桐野夏生のレビュー一覧
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全6編の短編が収録された桐野夏生氏の短編小説。文庫の発刊は2000年なので、もう15年も前の作品なんですね。
桐野夏生さんの作品は初めて。『OUT』や『東京島』からダークなイメージを持って読みましたが・・・、まんまでした(^-^;
ボキャブラリーがないのでちょっと違う表現かもしれないですが、『世にも奇妙な物語』のようなテイストがあるんですよ。つくづく、人って怖いな、と。解説にもありましたが、人間の心の裏側が見事に描かれた面白い小説だと思います。
また、この小説は、全体的に短編の良さが詰まっていて、読んでいてストレスを感じなかったですね。
一つ一つの話がダラダラと間延びしないし、オチがあって -
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低予算映画にかける職人たちの、汗と涙の物語......が崩壊していくお話( ´ ▽ ` )ノ。
解説にある通り、さっぱり先が読めない( ´ ▽ ` )ノ。
予定調和に飽きた口には最高( ´ ▽ ` )ノ。
深作欣二?大島渚?木村大作?......その他諸々、モデルのあるようなないようなキャラの渦の中に、しれっとビル・ジグムンド(作中ではスィグムンド)なんて実在の名カメラマンが出てきたり( ´ ▽ ` )ノ。未知との遭遇を撮影した人だよ( ´ ▽ ` )ノ。
映画は夢( ´ ▽ ` )ノ。情感が剥き出しでとりとめがない( ´ ▽ ` )ノ。それを丸ごと再現したかのような小説( ´ ▽ ` )ノ。 -
Posted by ブクログ
いよいよ夷腕村が東一の村になるわけですが。少女時代のマヤが持っていた神秘性は少女が女性になっていくにあたって変容していったわけですが。
マヤと東一(をめぐる、いわゆるこの作品でつよく男性性を強調して描かれている男性)のパワーバランスが変わった時に、小杉に対して考える、以下のようなモノローグがある。
「(うろ覚え)この男を刺した所でぶよぶよとした贅肉に当たるだけで云々〜」
もう本当にうろ覚えなんだけれど、ぼんやりと自分が考えたことのあることと同じで。つまりどれだけ憎しみのように感情の刃を研ぎすませたところで、その受け手というのは贅沢な肉に守られていて、自分の感情の刃はその者の心臓とは言わず肝臓な -
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ネタバレ自分にとって桐野夏生作品を読むことは、一種の自傷行為なのだと最近自覚するようになった。でもこの作品は自傷にはあたらない優しさがあった。
舞台は福祉が崩壊した近未来日本のシブヤ。近未来といいながら、主人公イオンのまわりの地上風景はすでにこの国が現実に抱えている問題そのものだった。企業による炊き出しや公園村、女性ホームレス、NPO支援団体。見たことあるものばかりだ。そうすると、この物語の地下風景も実在するのではないかと本気で思えてくる。
特にリアリティを感じたのが、夜光部隊が暮らしていた地下までサブとイオンが進む洞道。自分がふだん暮らしている東京アンダーグラウンドは、きっとこのままに違いない。 -
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連続短編集。
プロレスの世界そのものに物語がフォーカスされているので、
1作目よりもこちらの方が断然よい。
前作では火渡抄子の活躍や生き様に重きが置かれていて彼女が主人公の扱いであったが、
本作では物語の語り手である近田が中心となって各物語が展開していく。
近田と同期の与謝野、レフリーのミッキー、ヒールの北本など、
前作ではあまり登場の機会がなかった団体内の人物がより深く描かれていて期待通り。
「プロレスが恐くなった」と言い残し、
長期欠場の末、昨年いっぱいでJWP女子プロレスを退団した大木アスカと、
近田の揺れ動いていく心境がダブって仕方がなかった。
もちろんこれは個人的な一方的思い込みな