桐野夏生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ(上下巻の感想)
面倒な田舎に嫌気がさして、実家を捨てるカスミ。
「夢」<「食べていくため」の仕事。
「普通でいい人」との職場結婚。
夫とは違う魅力を持ったクライアントとのW不倫。
「子どもや家庭を捨ててもいい」とお互いに思うくらいに周りが見えなくなっている2人。
それに気付いているお互いの家族。
そんなタイミングで失踪してしまうカスミの長女。
罪悪感におそわれ、狂ったように探し続けるカスミ。
長女のことしか見えていない母を傍観する次女。
離婚。
死を目前とした元刑事との長女捜索。
家族との再会。
死。
至る場面でカスミはどうしようもない人間だなって思ったけど、
その素質は誰にでもあるよう -
Posted by ブクログ
ネタバレ(上下巻共通)
世評ほどの大絶賛はできませんが、直木賞受賞作だけあって面白かったです。文体もストーリーも重厚な、さすがと言うべき骨太の作品でした。
ただ、主人公・カスミの性的な魅力が話を動かすキーになっているのですが、その魅力が設定倒れというか、説得力を欠いていたように感じられたのは残念です。それが話の流れに若干の強引さを生じさせていた面も否めず。
内海の登場シーンでも「おいおいこいつと主人公が男女の関係に…なんて安い展開にはしてくれるなよ」と思っていたのに割とあっさり現実になってしまいました。
謎解きでなくヒューマンドラマに重きを置いた展開は見事だったのですが、それがやりたかったならあの -
Posted by ブクログ
ネタバレ福祉システムが破綻した日本が舞台。スラム化したかつてのシブヤの野宿者、イオンは闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを守る会」。女性ホームレス集団「マムズ」。彼の「優しいおとな」はどこにいるのか…?
「平等」とは?「優しさ」とは?「闇」と「光」、「絶望」と「希望」。人によっては「闇」が「希望」で「平等」となっている世界。
今の日本がこの作品の世界に一歩ずつ近づいているように思えて、かなり怖いです。
真実を知るためにどんどんイオンが悪い方に悪い方に転がっていくのを見るのが辛かったです。鉄と再会できたのはよかったけど、とにかくラストが悲