桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
文庫版のこのカバー装画を見ていると、どことなく陰惨なイメージが浮かんでくる。
それはいわゆる1971〜72年に起きた「山岳ベース事件」を基に描かれた作品だからだろう。
とはいえ陰惨なシーンは少なく、その後を生き伸びた人間の葛藤や秘密などが、主なテーマだと思われる。
ベースから逃走し、逮捕されて刑期を終えた主人公の女性の人生が、約40年の時を経て「永田洋子の死」と東日本大震災から、再び動き出す。
家族との関係の変化、元同士との再会、記憶の差異、そしてラストはやはり……と読み進めて、納得する。
過去は蜘蛛の糸のように、一生ついて回るものでもあることを認識させられる。
当時の永田洋子像の描き方 -
Posted by ブクログ
陣取り合戦のような人間関係や緊張感のある逢瀬で気づいたら一気読みです。
読むのが嫌で嫌で、でも読んでしまう作品だと思います。
心が削られてもヒリヒリしたいおすすめ作です。
有紗を代表としてまともな人がいない作品なのにまともな行動を期待してはいけなかったです。
欲望やプライドに忠実過ぎます。
誰かを裏切ってスタートした幸せは後になって疑心暗鬼が蝕んでいくものです。
一通り説明はあるとはいえハピネスを読まないと背景設定が唐突過ぎて十分に楽しめないと思います。
ハピネスの続編だとわかって手に取った人がどれだけいるんでしょうか。
桐野先生の作品でOUTとINは関連ない作品だったり、少しわかりにくい -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に一気読みしてしまった小説。
卑屈でダメ人間の主人公、八目晃が、高校時代の親友だった空知、その姉妹の橙子や藍を探すためにカンボジアに初めて1人旅する話。
全く信用できない安井や三輪といった人物から、三兄弟の探索のために安易に金を受け取る行動、明らかに怪しい吉見やその宿泊先のニッチェさんたちや鈴木、木村といった登場人物たちとの交流。なぜこうも大事なことを考えずに判断力がなくて情けないんだろう、と何度も思った。こんな魅力がなくてダサい主人公の本は久しぶり。とはいえ命懸けの経験の中で旅の中でだんだんと逞しくなっていくし、人を信じてはいけないことも学んでいく。
また、日本人ではなく実はカンボジア -
Posted by ブクログ
「女子プロレスの小説なんて…」初めはそう思った。
人に勧められて手にした本だった。しかし、次第に物語にのめり込んでいく自分がいた。
緻密な取材に基づく、男性作家の格闘小説にも見劣りしない臨場感と、その中に巧妙に仕込まれたミステリー。
やはり桐野夏生さんの作品は読んでいて心地よい。
僕は作中に音楽のタイトルやアーティスト名が出てくる小説が好きだ。
なぜならスマホを使ってその曲を検索し、音源をBGMにその作品の世界にどっぷりと浸れるから…。
村上春樹の作品がそうである様に。
「ファイアボールブルース」
続編があることを知った。
to be continued ですね。 -
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東電OL殺人事件をモデルにした小説。
元の事件はエリート高給取りで一億円貯金もある被害者が、異状な程の安値で売春するという謎に包まれている未解決事件です。
桐野先生の想像力・創造力の前では、まるで最悪の結末までの蟻地獄に吸い込まれるかのようにストーリー展開されていきます。
実際の事件とは無関係のフィクションであり、謎解きではありません。
個性的な登場人物の表面上は美しくとも一皮剥けばグロテスクな本性が顔を覗かせます。
和恵の誰にも真似できない自分への執念は見ものです。
主人公に固有名詞をつけないのは、ユリコの姉ということを印象づけるためでしょうか。
社会的立場やハーフなど属性でしか自分の居 -
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30年以上続いている「村野ミロシリーズ」第2巻。
主人公の村野ミロは、夫の自死による喪失感から広告代理店の勤務を辞め、父親が探偵事務所として使っていた歌舞伎町の片隅で、一人ひっそりと暮らしていたのがシリーズの始まりだった。
ミロは常に金欠気味で、依頼された探偵業は何でも請け負わなけらばならないのが実情だった。
今回の依頼者の渡辺房江は、AV女優のレイプ被害を訴え、弱い立場の女性の実態を世に知らしめる運動をしている人物だ。
レイプの被害者として一色リナを探し出し、運動のシンボリックな存在としたいと云う意向を渡邊は抱いていた。
渡辺の活動を何故か熱心に支援するセレブの料理研究家八田牧子の存在も謎 -
購入済み
一番の悪を描かず、、
小説としてとても読み応えがありました。文章が上手いのであっという間に読破できます。上巻はパーフェクトでした。ですが下巻では最後まで追及せずに途中で逃げた感が強かったです。グロテスクな描写が全くないのでそこはとてもありがたかったのですが、悪の中の悪が暴⚪︎⚪︎止まりになっていることに違和感を感じました。利権に群がる一番の人種は政財界なのでは?っと正直思っています。