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人間の弱さや醜さを凄惨なまでに描いた人間の生き方を問う5編の短編集。
知らぬ間に麦畑に紛れ込み、はびこっていく毒麦のように、容赦なく人々の心をむしばんでゆく悪意の種子。その種子を蒔くのは、生まれついて悪しき人々なのか、あるいは無垢と見える我々自身なのか。父の不倫に端を発した両親の別居で、徐々に孤独の淵に追い詰められていく少年の姿を描いた表題作のほかに、『尾灯』『喪失』『貝殻』『壁の声』を収録した短編集。
『尾灯』は、2002年(平成2年)に、『喪失』は、2005年(平成5年)に、テレビドラマ化され話題を呼んだ。
「三浦綾子電子全集」付録として、よく通った地元の居酒屋広告に載せたコラムを収録!
Posted by ブクログ 2023年07月03日
短編5編とも主人公の心の動揺、そして招いてしまう不幸はいずれも鋭く重い。著者が優れた短編作家でもあることを証明していると思った。定年後の寂しい心境『尾灯』、妹を喪い同じ病に冒された姉と義弟の微妙な関係『喪失』、不倫の夫とその両親の理不尽な態度に泣かされる主人公の妻の心境『貝殻』、吃音ゆえに不幸な人生...続きを読む
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