と突っ込みたくなる。
そして占い師と出会い、名前に水があるから駄目なのだと平仮名のみやこに改名し、住まいにしていた安アパート住民の男子大学生に付き纏われて嫌になり、占い師のアシスタントとして住み込む。これも極端なことしてるなと突っ込みたい。
望月と佳那は豪遊するも、バブルの終わりで大損失を出した客に追われ、中でも山鼻に殺されかねないと奔走。美蘭も(佳那もたまに一緒に行っていたが)隠れてホストで豪遊しており、始末されていた。ここらで須藤も久々に登場し、佳那に望月が姉の住所を教えた旨を暴露。(姉の住所や、姉の職場である病院に脅迫をするヤクザを送り付けた)望月にあんたのせいで仲が良かった姉との関係が壊れたと訴える。(嫌がらせの後、母と佳那にしか住所を教えていなかったので佳那が漏らしたのではと怪しみ、以来引越ししたらしいが連絡を一切断つ。母とは連絡しているものの、佳那には電話番号を教えるなと事情を話しているらしい。姉はレントゲン技師と不倫をしていたことあり、潔癖な望月は不倫女が嫌いなので須藤に教えた。)
亀田という株のカリスマも失敗。その秘書的役割だった川村は望月を通してみやこと繋がっていたが、みやこは男に興味が持てず、川村は占い師と付き合っていた。亀田の失敗で尻拭いにまわる川村だったが、占い師も亀田に掛けていたので大損し、川村に酔った勢いもあり死んで償えと言い放つと、そうですね、と、その夜電車に轢かれて死んだ。
望月と佳那も山鼻に見つかり、ビルから飛び降り心中。
そんな3人の死を知ったみなこはショックを受けるが、間もなく母も亡くなり、実は800万の借金があり、勝手に保証人として兄と自分の名が使われていたことを知る。兄と折半して返済することになる。兄は兄で家庭があり、相当苦しかったはずだが葬式でその話をして以来、連絡はしない。みなこはバブル後の不景気で3年やそこらで首を切られることが増え、50を過ぎると事務職も採用自体難しくなり、スーパーの試食や居酒屋で働くも、コロナ禍で解雇。家賃も払えずアパートを追い出される。侘しくビスケットをかじって水道水を飲みながら、寒空の下、死んだはずの佳那の証券会社の頃の姿を見て、どうしてこうなったのか経緯を語り、佳那のすすめで、佳那の元に行くのだった。
一生輝かないダイヤモンドの水矢子と、
濁った真珠の佳那。
Posted by ブクログ
転落するのはわかっていても、どんどん読み進めずにはいられなかった。水矢子まで転落させるところが桐野さんらしい気がする。
今、書かれたということがどういうことなのか。今の株高はバブル時代とは違うのか。
Posted by ブクログ
まさしく虚飾と狂乱の果て‥の下巻。
お金によって人が変わっていく様がありありと描かれ、望月と佳那に訪れるであろう破滅の予感にハラハラしながら読んだ。
堅実なみやこには、転落せず潜り抜けて欲しかったけど。
上下巻の長編だったけど、中だるみする事なく面白かった。
Posted by ブクログ
あの異常な好景気の熱狂、誰もが夢が叶うと思わせたあの時代は、フェイクだった。
堅実に生きていた水矢子でさえも時代の波に呑まれる。
切なかった…
真珠もダイヤモンドも。
Posted by ブクログ
先日、バブル期以来の株価最高値…と報道されていたが、現在とバブル期では全く別世界。子供のころ、バブルで沸いていた日本を覚えているが、金に対して狂喜乱舞していたように思う。
本作もまさにその通りで、ひたすらに欲を追い求めた結果、最後は悲しい結末に。分相応に生きた水矢子ですら幸せは訪れず。ただ、時代に翻弄されただけ。この時代、本当にこのような人達が沢山いたと思う。バブルの教訓は決して忘れてはいけない。
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1986年春、ある証券会社の福岡支店に入社した3人の新入社員を主人公にした小説。プロローグとエピローグを除いた小説の舞台は、1986年から1990年代初めの福岡と東京である。
この時期は、バブル景気の時代と呼ばれる。日本のバブル景気は、1986年12月から1991年2月までの51カ月間の、資産価格の上昇と好景気、およびそれに付随して起こった社会現象とされている。最近、日本の株価が上がりつつあるとニュースで取り上げられることが多いが、日経平均株価の最高値は、いまだにこのバブル景気時代のもので、具体的には1989年12月29日の38,957円である。これが、バブルのピークの1つである。バブルの崩壊は1992年の2月頃と言われているので、それからおおよそ30年間以上、日本経済は当時の株価を上回ることが出来ない低迷を続けているという言い方もできる。
バブル景気は、私が大学を卒業して数年後にやってきた。私自身は、メーカーに勤めていたので、不動産業や金融業ほどの勢いではないが、それでも、世の中の景気の良さは感じていた。今から振り返ると、やや異常な時代でもあった。バブル当時の世の中で信じられていたのは、「土地と株価はずっと値上がりが続く」といったことであった。私は首都圏に住んでいたが、首都圏の土地の値上がりは激しく、また、マンション価格も高騰を続けており、普通のサラリーマンでは、通勤時間の長くかかるところにしか自家を取得出来なくなっていた。しかし、マンションは、買った時よりも値上がりするのが当然という雰囲気もあったし、また、株もずっと値上がりするものだと思われていた。そういった根拠のない考え方が、更に土地と株価の値上がりを呼んでいた。それがバブル景気だ。
バブル前夜に証券会社に入社した主人公たちは、株価の高騰、バブル景気の膨らみとともに、のし上がっていき、そしてバブルの崩壊とともに破滅を味わう。この小説は、時代を利用し、しかし、最後には時代に翻弄され裏切られた若者の物語である。
証券会社というバブルの渦の中心を舞台にしており、その当時の世相が、よく描かれている。私も、当時の様子を思い出しながら小説を読んだ。ただ、小説の前半は、やや「バブルあるある」的な物語が続き、そんなに面白く読んだわけではない。小説の後半も、「バブル崩壊あるある」的な物語ではあったが、急に小説の緊迫感が増し、面白く読めた。
Posted by ブクログ
福岡の証券会社で新入社員として巡り合った大卒の望月昭平、短大卒の小島佳那、高卒の伊東水矢子がバブル期に株の世界でもがいていく物語。
プロローグで語られるのは35年後に公園の片隅で出会う佳那と水矢子。
物語が進むうちにどうしてそんな35年後の姿になるのか想像がつかず、それだけを知りたい気持ちで読み進めた。
あのバブルが弾けた時期には、大なり小なりこの物語の様な悲劇があちこちで起きていたのでしょう!
Posted by ブクログ
本当の意味で弾けてしまうとは…。
お金の魔力って本当に怖い。煌びやかで派手な遊び、美味しい食べ物、持ち上げてくる周囲の大人、見たことのない世界はそりゃあ楽しい。望月と佳那が根性出して頑張っていたのは虚構じゃないし、若くして死んでしまったのはやるせなかった。清廉潔白ではないけれど、あんな最期を迎える程のことをしたのかな、と思ってしまうよ。分相応ってなんか嫌な言葉でもある。須藤とか山鼻みたいな傲慢な奴が生き残るのかあ。時代に乗って駆け上がりすぎた分、お金=それ以外は無価値、という単純な価値観に浸かりすぎて、思考停止してしまって、札束に酔っていた。
水矢子に関しては、可哀想としか…最後に求めていた佳那の幻を見て誘われたのか、ベンチで夢から醒めるのか。借金ダメ絶対、と強く戒めてくれる本。面白かった。
Posted by ブクログ
プロローグの回収が抜群。
バブル世代なんで、NTT株の件とか懐かしみながら一気読み。おもしろかった。
お金の世界にどっぷりと浸かり溺れてしまった2人の結末はなんとなく自業自得かなと思うけど、水矢子には輝くダイヤモンドになってほしかったな。結末が悲しすぎる。
【2025.07】
Posted by ブクログ
バブル期の物語。
下巻はバブル末期から崩壊までが描かれています。
ヤクザと関係したことで望月夫婦の末路は決定されていましたね。
みやこの方は母親の謝金の保証人にさせられていたことで転落していくのですが、53才まで生きられたということは生命力が強いのでしょうね。
その割に最後はあっさりという感じですが。
汚れた真珠と輝かないダイヤモンドということでタイトル回収でした。
プロローグもエピローグで回収されますが、プロローグで望月夫のことを訪ねるのはミスリードにしてもずるいと思いました。
Posted by ブクログ
※
お金は人を狂わす。
マネーゲームの苛烈な渦に飲み込まれていく
人生の乱降下と、破綻していく様が生々しい。
上巻と比べて勢いが段違いに増していく
下巻はあっという間に読切りました。