桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
母にオススメされて。
タワマンママ友界隈に限らず、狭い世界では人は人を蹴落として上に上がり続けるしかない。誰も信じられないまま仮面を被り続けて、ふと気づいた時に虚しくなる。本当はもっと世界は広くて、背伸びせずに生きても意外と大丈夫なようにできている。そこで、じゃあ何故自分はこんなに苦しい思いをしているのだろう?と自分を責めてしまいがちだけれど。
世間というものは、自分と重ねすぎてはいけない。言ってしまえば人間もただの動物の一種にすぎないのだから、"絶対にこうでなければならない"なんていう決まりはない。大人だって子供と地続きなのだから、時には失敗することや、人目を気にせず -
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ネタバレバラカへの、これでもかという不運な境遇。人の裏切り、今度こそ信じてもいいのか、と疑心暗鬼になる気持ち。
自分の義父に震災の広告塔とされてしまったり、反対に崇め祭られる対象にされたり。
本当に信じられるのは、一番最初に見つけてくれた決死隊のおじいちゃん。
おじいちゃん、死んでなくてよかった。
『わたしを離さないで』が遺品って、カズオ・イシグロのだと思うけど内容が合いすぎてる。
毒をもられ話せなくなってしまったけど、バラカと心が通じるから話したいことがわかる、そんな心温まるシーンも少しだけあって。
そして健太、康太。
40歳超えて定住するバラカの様子、そして幸せでよかった。
いつ日本がこの様になっ -
Posted by ブクログ
いやはや、凄かった!
674ページ!夢中で読みました。
ギリギリの世界を生きる若者たちの息苦しさと、容赦ない描写と、しばしば危うさを感じ、苦しみも伴いました。(普通にずっと出てくる沖縄の島の方言、正確には分からないまま読んでいたけど、雰囲気で分かるの)
記憶喪失…って、昔はよくマンガで読んだ気がする。自分が何者なのかさっぱりわからないって、よく考えたら(考えずとも)物凄く恐ろしく怖いことだ。しかも、自分が何者か教えてくれる人が周りに皆無なのだ。何も持たず何も分からず、ただただ生きることだけを考える前半と、あることから記憶が蘇ってくる後半。上手い!
貧困、格差、ニート、請負労働者、バックパッカ -
Posted by ブクログ
今、この時代に、読むべき物語、
って紹介にありました。私もそう思います。桐野作品の中でも、なんだか凄いものを読んじゃった!という気持ちになる、まさに、ディストピア小説です。 子供欲しさにドバイの赤ん坊市場を訪れる日本人女性、酒と暴力に溺れる日系ブラジル人、絶大な人気を誇る破戒的牧師、フクシマの観光地化を目論む若者集団、胡散臭い謎の葬儀屋、そして放射能警戒区域での犬猫保護ボランティアに志願した老人が見つけた、「ばらか」としか言葉を発さない一人の少女……。
小説内では、震災のため原発4基がすべて爆発した、という設定なので、その後の日本も、今の現実世界とは違う道をたどります。 ありえたかもしれな