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失踪した娘の行方は解明されない。幾つかの可能性が示唆されるに留まる。発生した事件によって起きなければ変わらなかっただろうそれまでの人生が大きく変わっていく人々の姿を描いた小説。上下併せて1日で読み終えるくらい面白かった。新興宗教教祖の章と石山の漂泊の章はあんなに分量割かなくてもよかったような気もするが。
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不倫相手の別荘地で、女性の愛娘が行方不明となる。全てを捨てて娘を探し続ける内に、元刑事が捜索に加わって探し続けるが、彼の余命はいくばくも無いが、献身的に探し続ける。
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あまりにキツすぎて、なかなか桐野夏生作品は読んでいませんでしたが、直木賞の縛りで読みました。
かなりきついシチュエーション。自分を見失ってしまうほどの強烈な事が起こりまくって、登場人物を翻弄していきます。
夢か現実か分からなくなるように作られていて混乱しますが、それも含めた世界観なのでしょう。
一気に読ませた素晴らしい作品だと思います。
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巡る因果と業を突きつけられる。
設定はミステリー仕立てだが、わかりやすいカタルシスは無く、登場人物の誰もがそれぞれの真実を追い求めて人生の海を漂流している。
真実なんてものはないことが真実だ、と言わんばかりの途方もない孤独を味わうことがこの物語の醍醐味なのかもしれない。
大変ヘビーで精神削られました。
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石山とカスミの会話が好きです。会話だけでなく、関係性も、相手におもねることなく、素で対峙している感じがいいです。北海道の人同士の会話で、さらっとあらわれる北海道弁も作品に味を出しているように感じます。
最後まで犯人を探し出せない自分は読みが甘いのでしょうか。
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登場する人物が全員自分のことしか考えていない
その心理描写がすごい
生々しくて魅力的でどんどん読んでしまいます
最後まで救いはありませんでしたが
だからこそ色々な解釈ができる
なぜなのか説明はできないけど
カスミが心の拠り所にしていた
バスの教会のシーンが好きです
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下巻の追い上げ力が半端ない!
別荘へ家族で出かけ、その同じ屋根の下で密会とかもう情熱で周りが見えなくなった男女のパワーは圧倒的で、そして脆い。
ようやく冒頭の少女が行方不明の事件が発生し、崩壊劇が始まると、ここへもう一人強力な人物が登場する。死をまじかに迎えた元刑事とかもうドラマすぎて、しかもここからは2度、3度と現実を帯びた夢が始まり、え?そんな事実が!?って思ったらそれは夢で現実かは定かではない、しかもそれが全然間違ってるとも思えないといった感じで読み手をぐるぐるかき混ぜてくれる。やるやん、桐野さん!ってちょっと見る目が変わった。
一体少女の行方はどうなったのか?ずーっと気になりその顛末は?って読み進めていくと最後の最後にまた夢かい!って思ったらそれは...!
崩壊した家庭は誰より子供が犠牲になる。それをわかって身を亡ぼすほどに焦がれる恋をする。人は業なり。
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『OUT』の2年後の1999年に刊行され、直木賞を受賞した桐野夏生さんの初期長編である。
5歳の娘が北海道支笏湖付近で失踪する。見失われた長女を捜し求める母親・カスミと、癌を患い退職し、死期を間近に迎えつつある男性の元刑事・内海との、奇妙なランデブーがストーリー中メインの骨格となっている。この両者は「現実と折り合いを付けることが出来ない」点で共通点を持つとされている。
一般的な写実的描写に基づく小説ではリアリティが大切であり、描かれゆく人物・心理・光景・出来事などが、いかにあり得るものであるか・ありそうであるか・ありがちであるか、といった尺度で現実解と比較し計測され、総合的に見てリアルな感触が得られない場合は「つまらない小説」ということになってしまうだろう。実は先日中村文則氏の『私の消滅』という小説を読んだがこれが酷いクズで、いかなるレベルのリアリティも皆無であり、ただの理屈に基づいて設計された非-人間的なアイディアを垂れ流すだけであって、文学を自称するのは僭越だろうという程度の駄作であった。これが芥川賞作家なのか、芥川賞って全然たいしたことないじゃん、というのが感想だった。
初期の桐野夏生さんの小説は、もっと後の時期のものと比べて「普通のリアリティ」がより多くあり、ストーリーはリアルな日常世界の中を突き進む。しかし桐野さんの文学の面白さはそういう「普通のリアリティ」に留まらず、もっと野放図な「想像し、創作することそれ自体」が導き出す自己組織化的な言語ストリームがその余りの自在さと勢い故に、しばしば「普通の小説」の型を食い破ってしまうという事態にある。そしてこの次元では、「言語ストリームそれ自体のリアリティ」が前面に押し出されてくるのだ。
本作では、元刑事の内海やカスミが目の当たりにする白昼夢や妄想が何度か現れる。この挿入された「夢のテクスト」では、誰が何故どのように少女を誘拐したかという「真相」がその都度語られ、読者のパースペクティヴを書き換えるかのような衝撃を惹起する(これは本格推理小説の「あっと驚く意外な結末」と同等の装置である)。しかし、これら夢のテクストが暴いた真相は真相ではなく、次々と切り捨てられる。
失踪した少女という文字通りの<不在のシーニュ>は、何故(誰によって)拉致されたか、生きているのかあるいは殺されたのかというミステリ的な「真相」を含んでおり、ミステリと同様に<不在のシーニュ>への欲望がストーリー(言語ストリーム)を押し進めてゆく。そしてこの不在という空白=死が、ガンによる病死が刻々と迫る内海という人物にも表象化されている。主人公カスミはかくして空白=死との不思議なランデブーを辿る。
そして、この小説では、ついに事件の真相はわからない。娘は最後まで不在であり、真実は不可知であり、圧倒的な空虚さを抱えた主人公の心理描写やモノローグ、ダイアローグが連ねられた末に、結局全ては空白のままだ、しかしそれでも生きていかなければならない、生はまだ延々と続いていくのだ、という展望と共に作品は終わる。
挿入された「夢のテクスト」は結局どれも「夢」でしかないのであって、ディスクールは反転し、捻転しつつもすべてが中心にある<ゼロ>へと帰着するのである。
この作品の核心にあるのは、空白=死の周りで苦痛にうめきながら自己生成されてゆく言表の生々しいリアリティと、救いの無い現実界の手触りとを兼ね備えた、未知の能力を秘めた創作-場のエネルギーの猛々しさである。
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初めての桐野夏生作品。
柔らかな頬って、そういうことだったのか。
救われた人は誰もいない。
カスミは一人で北海道で生きていくのだろうか。そうなったら梨紗はどうなるんだろう。
小さな梨紗の心の中を思うと、私は胸が苦しくなる。
最終章では、思わずドキリとした。
私には娘しかいないけれど、やっぱり母と娘って、何かあるんだよな。
イヤミスかと言われたら、ちょっと違うんだろう。
ミステリーではないだろう、これは…
不思議な小説だったけど、面白かった。
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分かったような分からないような?
もやっとするんたけど、読み終わったあとになぜかしっくり来る。この結末に納得してしまう。
真実を追い求めて、現実と妄想のはざまを行ったり来たり。読者も揺さぶられます。
誰にも分からない真実、それが現実。
これをどう受け止めて生きていくのか。
真実のその先を考えさせられる。
深い。面白かった。
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昔見たドラマの印象だと、カスミが娘を永遠に探し続ける印象だったけど、違ってたのかな?カスミと内海の妄想で何通りもの可能性が描かれ…。有香の行方は本題ではないのかもしれないけどもやもや。
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下巻の感想は....難しいなぁ... 余命幾許もない刑事内海と娘探しに出るカスミ。「犯人はあの人かもしれない」という夢や妄想を中心にストーリーは展開し、そのどれもが嘘か真か曖昧。どのような真実であっても後味が悪く、モヤモヤした気持ちになるのだけれど、「この物語はこういうものなんだ」と私は割り切ってラストに臨んだ。上巻ではグイグイ引きこみ、下巻では気持ちを揺さぶられたので、そういう意味で「好きじゃないけど、面白かった」といえる作品だった。同時期作品なら、圧倒的に『OUT』の方が好きだけど。
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(上下巻共通)
世評ほどの大絶賛はできませんが、直木賞受賞作だけあって面白かったです。文体もストーリーも重厚な、さすがと言うべき骨太の作品でした。
ただ、主人公・カスミの性的な魅力が話を動かすキーになっているのですが、その魅力が設定倒れというか、説得力を欠いていたように感じられたのは残念です。それが話の流れに若干の強引さを生じさせていた面も否めず。
内海の登場シーンでも「おいおいこいつと主人公が男女の関係に…なんて安い展開にはしてくれるなよ」と思っていたのに割とあっさり現実になってしまいました。
謎解きでなくヒューマンドラマに重きを置いた展開は見事だったのですが、それがやりたかったならあの最終章は完全な蛇足に思えます。
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3.8
4年の歳月を経ても、有香のこと以外に意識が向かないカスミに、テレビ出演をキッカケに、ガンで余命の少ない元刑事の内海が接触してくる。
石山の妻で完璧な女性典子。
別荘の経営者で、使用人水島との異常な三角関係にある和泉夫婦。
一軒下の別荘のオーナー豊川夫妻とその息子。 駐在所の巡査・脇田。カスミの両親。犯人を追い求める中、夢の中で次々と犯行を犯して行く人々。
石山のなれの果て、内海の最後、そして
真犯人は・・
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電車通勤しながら読み終えたけど、気持ちはどんよりと曇った感じだった。
行方不明になった娘の幾つものいなくなった時の状況の描写が生々しかったからかな。
また主人公の新たなパートナーの死への向き合い方も、気持ちの整理しようとする姿勢も本では初めて読んだと思うので、今後死に向かう老けゆく自分の心構えに少し参考になるかもしれないと思った。
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結局、真相は謎のまま、、、。
上巻はおもしろくってどんどん読み進めたけど、下巻から、ん?ってなって、よくわからないまま、読み終えても不完全燃焼。
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直木賞受賞作というので買った一冊。
余命宣告を宣言されてる元刑事と行方不明の子を探す母親の話
夢のシーンがある
それが紛らわしい
上下巻通して登場人物の心理描写は細かく描かれてよくわかるが、同情できないし理解もできない部分がけっこうあった。
ラストもなんだかスッキリしない。
結局誰が犯人?失踪事件の真相は?
この小説は事件を解決したり真相を究明するみたいな話でなく、事件に関わる人の心理描写の話なのかなと思った小説でした。
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かつて故郷を捨て、今は取引先の男性と不倫の関係を続けている女性を襲った娘の失踪事件を軸に、人間の持つ業を描いた作品。
正直、真っ当な倫理観や理想論を持って読むと、まったく登場人物たちを好きになれないのだけれど、時にマンガ的でもある彼女らの振る舞い・心情は、どこか自分の心の片隅に潜む欠片のようにも思えて、憎めない。序盤に描かれる石山とのひりつくような生、そして後半の内海との冷え入るような死。途中回り道に思えるようなところもカスミ達の心の振れを描くのに必要だったように思う。
その長い旅路の果てにカスミが下した結論は理解もできるし、共感というか自分もその気持ちを共有できる境地になっていたのだけれど、でもやっぱり、ラストはきっちりと答えを描いてもらいたかった気もする。そこは読者の解釈次第ともいえるのだろうが。
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家族と別れ、長女を探すためだけに進む。
余命短い元刑事と探し続け、上巻と違って
関係者の心情が出てきて、長女の行方が…でした。
夢や想像も出てきたりするので、うっかりと
これが本当か、と思ってしまいます。
ひとつだけ、想像通りな着地点でした。
そこだけが、やたらに現実的でした。
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何も起こらなかった…
彼女は死期の迫る彼に何を求めたのだろう
夢うつつの中で見たものは妄想で
真実ではなかった
ただ
親を捨てた彼女が親になって
突然、娘が居なくなるということがどれだけの苦痛か
親の気持ちを考えることができたということか
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第121回直木賞受賞作。不倫相手の北海道の別荘でのお互いの家族旅行中、お気に入りの長女がいなくなる。夢ではいくつかの憶測あるが、結局は真犯人は分からない。未解決事件は警察関係者か?上手いから 一気読みしてしまいましたが、あのラストは何だ?!モヤモヤが残り、マイナス★2です。
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直木賞受賞作品。
上巻ではグッと引き込まれたが、下巻に入り失速気味になってしまった。
犯人が誰だとか、娘は生きているのかとか、最後まで明らかにならない。
ただ、人間の持つ欲、本能、業などを露わにしつつ、一人の女性の生き様を追い続けていく。
自分の人生であるからどのように生きてもいい。
世間から批判されようと、誰にも理解されなくてもいい。
「こうしたい」「こうありたい」
しかし、立ち止まった時振り返った時、全てを失っていたら?
何も残っていなかったら?
何の為の時間だったのだろうかと、何をしてきたんだろうかと思ってしまうのかもしれない。
それでもそこからまた始めるしかない。
止める事も始める事もいつでも出来るのだから。
Posted by ブクログ
子供の誘拐事件。この小説はミステリーと言えばそうであるが、救いのない、出口の見えない暗闇を彷徨い続けるかのような展開。
誘拐された子供を探し続ける母親、自分の死期を自覚しつつ一緒に探す元刑事。
決して読後感いいものでないが、この心理描写は見事であり、最後まで引き込まれた。
Posted by ブクログ
まだかまだか、と読んでいったが
結局最後まで犯人分からず!有香見つからず!!
犯人か?!と思いきや内海やカスミの夢だったり…
でもハラハラ楽しく読めた。
最後は行方不明の有香からの主観。
ずーっと同じこと(捜索)をし続けたカスミ、
でも周りはそれぞれ事件にケリを付けて我が人生を歩んでいく。
そんな簡単にケリなんて付けれない。
Posted by ブクログ
上巻(前半)のリアルさの迫力がすごかっただけに、下巻(後半)の何を描きたかったのか全然わからないところがとにかく残念。
ていうか、スティーヴィー・レイ・ヴォーン。後半は全然出てこないじゃん(笑)
思うに、下巻(後半)は著者の趣味が出すぎかなぁーとw
特に石山の変容と内海の人物造形は、変な言い方だけど著者丸出しって感じで。
あぁこういう人なんだなーと、正直鼻白んだ。
ミステリー小説的結末はないとわかって読んだので、そこに不満はないし。また、ストーリー的にもよかったと思う。
カスミのお母さんの意外な幸せという、(カスミへの)ちょっとしたしっぺ返し的展開も妙に小気味いい(人生における失敗を耐えることで成功にしてしまうバイタリティは主要登場人物4人の世代と一番違うところなのだろう)。
ただ、それらの良さがあるだけに、逆にミステリー小説の結末的妄想(回答例?)って必要?と思ってしまうんだよなぁー。
そもそも、その一つが本当だったとしても、ミステリー小説として大して面白いわけじゃないじゃん。
もちろん、そこがないと話が展開していくエンジンがなくなってしまうのかもしれないが、熱に浮かされた元刑事の妄想に付き合わされるのも何だよなーと(笑)
確かに、死期が迫って生きがいだった捜査が出来ないのでせめて…と、カスミの娘を捜すことにした元刑事の妄執に付き合わされることで、カスミはやっと“ここ(今)ではないどこかへ”の途を見つけられた(?)というのはあるんだろう。
なら、最後の「これ、怖いでしょ?」的な嫌ったらしい読者サービスはいらないじゃん。
ま、最後のあれで直木賞がぐっと近づいたっていうのはあるんだろうけどさ(笑)
ていうか、5歳の子供って、あんな風に外界を見ているものなんだろうか?
5歳、つまり小学校にあがる前の頃の記憶って、自分にはあまりないので何とも言えないところはある。
でも、子供にしては視野(視界)が広すぎるように思うし。また、見たり感じたりして得た情報を言葉に変換して分析しすぎているように思うのだ。
子供って、見るも感じるももっと直截的なんじゃないかなぁー。
特にわからなかったのが、最後の2行。
5歳の子供が死、それも自分の死ということを理解出来て、なおかつそれを受け入れられるもの?
5歳の子供の視点で描かれている最後の章が他と同じ風に描かれていることを含め、そこはすごく違和感を覚えた。
桐野夏生はずいぶん前に『グロテスク』を読んで、つまんない小説を書く人だなーと思ってずっと敬遠してきた。でも、去年、今更『OUT』を読んでみてガラっと変わったんですよね。
でも、こうしてみるとやっぱり『グロテスク』の人なのかなーと。
ただ、ラストでのカスミと内海の交わりなんか、ドキッとするくらいリアルだったし。
本屋で見て、妙に引っかかる『抱く女』だけは読んでみたい。
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文章は面白く引き込まれ一気に読んでしまいました。
ただ、上巻に比べて下巻の収束の仕方は自分は不満が残りました。
元々、伊坂幸太郎先生の『バイバイ、ブラックバード』のラストを批判する感想を述べていた方が
同じリドル・ストーリーならこれ、と仰っていたのが
この本を手にとったきっかけでした。
途中まで面白く読んでいたのですが、
遂に物語が確信に進むかと思えたのが夢落ちだったところから
少し冷めてしまい、
次の展開でもどうせ夢落ちなのだろうなと思ってしまいましたし
あれだけ上巻で神隠しとしか思えない不思議な消え方
と煽っておきながら、夢落ちにしろラストにしろ
それでなぜ証拠が見つからない完全犯罪になっているのか
疑問な内容だったのが残念でした。
提示されているのは有香が殺された、誘拐された
というものばかりで、事故や家出については触れられていませんし
ああそういうことなら手がかりのひとつも見つからないのは納得
というような要素くらいはなにか提示して欲しかったです。
リドル・ストーリー自体は嫌いではなく、
前述の『バイバイ、ブラックバード』のラストも私は好きなのですが
この作品のラストは好きではありませんでした。
ミステリーではなく、カスミという女性の生き様を描いたものなのだと思います。
Posted by ブクログ
ミステリーを期待して読み始めたのが見当違いだったと思いました。桐野さん作品としてスッキリとした読後感は望まれないだろうなと思いつつも、筆力にズルズルと引き込まれて最後まで一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
行方不明事件によって、子供という時計を失った母親が、どのように時の止まった時間を生きるのか、が、描かれる。普通と異なるのは、この母親が、かつて高校時代に故郷から失踪した過去があり、また、自身の幸せのために子供がいなくなればよい、と思ったことがあること。全編にわたって、後悔、贖罪、疑惑、疲労、無関心、等々のマイナスな感情が流れ、ラストもハッピーエンドではないが、何故か読み進めてしまうのは、著者の筆致によるところが大きい。直木賞受賞作。
Posted by ブクログ
直木賞…。
梅原さんのPOPの「論議を呼んだラストに驚愕せよ!」って文句がどれだけピッタリかよくわかったよ。「ありえねえだろ!!」って意味で。
すげーハラハラさせられたし、身勝手な母親にイライラもしたが、オチこれ!?最終章なんかどう考えても5歳児ちゃうし!
そして『プリズム』同様、真相不明やし、スッキリしねー!!