桐野夏生のレビュー一覧

  • 燕は戻ってこない

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    なにこれ、すごすぎる。主人公がややぶっとんでいるのは置いといて、すごく考えさせられる内容。なんて人間は自分勝手なんだ。みんなそれぞれ思いを抱えて欲と向き合っている。彼女が双子を妊娠できて良かったなと思った。

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    2026年08月21日
  • 燕は戻ってこない

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    ネタバレ

    貧困から脱するために代理母という選択をした主人公・リキ。
    身体の決定権を他人に握られかける極限状態で見せる彼女の無責任な行動は、愚かさの表れであると同時に、己の存在を証明するための弱者の最後の抵抗のようでもある。

    一方で、子どもを望む側が抱く純粋な願いの裏には、持てる者が持たざる者を買い叩く、無自覚で暴力的な搾取の傲慢さが潜む。

    本作には完全な善人も悪人も登場しないが、命を生み出す行為すら商品化される格差社会の不条理と人間の複雑な業を、容赦の無い鋭さで作者は浮き彫りにしていく。

    綺麗事では済まされない歪んだ人間関係の果てに、安易なハッピーエンドは用意されない。
    欲望の渦に呑み込まれた者た

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    2026年08月15日
  • ハピネス

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    誰とでも 対等な関係で接し、誰に対しても先入観を持つことなくフェアに付き合いたい、と思っているけれど、どこへ行っても 派閥みたいなグループが存在し、その中で周りに合わせるように立ち回らないと 結局 浮き上がり、孤立する。「対等」だの「フェア」だのというのは ほどほどにしとかないと 大変なことになるのだ。さて。都市生活における息の詰まるような人間関係の困難さが描かれ、ゆえにある意味 怖い小説である。けれど、どうしてだろ?僕はこの小説に出てくる全ての タワマンママが 人として好きである。一方、共感できるかと言われると 登場人物で共感できる人物は一人もいない。共感はできないけれど 好き、という距離感

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    2026年08月08日
  • 砂に埋もれる犬

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    ネタバレ

    単行本で既読。優真と篤人が生きてて良かった、と思えない。子どもの頃からの教育というレベルでない生活の常識がわからない事を想像できなかった。クリスマスやお正月が特別な日、お風呂に入り歯磨きをする、それを中学生になった優真に一つづつ教えるのは単なる里親を超えている。どんな親の元に産まれるか自分で決められないのに、親の顔が見てみたいと言われる理不尽。最後の目加田の『わからない』、本当にそうだ。正解は無いんだろうけど親の責任が無い親にどう対応するべきなんだろう。里親をして刺された洋子の気持ちが伝わらないのが悲しい。ヘビーな内容だけど素晴らしい作品。

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    2026年07月15日
  • グロテスク 下

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    ネタバレ

    ミステリーではないと思うけど、
    イヤミス感のある、結局誰も救われない話。
    長年批判的な姿勢でいることによって何もしないのに達観している感じの主人公が最後にその事実に気付いて同じ道に行くのがやっぱり救われない。

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    2026年07月06日
  • 真珠とダイヤモンド(下)【毎日文庫】

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    読み終わった後、そういうことだったのか〜!!となりその日一日少し気分が沈んだ。
    そのくらい驚いた展開でもあった。
    バブル時代は良いことばかりじゃないかもしれない。でも、バブル世代の親を持つゆとり世代の私は、そんな酷い一面を見ても一生憧れ続ける時代なんだろうと思う。

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    2026年06月24日
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】

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    バブル時代、全てがいけいけどんどんな世界で一度経験してみたかった。
    ただ今よりも男尊女卑が激しく、今の感覚のまま当時を経験したら色々とイライラしそう。。
    コンプラがゆるゆるなのはすごく新鮮で羨ましい。
    今よりも活気が溢れる日本を感じて、且つ登場人物のような若者に、金持ちになるんだ上に行くんだという熱気がありとても面白かった。

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    2026年06月24日
  • グロテスク 下

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    しんどくて息を止めて読んでるような気分だった!
    なのにページを捲る手が止まらない。それは「面白い」ではないんだけど、先が気になって仕方ないし、早くこの不快さから解放されたい!みたいな笑

    下巻は打って変わって殺人を犯したチャンの上申書から。
    ユリコ姉妹もすごいけど、チャンも中国の貧困層で壮絶な生き方をしてきた人で、そのハーモニーったら素晴らしい組み合わせだった!


    不快で仕方ないのに星5を付ける矛盾!!

    これは読んだ人にしか分からないと思うけど、だいぶアングラな世界の話なので、私は身内にはオススメしない/できないかな!笑

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    2026年06月12日
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】

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    最近ネトフリばかりで読書が続かない毎日でしたが、どんどん入りこみました。
    下巻購入します。
    小説のこの時代20代前半独身、福岡天神で働いていてそのまま友人から話を聞いてるようでした。
    下巻が楽しみ。

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    2026年06月07日
  • メタボラ

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    まず覚えたのは、妙な既視感。そうだ、川上未映子さんの『黄色い家』に似ているのだ。あちらが少女たちの貧困と歪な連帯なら、こちらは沖縄・那覇を舞台にした少年たちのサバイバル。しかし、一瞬でも他者と心が通じる瞬間がある。その一瞬で人は生きていられるという点は両作品に共通しているテーマだと思う。

    生々しい描写の連続に、読んでいて息が上がりそうになる。テーマは重苦しいが、不思議と読後感は悪くない。

    実はもう一冊、桐野作品の積読がある。けれど、あの熱量に再び飛び込む勇気は、まだ私にはない。

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    2026年05月20日
  • 原発回帰を考える 3.11から15年目の大転換

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    福島の原発事故から15年が経ち、原発をベース電源とすると政権は舵を切った。
     そんな中、著述業の集まりである日本ペンクラブは2025年に創立90年を迎え、2012年に「今こそ私は原発に反対します」を出したので、その続編として出版されたのが本書である。
    最近青木美希さんの本を何冊か読んだので、他にないか探したら検索にかかり、読むことにした。
     内容が原発、原爆、被曝などのため読んでいて心地よい本でもなく、どんどん読みたくなる本でもなかったので、少しづつ読み進めることになった。12人の書き手よる内容の濃い本となっている。もっと話題になっても良い本だとおもった。話題の多岐に渡っており情報の咀嚼力も必

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    2026年05月15日
  • 眠れぬおまえに遠くの夜を

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    読後は何とも言えない寂寥感で一杯になった。

    アメリカ留学時に才能ある若者ナダンと出会ったテミンは、以来自らが有名となった後も様々なトラブルを抱えるナダンを意識から外せないままでいた。

    急激な人気から奈落に落ちたナダンと、地味に役者を続け時間をかけて有名俳優となったテミンの対比は、2人の明暗を執拗なまでに読者に突き付けてきた。
    最後のページ場面の余韻が深く、交わされる言葉も静かな筆致でありながら、心揺さぶられる物語となっていた。

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    2026年05月12日
  • デンジャラス

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    ▼桐野夏生さんは、以前に「OUT」を読みました。血が沸るくらい面白かったのですが、あまりにエグ味が強くて、その後はなんとなく忌避しておりました。この度ご縁があって。
     この本は、つまりは「谷崎潤一郎(晩年)と女たちの物語」です。

    ▼おそらく、関係者に相当な取材もして書かれたんだと思います。全て実名なので、その時点で確かにデンジャラスです(笑)。
     谷崎ファン、細雪ファンには、たまらない内容です。谷崎も細雪も知らない人にとって面白いかどうかは、ちょっと分かりませんが、それでも十分に小説としてヤバい魅力に溢れいてることは間違い無いかと。

    ▼要は、谷崎さんは実際に・・・

    「四姉妹の2番目である

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    2026年05月02日
  • グロテスク 上

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    ほんとに最高。脳汁でまくり。これに関しては私は上の方が好きだった。

    姉妹への妹に対しての劣等感
    変わりようのない学校でのヒエラルキー
    和恵の周りの見えなさ
    主人公の性格の捻くれ方も大好きだった。

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    2026年04月26日
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】

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    面白くて、読む手が止まらない!完全氷河期、バブル未経験者にとってこんな怖い仕事が本当にあったのか?とビビリました。こういうタイプの男性も周りにはいない。寒い公園を肌で感じた気がした…

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    2026年04月08日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    もの凄い疾走感と、リアルに感じるドキドキであっという間に読み終わってしまった、、、
    後半は血眼になってページを捲り、なんとなく分かっていても冷や汗かいた〜

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    2026年03月25日
  • ダークネス

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    こちらは、ミロシリーズの最終とのことで、顔に降りかかる雨から全部読んでから臨みました。ミロが母親になったことにより、いままでになかった要素が入ってきて、母親として共感できる部分も加えられて、より一層ハマってしまいました。

    最後、ミロやハルオはどうなったのか、まだ続きが出そうな予感がします。

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    2026年03月21日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    全くもって金融知識皆無なのですが話が面白すぎてこんなに分厚いのに止まらず1日で読めました!気になりすぎるから下巻にゴーですわ。

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    2026年03月19日
  • 真珠とダイヤモンド(下)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    下巻。上巻を読み終わってから、バブルが崩壊したらどうなる!?と、気になって気になって一気読み。
    望月は株の取り引きで暴力団や、怪しい仕手師と関わっちゃうし。
    バブルは崩壊するからさぁ…堅実にいこうよー…って読者は思うけど、でも実際、バブル景気のときはこんな人たちがいっぱいいたんだねって思うと、もの悲しくなってくる。水矢子だけは、幸せになってほしいと祈るような気持ちで読み進めるが、上巻の最初に、水矢子がホームレスになっていることが分かっているから、こんなに堅実に、地道に頑張っているのにな、ととにかく悲しい気持ちで読み進めるしかない。
    その辺、やっぱり著者はちゃんと狙って書いてるよね。すごい。

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    2026年03月19日
  • 真珠とダイヤモンド(上)【毎日文庫】

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    ネタバレ

    桐野夏生さん大好き。間違いなく、絶対に面白い。
    本書は、バブル前夜、証券会社に就職した若い3人の物語。
    社会の不合理をありのまま描いている印象です。
    彼らの証券会社は、昔ながらの男尊女卑社会で、総合職の女性もただのお飾り。男性社員の結婚相手として入社させた、という程度の存在。ましてや短大卒や高卒は一人前の労働力として認識されない。学歴や容姿でランク付けされる。
    男たちは、早朝から深夜まで、ひたすら競争させられ、営業成績を上げるように叱咤激励され、先輩からいびられる。男性営業マンも、出自や学歴であからさまに差別される。

    そんな社会で、主人公の3人は、なんとか恵まれない環境から抜け出そうとそれぞ

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    2026年03月19日