ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
美しい妻は絶対的な存在。楚々とした義妹は代表作の原点。そして義息の若い嫁は、新たな刺激を与えてくれる……。大作家をとりまく魅惑的な三人の女たち。嫉妬と葛藤が渦巻くなか、翻弄される男の目に映っているものは――。文豪「谷崎潤一郎」を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界から炙り出される人間たちの「業」と「欲」。<解説>千葉俊二
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
あっという間に読み終えました。 谷崎潤一郎、こういう人だったのかも。倒錯しまくってて、これぞ文豪だと感動。
「細雪」のモデルとなった谷崎潤一郎の妻、松子とその妹、重子、松子の前の夫との間にできた息子(重子の養子)の嫁・千萬子が小説家谷崎の家庭生活と創造生活を全てを司る様子が、重子の1人語りとてもリアルに表現されていて、これは重子の肉声なんじゃないかとさえ思ってしまった。 人気作家のわがままに翻弄されている...続きを読むのは結局のところ誰なのかわからない。最後、老い始めた谷崎を平伏させてしまうような重子なのか、それとも実は谷崎が重子に自分を足蹴にするように仕向けているのか。小説が現実を模しているのか、現実が小説を真似ているのか。 女たちの自分の存在意義を賭けた駆け引きや嫉妬などが繰り広げられるのだが、そこで生まれる不安やちょっとした哀しみは、小説家である男の庇護のもとで生活すること代償だ。創作意欲を与え続けることで、男を生きながらえさせる。それこそが自分の存在を証明するものなのだし、彼の働きがないと生活も苦しくなるのだから、舞台で踊り続けるだけだ。それでも、そんなに「支配されて抑圧された」感がないのは、何かそこにしたたかな生命力、図太さやしぶとさのようなものがあるからかな、と思う。桐野夏生が女を描くとこうなる。
私の大好きな桐野夏生が、私の大好きな谷崎潤一郎の生涯を描く。これは読んでみなければ。細雪のモデルとなった妻とその姉妹、そして谷崎本人を、まるでNHKの朝ドラのように描く本作。谷崎の残した文章や周囲の人の記憶といった点を、桐野なりのストーリーとして線にしていく。線はフィクションだが、谷崎自身や彼の作品...続きを読むを理解する補助となり、今すぐ彼の作品を再読したくなる欲望に駆られる。作家としての姿勢を谷崎に語らせて、実は桐野そのものを語らせている手法も面白く、桐野、谷崎両者をより深く堪能することができる。とにかく物語が面白く、久々にページを早くめくりたい気分になった。年末年始に楽しい読書ができた。
読みだした途端に感じる不穏な空気に夢中になった。谷崎潤一郎と妻の松子、松子の妹の重子をめぐる関係。あからさまな肉体関係はないようなのだけれど、もっと複雑で不穏で水面下でうごめいているからこそ、妙に生々しく、スリリング。 そこに松子の連れ子の青一(戸籍上は重子の息子)の嫁の千萬子が現れて、物語はまさに...続きを読むタイトル通りのデンジャラスなすごみを帯びていく。 千萬子の賢さ、したたかさと若さ。松子と重子の自負と嫉妬。谷崎に迫る老いと焦燥感。 この絶妙なブレンドをなせるのも桐野さんならではだと思う。 今度は谷崎の往復書簡集を読んでみたい。
君臨する男。寵愛される女たち。文豪・谷崎潤一郎が築き上げた理想の〈家族帝国〉と、そこで繰り広げられる妖しい四角関係-。桐野夏生が、燃えさかる作家の「業」を描く。
谷崎潤一郎没後50年・中央公論新社130周年を記念して書かれた、オマージュの内の一冊。 2017年は本当に豪華な作家達が谷崎へ傑作を寄せていた。 本書は『細雪』に登場する姉妹の中でも主要人物であった「雪子」のモデルとなりながら、手記や書簡と言った声を残さなかった「重子」に語らせる。 重子(あくまで...続きを読む本書に登場する彼女の意で)は義兄の芸術に自らが採用された事を生涯、精神の拠り所としていた。 しかし、その愉悦と義兄に守られた平穏はある日、突然に破られてしまう。 義理の娘・千萬子の登場である。 浮世と一線を引く様な姉妹にとって千萬子は新時代の象徴であるのみでなく、芸術のミューズの座を奪う脅威と捉えられていた。 画家の祖父を持つ千萬子は文学にも造詣が深く、谷崎と同等に渡り合う。 更には離れて暮らす谷崎と一日に何通もの速達を送り合う事で、周囲に憚る様子も次第に無くなっていった。 本書には谷崎晩年の隆盛と芸術の源泉、それに翻弄される人間模様をねっとりと描く。 谷崎と桐野氏の共通点は正に、この粘度と言えようか。 谷崎が作中で発する言葉は極めて少ないながら、逆に存在感が強調される様でもある。 幾ら虚実綯い交ぜの創作と言え、最愛の妻・松子さんさえ脅かした(可能性の高い)人物が居た。 それに驚く読者も多い事だろう。 彼女は平成13年に、何を思って200通を超える往復書簡を公開したか。 谷崎の死後に出版された松子さんの随筆『倚松庵の夢』とは恐らく意味合いも、思惑も違っているだろう。 一冊の本がまた次の本を呼ぶ、読書の佳味である。
谷崎潤一郎を細雪の雪子の視点で書いたフィクション。 細雪を読んでいないと何の話しかはわからない だろうと思う フィクションとは言っても概ね事実に近いのか 実在する人物を描いているので なるほどデンジャラスなのだな 不可触の領域に踏み込んでいる
谷崎潤一郎の生涯と女性について、谷崎潤一郎を殺した女性の一人称で描かれていた。 主に4人の女性が登場したが、それぞれが彼を中心に生きていて、翻弄されていてでも結局誰を中心に回っていたのかわからないような不思議な気持ちになった
谷崎の三番目の妻・松子の妹である重子が語り手となって進む。『春琴抄』や『盲目物語』に影響を与えた妻の松子、『細雪』の雪子のモデルとなった重子、そして『鍵』や『瘋癲老人日記』を創作するきっかけとなった谷崎の息子の妻・千萬子。作家谷崎と三人の女の関係はただの家族、親戚とは言い難く濃密で、かといって簡単...続きを読むな愛憎劇でもない複雑さ。 文豪谷崎にモデルにされる、谷崎へインスピレーションを与えることのできるということの誇りと優越感。また自分の生活、周りのもの全てを芸の肥やしにして芸術に昇華させる作家の業の深さ。そうした凄みに迫った一作だった。
桐野夏生的ドロドロがいつくるかと思って読んでたけど、いつのまにか沼にどっぷりハマってる感じで終盤怖くなった。日常をずっと書いてるけど面白い。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
デンジャラス
新刊情報をお知らせします。
桐野夏生
フォロー機能について
「中公文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
もっと悪い妻
ダーク(上)
アンボス・ムンドス ふたつの世界
エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014
玉蘭
グロテスク 上
光源
錆びる心
「桐野夏生」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲デンジャラス ページトップヘ