桐野夏生のレビュー一覧

  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    幼少期の体験や育ちが与える、その後人生や
    性のゆがみをよくよくお調べになられてこの作品を書かれたんだなと、桐野さんの本気を感じました。
    さらにその細やかな機微の言語化能力の素晴らしさ。私も凶悪犯罪や少年犯罪について背景を調べたりなどしてなぜこのような事が起きたのかを1人検証していたりするのですが、幸せに愛情いっぱいに育った人は皆無です。どうかこの本は幸せに生きて、
    いつも何か犯罪が起きるたび、物騒ねーくらいにしか思わない人にこそ読んでいただきたいし、
    お子様がいらっしゃる方にも目を通してほしいと思います。
    そして、私も子供がいないので里子を考えたこともありますが、預かったその日から沢山愛情を与

    0
    2025年04月05日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    ・優真と目加田夫妻が家族になっていく姿を想像し、明るい未来を期待しています。
    ・誰のせいかを辿っていくと親であり、その反面誰のせいでもないのがつらい。心健やかに育ってくれたら…と息子の寝顔を見て思う夜。

    0
    2025年04月07日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    読んだその日は自分が虐待される夢を見たほどに心抉られた。
    おそらく精神疾患のあるであろう母親のだらしなさに教養のなさ、男に頼って自分だけ楽に生きていければいい、流され生きてきた様子が本当にリアルな描写で何か自分にも通ずる部分もあると思うと満足に子育てなんてできやしない。
    なんでこういう家庭って福祉に頼らないんだろうとふんわり頭の片隅で思っていたことが解説に書かれていて、なるほどなと。そんな親や子供達が埋もれてしまう前に、手を差し伸べれる人間でありたいと感じました。でも里親なんてなれるわけでもない難しい問題のまま結局他人事になるんだろうか。
    篤人と鈴木のその後の様子がわからないのがホラー。もうち

    0
    2025年03月31日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    母親に放置され、食べ物もろくに与えてもらえなかった優真。コンビニ店主の目加田は、里親になり彼をひきとる。しかし、「普通の家庭の普通」を知らない優真は、級友ともうまくいかず、里親からの愛情も素直に受け取れなくなってしまう。
    家庭内のことは他者からはわかりづらいが、いかに放置子や虐待されている子をみつけて社会が保護できるかが課題だと思った。また無事保護できても、愛情を知らないため、うまく成長するのも時間がかかるのだな、と感じた。

    0
    2025年03月30日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どういう気持ちで読んだらいいか分からなかった。途中からそう思っていたら、主人公のラストの言葉と重なって、そうだよな、そうなるよな、と思った。結局対話でしか解決しないことがあるから対話すべきなんだけど、対話の仕方も分からない、そういう状況。本人にとっては、地獄。

    0
    2025年03月26日
  • 新装版 顔に降りかかる雨

    Posted by ブクログ

    面白かった!長編ですが物語が進むにつれてどうなるの?と気になって気になってどんどんページをめくっていけたし、読んでる途中で眠くならない本でした。

    0
    2025年03月23日
  • オパールの炎

    Posted by ブクログ

    読み終わって感じたのは、まだまだ性差別の構造は自分の生きる社会に根深く残っているんだということ。
    自分の中に刷り込まれてしまって、問題意識を持てずにスルーしてしまっている差別構造が、きっとたくさんある。
    それをスルーすることなく、声を上げたり活動する女性に対して、自分はこれまでどんな視線を投げかけてきていたんだろう。
    自分自身の姿勢を厳しく問われているように感じた。

    0
    2025年03月20日
  • ハピネス

    Posted by ブクログ

    タワマンを題材にした小説を
    タワマン文学と呼ぶらしい。

    タワマン✖️ママ友。
    格差をテーマにするには
    もってこいの題材。

    同じタワマンでも
    低層階の部屋と高層階の部屋
    分譲と賃貸
    景色の良し悪し
    によって格差が生まれるらしい。

    そして、そこに住むママ友とその子どもたちも
    暗黙の了解で値踏みされるらしい。

    どこの幼稚園に通わせるとか、
    保育園はみっともないとか。

    ああめんどくさい。

    タワマンに賃貸で住む主人公の有紗と、
    タワマンの近くに住む洋子。

    この2人が最初はママ友としてお互いを
    「◯◯(子どもの名前)ママ」というか呼び方から、
    それぞれ自身の名前である有紗、洋子と呼び合うよう

    0
    2025年03月13日
  • 燕は戻ってこない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読みやすく先が気になり続けて勢いよく読み切れた、楽しかった

    エゴの塊のように子供を欲する基に、最近まで第二子諦め切れない気持ちでいた自分が重なった
    あなた達にもお腹を切って欲しい、というリキの言葉で急に帝王切開の痛みを思い出した。ああ、自分は命をかけて我が子を産み育てられているんだなとしみじみ感じ、大事に育てたいと思った(今日も朝から怒ってたけど)

    貧困というテーマというよりは、子を産むとは何なのか、子供は誰のものなのか、ということを私は考えさせられる気持ちになった

    0
    2025年03月12日
  • 夜また夜の深い夜

    Posted by ブクログ

    明日何が起こるか想像もつかない、とにかく強く、強く生きていくマイコにのめり込んだ

    彼女の壮絶な人生の一部を覗き見させてもらった気分

    0
    2025年03月12日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    虐待、ネグレスト、徘徊、貧困、深夜の闇、心の闇沢山の悲しみや寒さを感じる。自分自身の心が固く寒くなる様な感覚。

    0
    2025年03月08日
  • Yuming Tribute Stories(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    松任谷由美デビュー50周年を記念して、6人の女性作家さんたちが書き下ろしたユーミン曲がテーマのオリジナル小説集。題名見るだけで惹かれるものがあり、即購入。

    収録されている話は以下、
    ・あの日にかえりたい(小池真理子)
    ・DESTINY(桐野夏生)
    ・夕涼み(江國香織)
    ・青春のリグレット(綿矢りさ)
    ・冬の終り(柚木麻子)
    ・春よこい(川上弘美)

    いずれの曲も知っていたが、あらためて思ったのは、その曲に対する偶像イメージは『人それぞれ』ということ。特にユーミンなどは僕らの年代は誰もが知っていて、その曲に対する絵が脳裏に自然と浮かぶ。
    ただ、それをいざ物語化してみたら、作家が描くストーリーが

    0
    2025年03月07日
  • インドラネット

    Posted by ブクログ

    人に流されて生きてきたような主人公が旅を経験して強くなるのかと思っていたけど、最後まで流されていく生き方は変わらないんだな
    日本での生活もカンボジアでの生活もお金と暇があれば全く同じ生活になっていくところが笑える
    そういう生温い生き方が、周りの人達に騙される結果へと繋がるのか、、。

    それでもストーリーはすごく面白い!
    先が読めない面白さ
    果たして探し人には会えるのか
    そして衝撃のラスト

    全くハッピーエンドではないけれど読んでよかった

    1
    2025年03月07日
  • もっと悪い妻

    Posted by ブクログ

    表題作「もっと悪い妻」をはじめ、計六作の短編を収録。サクッと読み終わるが、それぞれにちょっと毒を感じる桐野スパイスがまぶしてある感じでした。(読者レビューを見る限り、もっと毒が欲しかったという意見が多数です、確かにそうかな)

    僕個人の意見ですが、短編集の面白いところは、一冊の本を『ひとつの世界』になぞらえ、短編それぞれの主人公がパラレルに同じ時間にそれぞれの毎日を過ごしていると考えると、まさに世の中ってこんな感じなんだろうなあと、別な楽しみがある。(変でしょうか?)

    一つの話の主人公の妻は旦那の行動を訝しみ罠を仕掛け、一つの話の主人公の妻は妥協して結婚をしたことをずっと悔やみ、別の話の主人

    0
    2025年03月07日
  • 砂に埋もれる犬

    Posted by ブクログ

    桐野夏生『砂に埋もれる犬』朝日文庫。

    久し振りの桐野夏生。昨年8月に読んだ『インドラネット』以来であった。

    悲惨なまでの虐待と貧困の連鎖と、明確な解の無い結末に読後は陰鬱な気分になった。

    明らかに日本は下流社会に成り下がった。非正規労働が当たり前になり、まともな賃金を貰えないままに自らが生きることで精一杯の若者たち。若者たちにとっては、結婚など夢のまた夢。子供を持つなど有り得ないというおかしな社会になってしまった。

    9年連続で出生率は低下し、70万人を割るのは時間の問題だ。親の貧困が子供への虐待につながり、さらにはその子供の貧困を生み出すという負の連鎖は続く。

    政府が最近打ち出した高

    0
    2025年03月02日
  • グロテスク 上

    Posted by ブクログ

    初桐野夏生さん作品。
    にんげんはグロテスクな生き物だ、と思う。でもそのグロテスクを裏とすれば、反面美しい表の瞬間だっていくつもあるはず。でもこの小説ではそんな瞬間は一切描かれないので、かなり読むのに困憊した。悪意悪意悪意にまみれながら、それでもこの人たちの結末を知りたいと下巻を読むであろう私もなんだかグロテスクな気がする。


    「ミツルはこの学校の中で生まれた突然変異なのです。人並み外れた良心と優しさを持った生物。それはきっと、心の中に人より大きな悪魔がいるからなのです。ミツルの中の悪魔が、良心と優しさを育てたのです。」

    「姉は私が化け物だと幼い頃から苛めてきたが、私には美しい外見などどうで

    0
    2025年03月01日
  • 燕は戻ってこない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    代理母に子どもを産ませる人のエゴには常々腹立たしく感じていたので、共感しまくり。
    エージェントの青沼の不全感の話が腑に落ちた。
    前半のリキやテルの貧窮描写はリアルで、代理母を選択してしまう気持ちもわからなくはないと思えたが、りりこの家での暮らしは浮世離れし過ぎで、リキに都合が良過ぎてて冷める。
    テルもソム太の子ども産んで幸せになれるのかな。

    0
    2025年02月14日
  • 路上のX

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    話の先が気になり、どんどん読み進めてしまった。真由の気持ちも分からなくもないが、幸恵の気持ちもわかる。高校生の子供が突然1人増える。真由をリオナが見た印象を読むと、こういうタイプの子を歓迎しようとは思わないと思う。全ての原因は両親のせいだと思うが、もっと他に選択肢はあっただろうと登場人物たちへの苛立ちを覚えてしまう部分もあった。ただこれは自分が恵まれた生活を送ってきたから思う感想であって、この世には自分の想像をはるかに超えた苦しい経験をしている人達がいるのだと思うと、とても心にモヤっとしたものが残る。この先真由に少しでも楽しいことや幸せだと感じられる瞬間が訪れて欲しいと思った。

    0
    2025年02月07日
  • メタボラ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長かったけど、最後まで興味を引かれ読んで良かったと思える小説でした。自分も主人公とは似たような家庭環境だったり、世代も近いし共感出来ることが沢山あったので読んでいて凄くリアルで、主人公と一緒に苦しみながら読んでました。とても切ないお話ですが、そういうところも含めて好きな作品です。

    0
    2025年02月06日
  • 緑の毒

    Posted by ブクログ

    よくここまで胸糞な人物を、というのとそのクズさ加減に読んで嫌悪を覚えるかもしれない。

    人間味っていう甘いも辛いもある味でいうとエグ味。嫉妬という感情から突き動かされるエネルギーは凄まじい。そのエネルギーを仕事に活かしたら、とも思うけどそううまくもいくまい。

    これ、程度の差こそあれ、現実に起こっていることなのでは?不倫がーとか、レイプがーとかじゃなくて、形を変えた形でこのやるせなさって日常にひそみ、誰もが皆持ってるものだと思う。それを切り分けて小説という形に落とし込んでエグ味を足して一冊と成す。

    この本もおそらく人を選ぶ、人が選ぶのを躊躇う部類だと思う。ただし、本がもたらす人間の在り方につ

    0
    2025年02月06日