三浦しをんのレビュー一覧
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原武史先生の自由なオタクぶりに感心した。同時に、専門家の話をきちんと受け止めつつ、自分の感覚や意見でしっかり渡り合うしをんちゃんって、なんてステキなんだろうと、あらためてファンになった。
天皇について語ることって、週刊誌的興味以上のことはかなりデリケートだ。そこに果敢に踏み込んでいく対談なのだが、原先生が筋金入りのテツで、話はしばしばそっち方面に脱線、結果的にあまり構えずに読んでいける形になっている。我らがしをんちゃんがすごく勉強していることに感心するのだけど、あくまで実感から離れずに話が進んでいくのもいい感じだ。
それにしてもまあ、皇室関連のエピソードで、え!そうなの?知らなかったーっていうことが次々出てきて驚く(昭和天皇が膵臓癌だったって周知の事実なの?)。「生前退位」をめぐる報道についての疑問など、言われてみれば確かに、ということも多く、考えさせられた。 -
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三浦しをんさんがさまざまな媒体に寄稿した書評群を一冊にまとめた書評集。
多読な三浦さんの書評ということで楽しみにしていたが、想像以上のボリューム感!扱う本のジャンルもさまざま、ついでに掲載媒体によって三浦さんの語り口もさまざまで、とにかく長く濃く楽しめる一冊。
個人的には、三浦さんの御本をいろいろと読んでいるくらいなので、現代小説を読むことが多いわけだが、三浦さんが紹介されるのは、古典(それも源氏物語とかの、マジな古典)関係やヤクザ本(!?)など、多岐多彩。紹介されなければ存在すら存じ上げなかったかも・・・という本に出会えるのがやはり書評の醍醐味。三浦さんの紹介はいわずもがな、読んでみたいな~!と感じさせる魅力に溢れています。
巻末に『おわりに』、とあとがきがついているわけだが、ここでまたさいきん読んだオススメ本の書評がたっぷり投下されるという衝撃的構成。
さらにあとがきのなかでもBL本のくだりに入った途端にテンションが2オクターブくらいあがり、冊中MAXの軽快な語り口が到来するという・・・そんなところも三浦さんらしい、楽しさが詰まった一冊でした。 -
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あなたは、人形浄瑠璃・文楽を知っていますか?え、知らない?大丈夫、ぜったい退屈しない仕掛けが満載!ほお、ご存じですか。でもちょっと待った。あなたの知らなかったことが、こっそりと書かれています。―若き直木賞作家が、いかにして“文楽くん”に恋をし、はまっていったのか。文楽の真髄に迫るべく資料を読み、落語を聞き、突撃インタビューを敢行する愛と笑いに溢れたエッセイ。小説『仏果を得ず』と合わせて読むと、おもしろさ10倍増。(表紙裏)
特定のテーマについてのエッセイは、そのテーマに何らかの関心を持っていないと面白くないんじゃないかと思っていたが、そんなことはなく、文楽=人形浄瑠璃にずるずると引き込まれそうになった。
軽妙な語りは読みやすく、文楽についての基礎知識はさらりと、演目については独自の解釈も交えつつあけすけに語っていて、まず読んでいて楽しい。 -
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ネタバレ三浦しをんの「よそゆき仕様」のエッセイ。
しをんさん、楽しい、めっちゃ楽しい。
こんな人、友達とは言わない、知り合いだったらいいのに
と思うほど私は大好きだ。
なんだか、ない見栄を引っ張り出して張って生きてる自分は
つくづく悲しい奴だなぁと思う。
しをんさん読んでると
生活の中の面白さとけだるさが
わらわらわらぁと伝わってくる。
たまたま乗り合わせた電車での青年たちの会話や
小学生の会話。
いくらだって心が揺れるじゃないか!
しをんさんの文章読みながら
笑ってる私は相当気味悪そう。
でも、気にしないんだぁ。
石和温泉の足軽に扮して大人のチャンバラが面白そうだった。
私も足軽になってみたい。
単行本では石和温泉に振り仮名がうってあり
「いわさおんせん」となっていたが、
これは間違いですね。校正ミスですな。
「いさわおんせん」と読みます。
もちろん、文庫ではなおってました。
一瞬、今まで間違えて覚えていたのかと思って調べちゃったよ。
お客さんに自信満々で間違った地名言ってたことあるからねぇ。
あと、
しをんさんの年齢を疑いたくなるような
古典的な言い回しがツボです。
これは小説の時も、時々出てくるような気がする。
多分、それが昭和生まれのおばちゃんにも
違和感ないだと思うわぁ。 -
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作家の一日は忙しい。「シャツがイン」のあるべき姿を考察し、脳内政界ラブロマンスに思いを馳せ、ジョジョTを着て打ち合わせにむかう。タクシー運転手さんにはモテ女を演じ、野球場のゲイカップルをやっかみ、天丼を求め夜の町を彷徨う…。キャラの濃すぎる家族や友人たちに囲まれて、妄想アドレナリンは今日も絶賛分泌中。愛と笑いで読者を包む、情熱的ミラクルエッセイ。(表紙裏)
これまでのエッセイ集に比べて、家族ネタが増えているかなぁというのが印象。面白さは変わらずです。
珍しい一人旅では、運転の描写にはらはらしつつ、一人旅だからこそのあれこれも語られており、また以降も綴ってほしくなりました。
『なんだかんだで楽しくすごす』(P123)
『島根紀行 その一』(P213) -
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閉鎖的な島で、外へ出ていく悟史と島に留まる光市が体験する島での「不思議」な体験。ただの伝説なのか本当なのか、あれとは何なのか…はらはらしながら一気に読んでしまった。
悟史と光市みたいな友人関係、憧れます。二人は持念兄弟という特別な繋がりを持つ。けれど光市は「持念兄弟じゃなくても悟史と一番仲良くなった」と言う。
二人のように離れていてもお互いを信頼して、再会してすぐそれまでのように振る舞うのは難しい。実際は目に見える繋がりを求めてしまい、そうやってすれ違ってなかなかうまくいかない…。「契約のいらない友愛、自由な拘束」、理想です。
荒田と犬丸の関係も良い。 -
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生まれて初めての合コンで『新選組! 』を語る、クリスマスイブに実家でイモの天ぷらを食す、非常にモテる男友だちの失恋話に相槌を打つ――思わず自分でツッコミを入れてしまう微妙さに懊悩しつつ、それでもなぜか追求してしまう残念な感じ。異様にキャラ立ちした家族や友人に囲まれ、若き作家は今日もいろいろ常軌を逸脱中。爆笑と共感がこみ上げる、大人気エッセイシリーズ!(裏表紙)
毎度毎度後に残るものはないけれど、読んでいる間はほぼほぼ笑えるという素晴らしいエッセイ。
ただ、会話文が長くなると、ちょっときついかなぁ。
「想像をかきたてるもの」は面白い発想だと思いました。他の小タイトルも合わせてありますが、漢字プラスカタカナ(どちらも名詞)は読んでいて気持ちいい。 -
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欲望の発露する瞬間を考察し、友人と特異な「萌えポイント」について語り合う。伝説の名作漫画『愛と誠』再読でその不可解な魅力を再検証。世界の名作『嵐が丘』を読み乙女のテイストを堪能し、女同士でバクチクライブ旅。独自の見所発見の映画評、旅先の古書店の謎を探索。物語の萌芽にも似て脳内妄想はふくらむばかり――小説とはひと味違う濃厚テイストのエッセイをご賞味あれ!(裏表紙)
お気楽に読めて適度に笑える、と三浦しをんさんのエッセイは疲れている時に手に取りやすいです。
今回も大当たりが一つあり、それだけで十分満足(「この人また象に手紙送ってきましたよ!)。
ただ、解説の林望さんは…上の世代の方を取り込もうとしたのでしょうか。ちょいと苦しいような…。 -
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自分の若い頃を思い出す
就職活動をする女子大生の姿が生き生きと描かれている。家柄を考えれば、無理して就職をする必要も無いと思われるが、それに対して反発してなんとか自活して生きていこうと考えている。
漫画を趣味とする主人公の可南子は出版社で働きたいと願う。未だ男性優位の考えがうっすらと残るのが会社であり、筆記試験では合格しても面接では面接官のなんとなく女性を馬鹿にしたような質問に窮して、上手くいかない。大手業界は落ちてしまうのだが、中小の業界への就職活動を諦めずに続けていく。
大学の友人たちとの気心の知れた気軽な会話には、はやり言葉など世代の違いがあって意味が分からず、辞書を引いて理解するという面倒を感じたが、正直、逆に余計に興味をそそられた。面接試験で面接官とのやりとりのことなども、若い人の考えていることがここでは感受性たっぷりに描かれている。
物語は、試験に受かるかもしれないと期待をしていた小さな出版社から不採用の通知を受けて意気消沈していた時、家出をしていた弟が帰るという幸な結果が同時にもたらされる。そして家族の暖かい絆に改めて気付いてそれを抱きつつ、おそらくは再び出版社への就職活動に挑戦するというところで終わる。読後感が良い。