桐野夏生のレビュー一覧
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一つ一つの物語が個性を持っていて、印象強く本当に面白かった。
特に『愛ランド』と『浮島の森』は面白い!!!
東京島のベースとなった本とされている『愛ランド』はエロいけど女の人が本当に隠している本性、本音、願望?みたいなのを言い当てて、登場人物たちだけではない『女』の姿を上手く表現できてた。
あと『浮島の森』は谷崎潤一郎、佐藤春夫、千代夫人の3人の話をベースに、娘の立場からそれらが語られてて面白い。2人の父親の作家という仕事をクリティカルに分析し、拒否する彼女の姿勢が面白かった。
他の作品も、人間の深い黒い部分を細かく描いていて、おもしろい!!!おすすめです。 -
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女子プロレスが舞台の小説・・いったいどんな内容なんだろう?
そう思ってパラパラとめくったら、それだけでも面白さが伝わってきた。
「ファイアボール」とは女子プロレス界きっての強者・火渡(ひわたし)選手の別名のこと。
そしてこの小説は、火渡の付き人兼女子プロレス選手でもある近田(ちかだ)の目を通して描かれてゆく。
彼女たちが所属するPWPという女子プロ団体は、財政状況も悪く倒産寸前だ。
その中で外人選手の失踪事件や、新人選手へのリンチ事件、事務所の独立問題などが次々と起こりストーリーが盛り上がる。
また、何といっても近田はいまだに一試合も勝つことができないのだ。
女子プロ -
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主人公視点でナダンの栄光と凋落を語っている。主人公と両者の間にどうにも距離があるな、と感じたがそれも当然、彼らは途中からは実際の交流は無い。同じ世界で生きるようになった以降も、連絡は取れず取らず、あくまでいち視聴者のように憶測で失望したり嫉妬したり。不倫騒動の友人との関係との対比が鮮明だ。友人になれたであろうナダンと、どこで道を違えたのか?同じ世界で揉まれながら、何を望み、何に疲れたから分岐してしまったのか?最終盤のナダンとのシーンはどこか現実感がなく、お互いここまで来てしまった状態での邂逅はもはや彼らの関係を動かし得なかった。だからこそナダンの「あなたのファンです」の言葉が今さらながら肌に沁
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ハードな読書体験ってこういう感じなのだろうか。
理解しがたいというか、理解したくないが正しいのかも。過去の忘れたい出来事とか蘇ってきて、あー早く読み終わって楽になりたいと思いながら読んでいた。
Q学園の階級社会、和恵の報われない努力や孤独、わたしの悪意、心が重くなる要素が満載で、読むのが辛かった。
けど読んでよかったと思う。差別、ヒエラルキー、劣等感、自己顕示欲、承認欲求、孤独は今の時代でもあふれている。苦しい環境の中で他者から認められることが自分の価値を感じられる唯一の術という思考に陥る時もある。でもそれらに囚われすぎると生きづらい。苦しい環境でも自分を自分で認められるよう強くありたいと強く -
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かつて 瀬戸内寂聴さんも講話でおっしゃられたように 人が恋に落ちるというのは「事故みたいなもんなんですよ、もうね、仕方ないことなんです」… この小説でも、あたかも 「物見事故」のように あるいはミイラ取りがミイラになるがごとく 人が想定外に恋に落ち、そしてその沼から抜けられなくなり、ある者は 多くを失い またある者は したたかに伴侶を裏切り いずれにしても恋を叶えていく。ハピネス は 都市生活における人間関係の困難さ という背景のもと さまざまな事情さまざまな過去を抱えた登場人物の人生が描かれていたのに対して その続編であるこちら「ロンリネス」は手に汗握る大人の愛憎劇、という感じ。これはこれで
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桐野夏生『もっと悪い妻』文春文庫。
僅か140ページ程で6編収録の短編集。
現代日本の様々な市井の人びとの日常を切り取ったような短編ばかりが並ぶ。歪な関係の夫婦、独り身となった男性や女性。事情や状況は様々あれど、しっかり生きていることだけが人生の証なのかも知れない。
『悪い妻』。キラキラネームの娘と暮らす、脆くて危うい若い夫婦の日常を描いた短編。いつ破綻してもおかしくないようなイマドキの若い夫婦の生活。家事と育児に一切関わらないアマチュアロックバンドに熱中する牛丼屋のバイトの夫に不満を募らせる千夏はついつい娘のドレミに当たっていた。
『武蔵野線』。中年男の悲哀をこれでもかと描いたよう -
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「夢と現の“あわい”を行ったり来たり」
最終盤、“幻の”谷崎潤一郎のひと言。
“あわい”という言葉、この春から何かと目に付き、いちいちハッとしてしまう。
ぼくが大好きな上白石萌歌さん。クリエイティブコンソーシアム“adieu”の最新EP『adieu5』を語る際のキーワードのひとつが“あわい”だった。
adieuが語った“あわい”についての、僕の意識がそうさせるのか、“あわい”の文字を目にした背景のことごとくに、adieuや萌歌さんの“影”を感じていた。いちいち数えることも億劫なくらいに、僕の目の前に現れては積み重なってゆく“あわい”の文字。
2027年1月放送予定のNHKドラマ『デンジャラス』