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Posted by ブクログ
やっぱりだいすき!ミロシリーズ!
物語が進んでいくテンポがとても好み。主人公のミロの目線で、いろんな事象のちょっとした違和感とか着眼できるストーリーの組み立て方もほんとうに素晴らしい。親切なんだけど、絶妙に読者(少なくともわたしには)には謎解きしきれないから、クライマックスには毎度驚かされる。
1stシリーズの「顔に降りかかる雨」の時からだけど、登場人物の服装や身だしなみに言及することが多くて、その人となりを想像するのに有効だと思うし、時間の経過とかも感じられるからすごく効果的だと思う。そして個人的にファッションに興味あるから嬉しい。笑 著者もそうなのかな?
欲を言えば最後、トモさんにもう一度出てきてミロに寄り添う描写があって欲しかったけど、そうしなかったのも著者の意図があるんだろうな。
次のシリーズも積読になっているので、早く読みたてうずうずしてます。
個人的に、新装版の解説をされているのが柚木麻子さんなのもうれしかった。
Posted by ブクログ
30年以上続いている「村野ミロシリーズ」第2巻。
主人公の村野ミロは、夫の自死による喪失感から広告代理店の勤務を辞め、父親が探偵事務所として使っていた歌舞伎町の片隅で、一人ひっそりと暮らしていたのがシリーズの始まりだった。
ミロは常に金欠気味で、依頼された探偵業は何でも請け負わなけらばならないのが実情だった。
今回の依頼者の渡辺房江は、AV女優のレイプ被害を訴え、弱い立場の女性の実態を世に知らしめる運動をしている人物だ。
レイプの被害者として一色リナを探し出し、運動のシンボリックな存在としたいと云う意向を渡邊は抱いていた。
渡辺の活動を何故か熱心に支援するセレブの料理研究家八田牧子の存在も謎となる。
そしてミロが依頼を受けて探し出そうとする一色リナは、レイプされるAVが公になった後、自殺のシーンを盛り込んだAVを最後に姿を消し、生存さえ危ぶまれる状況となる。
ミロの探偵としての調査は限りなく難しく、裏社会にも通じているAV社会に足を踏み入れ、幾度も危ない橋を渡らなければならなかった。
AVの販売会社の社長やプロデューサーなどから辱めを受けそうになったり、隣に住む同性愛者の男性が心を許し合える友となってミロに協力をしてくれたり、元探偵だったミロの父親が援軍として北海道から出向いてくれたりして、難しい調査が進められて行く。
調査中、ミロの配慮が足らなかったことから、依頼者の渡辺が死亡してしまう。
そして苦労の末に、一色リナの隠された生誕の事実を掴むことになる。
それにしても桐野夏生女史が描く女性たちは常に強いの一言だ。
社会的に弱い立場の女性たちが、辛酸を舐めながらも何とか前へ進む姿勢が綴られている。
この村野ミロシリーズは、番外編を含めてあと4篇が上梓されている。
まだまだ楽しめる読書が続く。
Posted by ブクログ
1994年刊。『顔に降りかかる雨』(1993)に続く、桐野夏生さん初期の女探偵ミロ・シリーズの2作目に当たる。
やはり、面白かった。やはり現代のエンタメ系文学は非常にスイスイ読めるし、物語の展開にはまって先へ先へと駆り立てられる。
本作でミロは、むしろ敵側と思われるようなダ男性に性的に惹き付けられて寝てしまい、それが原因となって失敗を招くなど、「アラアラ」と悔しくなるような弱さを露呈しており、それもあって、非常にリアルでなまなましい女性像を確立している。
ミロが探し求める女性リナも、極めて不幸な幼少期を送って情緒面で発達障害的になってしまった人間として、後半リアルに描き出される。
その一方で、矢代のような男性は奇妙にデフォルメされ、リアルさを欠いているように見える。桐野さんはリアルな男性心理を書けないわけではないので、どうやら、女性にとって強い性的対象となった男性は、その欲望のためにファンタジックな、戯画化されたイメージになってしまうようなのだ。この点、我々男性も性的対象として女性を見ると妙に都合良く戯画化して捉えようとしてしまうことと同じなのかもしれない。欲望の地平に開かれる<神話>的シンボル化、ということなのだろうか。
全体に面白く読めて満足感を得られる小説だった。このシリーズはこの後短編集が1冊あって、その後最後の作品である長編『ダーク』が来るようだが、どうもこの最終巻は、読者にとってショッキングなまでにミロが変転してしまうらしく、読むのがちょっと怖いような、楽しみなような気がしている。
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小説・文芸
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