桐野夏生のレビュー一覧

  • インドラネット

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    ネタバレ

    梲が上がらない現代的な男子がカンボジアで大人に成長する話。

    40代の私には全く理解できない主人公の価値観の展開に、文章の読み易さも相俟って、子供を心配する親のようにソワソワしながらイッキ読みしていた。

    ノンフィクション作家の高野秀行さんの解説に、小説の世界では「信頼できない語り手」という手法があるらしく、カズオ・イシグロ「日の名残」やコンラッド「闇の奥」などがその例と紹介されていた。「闇の奥」を読んでまたソワソワしたいと思った。

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    2024年10月17日
  • インドラネット

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    野々宮父の死/シェムリアップの夜の闇/
    ニェットさんの青唐辛子粥/さらば青春/
    冷たい石の下には/インドラの網

    晃くんに届いた知らせから
    思いもよらない彼の旅が始まる
    行き当たりばったりで
    いい加減で
    ある意味 格好悪い 旅が
    いい加減帰ったら?と何度思ったことか
    思いがけず粘るのだ彼は、弱気ながら

    行きついた場所でズルズルと過ごして行くのかな、彼なら

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    2024年10月15日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    知らない論者も多いのだが,なかなか良い企画だったと思う。
    個人的に自由に最高の価値を置いているつもりなのだが,そもそも自由とは何か,きちんと考える必要がある。自由でないから自由という概念が必要となるという指摘はそのとおりだし,自由と秩序の関係も深める必要がある。
    学術会議の問題は解決されないまま世間からは忘れられてその動きは目的を達しようとしている。カネは出すけど口は出さないなんて器量をこの国に望むのはもう無理なのかもしれない。

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    2024年10月14日
  • インドラネット

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    高校時代、唯一と言って良い親友且つ家族ぐるみに仲良しだった美男子「空知」が、大学生になって突然日本から出国し、そのまま行方不明に

    空知には姉妹が2人いて、その2人とも超美人

    その後、主人公の八目晃は社会人になるも冴えない契約社員になり、冴えない日々を送っている最中

    ある日母親から、空知の父親が亡くなったと連絡が入って、お通夜に参列

    そこで出会った怪しい男から、空知の行方を探しにカンボジアへの渡航を打診され…

    八目晃のダメっぷりが際立つ内容なのですが、カンボジアで捜索を進める中で逞しさは増して行きます。でも、選択する手段がことごとく的確ではなくて、でも偶然すぎるくらいうまいこと行って、

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    2024年10月02日
  • インドラネット

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    ネタバレ

    久しぶりの桐野夏生

    主人公八目は何も取り柄がない社会人。
    唯一誇れることは、高校時代に空知と親友であったこと。
    空知は頭もよく、かっこよく、人気者。空知の親友ということだけが自慢だった。
    だが、社会人になって急に空知と疎遠になり、アジアへ旅立ち行方不明に。
    空知の姉と妹も同様にアジアで行方が知れない状態になっていた。
    空知の父親の葬式で、複数人に空知兄弟を探してほしいと頼まれる。

    すごく壮大な話だった。展開が結構変わるし、色々な人にだまされ疑心暗鬼になる。早く続きが読みたく一気に読んでしまった。
    八目は旅を通じてたくましくなり、大変な経験は人を成長させるんだなと思った。

    空知と再会はでき

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    2024年09月27日
  • インドラネット

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    一気に読んだ。続きが気になって仕方なく、なかなか止められなかった。

    カンボジア、ポル・ポト。
    国内も落ち着き、観光に関しては大きな問題もなくできる国になったと思っていた。
    やはり世界一治安の安定した日本に生まれ育って住んでいる自分は甘い。

    これ、本当に小説なんだろうか。
    桐野夏生氏の筆力を使ったドキュメンタリーではないんだろうか。

    悲しく、考えさせられるラストだが、余計に《あるかも》という気になり現実と物語の境界線がボヤける。

    途中、アジアの発展途上の国の美しい海と逞しい現地の人、複雑な政情、植民地時代の名残りを、作品を読みながら並行してスマホで検索していた。

    バックパックも自分の読

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    2024年09月15日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブルの頃の記憶がある人間には、非常に読みやすくわかりみ深い話。世の中すべてが浮かれていて、それが永遠に続くと思っていた。
    そんな時代の話、ましてや書き手が桐野夏生さんなので、必ず不穏な結末が訪れる…と最初からわかっているのに、遅読の私が下巻まで2日で一気読みした。

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    2024年09月13日
  • 緑の毒

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    ネタバレ

    著者を知ったのは『OUT』がTVドラマ化されたときだと記憶しています。それはそれは面白くて、主人公たちがノコギリで死体をギコギコぶった切るシーンは、長調なのに哀しげなテーマ曲の旋律と共に今も頭の中に蘇ります。

    本作はそのイメージそのままというのか、そのまますぎる気がして、桐野さんってあれからひとつも歳をお取りではないのかと思うほど。

    「最低最悪の読み心地」という帯の言葉に、このゲス医者が逃げおおせる嫌ミスの如き結末も覚悟していましたが、桐野作品ではやっぱり女が一致団結するのですね。天罰を喰らえばいいと思うと同時に、プライドの高い奴はここまでひねくれてしまうものなのかと思う。

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    2024年09月08日
  • 路上のX

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    こんな事あるのかな…
    …あるのか。

    救いようのない話なんだけど、
    ラストがいっつも物足りないんだけど、
    読んでしまうよ桐野夏生。

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    2024年09月02日
  • インドラネット

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    ネタバレ

    桐野さん作品初めてでしたが、旅行したことがあるカンボジアが舞台ということもあり、だいぶ引き込まれてグイグイ読み進めてしまった。終始、主人公に対しては「なんだこいつ」という感が拭えなかったけど、それでも世界の暗い部分、闇の魅力に抗えず、読み進めるとそれでもずっと不穏で、ハッピーエンドじゃないんだろうなと思わされつつもどういう終わりを見せてくれるんだろう…!っていうワクワクが増していった感じ。そして期待を裏切らない終わりだった。
    日本で少し退屈だけど、平穏な日々を暮らしていく人もいれば、それだけじゃ飽き足りなくて違う世界に飛び出していく人もいる。今平穏に暮らしていることは決して当たり前でなくて、一

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    2024年08月29日
  • もっと悪い妻

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    短篇6篇。小気味よい話。悪い妻描かれるがなぜかスッキリする。良い妻もみんなそういう一面を内に秘めてるのかもしれない。

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    2024年08月27日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブルの熱で高く押し上げられた、押し上げられつつづけられると願った若者の勢いが、そのまま文体のテンポになっているように感じられる。

    話の、描写の、躍動感がバブルの勢いをリアルに感じさせてくれる気がした。

    バブルを経験してたら自分の性格上、熱狂して破滅して死んでたんじゃないかな。

    バブルで狂ってた実態を知りたい、というより肌で感じたい。バブルよ再びきておくれ

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    2024年08月26日
  • 真珠とダイヤモンド 上

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    バブル期証券会社の若手社員の物語。時代背景描写なく一気読み。オチ、結末は見事。タイトルや表紙から女二人の対比物語と思いきや、違う「二人」が終始目立ちその二人の話の様に感じた。

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    2024年08月17日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    自分はバブル崩壊と共に生まれたような世代。
    私は上の世代の人達がバブルを謳歌した黄金時代の話を聞くのが好きだ。
    嘘みたいにエネルギッシュで、豪華で、それでいて馬鹿げていて。
    バブルを語る人達は皆「おかしな時代だった」とは言うけれど、その顔は青春時代を懐かしむように、はにかんだ表情をしている。
    我を忘れてはしゃいで、浪費して、がむしゃらに生きて、大の大人が皆で馬鹿やって楽しそうだなぁと純粋に羨ましい気持ちも持っていた。

    この本ではバブルの光と闇が描かれているけれど、闇の印象の方が強く残る。
    もがいてももがいても強い引力に引っ張られてしまうような生活。
    自分で居場所を勝ち取ったと思っていたのに大

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    2024年08月14日
  • もっと悪い妻

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    「もっと悪い妻」の夫以外は、どの夫も「こんな男いらん」みたいな話だった。そんな男性が現実にも多いような気がして、「男なんていらん」って感じになった。でも今の若い夫は、変わってきているのではないか。どうだろう。

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    2024年08月11日
  • グロテスク 下

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    東電OL殺人事件をヒントに描かれた作品。 美貌の妹に生涯コンプレックスを持ち続ける姉、その同級生でやはり美貌と富にコンプレックスを抱える一流企業OL。 こんなにも人生を狂わせるコンプレックスがあるのかと恐怖を覚える。和恵のような不器用な子はたくさんいる。特別おかしな子供ということはなかったのに、何がここまで人生を歪ませてしまったか。誰かに優しくされたい、認めてもらいたい、自分は特別だと思いたい気持ちは誰にでもあるが、その気持ちが余りにも大きくなると壊れてしまうのだろうか?

    「わたし」の末路も、滑稽かつグロテスクで恐ろしかった。

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    2024年08月11日
  • 水の眠り 灰の夢

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    どこが事件の本題なのか、すべての線がつながった時、さすがは桐野先生だなぁと感心。
    当時の世相、時代背景なんかも手に取るようにわかった。
    時代は変われども変わらないのは人間の欲望ってことかな。

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    2024年08月07日
  • バラカ 下

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    原発が爆発した警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」は、大人たちの色々な思惑に翻弄され、過酷な運命を辿る。震災後の日本で有り得たかもしれない「もしかしたらこうなっていたかも」のお話だった。最後まで息をつかせない展開でラストはサラッと終わったが、物足りなさを感じないくらいそれまでの話が濃かった。

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    2024年08月01日
  • 真珠とダイヤモンド 下

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    上下巻ものだが、あっという間に読み終わってしまった。
    時代に乗り分不相応な生活を送っていた若夫婦。妻の方はこの夫と出会わなければ、キャリアウーマンとして地道で幸せな人生だったのかもしれない。
    バブルの頃、金銭感覚も麻痺して、この主人公たちのような目に遭っていた人も数多くいたのかもと思うと、人生ゲームは終わるまでほんとに誰が勝ち組で誰が負け組なのかわからない。
    死ぬことで楽になれるというのはあまりにも悲しすぎる。

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    2024年07月19日
  • 路上のX

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    ネタバレ

    ラストの真由の行動、選択が、彼女の未来が明るくないことを表しているようでツライ。でもそれが小説のリアリティを高めているように感じた。

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    2024年07月11日