桐野夏生のレビュー一覧

  • 柔らかな頬 上

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    前半登場人物に感情移入出来なくて苦戦した。
    なんだこいつって思う人ばかりで一回本捨てました(下読んでからまた買い直した。)
    子供がいるのに不倫、動物虐待などは個人的に苦しすぎて読み返せないのだけれど、それでもこの小説はとっておかなければと思った。

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    2024年10月23日
  • 錆びる心

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    虫卵の配列
    羊歯の庭
    ジェイソン
    月下の楽園
    ネオン
    錆びる心

    「現状を変えたい」とか「こんな生活はイヤだ」とか思って
    現状を変えるべく何かことを起こしたら、必ず誰かに影響を及ぼす。
    自分の思うように、思った通りに、事態は推移していかない。そういう中で
    立ち現れる、その人それぞれの姿、本性、実力?

    イチオシは「虫卵の配列」。静かな狂気と思い込みの脆さ。
    表題作「錆びる心」も良かったです。

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    2024年10月24日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    反社と付き合うと最後はこうなる、と言った教訓と呼ぶのはあまりにも寂しい幕切れです。バブルとはよく言ったもんだ。

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    2024年10月22日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    この作品の描かれた時代に生きた人間として比喩や誇張ではなく、狂乱の毎日だったような気がする。4年間くらいの間に知り合った有象無象の人々はまだ生きてるやろうか。

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    2024年10月22日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

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    6曲のうち頭の中でメロディを再生できるのは1,2曲だけだけど、そこを抜きにしても楽しめた。初読みの作家さんの作品を読めたのもよかったな。第一篇が昭和の時代を回想するストーリーだから、それ以降も脳内で時代設定に混乱してしまった。最後の「春よ、来い」がよかった。これのおかげで読後感は暖かいものになりました。

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    2024年10月20日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    バブルの後半を知っている世代なので、面白くあっという間に読めた。娯楽作品としては満足。でも、桐野夏生さんなら、もっと深みがあって読み応えのあるものが書けるのではないかと思ってマイナス1。

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    2024年10月18日
  • インドラネット

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    ネタバレ

    梲が上がらない現代的な男子がカンボジアで大人に成長する話。

    40代の私には全く理解できない主人公の価値観の展開に、文章の読み易さも相俟って、子供を心配する親のようにソワソワしながらイッキ読みしていた。

    ノンフィクション作家の高野秀行さんの解説に、小説の世界では「信頼できない語り手」という手法があるらしく、カズオ・イシグロ「日の名残」やコンラッド「闇の奥」などがその例と紹介されていた。「闇の奥」を読んでまたソワソワしたいと思った。

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    2024年10月17日
  • インドラネット

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    野々宮父の死/シェムリアップの夜の闇/
    ニェットさんの青唐辛子粥/さらば青春/
    冷たい石の下には/インドラの網

    晃くんに届いた知らせから
    思いもよらない彼の旅が始まる
    行き当たりばったりで
    いい加減で
    ある意味 格好悪い 旅が
    いい加減帰ったら?と何度思ったことか
    思いがけず粘るのだ彼は、弱気ながら

    行きついた場所でズルズルと過ごして行くのかな、彼なら

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    2024年10月15日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • インドラネット

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    高校時代、唯一と言って良い親友且つ家族ぐるみに仲良しだった美男子「空知」が、大学生になって突然日本から出国し、そのまま行方不明に

    空知には姉妹が2人いて、その2人とも超美人

    その後、主人公の八目晃は社会人になるも冴えない契約社員になり、冴えない日々を送っている最中

    ある日母親から、空知の父親が亡くなったと連絡が入って、お通夜に参列

    そこで出会った怪しい男から、空知の行方を探しにカンボジアへの渡航を打診され…

    八目晃のダメっぷりが際立つ内容なのですが、カンボジアで捜索を進める中で逞しさは増して行きます。でも、選択する手段がことごとく的確ではなくて、でも偶然すぎるくらいうまいこと行って、

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    2024年10月02日
  • 燕は戻ってこない

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    リキの気持ちがどうなってくのか気になってページを捲る手が止まらなかった。面白かった!!
    しかし結論みんな自分勝手でカオスで共感は全然できないな…(;゙゚'ω゚'):
    あと、私はちゃんと夫の子を妊娠中なのできっと出産して赤ちゃんを見たら前向きな保護本能が湧いてくるんだろうなと安心したm(._.)m笑

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    2024年09月30日
  • インドラネット

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    ネタバレ

    久しぶりの桐野夏生

    主人公八目は何も取り柄がない社会人。
    唯一誇れることは、高校時代に空知と親友であったこと。
    空知は頭もよく、かっこよく、人気者。空知の親友ということだけが自慢だった。
    だが、社会人になって急に空知と疎遠になり、アジアへ旅立ち行方不明に。
    空知の姉と妹も同様にアジアで行方が知れない状態になっていた。
    空知の父親の葬式で、複数人に空知兄弟を探してほしいと頼まれる。

    すごく壮大な話だった。展開が結構変わるし、色々な人にだまされ疑心暗鬼になる。早く続きが読みたく一気に読んでしまった。
    八目は旅を通じてたくましくなり、大変な経験は人を成長させるんだなと思った。

    空知と再会はでき

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    2024年09月27日
  • インドラネット

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    一気に読んだ。続きが気になって仕方なく、なかなか止められなかった。

    カンボジア、ポル・ポト。
    国内も落ち着き、観光に関しては大きな問題もなくできる国になったと思っていた。
    やはり世界一治安の安定した日本に生まれ育って住んでいる自分は甘い。

    これ、本当に小説なんだろうか。
    桐野夏生氏の筆力を使ったドキュメンタリーではないんだろうか。

    悲しく、考えさせられるラストだが、余計に《あるかも》という気になり現実と物語の境界線がボヤける。

    途中、アジアの発展途上の国の美しい海と逞しい現地の人、複雑な政情、植民地時代の名残りを、作品を読みながら並行してスマホで検索していた。

    バックパックも自分の読

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    2024年09月15日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブルの頃の記憶がある人間には、非常に読みやすくわかりみ深い話。世の中すべてが浮かれていて、それが永遠に続くと思っていた。
    そんな時代の話、ましてや書き手が桐野夏生さんなので、必ず不穏な結末が訪れる…と最初からわかっているのに、遅読の私が下巻まで2日で一気読みした。

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    2024年09月13日
  • 緑の毒

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    ネタバレ

    著者を知ったのは『OUT』がTVドラマ化されたときだと記憶しています。それはそれは面白くて、主人公たちがノコギリで死体をギコギコぶった切るシーンは、長調なのに哀しげなテーマ曲の旋律と共に今も頭の中に蘇ります。

    本作はそのイメージそのままというのか、そのまますぎる気がして、桐野さんってあれからひとつも歳をお取りではないのかと思うほど。

    「最低最悪の読み心地」という帯の言葉に、このゲス医者が逃げおおせる嫌ミスの如き結末も覚悟していましたが、桐野作品ではやっぱり女が一致団結するのですね。天罰を喰らえばいいと思うと同時に、プライドの高い奴はここまでひねくれてしまうものなのかと思う。

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    2024年09月08日
  • 路上のX

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    こんな事あるのかな…
    …あるのか。

    救いようのない話なんだけど、
    ラストがいっつも物足りないんだけど、
    読んでしまうよ桐野夏生。

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    2024年09月02日
  • インドラネット

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    ネタバレ

    桐野さん作品初めてでしたが、旅行したことがあるカンボジアが舞台ということもあり、だいぶ引き込まれてグイグイ読み進めてしまった。終始、主人公に対しては「なんだこいつ」という感が拭えなかったけど、それでも世界の暗い部分、闇の魅力に抗えず、読み進めるとそれでもずっと不穏で、ハッピーエンドじゃないんだろうなと思わされつつもどういう終わりを見せてくれるんだろう…!っていうワクワクが増していった感じ。そして期待を裏切らない終わりだった。
    日本で少し退屈だけど、平穏な日々を暮らしていく人もいれば、それだけじゃ飽き足りなくて違う世界に飛び出していく人もいる。今平穏に暮らしていることは決して当たり前でなくて、一

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    2024年08月29日
  • もっと悪い妻

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    短篇6篇。小気味よい話。悪い妻描かれるがなぜかスッキリする。良い妻もみんなそういう一面を内に秘めてるのかもしれない。

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    2024年08月27日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブルの熱で高く押し上げられた、押し上げられつつづけられると願った若者の勢いが、そのまま文体のテンポになっているように感じられる。

    話の、描写の、躍動感がバブルの勢いをリアルに感じさせてくれる気がした。

    バブルを経験してたら自分の性格上、熱狂して破滅して死んでたんじゃないかな。

    バブルで狂ってた実態を知りたい、というより肌で感じたい。バブルよ再びきておくれ

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    2024年08月26日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブル期証券会社の若手社員の物語。時代背景描写なく一気読み。オチ、結末は見事。タイトルや表紙から女二人の対比物語と思いきや、違う「二人」が終始目立ちその二人の話の様に感じた。

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    2024年08月17日