あらすじ
私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない――衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。そして息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末は。
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Posted by ブクログ
クラクラする。濃い。パンチ力抜群の498ページ。
村野ミロシリーズ第一弾「顔に降りかかる雨」から読んでるけど、本著が20年ぶり…ミロが還暦…感慨深い。
こんなに悪い人たちいるのかな…いるよね悪い人。
その悪い人たちがホントに活き活きと描かれてる。著者の真骨頂と言えるでしょう。書いてて楽しいんだろな。
本著がミロのシリーズ最終章らしいけど、まだ続きありそう。続けてください。
妄想キャスティング
ミロ 夏川結衣
ハルオ 奥平大兼
ジンホ 佐藤浩市
ジンホはもちろん韓国人俳優がいいんだけど、知らないのよね…
夏川結衣は最近は良妻賢母みたいな役が多いけど、若い頃はけっこうハードボイルドな役演じてた。
本文のハルオの特徴からハルオ=奥平大兼はビンゴだと思う。
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作品名のとおり、人間の闇がとことん描かれた作品
こういう救いのない小説が、人間の愚かさを表してて凄く面白いと感じる
そんな自分が1番愚かなのかも知れない
望まれずに生まれた息子、親の借金に泣く娘、欲望や復讐だけで生きている邪悪な人家達、そこに最も闇を抱えた主人公が絡み合う
決して自分が味わうことのない世界だが、本質的な人間性はさほど変わらないのかもしれない
もし続編が出るならぜひまた味わいたい世界だ
Posted by ブクログ
「ミロ」シリーズ最終話と銘打たれているが、あるいは続編もと期待したい。ストーリーと、それを追う文章の疾走感がすごい。シリーズ第一話からまた読み返してみたい。
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平穏な生活を望むも、ミロの過去がそれを阻む。良い子に成長したハルオの裏では、ミロの宿敵、久恵らの宿怨が未だ燻り続けていた…ミロの心の葛藤を見事に活写。長年身を隠し、闘い続けたミロに残されたものとは、一体何だったのだろう。フィクションとはいえ、老いをリアルに考えさせられた。
Posted by ブクログ
第一章では息子の視点から謎多き母親を描き、第二章では母親が身を隠しながら生きている理由が語られるというように章毎に物語の視点が変わっていく。
息子とミロの夫との刑務所での面会から因縁のある人物たちの待ち伏せ。
マザコン気味のハルオは自らの出生の秘密を知り、由惟の母親はハルオとの因縁があり、東京の病院経営の鄭はミロとは因縁深い関係であり、ミロの夫の殺人事件など。
因縁が絡んだミロの過去がじわじわと迫り来る緊張感がリアルであり、母親の強さと脆さが交差する心情の変化に説得力がある。
ミロとハルオに迫ってくる過去のしがらみの嫌な感じが、如何にも桐野夏生作品という感じで、逃げ場が無く追い詰められる展開に498ページも無理なく読み終わってしまった。
面白かった。
Posted by ブクログ
まさか20年以上経って続編が出るなんて思ってなかった村野ミロシリーズ。
邪悪で暴力が溢れてた濃ゆいハードボイルドの前作『ダーク』から時は流れた。
ミロが産んだ息子ハルオは20歳になり、医学部の学生だ。
若いイケメン男子のハルオが爽やかでミロの癒しだなって思ってたら、ミロの過去のしがらみに囚われてダークサイドに引き摺り込まれてしまう。
ドキドキしながら一気読みした。
60歳のミロの闘いを堪能した。
Posted by ブクログ
まさかラストにこんな展開が待っていっとは!
ミロの息子のハルオに瀕死の状態にさせた盲目の久恵と刺し違える覚悟で乗り込んだとこに昔の仲間、友部が現れ久恵を(今は妻)刺殺するとは!
20年の刑期を終えてジンボとも結局別れ、ジンボは韓国に帰り、車椅子で坂道から転げ落ちて死亡。(これ殺されたんだとね、息子もグル?)
紗奈のお陰で死なず(ハルオが)にすんだと感謝してるみたいだけど、ハニートラップで近づいて部屋にあった通帳ごと2千万も盗まれたのは紗奈の裏切りのせいだよね。
医学部もたいがくしてしまったハルオは紗奈と那覇でミロのお店”ダーク”で働くのかしら。
大学の同級生の由惟が姪でその美貌の母親とは異母姉弟だった真実にはびっくり。
久恵はしんだけど、その一味の山岸兄と養子の泰介がいるからまだ復讐劇は続くと思われ、続編が待ち遠しい。
その前にミローシリーズが何冊もあるみたい。
遡って読みたいけどなぁ。絶対おもしろいのは間違いない。
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ミロ・シリーズは全作読んでいるはずだが、彼女の背景すっかり忘れていた。
しかし、それでも楽しめた。
ミロが還暦になっても、たくましく美しい人間であることは嬉しいこと。
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まさかまたミロのシリーズが出版されるとは!桐野ファンだがミロにはあまり思いれがないため、本作もそこまで待ちわびていたわけではないもののやはり面白かった。もうミロが60歳という衝撃。そして20歳の息子もいると。過去作の展開もわりと拾っているので記憶がなくても問題なく読めた。強そうで脆いミロ。ああ、そういえばこんな人だったな。あらすじには『最終幕!』とうたいながらもまだまだ真実は藪の中。息子の心情をもっと深堀してほしかった。また続編が出てもおかしくはない。
Posted by ブクログ
大好きだったミロシリーズの最新刊が出ていると知り、驚きと喜びで本を開いた。
あまりにも長い年月の経過。
前作「ダーク」から23年…ミロも読者の自分もそれだけの時間を重ねて来たことに感慨を覚える。
母親として息子ハルオを育てて来たミロ。
息子が愛おしくてたまらないミロ。
出生の秘密を話せずに苦悩する心情が切ない。
ミロを追いかけるダークな運命から、ハルオを守り抜こうと懸命に生きて来たのに、物語はそれを許さない。
ラスト残り数頁の思わぬ展開は息を呑む。
本当にこれで最後?
違うよね?桐野先生!と叫びたくなる余韻はさすが。
絶対に続編があると信じて。
さて、大好きなミロシリーズ、どこにしまっちゃったかな?
最初から読み返したくなって来た。
自分的には番外編である「水の眠り灰の夢」が一番の推しである。
Posted by ブクログ
ええっ!?ラストの展開、想像もつかなかった。でもどこか納得してる自分もいる。だってミロの今までの生き様を見ていれば、安全な生活に辿り着けるのは無理だろうと思うし。でもだからって、ミロに対して酷すぎないかな。
色んな男がミロを愛し、そしてミロから去っていった。そのときそのときは楽しめたと思うが、ミロの暮らしはいつも不安定だった。ハルオとの20年間だけが、彼女の安寧の日々だったんだろう。
ハルオが自分の出生を知ったときにどうなるのかが怖くて、読んでいる間、なかなか緊張した。ハルオのどこか冷酷なところのある性格から、彼がミロとの訣別を選択することも容易に想像できたし。あんなに葛藤してハルオを産んだミロの気持ちを考えると、ハルオとミロの別れは辛い。
本作はミロとハルオの視点が交互に書かれているが、かっこいいミロに比べるとやはりハルオはまだ幼い。若干20歳にしては度胸も行動力もあるとは思うが、勝手に単身で自分のルーツを確認しにいくのは危険過ぎる。自分の親が、最低な人物だったという衝撃的な出来事がハルオの精神を追い込んでいたように感じた。
私はミロに何となく肩入れしてしまうため、彼女の幸せを願ってしまうのだが、どうにもこの結末を見るに、幸せからまた一歩後退した気がする。
まだ、彼女の大切な人は残っているから、希望は消えた訳ではないけれど。
これでシリーズが完結するのかな。まだ、ミロの話を読みたい。
Posted by ブクログ
前作までの流れを思い出せるかちょっと不安になったけど、読み始めたらすぐに思い出した。
壮絶なミロの人生。
登場人物はろくでなしばかりだし、物語自体の異様な雰囲気もそのままで一気読みしてしまった。
これで完結??
ミロのこれからがまだまだ気になるけどなあ。
Posted by ブクログ
前作ダークから何年経過したんだろ
ダークを読んだ時にはミロに共感できないと感じた記憶があるけど、ダークネスは完結編にふさわしく、ミロの気持ちを語ってくれて、なるほどと言う気持ちになりました
ミロの名前以外はほぼストーリーを忘れていましたが、ハルオに語る過去で前作までの大まかな流れがわかったので、助かりました
Posted by ブクログ
これまでの人生を回顧し
過去の出来事を清算しようとする母。
これからの人生の岐路に立ち
己れのルーツを探ろうともがく子。
終わっていく者と未来へ向かっていく者
静と動、陰と陽のコントラストが
際立っていて
キャラクターが立っているから
物語の中にすっと入り込めた。
そして、共にさんざん振り回された。
この暗闇、絶望の先に射すはずの
光を見てみたい。
Posted by ブクログ
えっ? シリーズ最終? ミロの最後の闘い?
ミロとは、「顔に降りかかる雨」の主人公 村野ミロ
養父村野善三との出会いや生業などが描かれた、たぶん桐野さんのデビュー作だったはずで、私はこの物語にいたく感動して、桐野さんにファンレターを書き、返事をいただき感激した覚えがあります。今も取ってあると思う。
ずっと続編を待ち望んでいたが、その後桐野さんは路線を変え、次々と作品を発表する。
そして今回本書を手に取りびっくり。
なんとこの前に、シリーズ2作目の本が出ているという。
何という不覚、でも仕方がない順番が回ってきた本作から読もう。
二作目から20年が経過しているという設定で、ミロに息子がいたり、ミロも60歳になっていたり、時間の経過に戸惑うものの、内容はやはりハードなものです。
養父 村善との確執は未だなくならず、ミロと息子は人目を避けて沖縄で静かに暮らしていたが、封印していた行動がきっかけで、あれよあれよと人脈がつながり、またしても追われる身に。
しかし追われる原因がまた剣呑で、誰がだれを殺しただの殺されただの、復讐だのリンチだの桐野さん相変わらずのハードぶり。
もう胸が苦しくなって読みたくなくなる場面もあるんだけど、最後まで読んでしまう。
読まされてしまった。
2作目「ダーク」も絶対読むと思う。
Posted by ブクログ
茨の道を歩き、生死を彷徨った村野ミロが、60歳になり沖縄で育てた息子のハルオも20歳になった。
医大に通いながら将来は、医師になるのだろうか…と思っていたハルオだが、自分の父を知ることでその根本をも知ろうとして、大学を辞めて東京に出る。
そこで罠に嵌り地獄を見たハルオ。
それを知ったミロの最後の復讐は…。
壮絶な生きざまに疲弊してしまう。
だが、ハルオが気になり捲る手が止まらない。
ミロはやっぱりミロだが母親でもあった。
Posted by ブクログ
あー、相変わらず怖かった。
(珍しく結末先に読んでしまった)
シリーズ20年後というが、とんでもなく怖そうだから遡っては読まない(汗。
ハルオのしたたかさが見たかったが、まあ仕方ないか・・・
更に輪廻は巡り、また成長したハルオが登場しそうだ。
Posted by ブクログ
スリリングな復讐物語なんだが、背景説明が断片的でよくわからない。ラストええって感じで消化不良気味。これだけ分厚い本たんだからしっかり締めてほしかったな。
Posted by ブクログ
2002年10月に刊行された『ダーク』から23年。
再びミロに会える日が来ようとは。
なんて書いているが前作を殆ど忘れていた私。
それでも500ページに渡る長編を読みながらミロの壮絶な生き様が蘇って来た。
年月が流れ、村野ミロは60歳に、息子のハルオは20歳の医大生になった。
良い親子関係を築いていた二人だったが、自身のルーツを知ったハルオは母を捨て、自ら悪の巣窟へ乗り込んでいく。
全編を通してフィクションならではの邪悪さ。
復讐に燃える悪党たちの容赦ない暴力に目を覆う。
孤高の人、村野ミロのこの先の物語も読んでみたい。
Posted by ブクログ
これで最後?
あー、もっと派手に終わって欲しかったな。
鄭と山岸を消すまで終わらせないで欲しい。
ハルオもバカだな。
みんなバカかもな。でも一気読みした。
面白いのは面白かったよ。
続きよみたい。
Posted by ブクログ
シリーズ物の最終章?
前作含めて何作品か読んでいたはずだが以前までの展開や人物相関を覚えていなかったのでストーリーの壮絶さが現実離れして感じられた
タイトル通り終始暗い展開
Posted by ブクログ
OUTを読んで以来の桐野夏生ファンで、大概の本は読んでいる。
ミロシリーズも以前全て読んだと記憶しているが、年月を経て、内容をかなり忘れてしまっていたのが残念だった。
前作のダークも読んだと思っていたが、記憶が曖昧。
時間があれば再度読み返してみたい。
今作のミロは60才になっていて、ミロに復讐しようとしている追っ手から逃げるために、息子のハルオと息を潜めて沖縄で暮らしている。
逃亡生活も20年となり、二十歳になったハルオの行動から、ミロとハルオは再び追っ手から追われることになる。
終始ハラハラドキドキしながら読み進めた。
次のミロはいくつになるのか分からないが、続編を予感させるラストだった。
Posted by ブクログ
エグい。他人を恨んでいても進歩がないような。終わったことは仕方ないと諦めてしまう方がいいのかもなぁ。って、それができないからこんなことになるのか。