三浦しをんのレビュー一覧
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どの話も好きだけれど特に好きな2つを。
まずは川上弘美さんの「アクティビティーは太極拳」から。
何となく合わないと感じていた母と娘が、コロナ禍の最中、距離はありながらも同じ風景を共有し、長い旅の時間を過ごす贅沢さとほんの少しの切なさに胸がいっぱいになる。
違う場所で暮らし、たまに顔を合わせるとやっぱり合わないと感じながらもその関係の面白さに気付いていく様子がとても丁寧に描かれていてとても気に入った。
桜木紫乃さんの「ほら、みて」はどこかでも読んだことがあったと思うのだけれど2度目もやっぱり素敵だった。
自分の両親もこうであってほしいと、こうなってくれるのならば、ななつ星の 旅をプレゼントして -
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この小説を読むまでは、ネイルはギャルなどがするものだと思っていた。でも、読み進めるうちにそんな自分の思い込みが消えていき、繊細で美しいネイルに心惹かれるようになった。
「ネイルは女の人のもの」という考え方すら、自分の偏見だったことに気づいて驚いた。ネイルは完成までに二時間以上かかることもあり、専用の道具や設備も必要な、立派な技術だ。(その気になればお米に絵をかけちゃうほどに!)街ですれ違う人のネイル一つ一つにも、ネイリストさんの情熱が込められているのだと思うと、なんだか日常が少し豊かに感じられる。
この本を読んで、ネイルの世界を知ることができて良かったと思った。 -
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ネイリストのお仕事小説.*・゚ .゚・*.
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主人公の月島美佐が経営するネイルサロンには、育児中のママや 巻き爪のおじさん、そして芸能人だったりと 様々なお客様がやってくる。
これまでワンオペだったのだけど、もう1人いればもっと充実したお仕事が出来るかな〜と思い始めた頃、思いがけず新米のネイリスト大沢星絵と出会った。
まだまだ未熟な面もあるけど、センスがあり 何より一生懸命な星絵と、真面目で丁寧な美佐。
2人のネイリストが築くサロンとはー
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私、ネイルってほぼした事なくて、ましてやサロンなんて1度も行ったことがない。。
なので -
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寂れた温泉街の商店街、地元イチオシの建造物は訪れる人もいない博物館。くたびれた町に暮らす男子高校生達。燻る事は簡単だけど、それでも日々は流れてくから楽しんだもん勝ちじゃね?的な友達に振り回されたり振り回したりの青春の日々。
詳細は知らないけど二人の母親を行き来する息子は彼なりに気を使っていたり、彼の実の父から母子を守ろうとワチャワチャする商店街の連絡網。
どれもが滑稽で温かい。
確かに哀歌は流れていない。日々は流れ続けるから哀しんでばかりもいられないのが日常。
男子高校生達の将来は明るい。大学で都会に出ても、この町で過ごした無邪気さは忘れないでいてほしい。
てか、東京とか行くなよw -
Posted by ブクログ
ネイルというものに、これまで全く馴染みがなかった。
しかし本作を通して、ネイルそのもの、そしてネイリストという仕事に対する印象が大きく変わった。
ネイルは生活に必須のものではない。
文中にもあったように、ネイルをしてもお腹は満たされない。
それでも、心を満たし、人生に張りや輝きを与えてくれるものなのだと感じた。
その小さな願いに真摯に向き合い、形にしていくのがネイリストたちである。
ネイルを施されたお客さんが幸せそうな表情を浮かべ、
その姿を見てネイリスト自身も幸せを感じる。
与える側と受け取る側、双方が幸せになれる関係性が、
細やかでリアリティのある描写で描かれており、とても印象に残った -