桐野夏生のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
高校時代、唯一と言って良い親友且つ家族ぐるみに仲良しだった美男子「空知」が、大学生になって突然日本から出国し、そのまま行方不明に
空知には姉妹が2人いて、その2人とも超美人
その後、主人公の八目晃は社会人になるも冴えない契約社員になり、冴えない日々を送っている最中
ある日母親から、空知の父親が亡くなったと連絡が入って、お通夜に参列
そこで出会った怪しい男から、空知の行方を探しにカンボジアへの渡航を打診され…
八目晃のダメっぷりが際立つ内容なのですが、カンボジアで捜索を進める中で逞しさは増して行きます。でも、選択する手段がことごとく的確ではなくて、でも偶然すぎるくらいうまいこと行って、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりの桐野夏生
主人公八目は何も取り柄がない社会人。
唯一誇れることは、高校時代に空知と親友であったこと。
空知は頭もよく、かっこよく、人気者。空知の親友ということだけが自慢だった。
だが、社会人になって急に空知と疎遠になり、アジアへ旅立ち行方不明に。
空知の姉と妹も同様にアジアで行方が知れない状態になっていた。
空知の父親の葬式で、複数人に空知兄弟を探してほしいと頼まれる。
すごく壮大な話だった。展開が結構変わるし、色々な人にだまされ疑心暗鬼になる。早く続きが読みたく一気に読んでしまった。
八目は旅を通じてたくましくなり、大変な経験は人を成長させるんだなと思った。
空知と再会はでき -
Posted by ブクログ
一気に読んだ。続きが気になって仕方なく、なかなか止められなかった。
カンボジア、ポル・ポト。
国内も落ち着き、観光に関しては大きな問題もなくできる国になったと思っていた。
やはり世界一治安の安定した日本に生まれ育って住んでいる自分は甘い。
これ、本当に小説なんだろうか。
桐野夏生氏の筆力を使ったドキュメンタリーではないんだろうか。
悲しく、考えさせられるラストだが、余計に《あるかも》という気になり現実と物語の境界線がボヤける。
途中、アジアの発展途上の国の美しい海と逞しい現地の人、複雑な政情、植民地時代の名残りを、作品を読みながら並行してスマホで検索していた。
バックパックも自分の読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者を知ったのは『OUT』がTVドラマ化されたときだと記憶しています。それはそれは面白くて、主人公たちがノコギリで死体をギコギコぶった切るシーンは、長調なのに哀しげなテーマ曲の旋律と共に今も頭の中に蘇ります。
本作はそのイメージそのままというのか、そのまますぎる気がして、桐野さんってあれからひとつも歳をお取りではないのかと思うほど。
「最低最悪の読み心地」という帯の言葉に、このゲス医者が逃げおおせる嫌ミスの如き結末も覚悟していましたが、桐野作品ではやっぱり女が一致団結するのですね。天罰を喰らえばいいと思うと同時に、プライドの高い奴はここまでひねくれてしまうものなのかと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ桐野さん作品初めてでしたが、旅行したことがあるカンボジアが舞台ということもあり、だいぶ引き込まれてグイグイ読み進めてしまった。終始、主人公に対しては「なんだこいつ」という感が拭えなかったけど、それでも世界の暗い部分、闇の魅力に抗えず、読み進めるとそれでもずっと不穏で、ハッピーエンドじゃないんだろうなと思わされつつもどういう終わりを見せてくれるんだろう…!っていうワクワクが増していった感じ。そして期待を裏切らない終わりだった。
日本で少し退屈だけど、平穏な日々を暮らしていく人もいれば、それだけじゃ飽き足りなくて違う世界に飛び出していく人もいる。今平穏に暮らしていることは決して当たり前でなくて、一