あらすじ
コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。菱沼が課題曲「春と修羅」を作曲するきっかけとなった忘れ得ぬ教え子への追憶「袈裟と鞦韆」。幼い塵と巨匠ホフマンの永遠のような出会い「伝説と予感」ほか全6編。最終ページから読む特別オマケ音楽エッセイ集「響きと灯り」付き。
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Posted by ブクログ
祝祭 と 予感
蜜峰と遠雷を読み終えてから
読まなければと思っていました。
この物語でしか感じられなかった強烈な色彩を
想いながらの時間でした。
読み進めて直ぐに
風間塵さん、マサルさん、亜夜さんに再会!
この物語に深く入りながら楽しくて、楽しくて
あっという間の時間でした。
また 響きと灯り が凄く心を刺激して
恩田陸さんの素敵な色彩を感じられて
物語も恩田陸さんも大好きだなぁと
心から感じられた読後感でした♪
物語のなかで
「 こんにちは。お名前は? 」
男の子は頷いてニコッと笑った
「 かざまじん、です 」
はきはきとした声。
「 僕は、ユウジ 」
彼は、ゆっくりと言った。
男の子の口が「ユウジ」と動くのが分かる。
「 ユウジ・フォン=ホフマンといいます。
どうぞ、よろしく 」
彼が手を差し出すと、男の子はニッコリ笑って、
その手をしっかり握り返した。
この物語の色彩が大好きです!^_^
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蜜蜂と遠雷で描かれた世界の短編小説。
ひとつひとつのストーリーは短いけど、
『春と修羅』の楽譜ができるまでのドラマ、
マサルとナサニエルの出会いから師事するまでのドラマ、
ナサニエルとミエコのコンクールでの出会いの回想、
奏のヴィオラを見つける物語、
風間塵とホフマン先生の出会い、
どの話も面白くて、あっという間に読んでしまった。
『蜜蜂と遠雷』シリーズは、本を読んでるだけなのに、音楽が聴こえてくるような錯覚を覚える作品だった。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷を読んで、風間塵とホフマン先生の出会いとかコンクール後の物語が読みたい!ってレビューで書いてたらこの小説があることを教えていただいて。読めてほんと良かった!蜜蜂と遠雷を読んでからこのスピンオフを読むとなんだろうな、幸せな気持ちになりました。登場人物のみんなが変わってなくて、やっぱ好きだなって思った作品でした。教えていただいた方、ほんとありがとうございました!
Posted by ブクログ
前々から楽しみにしていて、やっと読めました!
さらっと書かれていて、ちょっと重い内容なはずなところも重く感じないのがとてもうれしい、、
面白かったし、特に最後の2つの話が好きです!
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また塵たちに会えた☺︎
本編でフォーカスされていないキャラクターたちの人生も覗けて嬉しかった。特に、菱沼の『春と修羅』に込めた想いに胸が打たれた。
Posted by ブクログ
2022.04.12
蜜蜂と遠雷を読んだ人は絶対に読むべき!
また皆に会えた!という胸が踊る素敵な短編集。
1番好きなのは奏とヴィオラの出会いと、ユウジと風間塵の出会い
短編集はやっぱり物足りなくなり、もっと先を読みたい!と思ってしまうが
今もどこかで皆が音を奏でていると思うと嬉しくなる!
素敵な作品でした
締めくくりに
スピンオフだけど、エピローグ。蜜蜂と遠雷の続きでもあって、締めくくりの物語でした。心地よいアンコールのような気分で読みました。蜜蜂と遠雷の映画はまだ見てないのですが、是非見てみたいと思いました。
言わずと知れた蜜蜂と遠雷の続編です。同じように清々しさを感じます。音楽には全く興味がなく、今もテレビは基本的にニュース以外は見ない。ラジオも聴かない。電車等でイヤホンを使っている人が理解できないちょっと偏りがある私でも、恩田さんの文章はスッと入ってきます。良い作品です。
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「蜂蜜と遠雷」のスピンオフ短編集。
本編がとても良かったのを覚えているが、スピンオフの登場人物が本編のどんな人だったかが朧げ。
もう一度本編を再読してからこちらも再読したい。
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『蜂蜜と遠雷』スピンオフ作品6編+エッセイ集。
どれも面白かったですが
強いて選ぶとしたら『竪琴と葦笛』。
師弟のエピソードが心地良かったです。
次は『鈴蘭と階段』。
パートナーに巡り合う素敵な内容でした。
Posted by ブクログ
⭐︎3.5
「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ。
登場人物のその後や、過去、掘り起こしが読めて良かったです。
なぜか「鈴蘭と階段」が心に残りました。
特別奏が好きと言う訳ではなかったので、なんでだろう…
恩田先生のエッセイ集も載ってます。
「彼らの音楽活動は今もどこかで続いていて、きっと素敵な音楽を生み出し続けているんだろうな、という気がするのである。」あとがきより
登場人物たちが、今後それぞれの音楽と、どんな道を歩み、どんな人物になるのか見てみたいと気持ちもありましたが、私もそう願って本を閉じました。
Posted by ブクログ
「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ、短編6つ。
「蜜蜂と遠雷」は、読んで、すごく感動した作品だつたので、このスピンオフ作品に期待してた。
期待通りのどれも素敵なお話でした。帯にまた、仲間たちに会える!ってあったけど、本当にまた会えたって感じがした。
「祝祭と掃苔」の亜矢とマサルと塵の三人のやりとりも楽しいし、「獅子と芍薬」のナサニエルと三枝子の出会い、「竪琴と葦笛」のナサニエルとマサルの出会いとエピソード、「鈴蘭と階段」の奏とヴィオラの話も素敵だった。
ただ、私としては明石のお話も読みたかったなぁと思う。
Posted by ブクログ
『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ作品。
登場人物の別の面が描かれて面白い。
エッセイの中で登場人物に何の曲を弾かせるか、を決めるのに悩んだという話があり、作家さんの作品にかける想いを感じた。
Posted by ブクログ
『蜜蜂と遠雷』のスピンアウトの作品。『祝祭と掃苔』『獅子と芍薬』『今朝とブランコ』『竪琴と葦笛』『鈴蘭と階段』『伝説と予感』の六つの短編。
栄伝亜夜とマサルの綿貫先生の雑司ヶ谷の広大な霊園での墓参り。二人がコンクールで入賞したことを報告しにいく。風間塵はお墓は初めて見るものだった。
風間塵の父親は、養蜂の研究者でパリ大学生に勤めている、母親は、コズミックソフトアジアCFOだった。お姉さんは、バレリーナでヨーロッパのバレイ学校に行っている。ふーん。裕福な家庭の子なんだ。ホフマン先生の墓は、ドイツにある。風間塵とホフマンがピアノセッションしたテープがある。
嵯峨三枝子とナサニエル・シルヴァーグは、ベルリンのピアノコンサートで優勝者なしで、二人とも、2位だった。そこから、二人は縁があり、結婚し、離婚する。ホフマンに教えてくれと懇願したが、無理だった。それでも、ナサニエルは懇願し、やっと公表しないということで、指導してくれることになった。嵯峨三枝子の演奏は、素晴らしくヴィヴィッドでドラマチック。全身に染み入るしなやかでみずみずしい音。西洋の価値観がスタンダードになっているこの世界で生き抜く覚悟で戦う。ナサニエルは、連獅子のような髪をしていた。
菱沼忠明は、ピアノコンクールの課題曲を依頼された。それは指導した学生小山内健次は、実家が岩手でホップを栽培している農家だった。作曲家になりたかった。岩手に戻り、ホップを作りながら、作曲していたが、44歳で亡くなった。そして菱沼は、その弔いに行き、宮沢賢治に出会う。そして、課題曲を『春と修羅』とした。
いかりのにがさまた青さ
四月の気層の光の底を
つばきし 歯軋りゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
マサルとナサニエルの出会い。それはナサニエルはマサルを地下のジャズ喫茶に連れて行ったのだ。そこで、マサルは自分の音楽とはどうあるべきかを知る。
奏は、栄伝亜夜の入賞をきっかけに、ヴィオラを演奏することにした。そんなヴィオラを探していたが、ドイツにいる風間塵と栄伝亜夜が、ヴィオラを見つけた。そのヴィオラは、チェコフィルハーモニーのヴィオラ奏者パヴェルだった。譲り受けた。
蜜蜂と遠雷の周辺を埋める短編だ。
付録に音楽エッセイがついていた。
オーケストラを始めて聴いて、プロコフィエフの『三つのオレンジへの恋』が印象に残っている。
ブラームスの二つのラプソディをピアノで弾いた。ブラームスのやるせない、もどかしい、せつないなどの形容詞が相応しい。
『ドミノ』似合うプリンスの「ザ・レスト・オブ・マイ・ライフ」
『錆びた太陽』は、ストレイテナー『VANISH-Prototype』
著者は、ピアノを早くからやっていたことを知る。どんな曲を選ぶのかまで、考えている。
Posted by ブクログ
待望のスピンオフだけでなく、エッセイまでついていて嬉しいサプライズでした。スピンオフはどの作品も語りすぎず、登場人物達の未来を予感させるもので益々みんなの今後について期待を膨らませてしまう。
本編の後書きを読み、どの様にして作品が作られていたのか気になっていたので少しその様子が垣間見れて嬉しかった。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷のスピンオフ作品。
短編集なので、あっという間に読み終えられます。亜夜やマサル、風間塵のその後がチラッと覗けます。思ってたよりもサラッとチラッとでした。が、これはこれでよいのかもしれません。
彼らの無限の可能性は読む人がそれぞれに自由に想像できる方がいいのかもです。明石さんの話がなかったのが少々気になりましたが。
個人的には菱沼先生の話が素敵でした。
本編では予選の課題曲を作曲した人で偉い大御所先生…くらいの印象しかなかったのでお弟子さんとの絆よかったです。ホップ組曲聴いてみたいです。
結構駆け足で読んでしまったので、本編と含めて時間のある時にじっくりと再読したいです、
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蜜蜂と遠雷のスピンオフ短編集。
その後の温度感も保っていて、まだ続いていると嬉しく思った。
登場人物たちのその後や出会いについて。
まだまだ魅力的な音が聴こえる気がする。
Posted by ブクログ
登場人物ひとりひとりにスポットが当てられ更に人物と物語に深みが生まれました。
たくさん読めると思ったら本の半分はエッセイで肩透かし……かと思いきや、エッセイを読むことで恩田陸先生がどのように常日頃から音楽と親しみ、今回の小説を書くにいたったかがわかり、これまた更に物語に深みが生まれました。「蜜蜂と遠雷」好きにはたまらない一冊です。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷のスピンオフ作品。
蜜蜂と遠雷が濃厚なスイーツとしたら、それと共にいただくストレートティーのような感じの作品。
清々しく読めて、かつ本作に描かれている登場人物達の違う側面が知ることができる。
本作を読んでから続けて勢いよく読める物語。
本作の演奏描写が素晴らしいため、この作品は読み応えがないとの反応も多く、軽さは否めない。
が、この軽さがゆえ、ストーリー展開は読者側の想像力(=妄想力)に委ねられるところもあり自由度があるかも。
今でも登場人物たちが世界のどこかで奏でているような気がした。
Posted by ブクログ
夢心地のような綺麗な小説だった。
蜜蜂と遠雷を読んだ時もそうだったが、クラシックを聴きたくなる。薄いのに満足感があったので読んで良かった。こっちの方が好き。
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大好きな作品『蜜蜂と遠雷』のスピンオフ。
登場人物の出会いや本編後の姿が描かれており、原作のファンであれば一読に値するだろう。この作品を含めてようやく『蜜蜂と遠雷』が完結したような気がした。
どれも本編の解像度を上げてくれる美しいエピソードばかりなのだが、明石の話も読みたかったと思った読者は多いはず。
恩田氏がいつの日か書いてくれることに期待したい。
以下、各章のあっさりとした感想。
『祝祭と掃苔』
塵・亜夜・マサルの天才トリオによる墓参り。
亜夜とマサルを繋いだ綿貫先生は影のMVPだと心底思う。珍しく年相応の姿を見せる三人だが、やはりピアノ談義を始まると話が終わらなくなる辺りが奏者らしくて素敵だった。
『獅子と芍薬』
若きナサニエルと三枝子の出会いを描く。
本編では気難しい天才肌の審査員という印象が強かった二人だが、そこには間違いなく彼らの物語もあったのだ。
すでに離婚している二人だが、どんな形でもいいので関係を持っていて欲しいと願うばかり。
『袈裟と鞦韆』
作曲家の菱沼が芳ヶ江コンクールの課題曲である「春と修羅」をどのようにして作り上げたのか。
私は詩集というものを読んだことがないが、作中に登場する宮沢賢治の詩は声に出してみると妙に心地良く、購入してみようかなと考えてしまう。
素朴でいて鮮烈に生きた菱沼の生徒・小山内健次と、岩手の文豪・宮沢賢治に捧げる曲。塵たちがコンクールにて演奏したこの曲に込められた真のメッセージを垣間見た。
『竪琴と葦草』
ナサニエルとマサルの出会い、そして彼らが師弟になるまでを描く。
やはり私は、『蜜蜂と遠雷』の中で最も好きな登場人物を聞かれれば、間違いなくマサルを挙げるだろう。
自信に満ち溢れているが決して尊大ではなく、礼節を重んじる好青年。そんな彼が気分屋で子供っぽい一面を持つナサニエルのことを心から尊敬していること、何よりそんな一面が大好きなことが分かり、美しい師弟関係を再認識した。
『鈴蘭と階段』
ヴィオラに転向したものの楽器選びに苦戦する奏が、奇妙な縁から自身のヴィオラを手にするまでの物語。
本編では塵・亜夜・マサルの三人を憧れの目で見つめていたり、この短編でも意気揚々とチゲ鍋を作っている様子から、私は奏に対して「平凡な音大生」という印象を抱いていた。
しかし、最後の強烈な描写によって読者は、「この子も将来大成する人物なのだろうな」と確信に至る。天武の才を持ち合わせていながらも、どこか平凡な彼女のことを好きになれた良いエピソードだった。
『伝説と予感』
本編で最も語られて欲しかった、塵とホフマンの出会い。
僅か13ページ、それも塵のセリフはほとんどない。
にもかかわらず、これほどまでに神聖さ・尊さを感じるのはなぜだろうか。私はこの話を読んだとき、わけもわからず涙腺が緩んでいた。
飄々とした大天才の印象が強かったホフマンだが、そんな彼からしても、風間塵という存在との出会いは文字通り運命的であったのだろう。
Posted by ブクログ
「蜜蜂と遠雷」の世界にまた浸ることができて、うれしかった。コンクールの緊張感とは違って、ああそうだったんだ、と思えた短編集。
「祝祭と掃苔」「獅子と芍薬」「袈裟と鞦韆」「竪琴と葦笛」「鈴蘭と階段」「伝説と予感」そして、最終ページから読む音楽エッセイ「響きと灯り」
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷のスピンオフ作品。
コンクールまでの道のりとその後を描いた作品。
正直読んでも読まなくても、といったところだが、個人的にホフマンとかざまじんの出会いを知れたのはよかった。
Posted by ブクログ
純粋に本編後のお楽しみのような、楽に読める一冊でした。お話自体はすごくオーソドックスで、ずば抜けた意外性や深みがあるわけでは無いのが残念。蜜蜂と遠雷は演奏のシーンが多かったのでその分迫力があったんだな、さらっと読んでしまったけど意外とすごい作品だったのかもと気付かされる一冊
Posted by ブクログ
蜂蜜と遠雷に続いて一気に読んだ方がいいな。
何年も経て、カタカナの名前を忘れてしまって誰だっけ?とか言ってるようじゃ、味わいきれた気がしない(笑)
各登場人物の、素敵な裏エピソード集だった。
Posted by ブクログ
「蜜蜂と遠雷」を読み終わった後の熱が冷めないうちに本作を手に取ることオススメします。中心的なピアニストたちの後日談や前日談、脇役的だった人物をメインにしたスピンオフストーリーにふれて、前作の話の背景にあったことも改めて味わい直すことができました。
Posted by ブクログ
コンサート後の物語でした。
蜂蜜と遠雷を読んで時間がたっていたので忘れていることが多く残念でした。
是非蜂蜜と遠雷を読んですぐに読んで欲しいです。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷のスピンオフみたいな作品。蜜蜂と遠雷をかなり前に読んでたから、登場人物たち覚えているかなと思ったけど、全然大丈夫でした。みんなキャラがしっかりしているからか、ちゃんと覚えていました。
短編小説になっていて、とても読みやすい。さらには登場人物たちの出会いなど裏話も知れて良かったです。
音楽を極めてる方々はすごいなと改めて思いました。あと楽器にも相性があるんですね。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷を読み終え、登場人物たちが好きになったところでの、「祝祭と予感」。
それぞれの出会いや、その後が描かれる。
蜜蜂と遠雷含め、ここまで音楽や音色を言葉であざやかに表現されると、格付け番組で素人とプロの演奏の違いも分からなかった自分の耳を残念に思う。この色彩を私も感じたかった。
Posted by ブクログ
蜜蜂と遠雷のスピンオフ短編集
コンクール終わってからの亜夜たちのストーリー、
春と修羅ができるきっかけとなったストーリーなど描かれてた
個人的には春と修羅の物語がよかった。宮沢賢治と小山内との関係性、そこから発想していく曲になって行くのが好き
奏のヴィオラ転向してからの葛藤やこれからの活動していく姿も好き