三浦しをんのレビュー一覧
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読書会のヒントを探している時に手に取ったのが、岸本佐知子さん、三浦しをんさん、吉田篤弘さん、吉田浩美さんによる『『罪と罰』を読まない』です。
ドストエフスキー『罪と罰』を「実は読んでいない」ことで意気投合した4人が、「読まないで読む会」を発案したことから始まる対談集。
この企画の素晴らしさは、マイナスを遊びに変える視点と、それを本気で遊ぶ大人たちの遊戯性に満ちているところ。
特に三浦しをんさんの活躍がすごい。小説家だけあって、深読みは鋭く、博識だし、勝手に物語をポンポン創作してしまう様子がとても爽快です。
テンポの良い知的な読書会を舞台袖からのぞくような面白さがあり、「こういう大人たち -
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ネタバレ商店街のネイルサロンでワンオペで働く月島。ある日隣のテナントの居酒屋の店主の巻き爪が悪化したことから、自分とは違うネイルデザインをする大沢と働くことになる。
表紙のデザインからわくわくするような装丁。ネイルサロンに行ったことがないので、巻き爪解消のための来店など初めて知ることばかり。
殺人事件の犯人としてネイリストの愛人が挙げられるのは解せない。
出てくるネイルデザインも、「あと一杯」のメニューも実写でも見てみたいからドラマ化してほしいな。
月島と大沢のやりとりは微笑ましいけど、話が逸れることもあって、少しまどろっこしい部分もあったけど、ゆるい連ドラで観たいな。 -
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「便利屋」に舞い込む様々な依頼に多田と居候を始めた同級生行天、双方ともバツイチコンビが作り出す平凡な会話が笑いと依頼者との信頼・人間関係を描く小説だ。子犬の世話、娼婦・チンピラのお節介、小学生・高校生の世話と擁護など、巻末では老夫婦の納屋の解体依頼からその老夫婦が自分の真の親だと名乗る青年に対して赤の他人が「真実を話すべきか否か」での葛藤から社会関係を上手く描いている。現実、生みの親と育ての親など病院での手違いからDNAで発見されることも多々あるらしいが、その後双方の家族への配慮無しに他人の土俵に土足で入り、新たな問題が起こるのは予想だにできない。
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ネタバレ坂田繭
木暮荘二〇三号室の住人。花屋の店員。専門学校のデザイン科に通っていたときから、フラワーショップさえきと喫茶さえきの常連だった。アルバイトで雇ってもらい、卒業と同時に正式に採用された。
伊藤晃夫
繭の彼氏。代々木上原の小さな企画会社に勤めている。
ジョン
大家の飼い犬。
瀬戸並木
繭の三年前の彼氏。真っ黒に日焼けし無精髭を生やしている。繭と同じ専門学校の写真科。
佐伯
花屋「フラワーショップさえき」。
マスター
佐伯の夫。フラワーショップさえきの奥のスペースで喫茶店「喫茶さえき」をやっている。
美容師さん
三十歳くらいの女性。美容院の定休日に部屋に飾る花を買いに来るという勝手 -
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ネタバレBL、ブロマンス寄りの作品だと聞いて購入。
確かに導入から「細い真志喜の首筋がうっすらと桜色に染まった」などおや?と思わせる描写がいくつか。
古書を愛する2人の物語。2人は過去のある事件から共依存のような関係性になってしまった。過去に囚われる2人が長い年月をかけ、古書を通じて問題に向き合う。
直接的な表現はないがずっと匂わせてくる感じが好き。真志喜の思いが強いのかと思ったら瀬名垣も「所有欲も愛着も、本当はものすごくあることを自覚している。いつまでだって撫でくりまわしてじっくり味わいたいし、だれにも渡すもんかと、いつもいつも思っているんだ」と。
なにより解説のあさのあつこの「月魚によせて」 -
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ネタバレ牧田佐知
刺繍作家。明け方まで刺繍に没頭してしまうことがある。三十七歳。
牧田鶴代
佐知の母。外で働いた経験はもちろん、自分で稼いだこともない「箱入り娘」のまま、七十近くになった女。
谷山雪乃
物静かなくせに毒舌なところがある。西新宿にある保険会社で働いている。生まれは新潟で、大学進学時から牧田家に転がりこんでくるまでのあいた、一人暮らしをしていた。三十七歳。佐知が人違いをして出会った。
上野多恵美
雪乃の会社の後輩で十歳年下。三年ぐらいまえ、雪乃のいる部署に配属された。手芸好きで、雪乃につきそわれて佐知の刺繍教室に見学に行き、生徒となる。
山田一郎
牧田家の離れにある守衛小屋に住んで