桐野夏生のレビュー一覧

  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ

    自分はバブル崩壊と共に生まれたような世代。
    私は上の世代の人達がバブルを謳歌した黄金時代の話を聞くのが好きだ。
    嘘みたいにエネルギッシュで、豪華で、それでいて馬鹿げていて。
    バブルを語る人達は皆「おかしな時代だった」とは言うけれど、その顔は青春時代を懐かしむように、はにかんだ表情をしている。
    我を忘れてはしゃいで、浪費して、がむしゃらに生きて、大の大人が皆で馬鹿やって楽しそうだなぁと純粋に羨ましい気持ちも持っていた。

    この本ではバブルの光と闇が描かれているけれど、闇の印象の方が強く残る。
    もがいてももがいても強い引力に引っ張られてしまうような生活。
    自分で居場所を勝ち取ったと思っていたのに大

    0
    2024年08月14日
  • もっと悪い妻

    Posted by ブクログ

    「もっと悪い妻」の夫以外は、どの夫も「こんな男いらん」みたいな話だった。そんな男性が現実にも多いような気がして、「男なんていらん」って感じになった。でも今の若い夫は、変わってきているのではないか。どうだろう。

    0
    2024年08月11日
  • グロテスク 下

    Posted by ブクログ

    東電OL殺人事件をヒントに描かれた作品。 美貌の妹に生涯コンプレックスを持ち続ける姉、その同級生でやはり美貌と富にコンプレックスを抱える一流企業OL。 こんなにも人生を狂わせるコンプレックスがあるのかと恐怖を覚える。和恵のような不器用な子はたくさんいる。特別おかしな子供ということはなかったのに、何がここまで人生を歪ませてしまったか。誰かに優しくされたい、認めてもらいたい、自分は特別だと思いたい気持ちは誰にでもあるが、その気持ちが余りにも大きくなると壊れてしまうのだろうか?

    「わたし」の末路も、滑稽かつグロテスクで恐ろしかった。

    0
    2024年08月11日
  • 水の眠り 灰の夢

    Posted by ブクログ

    どこが事件の本題なのか、すべての線がつながった時、さすがは桐野先生だなぁと感心。
    当時の世相、時代背景なんかも手に取るようにわかった。
    時代は変われども変わらないのは人間の欲望ってことかな。

    0
    2024年08月07日
  • バラカ 下

    Posted by ブクログ

    原発が爆発した警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」は、大人たちの色々な思惑に翻弄され、過酷な運命を辿る。震災後の日本で有り得たかもしれない「もしかしたらこうなっていたかも」のお話だった。最後まで息をつかせない展開でラストはサラッと終わったが、物足りなさを感じないくらいそれまでの話が濃かった。

    0
    2024年08月01日
  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ

    上下巻ものだが、あっという間に読み終わってしまった。
    時代に乗り分不相応な生活を送っていた若夫婦。妻の方はこの夫と出会わなければ、キャリアウーマンとして地道で幸せな人生だったのかもしれない。
    バブルの頃、金銭感覚も麻痺して、この主人公たちのような目に遭っていた人も数多くいたのかもと思うと、人生ゲームは終わるまでほんとに誰が勝ち組で誰が負け組なのかわからない。
    死ぬことで楽になれるというのはあまりにも悲しすぎる。

    0
    2024年07月19日
  • 路上のX

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ラストの真由の行動、選択が、彼女の未来が明るくないことを表しているようでツライ。でもそれが小説のリアリティを高めているように感じた。

    0
    2024年07月11日
  • グロテスク 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ルッキズムに囚われ、憎み、その外に行きたがっていた主人公がずっと妬んでいた美しい妹にそっくりな美しい甥が現れた瞬間、即心奪われてたのが凄すぎた 性別が変わった瞬間にルッキズムで搾取する側になっとる…人間の心情描写すごすぎ!?!?登場人物全員陰鬱で傲慢で切実で…って感じで凄みがずっとあった めちゃくちゃおもしろかった!!!

    0
    2024年07月10日
  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    野心金金酒金金暴力。
    ヤクザ屋さんがおしまいあたりは持っていきました。
    大ラストは3人の主人公のうち生き残ったみやこが(失われた)30年後井の頭公園で疲れたよパトラッシュでも会えたから、ってまだ53歳じゃないかあの頭を使って自分一人で生き抜こうとしていたみやこはどこへ?!というか死んだ親の借金って引き継がなくていいんじゃなかった?!それだけ故郷と上京を共にした2人の悲惨な最期がダメージだったということか。
    私は個人的に川村の存在がショッキングでしたねそんな複雑な生き死にあるのかと。
    読み応え読みやすさの見事な両立があり上下巻4時間くらいで読めた。すごい速さで複数の誰かの人生を体感するというフィ

    0
    2024年06月17日
  • 新装版 ローズガーデン

    Posted by ブクログ

     2000年に単行本として刊行された短編集。桐野夏生さん初期の「女探偵ミロ」シリーズ。
     特に巻頭の表題作はミロの若い頃の意外な姿を描いて面白い。
     これらの作品を読んで、この頃の桐野さんの志向がミステリらしさではなく人間を描くことにあったのだと明確になる。
     どうやらこの短編集の後に来る『ダーク』では、さらにミロは変貌してくるらしい。楽しみ。

    0
    2024年06月16日
  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ


    ⁡一気読み!

    1986年、のちにバブルと呼ばれる好景気に差しかかった頃に、証券会社に入社した水矢子と佳那、そして望月の男女3人。
    貧しい家庭で生まれ育った水矢子と佳那は、いつか上京するという夢を温め、やがて野心家の望月とともにマネーゲームの渦へと身を投じていく。

    この時代をひと言で表すなら、まさに"狂騒"。
    そんな空気感がひしひしと伝わってくる様なストーリーだった。
    株式投資なんて無知でお金もない私には縁遠いものだけど、景気のいいこの時代ではこんなにも身近なものだったのか〜。
    だけど、お金、お金の世の中って、やはり欲にまみれ、人を狂わせていくから怖い。

    今から

    0
    2024年06月16日
  • 真珠とダイヤモンド 上

    Posted by ブクログ

    装丁カッコ良すぎない??←また装丁に釣られた笑

    うわぁ〜めっちゃ昭和感!!
    バブル全盛期のお話。
    面白い!
    感想は後半でまとめて。

    0
    2024年06月12日
  • もっと悪い妻

    Posted by ブクログ

    短編集。あっというまに読み終わった。色々な妻がいた。
    『もっと悪い妻』は言うほど悪くないんじゃないか、と思った。不誠実で身勝手ではあるけれど。
    離婚で独り身になったおじさんが、歳下の店員さんに執着する話が痛い。

    0
    2024年06月05日
  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ

    なんとなく、上巻を読んで予想していた結末でした。バブルに翻弄された若者達の悲しい物語。
    一気に読んでしまいました。

    人って、時に、そんな狂気的な暮らしをするのかな。

    水矢子、佳那、望月の3人と比較的世代が近いので、なんとなくわかるような…わからないような…。

    0
    2024年05月22日
  • 真珠とダイヤモンド 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    終わり方が結構好きだった。
    なるほど、上巻の冒頭はそうゆうことだったのかと、メリーバッドエンド。
    完全なバッドではない気がする。
    騒ぐだけ騒いで散るのだから、人生を謳歌したともいえて、そういう意味ではハッピー?

    上巻は読み始めたら先が気になるドラマ感覚だったが、下巻ではヤクザやホストも登場してブランド品を豪遊するなど派手になってきて、展開が目まぐるしく面白かった。

    終わり方もハッピーではないがきっちり終わったので、まぁこんな終わり方もいいじゃない、という割とすっきりした読後感だった。


    ↓ネタバレ



    上巻では須藤の存在が強かったが、下巻になると忘れた頃にチラッと出たくらいだった。(そ

    0
    2024年06月17日
  • グロテスク 下

    Posted by ブクログ

    東電OL殺人事件をモチーフにしたと聞いて読んでみた。
    読んでいて心がザワザワするくらい、登場人物がみんな情緒不安定で、特に和恵の行動には危機迫るものを感じた。
    昼はエリート会社員、夜は娼婦という生活がどんどん彼女を壊したのか、逆にその生活で保たれていた心の安定であの状態なのか、心の闇は深い。

    0
    2024年05月14日
  • もっと悪い妻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いろんな夫婦の後日談や現在の夫婦の関係性などを短い内容でまとめられ続きを想像したくなる終わり方だった

    0
    2024年05月06日
  • 玉蘭

    Posted by ブクログ

    現代と昭和初期の上海を主な舞台に、男と女の鬱屈した心情が様々な視点で描かれる。どこまでが現実でどこからが幻なのか、どこまでが真実でどこからが虚偽なのか、そんな境界線の曖昧さが本作の魅力であるように思われた。船乗りという仕事がそうさせるのか、ずっと波間を漂うかの如き生き方をしてきた広野質が晩年で僅かばかりの幸せを手に入れたのは何とも感慨深い

    0
    2024年04月24日
  • 真珠とダイヤモンド 上

    Posted by ブクログ

    このバブル期に働き盛りの男性方、本当にこんな感じだったなら…そりゃ失言政治家や、やたらと偉そうに言ってくるおじいさんになるわなーと思った。
    考え方がそもそも現代とは違い過ぎる。コワッ
    あんまり期待せずに読んだけど、めちゃ面白い。
    下巻へ。

    0
    2024年04月23日
  • 路上のX

    Posted by ブクログ

    JKビジネスとか聞いたことあったけど
    現代日本でこんな事が起きてるのか
    思ってるより悪い、、、

    どうかどうか現状を打破して欲しいと思った

    0
    2024年04月08日