三浦しをんのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ複雑で美しい表紙に惹かれる本。
自由なイケメン書家と、彼に筆耕を依頼するホテルマン。墨がつなぐ30代男ふたりの日常、ベタベタしない飄々とした空気感が心地よい。ちょっと「まほろ駅前」を連想させる雰囲気です。
ホテルマンの口述を書家が書き起こす「代筆屋」が面白い。これが軸になるのかな?と思えばそれほどでもなく。
書家の秘密は、登場した瞬間に「まぁそういうことなんだろうな」という描写があったので、強い驚きはなく。
それでも時折、服のスリットから生の肌が覗くように、美や過去の鋭利な片鱗がひらめいて読者を魅了するのは流石です。
読み手としては、もうちょっとストーリーで翻弄されたかったかな。あとお -
Posted by ブクログ
Audible用に書き下ろされたとのこと。そんなのもあるんですね。
といっても後から紙本も出ているようだけど。
櫻井孝宏の美声が心地よい中編小説。
ホテルマンの青年が、書道教室を営む書家の青年に筆耕を依頼するお話。
三浦しおんさんは舟を編む以来です。
書の描写や、細やかな猫の生態、子どもたちの会話などが美しい一冊でした。
オーディオブックは、ながら読書用ではありますが集中してないと聞き逃したりするので、散歩とか移動のときに聞くのが良いです。
家事しながらとかだと、ふと他に気をやったら分からなくなったりします。
櫻井孝宏ボイスをBGMにするだけというのも大いにありですが。
この本で感想 -
Posted by ブクログ
ネタバレ箱庭で暮らす少女たちの狂いを描いた小説。らしい。らしいと言ったわけは、後書きにそう書いてあったから。那由多が遭遇した痴漢や淑子の母親の狂いが強くてよくわからなかった。
おそらく、リアルを表現するため、あえて淑子の失踪のオチや脅迫文の真相を曖昧にしたのだろう。でも曖昧にしてるわりに狂いの表現も曖昧だから全体的にふんわりしてた。
読みやすさを重視するか、独特の世界観で読者を置いてけぼりにするか、どっちかに偏った方が良かったかもなぁ。
痴漢のアグレッシブさが1番面白かった。
少女たちの感覚の鋭さ(那由多の洪水が迫る感覚、淑子の誰にでも仲良くなれるため誰の1番にもなれないと思うところ、翠のま