桐野夏生のレビュー一覧

  • 緑の毒

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    水曜日のレイプ魔の内面と被害者女性の心痛と復讐を描く衝撃作。
    邪な心というのは、いつ生まれてくるのだろうか。若くして開業医という成功者でありながら、嫉妬やストレスそして欲望に堕ちて、最も卑劣な犯罪に走る男。加害者にも被害者にも肩入れすることなく、ドキュメントタッチに顛末を描くことで、人間の悪意が毒物のように読書脳を犯していく。この語り口は怖い、そして巧い。

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    2017年11月21日
  • 優しいおとな

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    ネタバレ

    わたしは?どっちつかずなおとな。
    貧困、逃避、自棄、愛着、無関心、優しいおとな、優しくないおとな、どっちつかずなおとな、登場人物に大人は少ないけど多分みんな優しいおとな。
    最後の救いがあって助かった。

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    2018年01月22日
  • 柔らかな頬 上

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    ネタバレ

    (上下巻の感想)

    面倒な田舎に嫌気がさして、実家を捨てるカスミ。
    「夢」<「食べていくため」の仕事。
    「普通でいい人」との職場結婚。
    夫とは違う魅力を持ったクライアントとのW不倫。
    「子どもや家庭を捨ててもいい」とお互いに思うくらいに周りが見えなくなっている2人。
    それに気付いているお互いの家族。
    そんなタイミングで失踪してしまうカスミの長女。
    罪悪感におそわれ、狂ったように探し続けるカスミ。
    長女のことしか見えていない母を傍観する次女。
    離婚。
    死を目前とした元刑事との長女捜索。
    家族との再会。
    死。

    至る場面でカスミはどうしようもない人間だなって思ったけど、
    その素質は誰にでもあるよう

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    2017年09月19日
  • アンボス・ムンドス ふたつの世界

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    何もかもどうでもいい平日のど真ん中に銀座の片隅にある天井からドデカいシャンデリアのぶら下がるようなオシャンティなラウンジバーで毒薬の注がれたショットを7発嗜むような作品です。エッジィでどこかエレガントで彼女の作品は期待を裏切りませんね。

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    2017年05月07日
  • 柔らかな頬 上

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    ネタバレ

    (上下巻共通)
    世評ほどの大絶賛はできませんが、直木賞受賞作だけあって面白かったです。文体もストーリーも重厚な、さすがと言うべき骨太の作品でした。

    ただ、主人公・カスミの性的な魅力が話を動かすキーになっているのですが、その魅力が設定倒れというか、説得力を欠いていたように感じられたのは残念です。それが話の流れに若干の強引さを生じさせていた面も否めず。
    内海の登場シーンでも「おいおいこいつと主人公が男女の関係に…なんて安い展開にはしてくれるなよ」と思っていたのに割とあっさり現実になってしまいました。

    謎解きでなくヒューマンドラマに重きを置いた展開は見事だったのですが、それがやりたかったならあの

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    2017年02月27日
  • 緑の毒

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    誰かにフォーカスしてもうちょい掘り下げていただけたらなぁと。
    川辺の闇も深いようで浅い感じで、なんとなく尻すぼみ感が。
    んうー

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    2016年12月19日
  • ポリティコン 下

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    唯腕村の新理事長に就いた東一の独裁政治に、村民の派閥闘争が起こる。村の再興は危険なビジネスを伴う虚業であり、底なし沼のような闇の中に希望の光は灯るのか。破滅か新天地か。衝撃の下巻。
    主義を貫くには独裁しかないが、従う人々をまとめるには根回しが必要だ。東一に決定的に欠けているのはその部分。でも挫けない不屈の闘志はカリスマ的要素。こんな厄介な人間は側にいたら、面倒で仕方ない。強烈な印象を残す人物だった。

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    2016年12月04日
  • 優しいおとな

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    コミューンとか、共同平等とか、桐野作品らしい。本当の悪人が出ないのとかも
    (私がどんくさいから気付かないだけかもだけど)。みんなピュア。
    最後の最後に、イオンがやっと自由になれてよかった。救われない感じもするけど、
    これはこれでいい。
    メタボラと同じような、登場人物と疾走した連帯感と喪失が嬉しかった。

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    2016年12月02日
  • ポリティコン 上

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    理想郷の実現を目指し、東北に建設された唯腕村。若者は村を離れ高齢化と資金不足で、ユートピアの成れの果てに堕ちていく村に、新住民が入村して起こる愛憎劇。
    村の唯一の若者で新理事長となる高浪東一。創始者である祖父や理念を継ぐ父とは異なり、ただ権力と欲望を求める姿が某国を思わせる。思想や哲学では飯も食えず平和も保つことはできない。東一が進む道は、カリスマ的独裁者か三代目のなんとかか。薄幸の美少女・真矢はどうなるのか。下巻も楽しみである。

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    2016年12月01日
  • ファイアボール・ブルース

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    ネタバレ

    女子プロレスの弱小団体、花形レスラーの火渡抄子、その付き人で、団体最弱の近田
    対戦相手に酷似した遺体から不審を抱き、独自に調べてみると・・
    雑誌記者・松原、大手団体のスターHIMIKO

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    2016年10月03日
  • 柔らかな頬 上

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    ネタバレ

    3.8
    高校卒業を機に、故郷・北海道と両親を捨て東京に出てきたカスミ、就職先の経営者・森脇道弘と結婚し二児を授かるが、
    仕事の受注先のデザイナー・石山と不倫の仲になる。石山は二人の逢瀬の為に別荘を購入するが、そこは奇しくもカスミの故郷の隣の村だった。二家族での休暇という大胆な計画を実行し禁断の夜を過ごすが、翌朝、カスミの長女・有香が忽然と姿を消す
    狂ったように有香を探すカスミ、大きく歯車が狂い出し、人も環境も全てのものが変化して行く。

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    2016年09月28日
  • ファイアボール・ブルース2

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    ネタバレ

    前作のファイアボール・ブルースは長編ミステリーだったが今作は打って変わって連作短編集だった。(ちなみにはじめは1巻の続き物と思っていたがすべて読み終わってから違うことに気づいた。)女子プロレスの世界感や登場人物の心情、苦悩などの表現は巧みなので個人的には一作目よりも読みごたえはあると思う。

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    2016年05月02日
  • 光源

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    ネタバレ

    映画制作のスタッフ、俳優それぞれの思惑、実際こんな感じなんだろうなと思わせる、ドキュメンタリーのようにも感じる雰囲気。

    一気読みできたのは、それぞれが野心と思いやりとの間で葛藤している姿がよかったからか。

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    2015年12月07日
  • 柔らかな頬 上

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    故郷の北海道を捨てたカスミは、夫の友人で不倫相手の石山に北海道に別荘を買うと告げられる。
    そして、互いの家族が集まり別荘で過ごすことになるが、そこでカスミの娘が行方不明になる。
    数奇な運命。
    そこから、何もかもが崩れ出す。

    2015.11.27

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    2015年11月27日
  • 錆びる心

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    ネタバレ

    短編集。作品に共通するのが作品の中での輪廻というか因果応報のような流れがあって思わずなるほどと感心してしまうオチがある。それが作品一つ一つに魅力を作り出していると思う。

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    2015年09月27日
  • ダーク(下)

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    下巻に入ったとたん、サクサク読めた。が、シリーズ物と知らずに読んだせいか、前後の話がわからずちょっとスッキリしない感じ
    いつかシリーズの他の話も読んでみたい。
    いつかね ....

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    2015年08月26日
  • ダーク(上)

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    ミロシリーズ完結編。シリーズものの登場人物やそれらの縁を様々な形で叩き潰す新しい完結の形は必読。新キャラらが大活躍なのも必見。自分は主人公とタメで読むことができたので共感もあり★4。

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    2015年08月05日
  • 優しいおとな

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    ネタバレ

    福祉システムが破綻した日本が舞台。スラム化したかつてのシブヤの野宿者、イオンは闇を根城にする若者たちと出会い、アンダーグラウンドに足を踏み入れる。NGO「ストリートチルドレンを守る会」。女性ホームレス集団「マムズ」。彼の「優しいおとな」はどこにいるのか…?

    「平等」とは?「優しさ」とは?「闇」と「光」、「絶望」と「希望」。人によっては「闇」が「希望」で「平等」となっている世界。
    今の日本がこの作品の世界に一歩ずつ近づいているように思えて、かなり怖いです。

    真実を知るためにどんどんイオンが悪い方に悪い方に転がっていくのを見るのが辛かったです。鉄と再会できたのはよかったけど、とにかくラストが悲

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    2015年05月27日
  • ポリティコン 下

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    閉鎖された場所にいると、こうなるのかなー・・・、わかるような、わからんような。
    ただ、非常に興味深く、一気読みではありました。
    おススメもしないし、再読もしないだろうけどw

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    2015年05月15日
  • ダーク(下)

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    なんだか、話が広がりすぎてしまった感が・・・。ミロの話は、作者の代表的なシリーズだったのか。全然知らなかったw こうなったら、シリーズの最初から読むしかないなぁ~ww

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    2015年04月12日