桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分はバブル崩壊と共に生まれたような世代。
私は上の世代の人達がバブルを謳歌した黄金時代の話を聞くのが好きだ。
嘘みたいにエネルギッシュで、豪華で、それでいて馬鹿げていて。
バブルを語る人達は皆「おかしな時代だった」とは言うけれど、その顔は青春時代を懐かしむように、はにかんだ表情をしている。
我を忘れてはしゃいで、浪費して、がむしゃらに生きて、大の大人が皆で馬鹿やって楽しそうだなぁと純粋に羨ましい気持ちも持っていた。
この本ではバブルの光と闇が描かれているけれど、闇の印象の方が強く残る。
もがいてももがいても強い引力に引っ張られてしまうような生活。
自分で居場所を勝ち取ったと思っていたのに大 -
Posted by ブクログ
ネタバレ野心金金酒金金暴力。
ヤクザ屋さんがおしまいあたりは持っていきました。
大ラストは3人の主人公のうち生き残ったみやこが(失われた)30年後井の頭公園で疲れたよパトラッシュでも会えたから、ってまだ53歳じゃないかあの頭を使って自分一人で生き抜こうとしていたみやこはどこへ?!というか死んだ親の借金って引き継がなくていいんじゃなかった?!それだけ故郷と上京を共にした2人の悲惨な最期がダメージだったということか。
私は個人的に川村の存在がショッキングでしたねそんな複雑な生き死にあるのかと。
読み応え読みやすさの見事な両立があり上下巻4時間くらいで読めた。すごい速さで複数の誰かの人生を体感するというフィ -
Posted by ブクログ
一気読み!
1986年、のちにバブルと呼ばれる好景気に差しかかった頃に、証券会社に入社した水矢子と佳那、そして望月の男女3人。
貧しい家庭で生まれ育った水矢子と佳那は、いつか上京するという夢を温め、やがて野心家の望月とともにマネーゲームの渦へと身を投じていく。
この時代をひと言で表すなら、まさに"狂騒"。
そんな空気感がひしひしと伝わってくる様なストーリーだった。
株式投資なんて無知でお金もない私には縁遠いものだけど、景気のいいこの時代ではこんなにも身近なものだったのか〜。
だけど、お金、お金の世の中って、やはり欲にまみれ、人を狂わせていくから怖い。
今から -
Posted by ブクログ
ネタバレ終わり方が結構好きだった。
なるほど、上巻の冒頭はそうゆうことだったのかと、メリーバッドエンド。
完全なバッドではない気がする。
騒ぐだけ騒いで散るのだから、人生を謳歌したともいえて、そういう意味ではハッピー?
上巻は読み始めたら先が気になるドラマ感覚だったが、下巻ではヤクザやホストも登場してブランド品を豪遊するなど派手になってきて、展開が目まぐるしく面白かった。
終わり方もハッピーではないがきっちり終わったので、まぁこんな終わり方もいいじゃない、という割とすっきりした読後感だった。
↓ネタバレ
上巻では須藤の存在が強かったが、下巻になると忘れた頃にチラッと出たくらいだった。(そ