恩田陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小さな丘の上に佇む古い洋館。
そこに住む小説家。
二段重ねのこじんまりしたケーキのような家は、遠目には結構愛らしい。2階の小さな破風、1階の小さなポーチ、明るいキッチン。静かに暮らすこの家には たびたび客が訪れる。今日の午後も男が1人やってきて、小説家にたずねる。「どうしてこんなに古くて不便な家を買い取ったのか?」と。訪問客はみな「なぜ?」と聞く。「『何か』をみたことはないか?」と聞く。2階の窓で、ポーチで、キッチンで。
_どうやら この家は『幽霊屋敷』として有名らしい。
各章で語られる 洋館で起きた過去の凄惨な事件や 不思議な出来事。読み進めていくうちに 本当に怖いのは幽霊なのか 生きて -
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Posted by ブクログ
高校時代に関わりのあった綾音・衛・箱崎一 の名字にザキがつくザキザキコンビ。
それぞれが昔を回顧する群像劇。高一で三人組でフィールドワークのようなことをし、田舎で昼間人がいないことが記憶に残っていたり、それぞれの大学時代の思い出が語られている。高校時代に出会い、関わりはあるが関わりがない人生の進行が描かれている。綾音は本、衛はベース、一は映画を意識の差はあれど大学で取り組んでいた。
一人が伸ばした興味の先に、他人の興味がぶつかっている、関わりが拡散から収束している美しさ・偶然の運命に心が動かされた。過去に同じ体験をした人たちがそれぞれの人生を歩んでいく風景が心にぐっと来た。
自分にこのように