桐野夏生のレビュー一覧
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ネタバレニクヨさんの推薦書として読んでみた。
和恵のパートで胸が痛い。
鈍感で悪意にも気づかず、
いつも承認欲求に飢えている女。
パートの後半で「優しくして」という言葉が胸に刺さる。自分を商品として売っている街娼なのに「買われたい」以上に「認められたい」「愛されたい」「私をみて大丈夫だって言って」「安心させて」という悲痛な声が読み取れて悲しい気持ち半面、分かるなぁーとも思った。
誰かに承認されて「正常です」と言われたいのに、その言葉を求めるあまり怪物と化していく。。
承認欲求は恐ろしい。
綺麗なもの、美味しいもの、素敵なもの、良い経験を積めば積むほどに未来に出会うものと比較して評価する。
そん -
Posted by ブクログ
えっ? シリーズ最終? ミロの最後の闘い?
ミロとは、「顔に降りかかる雨」の主人公 村野ミロ
養父村野善三との出会いや生業などが描かれた、たぶん桐野さんのデビュー作だったはずで、私はこの物語にいたく感動して、桐野さんにファンレターを書き、返事をいただき感激した覚えがあります。今も取ってあると思う。
ずっと続編を待ち望んでいたが、その後桐野さんは路線を変え、次々と作品を発表する。
そして今回本書を手に取りびっくり。
なんとこの前に、シリーズ2作目の本が出ているという。
何という不覚、でも仕方がない順番が回ってきた本作から読もう。
二作目から20年が経過しているという設定で、ミロに息子がいたり -
Posted by ブクログ
女性が主人公のハードボイルド小説。少し異色に感じるが、ヒロインは別れた夫と、その死をひきずる32歳の独身女性であり、並外れた美貌だとか屈強の身体能力を持つ訳でもなく、等身大のごくありふれた人物像だ。
しかし、ある日、忽然と姿を消した美貌の親友と、彼女と共に消えた大金を巡り、その恋人の男やヤクザに、あらぬ疑いをかけられ追われる羽目になる。ただ追われるだけならよくある話だが、時に監視され、或いはこの追っ手と行動を共にしながら消えた女の行方を追う。
ヒロインの強い精神力や機転、失踪した親友の見えざる過去や倒錯した性癖、人脈などが明らかになるにつれ、事態は思わぬ結末を目指して疾走していく。
作者が表現 -
Posted by ブクログ
去年、反日武装戦線の元メンバーで、本名は桐島聡だと名乗ったあと病死した男のことを思い出しながら読んだ。
この小説の啓子は桐島と違って、捕まったあと服役し、ひっそりと生活していた。
それは、ずっと逃げ回る日陰の身か、元犯罪者として、家族からもそのことを周りに知られないよう生きていくことを暗に強いられる身か、の違い。
親族の結婚にまで過去の犯罪は影を落とす。
桐島も啓子も、若気の至りなんて軽い言葉では片付けられないが、死ぬまで引きずる十字架はなんて重いのだろう。
実在の人物の桐島聡や永田洋子。彼らも、こんなことになるなんてと暴走しすぎてしまったことを、最期には後悔しながら亡くなったと思いたい。
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Posted by ブクログ
なんの予備知識もなく読み始めて、あ、これって、榎なんとかって人と似てるなと思ったら、彼女をモデルにした小説だった。子供すぎて、ピンクのヘルメットと、中ピ連のピは「避妊薬ピルのピなんだ」と、どこまでわかっていたのかわからないが、記憶にあった。
宗教や政治に進出とかは全く覚えていないが、テレビ等で派手に取り上げられていたのだろう。
全体的に、早すぎた人は潰されてしまうというのはよくあることなのだろう。男の恨みを買い過ぎると潰されてしまうということも。
いくら調べても消息がなかなか辿れなかったということだけがはっきりして、それも良かったと思う。
「悪女について」(読んだことはないのだが)方式の構成も