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右から二番目の星へ
結末に涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語。 ノイズに溢れたこの世界で、 「大人になる」とは一体どういうことなのだろうか。 「子どもの土地」で永遠の子どもだった「その子」は、心に曇りが生まれ、ある日飛べなくなってしまった。だから、地上に堕とされた……自らの代わりとなる子を一人、連れ去るために。 夏休みの始め、青森のボーイスカウトで、スナメリが座礁した熊本の海岸で、埼玉から繋ぐオンラインゲーム内で、悩める子どもたち3人に奇妙な出会いが訪れる。いなくなる子は、誰なのか。自由と不自由のあいだでもがく少年少女、それぞれの決意とは。 誰もが経験し、忘れてしまう、「あの頃」の怒りと光にいま向き合う。 意外なその結末にきっと涙する、仕掛けに満ちたひと夏の物語。 最後の2行に込められた意味を 理解できる「大人」でありたいと思いました。 ……青山美智子氏 人が生きる底の底から、子どもという存在を見詰めれば こんなにも不思議で美しく、残酷な物語が生まれる。 ……あさのあつこ氏 -
みぎがわ
ギターを手に歌う少女のシンデレラストーリー。 彼女のデビュー・活躍の裏には、1人の男の子の存在があった―― 「私の音楽でだれかを救う『英雄』になりたい」 YOASOBI「夜に駆ける」の原作が生まれた小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」(運営:ソニー・ミュージックエンタテインメント)から、 新たなアーティストが誕生! 「普通がいちばん」をモットーに生きてきた高校3年生の智也。 代わり映えのしない日々を過ごしていたが、ある日の放課後、通学路の土手で、ギターを手に歌うリカに出会った。 リカの歌は、もっと多くの人に聴かれるべきだ。 彼女のために力を尽くす智也だったが――。 青春時代、かけがえのない相手と出会った2人の感動の物語。 「monogatary.com」主催「モノコン2020」優秀作品、待望の書籍化。 -
右の心臓
少女の目線で戦後を描いた幻の自伝的小説。 「戦争が終ってからずっと父さんは内地の話をしてくれた。あぐらの中にタダシをすっぽり入れて、ヒロシと私は父さんにぐてりと寄りかかって、兄さんは、父さんの前にかしこまって坐って、みんなシーンとして父さんの口を見ていた」――中国からの引き揚げ。父さんの伯父一族が住む山梨の田舎での貧しいがエネルギーに満ちあふれた生活を、あくまで少女の目から描いた自伝的小説。小さな共同体の中の子だくさんの家族、昭和20年代の日本の原風景が丸ごと裸のままで立ち上る。「心臓が右にある」最愛の兄の死の描写は、この作品のハイライトだ。「もう死んだから下着もパンツもはかせないのか。いやだなあ、とわたしは思った。パンツぐらいはかせればいいのに」 * 本作は1987年から88年にかけて「図書新聞」に連載され、88年10月に(今はない出版社)リブロポートから刊行された。絵本作家佐野洋子が初めて書いた長篇小説である。数々のエッセー集で繰り返し描かれてきた「家族」がほぼそのまま登場する自伝的な小説といっていいだろう。この幻の作品が文庫化され再び世に出る意味は大きい。 解説:岩瀬成子(児童文学者) ※没後10周年の企画として、表紙を差し替えました。 この作品は2012年6月より配信している『右の心臓』の内容と同様のものです。 -
右の頬に触れる指さき
その涙、その指 女性と男性は常に1対1の対等の関係にある。 しかしながらそれはAとB、CとDといった固定されたものでなく、AはBと親密、AはCとも親密、そのうえBとCもまた面談し、親しく交際するのだからそうすることがすなわち個人でありその人がまさにその人であることなのだ、と多くの片岡作品同様、この短篇もそう告げている。 その関係の交錯に不意に挿入される涙、カメラが捉えるか捉えないか微妙なその指、それを読むのが小説を読む、ということかもしれない。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
三毛猫がくれた幸福 ボクを癒してくれた「役立たず」のナッコ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 勝手気まま、飼い主の思い通りにはならない「役立たず」……。23年前の出会い、そして別離(わかれ)の時――。マンガ『釣りキチ三平』の作者宅に迷い込んだ1匹の仔猫をめぐる物語。あの可愛いばかりの小さな生命体が醸し出す存在感そのものが、与えてくれた「励み」と「潤い」。「ペットロス」に悲しむ人々、そしてペットを愛するすべての人に贈ります! ●この悲しみと虚脱感は一体何だろう。心の中にポッカリ空いた空洞。底をヒューヒューと風が吹き抜けていくような寂しさは、何だというのだ。単なる「役立たず」が遺(のこ)した業ではあるまい。(まえがきより) -
未婚30
『野ブタ。をプロデュース』から10年。絞り出すように綴る、本音小説。 30代の結婚は、好きだけじゃ無理。 過去に大ヒット作を出したきり、売れなくなった作家の佑人、仕事は真面目にやりつつ、掃除も料理もできない編集者の里奈。同棲を経て婚約した二人だが、その前途には、障壁がいっぱいだ。学歴、会社、実家、仕事、元カノ、年収、料理、貯金額、浮気……etc.考えれば考えるほど、したい理由より、したくない理由が積み重なっていく(「結婚問題」)。円満な離婚の後、のしかかってきたのは、生活レベルを落としたくないがゆえに、子どもをあてにする母親だった(「葉子の離婚」)。「好き」だけではどうにもならない30代の結婚を、正面からとらえて描く2編。 -
岬バーガー
世界一うまいハンバーガーは、青春の味。 ぼくたちは、つらい体験をした。それでも、海が好きなんだ。 高校二年生の涼は、親友のケンとサーフィンに明け暮れていた。海岸清掃をきっかけに、同級生の凛がサーフィン仲間に加わった。三人が入るのは、悲しい伝説のせいか人気のない「岬下」ポイントだ。 ある日、その岬下ポイントに不思議な男があらわれて、ハンバーガーショップを開店した。シンプルだけど、ものすごく美味しいハンバーガーは、地元ですぐに評判となり、人気の店となる。高校生三人組も、サーフィンの合間に手伝うことにした。そんな楽しい毎日がいつまでも続くと思っていた……。 海を愛するすべての人に贈る、サーファーだからこそ描き切れた青春小説の新たな波! 忘れられない夏が、今、はじまる。 -
ミサゴの守る町
再び迫りくる大水害。 100対10万―。 叫べ、祈れ、手を伸ばせ。絶対に、助けてくれるから。 『龍の守る町』続編。 「こちら、119番。火事ですか、救急ですか」ミサゴ(ルビ:魚鷹)が空を舞う瑞乃町。伝説の消防士・秋月龍朗(あきづき・たつろう)は五年前の大水害での後悔から、現場を離れることになった。辿り着いた指令室は声だけで命を繋ぐ場所。新たな仲間と業務に取り組み、子供たちの成長を見守る日々を過ごしていた。再び時間が動き出したように見えたある日、町の南方で線状降水帯が発生する。それは、五年前と全く同じ形をしていた―。 人は誰かのために再び立ち上がれる。未来へと命を繋ぐ、感涙のレスキュー・ヒューマンドラマ。 -
三島梅花藻
詩人は体を売りながら姉の仇討ちを誓い、作家は自著の模倣殺人をほくそ笑んだ。被害者の髪で首を絞め、胸をえぐる犯人をマスコミはクロスキラーと呼び、犠牲者の淫らな側面を取り上げた。止まらない死の連鎖、メディアリンチが過熱するなか、事件を追う刑事は「三島梅花藻」を新宿で咲かせることを夢見ていた。 時を同じくして韓国でテロまがいの事件が起こる。ネット上で噂が飛び交い、被害にあった外資系企業を叩く声が上がった。カジノ開放とバカラ中毒、若者が自殺に走る風潮に、獄中から警鐘を鳴らす殺人鬼がいた。新宿の連続猟奇殺人とソウルの少女自爆、ネット民を取り込むテロ組織と新興マフィア、日韓を舞台に性と恨(ハン)に翻弄される男女が織りなす闇の群像劇。死神になった天使は誰に微笑むのか。 ※本作は八坂堂蓮の個人誌作品の電子書籍版となります。【149ページ】 -
三島由紀夫『仮面の告白』を読む(文芸漫談コレクション)
「少年を描かせたら、三島由紀夫はほんとうにすばらしい(いとう)」「少年を書くときはまったくやる気が違うよね(奥泉)」。今回は、三島由紀夫『仮面の告白』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2010年8月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。 -
みしらぬ国戦争
国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で、「交戦状態」となったこの国。2年間続く戦争に人々は飽き飽きし、数字だけで伝えられる戦況を他人事のように感じていた。海岸の漂着物を確認するという徴集業務に従事するユイも、そんな「日常」を送る1人。ユイの目的はただ1つ、両親の形見に刻まれた謎の文字を解明し、幼い頃失った記憶を取り戻すことだ。その文字の記された漂着物を拾い集める男性、文字と同じ言語の歌を歌う少女らと交流を深めながら、その秘密に迫ろうとするユイだったが――。 みしらぬ敵、みしらぬ文字、みしらぬ歌、みしらぬ戦争。全てが繋がるとき明らかになる、戦争の“真実”とは? -
ミシンと金魚
「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」――ある日、ヘルパーのみっちゃんからそう聞かれた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続ける“あたし”の腹が膨らみだして……。この世に生まれ落ちて、いつの日か死を迎え、この世を去る。誰もが辿るその道を、圧倒的な才能で描き出す! 著者デビュー作にして第45回すばる文学賞受賞作!! -
みすがら 軽キャン、女ひとり旅
ウェブデザイナーの真田まりえは夫の定年退職を機に自分も早期退職してフリーランスとなり、夫婦で車で日本一周する旅に出た。が、その途中で夫を不慮の事故でなくし、自宅に戻って引きこもる。が、一筆書きの一周の旅を完結させるため、春の訪れとともに車中泊を続けながらの旅を再開する。 友人の熟年離婚、ヒッチハイク中のユーチューバーの女子大生との出会い、青木ヶ原樹海や富士五湖周辺のキャンプ場めぐり、自転車事故、図書館での仕事とビブリオバトル、タウン誌の取材、ひょうたんからコマの鵜飼い見物、離島での映画の聖地巡礼、カヌー軍団との遭遇と自作の精霊舟流しなど、道の駅やキャンプ場、国道脇の駐車場、季節外れの海水浴場などでの車中泊を繰り返しながら、各地でさまざまな人々と出会い、交流が生まれ、そうした日々のささいなできごとにあたふたしつつ、少しずつ日常に復帰していく。 ヨットに乗り一人で瀬戸内海を旅している老婦人、京都から四国まで自転車でツーリング中の学生、細長い半島の先端の岩場で聴いた吹奏楽――人生はかならずしも計画したようには進まず、思いがけない挫折に見舞われたりもするが、支えてくれる友人や、予想外の展開や喜びに恵まれたりもする。そうした経験を日々積み重ねながら、徐々に一人で生きていく覚悟のようなものが生まれてくるのだった。 目次 プロローグ 一 龍神とポテチパン 二 山の神と樹海 三 点滴とビブリオなんちゃってバトル 四 文明開花と測量野帳 五 磯笛とポータラカ 六 ワッパとヤシの実 七 国際児童文学館とどんぶらこっこ 八 パンクと脱藩の道 九 てんとう虫とイカ刺し -
ミス・ジャッジ
※本作品は 2011年12月2日~2014年9月30日まで販売しておりました新書版『ミス・ジャッジ』の文庫版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 スポーツ小説の旗手が贈る、野球小説の金字塔! たった1球の判定が、野球人生を狂わせてゆく――ボストンレッドソックスの先発投手として、メジャーデビューを果たした橘。暗い過去を秘めた日本人初のMLBアンパイア竹本。高校・大学時代の確執を引きずるふたりの人生が、大リーグを舞台に再び交錯する。たった1球の判定が明暗を分ける熾烈な世界で、因縁の闘いに決着はつくか――強烈な自負心と深い孤独を抱えた男たちのドラマを描く、傑作野球エンターテインメント! -
ミスタープレジデント
あらぬ疑いで家族を惨殺された少年、ボブ、ケント、マイケル。 三人は施設に引き取られ、差別や虐待に堪えながらも青春を過ごし、立派な青年へと成長していった。 ある決意を胸に、ボブはアメフト選手から政界への進出を果たす。 そして彼が大統領になった真の目的が明かされる。 幼なじみの三人が巻き起こす壮大な復讐劇。その意外な結末とは? 〈著者紹介〉 神戸古里(かんべ ふるさと) 1965年神戸市生まれ。 英知大学部文学部卒業後、中野証券に就職し、その傍ら大阪フィルハーモニーでテノールを担当し、“ベートーヴェンミサソレムニス”に出演。 その後、日本茶専門店を1994年に創業し、長女誕生をきっかけに童話の執筆を始め、この度、初の小説「ミスタープレジデント」の執筆に至る。 -
ミステリー傑作集 浜尾四郎遍
「殺人鬼」美しき依頼人の登場から幕を開ける連続殺人事件。立ち向かうは名探偵藤枝真太郎と小川のコンビ。しかし大富豪の秋川家で家族が次々と殺されてしまう。果して犯人は誰なのか、二転三転する犯人像。稀代の天才殺人鬼に対する藤枝。冴える推理。動機は?果して生き残るのは誰か?日本推理小説の歴史に金字塔を立てた傑作。途中、ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」のネタバレあり。他、意外な結末やどんでん返し。日本の推理小説に影響を与えた全十話を収録してお値段もお得な合本版。収録内容「殺人鬼」「彼が殺したか」「夢の殺人」「彼は誰を殺したか」「殺された天一坊」「正義」「黄昏の告白」「途上の犯人」「悪魔の弟子」「死者の権利」※この作品はイラスト入りです。 -
奇想怪談×天外推理 今日も彼女と”溜息”のオカルト研究会
宇都機理世は今日も怪談の謎を解く。”ホンモノ”と出会うために――! 高校一年生、水井境太郎は友人の高野聖から元恋人である加賀見清花に呪い殺されると相談を受けた。その実態を調べるために加賀見清花が所属するオカルト研究部に行くと、部長の宇都機理世と出会う。 理世は”呪われている”と噂される謎多き少女だった。 理由付けができないもの、反証できないものこそがホンモノの怪異!と主張する理世とともに、境太郎は掲示板に寄せられた怪談がホンモノかどうか調査することになるが――。 ●目次 プロローグ 3 第一話 天狗 隠しの怪―Invisible Ladder 21 閑話休題 112 第二話 羅切丸の怪―Ripper RIP 125 閑話休題 175 第三話 両喜亭の怪―THE CURIOSITY HOUSE OF RYOKITEI 183 エピローグ 270 ●著者 久青 玩具堂(ひさお がんぐどう) 千葉県出身、在住。2010年、玩具堂名義の「なるたま~あるいは学園パズル」で第15回スニーカー大賞〈大賞〉を受賞。受賞作を改題したデビュー作『子ひつじは迷わない』(KADOKAWA)は、青春ミステリシリーズとして人気を博す。他の著作に『漂流王国』『探偵くんと鋭い山田さん』(いずれもKADOKAWA)『まるで名探偵のような 雑居ビルの事件ノート』(東京創元社)がある。 -
ミス・リグビーの幸福
なぜ? と問わずにいられない人々の向こう側で、 「彼女」たちは一人で事を起こす。 21歳の若き私立探偵アーロン・マッケルウェイ・シリーズの一編。 世間から見れば、何不自由ない生活をしているように見える女性の 突発的な悲劇が新聞記事になり、その記事を手にした女性が アーロンに仕事を依頼する。 彼女は記事に出ている女性と同年齢、仕事も同じだった。 アーロンが調査の途中で依頼主である彼女に電話をしたら・・・・・・ 彼女もまた、記事の女性と同じ行為に自ら突き進んでいた。 【著者】 片岡義男:1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
みずいらず
「あぁ、やっぱ無理」 と思う前に読みたい令和の夫婦ドラマ 子連れ再婚、不妊治療、新婚すれ違い、 中高年「仮面夫婦」、熟年離婚危機……。 『正体』『悪い夏』でベストセラー 社会派ミステリの著者が描く、珠玉の愛の物語! 最近、夫が冷たくなった気がする。妻である自分にではない。子どもにだ。それも六歳の長男にだけ――。 佐藤綾子には離婚歴があり、前夫との間にできた子が長男の蓮だった。バツイチの綾子を受け入れてくれた年下の夫健太は、再婚当初は蓮と本当の親子のように仲が良かった。温かな家庭を取り戻したかのように思えたが、次男の楓が生まれてから生活が一変した。健太の蓮に対する愛情が微妙に薄れてきたのだ。それが原因で綾子の怒りが爆発し、夫婦喧嘩に発展することしばしば。 さらに蓮の小学校の担任から、発達障害である可能性を示唆され、綾子は憤慨してしまうが……(第一話「おかしいのはどっち」)。 -
水色の娼婦
日露戦争から第二次世界大戦、激動の時代に翻弄された美貌の混血ダンサーがいた! 図らずも日本のスパイとして活躍した波乱の人生が甦る、感動のノンフィクション・ノベル。 1990年春。ベルリンの壁崩壊を取材に訪れたジャーナリストは、日本人の母親を持つという元タンゴダンサーの老女、エヴァ・ミツ・ロドリゲスと知り合う。 娼婦だった母はアルゼンチンで入水自殺を遂げ、母親の元同僚トミエに育てられたエヴァはタンゴダンサーとなる。 やがてエヴァはコンチネンタルタンゴの本場ドイツへと渡るが、欧州はナチス・ドイツにより戦火の坩堝と化していく。 その美貌とダンスでナチスの大物にもかわいがられるようになったエヴァに近づいてきたのは、日本の商社員・吉川公夫だった。 陸軍の諜報員である吉川に魅入られ恋に落ちたエヴァは、日本側の女スパイとして活動することを余儀なくされる……。 -
みずうみのほうへ
【第38回すばる文学賞受賞作】父と二人で出かけた七歳の誕生日旅行。「サイモン」という人物を想像するゲームで一緒に遊んだあと、父が船上から姿を消し、ぼくはたったひとり、夜の海に取り残された。湖のある小さな町で暮らす伯父のもとに引き取られたぼくは、大学卒業後に港町に出て、水産物加工場で働きはじめる。楽しみは週に一度のアイスホッケー観戦だった。二十代最後の年にぼくは偶然、サイモンそっくりの人物と遭遇。やがて、中古車販売を営む「サイモン」のもとへ週末ごとに通い、ガレージで過ごすようになっていく。だがある夜、突然「サイモン」が、ぼくと父しか知らないはずの言葉を口にして――。時間と空間を自在に交差させながら、喪失の果ての光を繊細に描き出す、新しい才能の誕生。 -
水上勉電子全集 第3巻 小説3 『海の葬祭』『飢餓海峡』の時代
1962(昭和37)年9月から1964(昭和39)年3月までの1年6ヵ月のあいだに刊行された単行本10冊から計24作を収録。このうち、22作はすべて全集初収録となる。 本巻には、1962(昭和37)年9月から1964(昭和39)年3月までの1年6ヵ月のあいだに刊行された水上勉の単行本10冊から、長篇7作、短篇17作、計24作を収録。このうち、生前に刊行された『水上勉全集』全26巻(中央公論社/1976年6月~1987年11月)および『新編水上勉全集』全16巻(中央公論社/1995年10月~1997年1月)に収録されたのは『飢餓海峡』と「鴉の穴」(単行本『盲目』に収録)のみであり、ほか22作はすべて全集初収録となる。 1961年3月に「別冊文藝春秋」に発表した「雁の寺」で第45回直木賞を受賞した水上は一気に執筆量が増え、「直木賞を受けて以来いまや絶好調 月産一二〇〇枚の記録を持つ」とも評されるような状態になり、文壇の寵児となる。1962年9月時点では、「オール讀物」に「オリエントの塔」を、「週刊女性」に「薔薇海溝」を、「週刊朝日」に「飢餓海峡」を、「週刊文春」に「蒼い実験室」シリーズを、「大阪新聞」夕刊に「死火山系」を連載。また本巻には収録していないが「文芸朝日」に「告白・水上勉」を、「高校進学」に「燃えよダイヤモンド」を連載しており、新聞一本、週刊誌三本、月刊誌3本の連載に加えて、隔月刊の「小説中央公論」にも「放浪歌」を連載していたほか、名作「五番町夕霧楼」を「別冊文藝春秋」に発表しており、質量ともにその創作は最高潮を迎えた。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
水上勉電子全集 第2巻 小説2 『虚名の鎖』『棺の花』の時代
1961(昭和36)年4月から1962(昭和37)年8月までの1年4ヵ月のあいだに刊行された水上勉の単行本10冊から、長篇8作、短篇14作、計22作を収録(単行本としてのタイトルは『蜘蛛の村にて』『黒壁』『棺の花』『野の墓標』『虚名の鎖』『若狭湾の惨劇』『死の流域』『死の挿話』『花の墓標』『蟲の宴』)。 生前に刊行された『水上勉全集』全26巻(中央公論社/1976年6月~1978年11月)および『新編水上勉全集』全16巻(中央公論社/1995年10月~1997年1月)に収録されているのは、『死の流域』『棺の花』の2長篇と短篇「蜘蛛飼い」のみで、残る19作はいずれも全集として初収録となる。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
水上勉電子全集 第6巻 随筆・評論2 『足もとと提灯』『土を喰ふ日々』の時代
本巻には、1976(昭和51)年4月から1982(昭和57)年1月のあいだに刊行された水上勉の随筆集15冊を収録した。生前に刊行された『水上勉全集』全26巻(中央公論社/1976年6月~1978年11月)および『新編水上勉全集』全16巻(中央公論社/1995年10月~1997年1月)に単行本単位で収録されているのは、『片しぐれの記』および『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』のみで、残る13作はいずれも全集として初収録となる。 水上はその生涯におびただしい数の小説を残したともに、かなりの量の随筆類を書き続けた作家でもある。創作の円熟期を迎えつつあった水上は、作家自身のことをもっと知りたい、作家の思想や生活を知りたいという読者からの要求に応えるため、多くの随筆類を執筆し続けた。若狭の寒村で生まれ京都の寺の小僧として育ち、数々の職業を転々として作家になった立志伝中の人物のような半生が興味を持たれたとともに、水上自身も数奇な出自を上手に切り売りしながら、小説の内容を補うような作品を発表していったのである。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
水神様の舟
――世界は全てを湖に依存していた――。選ばれた〈潜人〉であるセリは隊を辞め、弟を探す旅に出ていた。辺境の邑で出会った少年・レンに「待っていた」と言われ驚くが、彼の邑では、湖から油をくみ上げる櫓を直すため、潜人の派遣を要請していたのだという。セリが修理を買って出ると、邑長は三日間の期限を通告した。疑問に思いながらも承知したが――。エブリスタ「次に読みたいファンタジーコンテスト『神様』」大賞受賞作。 -
水木しげるの異界探訪記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 古代霊と目玉の親父の導きで、武良家のご先祖様を訪ねて隠岐から鎌倉時代へ。生まれ故郷の境港から戦国時代・古代出雲へと旅する中で明らかになる水木しげる・日本人のルーツ。ニューギニアの夢を通して戦地の記憶を呼び覚まし、そこもまた故郷だったと知る南方編。番外編として水木しげるの死生観が描かれたお葬式編、国譲りの真相を探して歩く古代出雲編を収録。時空を超え異界を旅する水木サンの源流とは? -
水木しげるの日本霊異記(角川文庫)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「日本霊異記」の正式名称は『日本国現報善悪霊異記』で、著者は南都薬師寺の僧・景戒(きょうかい)という。822年ごろ成立し、上中下巻、116話からなっているという。 ガゴゼとは、元興寺にまつわる鬼を退治する話なのだが、物語にネズミ男が狂言回し役として、登場。「どくろの怪」でも弟を殺してしまった兄の後悔を描き、水木さん自身が登場し、戦争中の体験を語りながら、骨になってもまだ思いを残す弟の無念を描く。「閻魔大王の使い」では、おなじみの死神が登場。90歳を超える水木先生の傑作。雑誌『怪』に連載した作品をまとめた水木ファンにはたまらない作品。 -
水木しげるの不思議草子
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 屁こきじいさん、鉢かつぎ姫、ものくさ太郎など……室町・江戸時代の庶民に親しまれてきた読み物『御伽草子』。その中でも人気の高い「猫のさうし」「福富草紙」「鉢かづき」「物くさ太郎」「瓜姫物語」「御曹子島渡」の6編を水木サン流にアレンジし、新たな息を吹き込んだ。化け物集会に付喪神、あまのじゃくや鬼などに加え、さらにはおなじみのねずみ男も登場! 妖怪画の一人者が新たに解釈し、生き生きと描き出す。 ユーモアとウィットに富んだ水木版・不思議昔ばなし -
水沢文具店
明日町こんぺいとう商店街にある小さな文房具店「水沢文具店」の入り口には、「ペンとノートをお買い上げの方、ご要望があれば話を書きます。オーダーメイドストーリー」という張り紙がはってある。店主が自分のためだけに書いてくれる物語を読むと、悩みが解決するという噂があって―。 -
水玉模様と月の光り
バカな男2人を、しかし女は責めてはいない。 学生の夏休み。東京からオートバイでやってきて、あまりの暑さに、シャワー浴びたさに、 分不相応なホテルに部屋を取ってしまう。 部屋があり、スナックがあり、ビールがあり、そこに彼女がやってきて、思いがけないことになった。友人を呼び出したら、また思いがけないことになった。 2つの思いがけないことのあいだに、彼女はいる。 2人の男たちの目の前に、彼女はいる。 彼女は責めてはいない、静かな悲しみが男たちをうちのめす。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。 -
水の後宮
入宮した姉は一年たらずで遺体となり帰ってきた――。 大海を跨ぐ大商人を夢見て育った商家の娘・水鏡。しかし後宮へ招集された姉の美しすぎる死が、水鏡と陰謀うずまく後宮を結びつける。 宮中の疑義を探る皇太弟・文青と交渉し、姉と同じく宮女となった水鏡。大河に浮かぶ後宮で、表の顔は舟の漕手として、裏の顔は文青の密偵として。持ち前の商才と観察眼を活かし、水面が映す真相に舟を漕ぎ寄せる。 水に浮かぶ清らかな後宮の、清らかでないミステリー。
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