桐野夏生のレビュー一覧

  • オパールの炎

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    読み終わって感じたのは、まだまだ性差別の構造は自分の生きる社会に根深く残っているんだということ。
    自分の中に刷り込まれてしまって、問題意識を持てずにスルーしてしまっている差別構造が、きっとたくさんある。
    それをスルーすることなく、声を上げたり活動する女性に対して、自分はこれまでどんな視線を投げかけてきていたんだろう。
    自分自身の姿勢を厳しく問われているように感じた。

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    2025年03月20日
  • ハピネス

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    タワマンを題材にした小説を
    タワマン文学と呼ぶらしい。

    タワマン✖️ママ友。
    格差をテーマにするには
    もってこいの題材。

    同じタワマンでも
    低層階の部屋と高層階の部屋
    分譲と賃貸
    景色の良し悪し
    によって格差が生まれるらしい。

    そして、そこに住むママ友とその子どもたちも
    暗黙の了解で値踏みされるらしい。

    どこの幼稚園に通わせるとか、
    保育園はみっともないとか。

    ああめんどくさい。

    タワマンに賃貸で住む主人公の有紗と、
    タワマンの近くに住む洋子。

    この2人が最初はママ友としてお互いを
    「◯◯(子どもの名前)ママ」というか呼び方から、
    それぞれ自身の名前である有紗、洋子と呼び合うよう

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    2025年03月13日
  • 燕は戻ってこない

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    ネタバレ

    読みやすく先が気になり続けて勢いよく読み切れた、楽しかった

    エゴの塊のように子供を欲する基に、最近まで第二子諦め切れない気持ちでいた自分が重なった
    あなた達にもお腹を切って欲しい、というリキの言葉で急に帝王切開の痛みを思い出した。ああ、自分は命をかけて我が子を産み育てられているんだなとしみじみ感じ、大事に育てたいと思った(今日も朝から怒ってたけど)

    貧困というテーマというよりは、子を産むとは何なのか、子供は誰のものなのか、ということを私は考えさせられる気持ちになった

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    2025年03月12日
  • 夜また夜の深い夜

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    明日何が起こるか想像もつかない、とにかく強く、強く生きていくマイコにのめり込んだ

    彼女の壮絶な人生の一部を覗き見させてもらった気分

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    2025年03月12日
  • 砂に埋もれる犬

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    ネタバレ

    虐待、ネグレスト、徘徊、貧困、深夜の闇、心の闇沢山の悲しみや寒さを感じる。自分自身の心が固く寒くなる様な感覚。

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    2025年03月08日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。

    収録されている話は以下、
    ・あの日にかえりたい(小池真理子)
    ・DESTINY(桐野夏生)
    ・夕涼み(江國香織)
    ・青春のリグレット(綿矢りさ)
    ・冬の終り(柚木麻子)
    ・春よこい(川上弘美)

    いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
    ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが

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    2025年03月07日
  • インドラネット

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    人に流されて生きてきたような主人公が旅を経験して強くなるのかと思っていたけど、最後まで流されていく生き方は変わらないんだな
    日本での生活もカンボジアでの生活もお金と暇があれば全く同じ生活になっていくところが笑える
    そういう生温い生き方が、周りの人達に騙される結果へと繋がるのか、、。

    それでもストーリーはすごく面白い!
    先が読めない面白さ
    果たして探し人には会えるのか
    そして衝撃のラスト

    全くハッピーエンドではないけれど読んでよかった

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    2025年03月07日
  • もっと悪い妻

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    表題作「もっと悪い妻」をはじめ、計六作の短編を収録。サクッと読み終わるが、それぞれにちょっと毒を感じる桐野スパイスがまぶしてある感じでした。(読者レビューを見る限り、もっと毒が欲しかったという意見が多数です、確かにそうかな)

    僕個人の意見ですが、短編集の面白いところは、一冊の本を『ひとつの世界』になぞらえ、短編それぞれの主人公がパラレルに同じ時間にそれぞれの毎日を過ごしていると考えると、まさに世の中ってこんな感じなんだろうなあと、別な楽しみがある。(変でしょうか?)

    一つの話の主人公の妻は旦那の行動を訝しみ罠を仕掛け、一つの話の主人公の妻は妥協して結婚をしたことをずっと悔やみ、別の話の主人

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    2025年03月07日
  • 砂に埋もれる犬

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    桐野夏生『砂に埋もれる犬』朝日文庫。

    久し振りの桐野夏生。昨年8月に読んだ『インドラネット』以来であった。

    悲惨なまでの虐待と貧困の連鎖と、明確な解の無い結末に読後は陰鬱な気分になった。

    明らかに日本は下流社会に成り下がった。非正規労働が当たり前になり、まともな賃金を貰えないままに自らが生きることで精一杯の若者たち。若者たちにとっては、結婚など夢のまた夢。子供を持つなど有り得ないというおかしな社会になってしまった。

    9年連続で出生率は低下し、70万人を割るのは時間の問題だ。親の貧困が子供への虐待につながり、さらにはその子供の貧困を生み出すという負の連鎖は続く。

    政府が最近打ち出した高

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    2025年03月02日
  • グロテスク 上

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    初桐野夏生さん作品。
    にんげんはグロテスクな生き物だ、と思う。でもそのグロテスクを裏とすれば、反面美しい表の瞬間だっていくつもあるはず。でもこの小説ではそんな瞬間は一切描かれないので、かなり読むのに困憊した。悪意悪意悪意にまみれながら、それでもこの人たちの結末を知りたいと下巻を読むであろう私もなんだかグロテスクな気がする。


    「ミツルはこの学校の中で生まれた突然変異なのです。人並み外れた良心と優しさを持った生物。それはきっと、心の中に人より大きな悪魔がいるからなのです。ミツルの中の悪魔が、良心と優しさを育てたのです。」

    「姉は私が化け物だと幼い頃から苛めてきたが、私には美しい外見などどうで

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    2025年03月01日
  • 燕は戻ってこない

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    ネタバレ

    代理母に子どもを産ませる人のエゴには常々腹立たしく感じていたので、共感しまくり。
    エージェントの青沼の不全感の話が腑に落ちた。
    前半のリキやテルの貧窮描写はリアルで、代理母を選択してしまう気持ちもわからなくはないと思えたが、りりこの家での暮らしは浮世離れし過ぎで、リキに都合が良過ぎてて冷める。
    テルもソム太の子ども産んで幸せになれるのかな。

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    2025年02月14日
  • 路上のX

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    ネタバレ

    話の先が気になり、どんどん読み進めてしまった。真由の気持ちも分からなくもないが、幸恵の気持ちもわかる。高校生の子供が突然1人増える。真由をリオナが見た印象を読むと、こういうタイプの子を歓迎しようとは思わないと思う。全ての原因は両親のせいだと思うが、もっと他に選択肢はあっただろうと登場人物たちへの苛立ちを覚えてしまう部分もあった。ただこれは自分が恵まれた生活を送ってきたから思う感想であって、この世には自分の想像をはるかに超えた苦しい経験をしている人達がいるのだと思うと、とても心にモヤっとしたものが残る。この先真由に少しでも楽しいことや幸せだと感じられる瞬間が訪れて欲しいと思った。

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    2025年02月07日
  • メタボラ

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    ネタバレ

    長かったけど、最後まで興味を引かれ読んで良かったと思える小説でした。自分も主人公とは似たような家庭環境だったり、世代も近いし共感出来ることが沢山あったので読んでいて凄くリアルで、主人公と一緒に苦しみながら読んでました。とても切ないお話ですが、そういうところも含めて好きな作品です。

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    2025年02月06日
  • 緑の毒

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    よくここまで胸糞な人物を、というのとそのクズさ加減に読んで嫌悪を覚えるかもしれない。

    人間味っていう甘いも辛いもある味でいうとエグ味。嫉妬という感情から突き動かされるエネルギーは凄まじい。そのエネルギーを仕事に活かしたら、とも思うけどそううまくもいくまい。

    これ、程度の差こそあれ、現実に起こっていることなのでは?不倫がーとか、レイプがーとかじゃなくて、形を変えた形でこのやるせなさって日常にひそみ、誰もが皆持ってるものだと思う。それを切り分けて小説という形に落とし込んでエグ味を足して一冊と成す。

    この本もおそらく人を選ぶ、人が選ぶのを躊躇う部類だと思う。ただし、本がもたらす人間の在り方につ

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    2025年02月06日
  • 燕は戻ってこない 単行本版 1

    匿名

    無料版購入済み

    燕は何を暗示しているのか?

    表紙から分かるように明るい話ではなく、シリアス路線です。
    卵子提供はこれからどんどん増えていくでしょうし、
    どうなる結末になるのか興味があります。

    #深い

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    2025年02月05日
  • 燕は戻ってこない

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    結局わたしは当事者になるか、そばでリアルに話を聞くかしないと他人の辛さや心の痛みや感じる違和感に共感したり寄り添ったり慮ったりできるような繊細な感覚を持ち合わせてないと痛感させられた。

    代理母になるしかないのも田舎から出てきて困窮するしかなかった環境のせい。代理母になる決断も「テルがやるなら」と人まかせ。草桶夫婦のために子を生むことは青沼さんが言った「人助け」なのだと思い込もうとする。あげく無責任なクズ男と流れで寝るなど、ずっと人に聞いてとかその場の勢いでしか考えられてなかったリキが、最後だけはやっと自分の意志を認めて覚悟を決めたように思えた。

    興味本位で口出してくるりりこが意外と重要。り

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    2025年02月02日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    上下、一気に読みました
    バブル、泡はやっぱり消えるのね
    金は人を変える。貧しかった佳那が、桁も考えずに平気で大金を使う。姉を売った男との結婚が間違いだった?
    結果、死!怖い!

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    2025年01月30日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    お金に気持ちも身体も絡め取られ
    身動きが取れなくなるまで気が付かない。

    なんて愚かな・・・。
    と、今ならわかる。
    渦中にいれば冷静ではいられないのだろう。
    狂った世の中に翻弄され人生をダメにした人たち。
    自業自得というには気の毒すぎる。
    彼らを救うことはできなかったのか。
    その頃を知っているだけに切ない。

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    2025年01月29日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    1986年春。
    伊東水矢子(みやこ)と小島佳那は
    萬三証券株式会社・福岡支店の同期。
    硬派な佳那と、事務職の水矢子は
    フロントレディから一線を画され
    自然と2人でいることが多くなった。

    バブル絶頂期。
    2人のこの先はどうなるのか。
    読み始めたら止まらない。
    下巻へ。

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    2025年01月29日
  • 燕は戻ってこない

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    『新たにどこかに踏み出すにも、時間と金が必要だった。』
    時間と金、時間と金…

    センシティブな内容過ぎて、読む人の状況によってそもそも読める読めないがあると思う。

    以下、感想。

    貧困と性 、金持ちとエゴ
    それを結びつける生殖医療ー代理母の話

    作中では、子どもを産むということに全能感を感じるという女性の話と、不妊治療に臨む親たちが一番言葉にしにくい感情は不全感なのではというプランテの話が印象に残った。(もちろん、ただの、この本の中の登場人物の考えに過ぎない。人それぞれなのは言うまでもない。)
    生殖を担わされる女だから、産む意志の有無に関わらず、産みたくてもできないも、そもそも欲しくないでも

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    2025年01月25日