小説・文芸 - セール作品一覧

  • 萩原朔太郎
    値引きあり
    -
    昭和2年、萩原朔太郎の知遇を得て以来、昭和17年の死まで、常にその周辺にあり、さらには歿後、三度におよぶ全集の編集に携わるなど、三好達治にとって、朔太郎は生涯にわたる師であった。格調高い名文によって、朔太郎との交遊を振り返り、その面影をしのびつつ、同時に、作品の形成過程を緻密に辿る。朔太郎の詩の核心が、批評の美によって浮き上がるまさにライフワークとしての、師へのオマージュ。
  • 白山の水 鏡花をめぐる
    値引きあり
    3.0
    著者少年期の金沢体験を出発点に、また、その後の土地の精霊を訪ねる旅での見聞をもとに、泉鏡花の作品世界を、地誌的・民俗学的に読み解いた長篇エッセイ。「川」「峠」「水神」「蛇」「化物」「白神」等のキー・タームから、鏡花作品の幻想性に入りこみ、その深奥にある北陸の山と水、それらを宰領する精霊たちのうごめきを感じとる。鏡花をめぐるセンチメンタル・ジャーニー、巡歴の記録。
  • 白痴 青鬼の褌を洗う女
    値引きあり
    4.6
    戯作者の精神を激しく新たに生き直し、俗世の贋の価値観に痛烈な風穴をあける坂口安吾の世界。「堕落論」と通底する「白痴」「青鬼の褌を洗う女」等を収録。奔放不羈な精神と鋭い透視に析出された"肉体"の共存――可能性を探る時代の補助線――感性の贅肉をとる力業。
  • 白鳥の歌・貝の音
    値引きあり
    -
    女形の旅役者の悲哀をチェーホフの同名の戯曲の哀愁に重ね、二日酔の「私」の気分を巧みに描く「白鳥の歌」。近視の武士の苦衷を、武張った信玄、謙信の姿とともに描く、哀しくもおかしい「貝の音」。ほかに「下足番」「開墾村の与作」など。殉死の弊風、封建の桎梏、人間の嗜好・執着、浮世の儚さ――人の世の悲喜劇への、常に変らぬ確かな眼差と限りない愛情が醸す、井伏鱒二の豊穣の世界。追随を許さぬ精妙な文体の名作集。
  • 白頭吟
    値引きあり
    5.0
    原敬により、院外団から、代議士、党幹部に引立てられ、拓殖会社の理事として辷り込む父・尾花晋作。3年前病死した正妻のあとになおった27歳の三輪子。洋行志望する前妻の子、主人公20歳の学生・尾花晋一。俗物・まがいもの行き交う、愛あり恋あり不倫あり、裏切り、謀略なんでもありの巷のなかで、昂然として、高貴なるものの光芒一閃。石川淳を代表する傑作。
  • 白楽天 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    値引きあり
    3.5
    日本文化に大きな影響を及ぼした白楽天。炭売り老人への憐憫や左遷地で見た雪景色を詠んだ代表作ほか、家族、四季の風物、酒、音楽などを題材とした情愛濃やかな詩を味わう。大詩人の詩と生涯を知る入門書。
  • 箱庭
    値引きあり
    3.0
    戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
  • 箱の話・ここだけの話 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    混迷を生き貫く思考の発条。花田清輝の秀抜の遺著――『乱世今昔談』をどうしても『ここだけの話』と改題希望した著者の遺志を実現し、遺著『箱の話』と合わせ、花田清輝の常にインターナショナルな、発見的思考の持続を顕彰し、混迷する思想・時代状況を生き、貫いて行く根源力を提示。今日さらに重要な意味を加え続ける、花田清輝の貴重な1冊。
  • 走れメロス 太宰治短編集
    値引きあり
    5.0
    暴君ディオニスを殺そうとして死刑を言いわたされたメロスは、妹の結婚式に出るために、親友のセリヌンティウスに身代わりになってもらう。「3日以内に戻ってくる。」という約束のもと、40キロはなれた家へ向かったのだが、再び市へと戻るべく走るメロスの前に、次々と困難がおそいかかる--。表題作のほか、「ろまん燈籠」「黄金風景」「新樹の言葉」「葉桜と魔笛」「善蔵を思う」「佳日」の全7編を収録。
  • 働くおっぱい
    値引きあり
    3.6
    現役トップAV女優が初めて素の自分を“丸出し”するエッセイ! AV女優なのに恋愛はNG!? 職業を書いたら家は借りられない!? そんな私、友達が一人しかいない!(涙) 18歳からAV女優一筋の“えろ屋”が見つけた生きる道! 大幅な加筆修正を経て、ダ・ヴィンチニュースの大人気エッセイ連載が待望の書籍化! 【おまけ】 ・大ボリューム書き下ろし! 「まえがき」&「あとがき」 ・紗倉まなプレゼンツ 珍おっぱい&乳首図鑑 (イラストは人気マンガ家のスケラッコさん!)
  • はちみつな関係。―ハチミツな彼とオフィスで寮で×××―
    値引きあり
    -
    新入社員の蜂谷美月は、同期の新入社員で、容姿端麗、仕事も出来る同期のイケメン君とナイショの関係を始めることに! “はちみつ”のように、甘くてトロける寸前!のドキドキオフィスラブ!
  • 白球の約束 高校野球監督になったプロ野球選手たち
    値引きあり
    4.0
    大越基、大野久、杉本友、佐野心、酒井弘樹、後原富。プロ野球選手として戦力外通告を受けた彼らは、第2の人生で高校野球指導者の道を選んだ。栄光からの転落と再生への苦闘を描いた本格スポーツノンフィクション。
  • ハッピネス
    値引きあり
    -
    夫と妻、父親と息子、男と友人、主人公と隣人たち。執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の「町」。だが彼は、彼らは、ほんとうにわかり合えるのか? 会話の多い小気味よい文体が、一方でモノローグのように読者に訴えかける。独自の感性で、現代文学の地平に未知の領域を拓く、新鮮な短篇群。
  • 初恋ドロップス。
    値引きあり
    -
    校内一のベストカップルと噂されながら、彼の本心がわからず悩むナツメ。彼氏のいる女の子に2年間片想いしている情。初恋の彼に再会した光子。離れかけた彼女の心を繋ぎとめたいライ。それぞれの初恋はやがて一つに交わり……。 高校最後の1年間。高校生4人の揺れ動く恋を描いた、等身大ラブストーリー。
  • さいごの夏、きみがいた。 初恋のシーズン
    値引きあり
    4.0
    幼稚園が同じだった夏木蛍と春野さくら。 小学生になってからは、すこし距離ができていたけれど、 今年は席がとなりになった。でも、蛍はもうすぐ転校してしまう…。 「終業式のあと、2人で会おう」 でも、約束した待ちあわせ場所で、蛍は交通事故にあって!? 泣きくらしていたさくらの前に、奇跡のようにすがたを現した蛍。 「オレのために泣かないで。それより…つきあってよ。オレの“最後の夏休み”に」 一生、忘れられない恋になる。 涙が止まらない、最高の初恋ストーリー!【小学上級から ★★★】
  • 初恋をもう一度…
    値引きあり
    -
    小6の夏休み、芽依はたった2週間一緒にいただけの、名前しか知らない男の子・伊織に恋をした。――4年後。高校生になった芽依は転入してきた伊織と再会する。胸がはちきれそうに喜ぶ芽依。2人は空白の時間をだんだんと埋めていく。しかし、伊織には絢菜という彼女がいて……。 ひと夏の初恋からはじまった、切なすぎるラブストーリー
  • 花色ハツコイ。
    値引きあり
    5.0
    「花文川に恋の願いを書いた短冊を流すと、必ず叶う――」そんな伝説が残る、温泉街で育った、里緒、純平、健太。3人はいつも一緒。ずっと続くキラキラした毎日を里緒は信じて疑わなかった。でも、中学生になり、里緒が恋をしたことで3人の関係は変わり始め――。
  • 花色ハツコイ。 ~Ache for you~
    値引きあり
    -
    里緒のケガをきっかけに付き合うようになった里緒と純平。しかし、2人は別々の高校に進学し離れ離れになってしまう。不安な里緒に追い打ちをかけるように、純平は同じ高校に行った美都と毎週末一緒に帰ってくるようになる。さらに、純平の妹・亜希奈からは「純平さんに近付くな」と言われてしまい……。
  • 花色ハツコイ。 ~Eternal Promise~
    値引きあり
    -
    純平と別れた里緒は健太郎と付き合うように。すべてを受け入れて温かく包んでくれる健太郎のことを大切にしようと決めた里緒。しかし、純平の妹・亜希奈が不良グループと関係を持ち始めたのは美都の策略だと知り、純平のために亜希奈を救い出そうとする。幼なじみで不良のトップになった涼太の協力を得て亜希奈のもとに向かう里緒と純平。そして、また急接近した2人は……。
  • 花咲くキッチン 再会には薬膳スープと桜を添えて
    値引きあり
    4.7
    *+…+*+…*+…++* 仕事に一生懸命な百花を 愛してやまない美青年は、 健康美食で彼女に愛情アピール!? *+…+*+…*+…++*  仕事が大好きで有能な百花(ももか)。でもお家では華やかさはゼロ! コンビニ飯上等、ジャージが普段着。  そんな姿で、美青年となった幼馴染と運命的に再会してしまう。彼は薬膳知識でおいしく健康&綺麗になれる料理店を開くという。  実は百花のことが愛しくてならない彼から、強引に試食係に抜擢され……。戸惑う百花の気持ちも、疲れも未病も、絶品料理と薬膳効果で全部まとめて解決! 満面の笑顔となって花開く。  一方、恋におっくうな百花と彼の距離は縮まりそうで遠くて……!? ふたりに待ち受ける未来とは――。 *+…+*+…*+…++* 「わが家は幽世の貸本屋さん」シリーズ(マイクロマガジン社)、「異世界おもてなしご飯」シリーズ(KADOKAWA)の著者・忍丸氏新作! *+…+*+…*+…++* ■編集おすすめコメント■ 御曹司だけど、料理好きで地位にこだわらない美青年との再会シンデレラストーリー!! 周囲から慕われる主人公が、「お仕事では有能なのに、休日はすっぴん&ジャージ姿」なのも好感度◎です! 読み終わったとき、ヒーローのお店で料理を振る舞われたかのように、ちょっぴり元気をもらえます。 美味しそうな料理にも注目して、このストーリーを堪能してください。
  • 花づとめ
    値引きあり
    4.0
    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 花電車芸人 色街を彩った女たち
    値引きあり
    3.0
    表の歴史には絶対に出なかった、知られざる裏芸能史! 花電車芸とは、女性器を使って芸をすることである。 花電車(装飾された路面電車)は客を乗せないことから、男を乗せない芸者がそう呼ばれるようになった。 戦後の色街や花街の摘発によって職を失った芸妓たち。彼女たちはストリップ劇場に流れ、芸を披露してきたのだ。 しかし、日本で花電車芸を披露する者は、いまや十指にも満たない。 テレビで映される芸ではない。伝統芸能として称賛され、国から保護される芸でもない。 だが、世の片隅で人々の心をとらえ続けてきた庶民の芸である。 女性器を使って、バナナを切る、ラッパを吹く、吹き矢を飛ばす、火を噴く、花を活ける、台車を引く、コインを一枚一枚出していく等々。 前代未聞の芸が脈々と伝えられていた。 いつ始まった?秘技はどう受け継がれてきたのか? 色街を取材し続けたルポライターが秘史を探る! 正史では触れられない、庶民の芸の歴史と芸人の姿。 ■「私のお股から火を噴いてみせましょう」 ■両国は見世物小屋で栄えていた ■「コインを一枚一枚、アソコから出していくんですよ」 ■親子二代のストリッパーになる ■ストリップは新宿で産声を上げ、浅草で隆盛を迎えた 人は生きていくうえで、闇を必要とする。かつてはその闇がストリップ劇場であり、見世物小屋であったのだ。 【目次】 まえがき 第一章 生ける伝説、ファイヤーヨーコ 第二章 花電車芸、その起源を探る 第三章 異端の芸人たちは極みに至る 第四章 ストリッパーたちは見た 第五章 花街、その興亡をたどる   あとがき 主要参考文献
  • 花と天使と悪魔
    値引きあり
    -
    22歳、ウエディングプランナー藍原悠里の上司は、新婦も惑わす超イケメンエリート、星野海斗。仕事も顔もパーフェクトだけど、ポーカーフェイスときどき超ドS! 怒られるたびに心臓止まりそう…。 そんなある日、会社の飲み会で酔っ払って星野に大迷惑をかけてしまい、その代償にしばらくご飯を作ることになった悠里。「オフの時は“主任”って呼ぶな」二人きりになった時、仕事では見たことのない姿を知り、近付きがたかった彼に次第に惹かれていくが――。
  • 花に舞う・日本遊民伝 深沢七郎音楽小説選
    値引きあり
    4.0
    時を越え人々の日常に寄りそうもの──。 「音」に着目し選びぬいた作品九篇。 演奏家でもあった著者の音楽を扱った小説集。「南京小僧」「浪曲風ポルカ」など気高い小品や「日本遊民伝」といった骨太作品も収録。 日劇ミュージックホールでの演奏など、ギタリストとしても活動した深沢七郎。エルビス・プレスリーを愛し、ジミ・ヘンドリクスを好んで聴いた彼の小説は音楽的と評されることも多い。その中から、俗謡、洋楽曲、楽団員といった、音楽を扱った作品を精選。著者の眼差しが見えてくる一冊。
  • 花のプリンス部!
    値引きあり
    -
    貧乏探偵事務所の娘、百合は高校1年生。ある日、超~お金持ち学校、白ヶ峰学園から、なんと潜入調査の依頼がやってきた!!? 学園の生徒になりすます百合だったけど、ド級にゴージャスな校内にあんぐり。そして出会ったのは、スーパー☆セレブで個性的なイケメン5人!! 「庶民は素直に言うことを聞けよ」 彼らに素性がバレてしまい、百合の調査はたいへんなことに――!?
  • 花の町/軍歌「戦友」
    値引きあり
    4.0
    昭和16年、陸軍徴用員として従軍した著者は翌年2月シンガポールに入り、昭南タイムズ、昭南日本学園等に勤務。市内の一家族の動向を丹念に描いた長閑で滑稽で奇妙に平和な戦時中の異色作「花の町」をはじめ、「軍歌『戦友』」「昭南タイムズ発刊の頃」「シンガポールで見た藤田嗣治」「或る少女の戦時日記」「悪夢」など、この体験に関わる文業を集成、9篇収録。
  • 花は桜よりも華のごとく
    値引きあり
    3.5
    京の都に突然、天才的な舞い人の少年が現れる。けれど一座の看板役者の彼、白火は実は女の子。それを隠し女人禁制の舞台で舞っていたのだ。そんな折、京随一の能役者である蒼馬から移籍の話を持ちかけられて……!?
  • 花淫れ
    値引きあり
    3.0
    1巻341円 (税込)
    男は美しい妊婦から羊水が漏れないように”栓男”になることを頼まれた。桜、向日葵、秋桜、寒牡丹……四季を彩る花々と妖しき女たち。世にも淫靡な妄想と狂気の官能小説!
  • 埴輪の馬
    値引きあり
    4.0
    滑稽というより、生活の事実を淡々と書きながら、思わず笑ってしまうといった味わいで、文学の師である井伏鱒二や友人たちとの交友を描く。表題作「埴輪の馬」では、埴輪様式の土器の馬を購入のため、師井伏鱒二や友人と出かける。地方都市の駅には先方のお迎えの車が、それも消防自動車が来ていて、それに乗車することの困惑。他10篇収録。
  • ハニー★ダーリンS。
    値引きあり
    -
    ワケあって、地味っことして生きる高2のリン。 だけど、突如目の前に現れた如月高トップヤンキーズと、はちゃめちゃな毎日を過ごすうちに見事打ち解けちゃった! 楽しい夏休みに突入し、みんなとはじめての夏祭り! この日ばかりは地味っこを脱出し、可愛く着飾ったリン。 ワクワクドキドキの中、とんでもないハプニングが起こっちゃって!?
  • ハニー★ハント。
    値引きあり
    -
    如月高校2年の青山リンは、ワケあって(実は極道の娘)地味っことして生きてきた。なのに、如月高イケメントップヤンキー・知捺に本性を知られちゃって――!? でも、なぜか気に入られたリンは、超絶美形のトップ・知捺、暴れん坊の翔、甘~い顔の奏と一緒に、はちゃめちゃ学園生活を送ることに! 「ワケあって、そっとしといてください」地味っこお嬢×「おちゃめで最強ツンデレ」如月高トップヤンキーズ。コイツらの愛と正義で、地球崩壊!?
  • 母の陽だまり―吉田百合子詩集 (子ども 詩のポケット)
    値引きあり
    -
    母、家族、周囲の人への愛、そして私たちが生きている、この世界の美しさを温かく描いた詩集。シリーズ・子ども 詩のポケット。 今になって 身にしみて その 苦労が理解できる どんなに 感謝しても しきれない ありがとう お母さん あなたのおかげで 息子たちは お父さんになり 私は おばあちゃんに なれました (本文より抜粋) 【目次】 I. 母の手(暮しをささえて;子どもの仕事;えり子と共に;後悔 ほか) II. コスモス街道(コスモス街道;カサブランカ;もくれん;月下美人 ほか)
  • 母よ
    値引きあり
    -
    母よ、あなたの素顔を見たい、どのような顔をしていたのでしょう。現存している写真はたったの1枚、「ひんやりとした感じの、きれいな人だったのよ」と、少年のぼくに語ってくれた姉。──実母への切実な想いと、別居している理英との間に生まれた保育園にかよう男の子の成長ぶりを、清澄なことばで綴った秀作。第43回読売文学賞受賞作。
  • ハプスブルク家の食卓 饗宴のメニューと伝説のスイーツ
    値引きあり
    4.0
    「……なぜこれほどの長期間にわたって、ハプスブルク家が君主の座を保持できたのか。運と結婚政策だけで650年間も、皇帝の冠をかぶっていられるとは考えられない。この間、戦争はできるだけ回避したとはいいながら、帝国の屋台骨が根幹からゆさぶられる宗教戦争や近隣諸国との戦いを何度もくぐり抜けている。この一族の栄華を可能にした一要素として<食>があげられるのではないかと思う」(はじめに より)結婚政策で版図を拡大したハプスブルク家が健康・長寿を維持できたのは偶然だったのか?彼らは何を食べて長く歴史に足跡を残すことができたのか?これまで語られなかったハプスブルク家の歴史に「食」から迫った力作。
  • ハプスブルク家の人々
    値引きあり
    3.0
    700年王朝の歴史の闇に、妖しい光芒を放って消えた人々がいた……。13世紀に始まったハプスブルク家の歴史は、常にヨーロッパそのものの歴史だった!その華麗なる一族の歴史に秘められた愛憎劇。
  • はみ出し銀行マンの人事考課
    値引きあり
    -
    小学校の「通信簿」がオール5だったヤツが大人になったら「人事査定」で評価E――。いったい人事考課とはなんだ? 職務希望書の書き方から貢献度の見せ方、上司別対処の裏ワザ、外資系企業の人事対策。はたまた派閥、学閥、社内競争まで……。人事評価特Aを10年間もキープした元・エリート銀行マンによる究極の「はみ出し流」世渡りエッセイの決定版。
  • 早咲きの花 ぼくらは戦友
    値引きあり
    -
    父さんを亡くした小学6年の真次は、東京からおじいさんの家に引っ越してきた。すぐには新しい学校になじめなかったが、幽霊を見に行ったり、いじめっ子と戦ったり、無人島で宝探しをして、親友ができた! ところが、太平洋戦争の兵器を作るため、中学生も毎日、工場で働くことになった。さらに、日本への空襲が激しくなり、多くの爆弾が工場に落とされ、真次たちは……。『ぼくらの七日間戦争』宗田理さんが伝えたい物語。【小学上級から ★★★】
  • ハリーとケントはなぞときポリス ハリせんぼん ぶちこみますよ!
    値引きあり
    -
    ハリネズミのハリーとコアラのケントは、ニューコークシティを守る凄腕警察官。街のみんなには愛され、一方わるものたちには「ニューコークシティのハリケーンポリス」と恐れられています。 ある日、ハリケン号に乗って街をパトロールしていると、ゴリラのゴリゴリしょちょうから突然連絡が!?  「9ばんがいのマニーぎんこうがおそわれた!」  残された手掛かりは、大柄な5人のシスター、そして5つの風船……。ニューコークの街を巡りながら、迷路や探し絵、パズルを解いて、少しずつ犯人に近づいていく2人。現場からこつぜんと姿を消してしまった犯人をハリーとケントは捕まえることが出来るのか? 今日もハリーの明晰な頭脳と、ケントのコアラン流拳法が冴えわたる! こどもたちに大人気の「冒険・発見・大迷路」シリーズ(ポプラ社刊)の著者・原裕朗氏による待望の新シリーズ開幕です!
  • ハリール・ジブラーンの詩
    値引きあり
    5.0
    愛し合いなさい、しかし愛をもって縛る絆とせず、ふたりの魂の岸辺のあいだにゆれ動く海としなさい。(「結婚について」より) 深い思索の中から紡ぎだされた、静かな叡智に満ちた詩の数々。人生の礎となる一冊。
  • 春雨物語 現代語訳付き
    値引きあり
    -
    「血かたびら」「死首の咲顔」「宮木が塚」をはじめとする一〇の短編集。物語の舞台を古今の出来事に求め、異界の者の出現や死者のよみがえりなどの怪奇現象を通じ、人間の深い業を描き出す。秋成晩年の幻の名作。
  • 春・花の下
    値引きあり
    3.0
    理性と感情がみごとに調和した、清澄な文体でつづる傑作短篇集。巡る春に託して老女の家へのこだわりを描く「春」、死別したはずの母親についての怖ろしい疑惑が湧き上る「花の下」、娘を中心として家族全体で死にゆく母を看とる「去年の梅」の他、「ありてなければ」「迎え火」「夜の明けるまで」「春過ぎて」「市」「降ってきた鳥」「湖」の秀作10篇を収録した。
  • 哈爾濱詩集 大陸の琴
    値引きあり
    4.0
    「きみは我が忘れもはてぬはるびんなりしか。はるびんよ……。昭和12年4月、旅行嫌いの犀星が、生涯でただ1度の海外(満洲)旅行に出かけた。「古き都」哈爾濱は、犀星の詩心を刺激し、後年『哈爾濱詩集』となる抒情詩の数々を産ませ、また、満洲で棄て子捜しをする男を中心に、船上で出逢った人々の荒唐無稽な人生を描いた小説『大陸の琴』を書かせた。本書は、随筆「駱駝行」他3篇を併録した<大陸もの>作品集。
  • ハローアゲイン─運命─(上)~小さな世界、教室~
    値引きあり
    -
    幼なじみの真麻と夕日。何度も別れ、何度も再会する2人…。25歳のある日、偶然の再会を果たした2人…そして運命の歯車が動き出す! 揺れ動く運命を描いた、心に沁みる感動のラブストーリー。
  • 叛骨の宰相 岸信介
    値引きあり
    3.8
    国民生活を安定させ、経済政策が最もうまくいっていた岸時代。先見性と実行力で国民を幸せにすることこそ宰相の条件である。人気評伝作家による白洲次郎、吉田茂に続く、昭和史を築いた政治家の傑作評伝。
  • 板散華 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    原始美術の力強さを示し、民芸的特質を持ち日本美の原点を探る独特の〈板画〉世界を展いた、棟方志功。強烈なエネルギー漲る初期エッセイ集『板散華』を中心に、『板画の肌』を抄録。「板画の持つ真性は、東洋の美意識に真実を重ねる」とする「板血脈」をはじめ、「河井寛次郎先生」「板画道」「万暦赤絵」「富岡鉄斎」「麻蒸風物」「哀母記」「串もち」のほか「哀父記」を加えた35篇。
  • 犯罪者プロファイリング ――犯罪を科学する警察の情報分析技術
    値引きあり
    3.3
    一般書で始めて明らかにされる、日本のプロファイリング技術。幼女誘拐事件、猟奇殺人、連続放火、窃盗……数々の難事件を研究してきた科学捜査のプロが、犯罪者の行動パターンを白日の下にさらす。
  • 半日の放浪 高井有一自選短篇集
    値引きあり
    3.5
    疎開先で入水した母の遺骸を凝っと見つめる、少年の目。二世帯住宅にするため、明日は家を取り壊すという日、嬉々とする妻をよそに、街に彷徨い出た初老の男の目。――戦争と母の自死を鮮烈に描いて文学的出発を告げた、芥川賞受賞作「北の河」、人も街も変質する世情への微妙な違和感を描く「半日の放浪」など、透徹した観察眼で昭和という時代を丸ごと凝視し続ける、高井有一の自選7短篇。
  • 半日半夜 杉本秀太郎エッセイ集
    値引きあり
    -
    よりすぐりの随筆をよむそのここちよさは 蜂蜜の甘い滴りにも似て――冬至を控えて宿り木を採りに山に入る。赤い紐で根本を結び天井から逆さに吊るすのだ。昔、年末のパリの街かどで宿り木を求め孤独な年越をして以来、クリスマスの頃になると、こうして飾ることにしている。耳をひそめてしぐれをきき、目をこらして面影を追う日々――。洛中に生まれ育ちパリにすごした歳月の軌跡を描く重厚だが洒脱なエッセイから29篇を厳選。
  • 反悲劇
    値引きあり
    4.0
    本来反小説な神々や英雄の悲劇の世界を、現代小説に直接「移植」する試みのなかで、古代ギリシャ人の行動様式や神話的モチーフは、そのグロテスクな陰惨さのままに、今もわれわれの内に息づき生き延びているのではないかということを問いかける。「向日葵の家」「酔郷にて」「白い髪の童女」「河口に死す」「神神がいた頃の話」の5篇から成る連作集。
  • 幕末明治サバイバル! 小説・渋沢栄一
    値引きあり
    4.0
    おれ、渋沢栄一。農家のむすことして、父ちゃんの商売を手伝いながら暮らしてる。 ある日、悪い代官さまに、せっかく稼いだお金を奪われた! こんなひきょうなことが許されるなんて。 生まれた家でエラさが決まるなんておかしい。 いばっているおとなたちはやっつける! ――って立ち上がったおれだけど、 気づいたら敵のトップ・将軍さまの家来になって、 才能を見込まれて大出世!? 混乱の世の中を、頭脳ひとつでつきすすめ!【小学中級から ★★】
  • 芭蕉の人情句 付句の世界
    値引きあり
    -
    人物や心情を詠んだ句を、人情句と呼ぶ。優れた叙景句が多く自然詩人として知られる芭蕉には一方で、人間を犀利に見つめ多彩な人々の姿をリアルに捉える世界があった。人情句を通して語る、もう一つの芭蕉。
  • BAD BOYS 囚われの蝶 篇
    値引きあり
    -
    1~2巻291円 (税込)
    事故の後遺症から記憶をなくした18歳の少女・雫音は謎の後見人・葉山をたより、ある屋敷にお世話になることに。しかし、そこにいたのは全員葉山に拾われたという不良少年ばかりだった。彼らと暮らすことになった雫音。そして、衝撃の運命が動きだす――。
  • 晩春の旅 山の宿 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    3.5
    瀬戸内の大三島、九州・日向の高千穂への旅路。爆心地近くの城島の宿で独りきいた「平和の鐘」。茜色に暮れなずむ富士山を見る御坂峠の茶屋の宿。伊豆の河津川や、栃代川、笛吹川、富士川での川釣。旅と釣がこよなく好きな作家の眼が、出会った人々、その土地土地の歴史の跡と人情の温もりをあたたかな筆づかいで活写する、懐かしい旅の回想。
  • 坂野惇子 子ども服にこめた「愛」と「希望」
    値引きあり
    4.0
    神戸の裕福な家庭に生まれ育った坂野惇子。しかし、戦争が彼女から幸せな暮らしを奪った。それでも彼女は希望を捨てず、新しい時代を築く子ども達を豊かに育む上質な子ども服をつくる夢に向かって邁進するのだった。 ※本作品は、紙書籍から写真の一部が未収録となっております。あらかじめご了承ください。
  • VS―最強の男たちに愛された姫―
    値引きあり
    -
    セレブが集う“ビル群”に住む高校2年生の杏は、好奇心から危険な街“ファクトリータウン”へ出かけた。そこで出会ったのは同い年の蓮、喧嘩も女遊びも激しいと噂の男。一目で惹かれ合った二人だが、蓮は杏の元カレの弟で――。
  • 誕生日メランコリック
    値引きあり
    -
    高1の紗葉は幼なじみの陸に10年も片想い中。たった1日違いの誕生日のせいで、大好きな陸といつも同じ学年になれないでいた。もどかしい時間を過ごし、ようやく陸と同じ高校に通うことになった紗葉は一緒に過ごす時間も増え、舞い上がっていたが…会えなかった1年の間に陸に想いを寄せるライバルがいた。不安が募っていく紗葉を度々救ってくれたのは、いつも憎まれ口を叩く、同じクラスの旬。「俺なら悲しい思いなんてさせない」――陸と旬の間で揺れ動く恋心は……。
  • パイナップルの彼方
    値引きあり
    3.8
    父のコネで都会の信用金庫の人事部に勤める深文は、安定した仕事の中で同性の先輩ともうまく付き合い、恋人との関係も良好で満足していた。居心地いい生活、それはずっと続くと思っていたのに。ある日、1人の女性新人社員が配属されたことで、深文を取り巻くバランスがゆっくり崩されていく。そして起きた、ある小さな出来事を気掛けに深文を取り巻く世界はすっかり瓦解してしまうが……。 すべてがダメになったと思ったら、何もかも捨てて南の島へ飛んでパイナップル工場で働けばいい。決して実現しない、実現させようとも思わない妄想が自分を救ってくれることもある。中毒性があり! 山本文緒の筆致が冴えわたる、誰もが共感できる日常の物語。
  • パナマ運河の殺人
    値引きあり
    3.0
    鶴賀百貨店はロスアンゼルス支店のオープン三周年を記念してロスからパナマ運河を越えフロリダに到る豪華クルーズを行うことになった。社長夫妻・会長夫人ほか三百人以上の参加者の世話役にはM旅行社の牧野蘭子が指名された。蘭子の部下・上杉信吾、単身参加を申込む長井美希子、さらに社長夫人に同行することになった駒沢佐知子――いずれも断ちがたい因縁を持った男女が、何物かに引寄せられるように、このツアーに集って来る……。旅情溢れるミステリーロマン。
  • パルタイ・紅葉狩り 倉橋由美子短篇小説集
    値引きあり
    4.2
    前衛党入党から離反までを、不毛な性愛の日々に重ね、内的手法で描いたデビュー作「パルタイ」以降、日本の文学風土から自由な、徹底した虚構を追究。そこからは、イメージの豊饒さと方法意識に貫かれた〈反世界〉が現れる。プロメテウスの罰を再現した「囚人」、白昼夢にたゆとう「夢のなかの街」等、初期作品から怪奇掌篇、寓意譚に至る9篇を収録し、著者の孤高なる文学的歩みをたどる。
  • パンドラの箱
    値引きあり
    -
    5歳で父親を亡くし、母親と2人で生きてきた宝。しかし、高1で母親も病死、天涯孤独となってしまう。親戚に引き取られ転校した先で待っていたのは、いとこが首謀者の壮絶ないじめだった。もう、死にたい――。学校を飛び出した宝はトワという男の子と運命の出会いを果たす。生きる希望を取り戻した宝だったが……トワは母親と同じ病気におかされていて――。
  • 光と風と夢 わが西遊記
    値引きあり
    4.0
    喀血に襲われ、世紀末の頽廃を逃れ、サモアに移り住んだ『宝島』の作者スティヴンスン。彼の晩年の生と死を書簡をもとに日記体で再生させた「光と風と夢」。『西遊記』に取材し、思索する悟浄に自己の不安を重ね〈わが西遊記〉と題した「悟浄出世」「悟浄歎異」。──昭和17年、宿痾の喘息に苦しみながら、惜しまれつつ逝った作家中島敦の珠玉の名篇3篇を収録。
  • 光の領分
    値引きあり
    4.0
    夫との別居に始まり、離婚に至る若い女と稚い娘の1年間。寄りつかない夫、男との性の夢、娘の不調、出会い頭の情事。夫のいない若い女親のゆれ動き、融け出すような不安を、“短篇連作”という新しい創作上の方法を精妙に駆使し、第1回野間文芸新人賞を受賞した津島佑子の初期代表作。
  • 彼岸花
    値引きあり
    -
    その生涯を通して、優れた才気と誠意で学者、芸術家ほか多彩な人々の信頼を得、驚嘆すべき多くの出会いと豊かな交流を持った名編集者・小林勇。幸田露伴、寺田寅彦、小宮豊隆、安倍能成、野呂栄太郎、名取洋之助、中谷宇吉郎、斎藤茂吉、小泉信三、渋沢敬三等々、一筋に生きた人々の美しさ、勁さ弱さを尊重し、愛惜する。33人の偉大で慕わしい人々への鮮やかなレクイエム。
  • ひきこもり作家と同居します。
    値引きあり
    3.6
    学芸員になるべく勉強に明け暮れていたあかり。しかし母の急逝で天涯孤独となり、現実的な問題が持ち上がった「お金がない」。学芸員の夢もここまでか。だが、生活費節約のため引きこもり作家と同居をすすめられ?
  • ひとたばの手紙から 戦火を見つめた俳人たち
    値引きあり
    -
    アメリカ人女性から託されたひとたばの手紙は、硫黄島で戦死した兵士の遺品だった。その遺族を探して届けた話を端緒に、著者が自分が体験した戦争と、俳人たちが戦争にどう向き合ったかを語っていく感動の書。
  • ひとつひとつ。少しずつ。 電子特別版
    値引きあり
    4.1
    結果が出なくてもあきらめない、日が当たらなくても腐らない。 ただ、コツコツと積み上げる―― 言葉にすることは簡単ですが、実際に行動するのは至難の業です。 しかし、フィギュアスケート日本代表の鈴木明子さんは、地道な努力を続けて、オリンピック2大会連続入賞、28歳での全日本選手権優勝など、いくつもの栄冠をつかんできました。 だれかと比べない。戦うのは自分自身 2014年3月に行われた世界選手権で 22年間のスケート人生に終止符を打った鈴木さんはこう言います。 「この本のタイトルは『ひとつひとつ。少しずつ。』です。 私の22年間のスケート人生をあらわしています。 もしかしたら、何段も飛ばしていく方法もあったかもしれません。 でも、私にはできませんでした。 ひとつひとつ。 少しずつ。 階段を上がっていきました。 私には一歩一歩上がるしか方法はなかったのです」 本書では、鈴木明子さんの生き方があますことなく紹介されています。 たとえば…… ○目立たないことをコツコツと ○過去は引っ張り出さない ○「自分がどれだけできたか」が成果 ○「できない自分」を受け入れる ○心が折れてもあきらめない ○そのときの自分が決めたことを信じる ○「楽しい!」と思える方法を探す ○可能性を広げれば夢は大きくなる がんばっているのに成果が出ない人、生き方に迷っている人にぜひ読んでいただきたい一冊です! 自身初の著書に、表紙の候補となった撮り下ろし写真を電子書籍限定で収録しました。
  • 人と人影 現代日本のエッセイ
    値引きあり
    -
    《白雲なびく駿河台……》自作の明治大学校歌をきいて涙滂沱の老詩人・児玉花外の深い悲しみ。対局前、将棋を放念し無心の散策をする大山康晴名人。窓辺の風に微かな音色を奏でる、太宰治の形見の琴。人生の途上で巡り合った人々の、心に残る鮮烈な記憶と忘れ難いその風貌を、温もりある自在の筆で綴る。井伏鱒二の文学の精髄を伝える、36篇の珠玉の名随筆。
  • 一葉舟
    値引きあり
    4.0
    「人が現実に住んでいるのは情緒としての自然、情緒としての時の中である」西欧的な物質主義ではない、日本的情緒の大事さを説き続けた岡潔。その思想の根底にはつねに仏教の叡智があった。釈尊の再来と仰いだ山崎弁栄の言葉を辿り、芭蕉の句に日本古来の情を見、時に脳の働きにも注目しながら、情緒の多様な在り方を探る。数学研究での実体験や教育についての対話、仏洋行記も交え仏教への思索を深めた書。解説・若松英輔
  • ひとりに、さよなら。
    値引きあり
    -
    二人が付き合っていることを知りながら、親友の彼氏を好きになってしまい苦しむ早苗。美人の姉がいて自分に自信が持てず、学校でのイジメにも悩む朱里。周りから孤立してしまい、友達にも家族にも相談できない悩みを抱えた女の子たちが、それぞれ自分の悩みに勇気を出して立ち向かっていく――。
  • 人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても
    値引きあり
    4.3
    眠る前の憂鬱に耐えられぬ夜がありますか? 女性というだけで性的に消費されて、やり場のない感情を抱くときがありますか。この本に一行でも通じ合える要素が含まれていればと願う。あなたと出会えますように。
  • 火の河のほとりで
    値引きあり
    -
    血の絆、性の葛藤の果てに、生の極致を望む女たち――雪の日にひとりこどもを殺した! ……少女時代の悪夢が、姉妹に遠い影を投げかける。血の絆に惹かれるように、妹の夫と関係を結ぶ姉・牧。抜き差しならない深みに入り込んでいく二人に、気づこうとしない妹・百合。性の地獄にさらわれながら、ついに女たちは生の明るみへと突き抜けていく。長編700枚。
  • 日の果てから
    値引きあり
    -
    1945年4月、アメリカ軍沖縄本島に上陸。凄絶な地上戦の〈地獄絵〉の中、逃げ惑う住民。刑務所も遊廓も、そこに縛られる人々も何もかも、沖縄は死の渦のなかで回転しやがて敗戦とともに浄化される。神女殿内(のろどんち)の家柄である神屋家を絡め、文化、歴史、風土を背景に太平洋戦争末期の沖縄戦を神話的世界にまで昇華させた傑作長篇。平林たい子賞受賞。
  • ひべるにあ島紀行
    値引きあり
    -
    冬の国(ひべるにあ)=アイルランド。スイフトの『ガリヴァー旅行記』に導かれ冬の国(ヒベルニア)=アイルランドを訪れた「わたし」。謎めいたスイフトの生涯を、一人の女性への「激しい友情」を核に読み解くタテ糸。「わたし」と妖精のような男たちとの「優しい性愛」を物語るヨコ糸。さらに、架空の国・ナパアイをガリヴァーのように旅する「わたし」が目にする、グロテスクな意匠。重層的な表現でタペストリのごとく織られた、富岡文学の達成。孤絶した魂が谺し合う交響詩! 野間文芸賞受賞作品。
  • ひまわり公民館よろず相談所
    値引きあり
    3.3
    夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。
  • 秘密[上]
    値引きあり
    3.0
    1~3巻346~379円 (税込)
    街を支配する新城組の密人は、茉里という少女と出逢う。父と母に捨てられたという茉里に、密人は運命を感じ、付き合い始める。しかし茉里は20数年前、新城の手によって街から追放された女の娘だった。2人の出会いは新城一族を巻き込み、忌まわしい過去を呼び起こす。茉里を守る決意をする密人だったが、運命に翻弄される2人の凄絶な愛の行方は――!?
  • ヒミツノサウンド
    値引きあり
    -
    奏は、幼馴染5人組の人気バンド『tremolo』のプロデューサー。常にヒットを飛ばしている彼らの曲を作っている。引っ込み思案の奏と付き合っているボーカルの凌は、ファンの女の子と遊んでばかりいた。そして女の子の香水の香りを纏ったまま、凌は奏を抱く。そのたび、切なさと寂しさでいっぱいになる奏。その気持ちが曲になって溢れ出してくることは誰にも秘密だった。ある日、所属する音楽事務所で女の子と楽しそうにしている凌とばったり出会ってしまい――。
  • 秘密をもてないわたし I Have No Secrets
    値引きあり
    3.4
    ジェマ、14歳。重度の脳性まひで話せず、動けない。ところが殺人犯の告白を聞いてしまい、なんとか誰かに伝えようとする。勇気と感動のサスペンス。
  • 姫恋ヤンキーコレクション!
    値引きあり
    -
    私のあだ名は……「姫」だ。そう呼ぶのは、高校でトップ4と呼ばれるヤンキーたち。「お姫~! 今日もかわいいねっ」「ぼ、僕があなたのことを姫と呼ぶのは仕方なくですよっ!」「で、姫はいつ俺とデートしてくれるのかな?」「簡単に誘われてんなよ。おまえ、隙多すぎだっつーの」…………どうしてこうなった? これは、ファッションデザイナーを夢見る平凡な私が、なんとヤンキー工業高校の姫になってしまったという、そんな物語。
  • ひめゆりの塔をめぐる人々の手記
    値引きあり
    4.5
    太平洋戦争末期、日本国土で唯一戦場となった沖縄では二十数万の犠牲者を出した。特に悲惨だったのはひめゆり学徒の最後だった。引率教師であった著者が彼女たちの手記と自らの体験を綴った戦争の実録。※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 百人一首の正体
    値引きあり
    -
    あなたは、本当の百人一首を知っていますか? 誰もが一度は聞いたことがある「小倉百人一首」。しかし、実はこの作品には研究者たちから多くの「謎」が指摘されている。 定家が選出したということの真偽、いつから「百人一首」と呼ばれることになったのか、 どのような基準で百首の歌が選ばれ、果たして選ばれた歌はすべて秀歌ばかりなのか? 研究者でもあり、稀代の百人一首コレクターでもある著者が、 百人一首の「なぜ」を読み解き、今まで知らなかった百人一首の姿を浮き彫りにする! 【目次】 序章   百人一首への招待 第一章 百人一首成立の謎 第二章 百人一首の流れ 第三章 百人一首の広がり 第四章 百人一首の撰歌意識を探る 第五章 百人一首の見どころ ※本書は一九九八年一二月二〇日に刊行された『百人一首への招待』(ちくま新書)を改稿・改題したものが底本です。
  • 百花遊歴
    値引きあり
    -
    前衛歌人にして豪腕アンソロジスト塚本邦雄が編んだ、愛する花花と古今の名歌を集めた異色のアンソロジー。大伴家持、和泉式部から松尾芭蕉、芥川龍之介に馬場あき子まで。ユキノシタ科のアジサイ、アヤメ科のカキツバタならぬ、虎耳草科の紫陽花、鳶尾科の燕子花を愛でる人々に贈る、至高至醇の詞華植物園。
  • 百人一首(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    4.0
    かるた遊びとして広まり人口に膾炙され、日本文化に多大の影響を与えた百人一首を、手軽に楽しむ本。文法の知識や旧仮名の読み方を知らなくても、歌の意味がわかり声に出して朗読することができるように工夫。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
  • 表現の風景
    値引きあり
    -
    「精度がよくて長もちする」ダッチワイフから論をはじめ、表層的な「ナルホドどまりを好む」時代の「惰性」を痛撃し、孤立して見える「尖端の表現」を集合し、強く呼応する――最も現代的な感性と思考に立つ富岡多恵子の、平明な論理と鋭い説得力を持つ、時代を撃つ第一級のエッセイ。
  • 氷点(上)
    値引きあり
    4.5
    1~4巻341円 (税込)
    辻口病院長夫人・夏枝が青年医師・村井と逢い引きしている間に、3歳の娘ルリ子は殺害された。「汝の敵を愛せよ」という聖書の教えと妻への復讐心から、辻口は極秘に犯人の娘・陽子を養子に迎える。何も知らない夏枝と長男・徹に愛され、すくすくと育つ陽子。やがて、辻口の行いに気づくことになった夏枝は、激しい憎しみと苦しさから、陽子の喉に手をかけた――。愛と罪と赦しをテーマにした著者の代表作であるロングセラー。
  • 豹変
    値引きあり
    3.0
    世田谷の中学校で、三年生の佐田が同級性の石村を刺す事件が起きた。だが、取り調べで佐田は何かに取り憑かれたような言動と行動で警察署から忽然と消えてしまった──。※本作品は 2018年9月21日まで販売しておりました単行本電子版『豹変』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
  • 漂民宇三郎
    値引きあり
    1.5
    天保9年、金六、宇三郎兄弟は、松前を出帆、江戸に回航途中、西風に遭い、漂流6ヵ月、天保10年、米捕鯨船に救助され、ハワイ群島オワフ島に着く。兄と仲間3人を失った宇三郎達生残りは、ロシア領カムチャツカ、オホーツク、シトカを経て、エトロフに送られ、天保14年9月上旬、宇三郎をのぞいて、松前城下に着いた。"自選全集"版未収録の芸術院賞受賞の鏤骨の名品。
  • 広岡浅子 新時代を拓いた夢と情熱
    値引きあり
    -
    大富豪三井家の出身にして、嫁ぎ先の大阪の豪商・加島屋の経営をリード、銀行・炭鉱・生命保険会社など様々な分野で成功をおさめて近代日本の経済を牽引した豪快な女性実業家・広岡浅子の肝っ玉一代記!
  • 書経 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    値引きあり
    -
    四書五経のひとつで、中国最古の歴史書である『書経』。『書』や『尚書』とも呼ばれ、堯・舜から秦の穆公まで、古代君臣の言行が記されている。我が国の年号の出典にもたびたび使われる。「昭和」は堯典の「百姓 昭明なり。万邦を協和せしむ」、「平成」は大禹謨の「地平かに天成る」から採られた。帝王学の書としても知られ、教えのもっとも重要な部分を精選。総ルビの訓読文とわかりやすい解説を加えた、恰好の入門書。
  • 呻吟語 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    値引きあり
    4.0
    混沌の明の時代。高名な官僚であった陽明学者の呂坤が、役人たちとぶつかって官職を辞し、田畑を耕しながら30年かけて綴った「人間とはどうあるべきか、人生をどう生きるべきか」を説く一冊。日本でも大塩平八郎など多くの先人に影響を与えた。  「修身とは、まずは、長所を伸ばしながら、短所をそのままにしないことである。人は、短所に逆らい、従わないようにするならば、長所も日ごとに伸びる。」「厚みがあって、どっしりと、深い落ち着き、是が第一等、気が大きく強い、是が第二等、聡明で弁が立つ、是は第三等の資質である。」など、人生を諭す言葉をやさしく解説する入門書。 【目次】 はじめに [内篇] 性命─人間の本性と運命について─ 存心─正しい心のあり方とは─ 倫理─人間道徳の基本─ 談道─孔子の道を規範とする─ 修身─身を修めるための方法─ 問学─切磋琢磨して学ぶ─ 応務─対人関係で大切なこと─ 養生─健康長寿のために─ [外篇] 天地─世界は何でできているのか─ 世運─世の流れへの対処法─ 聖賢─聖人賢者も修養努力する─ 品藻─人間の品格とは─ 治道─統治の理念と方法─ 人情─日々の暮らしの心がけ─ 物理─万事万物の理─ 広喩─比喩で表す真実─ 詞章─文章作成の秘訣とは─ 『呻吟語』をめぐって 一、『呻吟語』と『菜根譚』─中国二大処世訓─ 二、呂新吾と科挙─合格者名簿に名が見えないのはなぜ─ 関係略年表 参考文献 あとがき 主要語句索引
  • 墨子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典
    値引きあり
    -
    儒家へのアンチテーゼとして生まれた墨家。その思想を読み解けば、「自分を愛するように他人を愛する=兼愛」、「自ら攻め入ることを否定する=非攻」など、驚くほど近代的な思想が見えてくる!
  • 保元物語・平治物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    -
    総ふりがなつきの原文、現代語訳、やさしい解説とコラムですらすらわかる! 貴族の時代から武士の時代へ、英雄譚と悲劇をダイジェストで読む。
  • 古事談 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    3.0
    鎌倉時代初め、源顕兼により編修された『古事談』は、王道后宮・臣節・僧行・勇士・神社仏寺・亭宅諸道の6巻から成る説話集。後続の『宇治拾遺物語』『古今著聞集』にも大きな影響を与えた。好色譚「称徳天皇が道鏡を愛した事」から始まり、貴人の逸話や故実・奇譚・霊験譚まで、王朝社会の多彩な説話が満載。清少納言・藤原道長・平将門・安倍晴明も登場。70話を厳選し、原文・現代語訳と書き下し文に解説を付した決定版!
  • 雨月物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
    値引きあり
    3.0
    身の毛もよだつ大江戸ホラー。秋成の卓越した筆致で描かれた、珠玉の9編を味わう。 稀代の怨霊・崇徳院が眠る白峯の御陵を訪ねた西行法師の目の前に現れたのは――(白峯) 義兄弟の契りをかわした武士と学者。主君の仇討ちに向かった武士は、学者のもとに戻るが――(菊花の約) 一攫千金を夢見て旅立った勝四郎。七年の時を経て戻った家で見たものとは――(浅茅が宿) ある雨の日に出会った美しい女は蛇の化身であった。蛇と別れた男はその後妻をめとるが――(蛇性の婬) ほか 【目次】 はじめに 『雨月物語』序 白峯 菊花の約 浅茅が宿 夢応の鯉魚 仏法僧 吉備津の釜 蛇性の婬 青頭巾 貧福論
  • ビックリ!! 世界の小学生
    値引きあり
    4.0
    「ごはんは3食カレー!」 「本物の宮殿でお誕生日会♪」 「地下迷宮に家がある!!」 「宿題は20分しかやってはいけません!!??」 世界の中には、日本じゃ想像もつかないような ビックリな毎日を送っている小学生がたくさんいる。 なんでそんな生活を送っているのか、 理由は気候だったり、歴史だったり、さまざま。 世界各国に住んでいる日本人が見つけた、 とっておきのビックリ情報が大集合!【小学上級から ★★★】
  • 美を求める心
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    3.5
    沖縄戦での許嫁の死、生家の破産、離婚……。病弱な女ひとりの境涯を支えるため、細々とラジオに寄稿し始めて50年、一貫して無名の庶民の心性に寄り添い、魂の深部から響いてくる真実の言葉を刻み続ける。自然の風景に、仏像の佇まいに、平凡な暮らしの道具に、そして何より人の心の中に美を求める、珠玉の88篇が、厳しくもしなやかな半生の美への巡礼の足跡を指し示す。
  • pianissimo 秘密の恋
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    -
    再婚のため家を出ていった女優の母と年上の彼との不倫――高校生3年生になるシオリは、孤独でなげやりな日々を送っていた。ある日いつもの店でピアノを弾くリクに声をかける。お互いに惹かれあった二人だったが――シオリの始業式の日、意外な事実が!? 二人の切なくて甘い“秘密の恋”が始まった。
  • ピアノの音
    値引きあり
    -
    小高い丘の家に住まう晩年の夫婦の穏やかな生活。娘や息子たちは独立して家を去ったが、夫々家族を伴って“山の上”を訪れ、手紙や折々の到来物が心を通わせる。夜になれば、妻が弾くピアノに合わせ、私はハーモニカ……。自分の掌でなでさすった人生を書き綴る。師伊東静雄の言葉を小説作法の指針に書き続けてきた著者が、自らの家庭を素材に、明澄な文体で奏でる人生の嬉遊曲。
  • ピタゴラスと豆
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    3.0
    「結局自分に入用なものは、品物でも知識でも、自分で骨折って掘出すよりほかに途はない」(「錯覚数題」)。科学と文学をあざやかに融合させた寺田寅彦。随筆の名手が、晩年の昭和8年から10年までに発表した科学の新知識を提供する作品を収録する。表題作をはじめ、「錯覚数題」「夢判断」「三斜晶系」「震災日記より」「猫の穴掘り」「鷹を貰い損なった話」「鳶と油揚」等23篇。
  • ぴぷる【電子特典付】
    値引きあり
    3.0
    時は2036年、日本ではAIと結婚できる新法が施行されていた。 京都在住の31歳サラリーマン・摘木健一は、性交渉機能搭載の美少女AIを購入し、彼女を「ぴぷる」と名付けて結婚することにした。 しかし、なぜか結婚初夜に夜の営みを拒絶されてしまう。 開発元に問い合わせた摘木を待ち受けていたのは、ぴぷるを開発した26歳の女性研究者・深山楓だった。 「ニューラルハードウェアによる学習が始まっているので設定の変更はできない」と冷静に説明する深山は、ある驚きの提案をしてきて……!? 作者は『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』で第五回京都本大賞受賞の原田まりる。 イラストは『あの花』『君の名は。』のキャラクターデザインを手がけた田中将賀。 オリジナルWEBドラマの朗読に『進撃の巨人』エレン・イェーガー役の梶裕貴、『ドメスティックな彼女』で主演の藤井夏生役に抜擢された八代拓。 人工知能監修に東京大学大学院特任准教授の松尾豊。 AIの存在が一般化した近未来の京都を舞台に、 そこに生きる人間の価値観の変容を徹底的に掘り下げた、 超豪華布陣でお届けする「哲学×AI」のエンタメSF小説! 【電子特典:田中将賀描き下ろし! 主要キャラクターフルカラーイラスト付き】
  • ピロウボーイとうずくまる女のいる風景
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    3.8
    1巻676円 (税込)
    貧困のどん底からキムラに救われた絢野クチルは、政治家を目指して大学に通い、夜はピロウボーイとして女たちと関係をもつ。女たちはみな問題を抱えているが、クチルとの関わりのなかで、立ち直っていく。一方、クチルの部屋には、謎の同級生知紅が押しかけて居候となり、クチルの帰りを待っている――。〈政治〉と〈愛〉と〈ミステリ〉。アガサ・クリスティー賞作家が挑む新境地。

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