桐野夏生のレビュー一覧
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1960年代の物語。
トップ屋 村野善三は、地下鉄の爆破事件に遭遇。
その犯人は 草加次郎かもしれなかった。
村野は、その犯人らしき人物とすれ違って、
バイタリスの匂いを感じた。
遠山をトップとして、村野、後藤など 勢いがあった。
この村野と言うオトコの造形がすばらしくいい。
実に 芯がある。戦争で 両親と妹を亡くした。
トップ屋としての矜持があり、
調査屋として力量を発揮していた。
草加次郎とは?迷宮入りになった 愉快犯。
その時代背景が 浮き彫りになっている。
様々なタイプのオトコたちが いる。
後藤の雰囲気は スマートで、おしゃれ。
こだわりをもっていた。
市川という刑事も堂に入った刑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで評価をつけてきたけど、今回が一番難しかった。評価は作品の印象でいつもつけるが、いつも通りの感じで一度4をつけた。しかし、その後の余韻というか、作品のインパクトいうか後からじわじわとくるものがあり、再度評価を考え直し5に評価を変えた。登場人物の視点で書かれた本は数多くあるけど中盤あたりから風向きが変わり、終わりまではあっというまでだった。急に展開が変わると読み手は混乱すると思うが、登場人物の心境についてはそれぞれの事情があることを読み手はちゃんと理解できるように構成されていて、それは序盤までに物語をうまく進めながら各人物の状況、心境について固めているから途中の展開の変化にも納得がいくのだと
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物の分類される重要な立場が女か男かのふたつだと感じた。
主人公は女という概念がナミマという皮を被っただけであるし、イザナミ、イザナギ、マヒトもまた同じ。
陰にされた女、陽になった男、
自分勝手な男、昔のことを忘れる男、突き放され怨む女、昔に戻れればそれでいいはずの女。
徹底的にイザナギを恨み尽くすイザナミと、マヒトに優しくされたら揺らぎそうなナミマがいるが、ナミマだけが独白の文体があって感情移入しやすいし、多くの女性はイザナミよりナミマ寄りなのでは。
そのナミマがラストでイザナミに尽くすことを誓ったということは、多くの女性にイザナミと同じく男に屈しないことを奨励している?
イザナギとイ