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北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫中の双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌(タブー)であった――。シリーズ第二弾、新装版!
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Posted by ブクログ
あ〜おもしろかった! 恩田陸さんのあの終盤に向かって全体が明らかになっていく疾走感がたまらない 前作の「MAZE」が本当におもしろかったので期待を込めて読んで結果やっぱりおもしろい 今回は特徴的で魅力的な主人公恵弥にけっこう視点を向けた作品になっている 北海道H市にいる双子の妹、和実を東京に連れ戻...続きを読むすため赴いた恵弥 和実は不倫相手の若槻を追いかけてH市にいたのだが、恵弥が到着した頃若槻は亡くなっており、その葬儀の日であった 恵弥の目的は和実を東京に連れ戻すこと、そして若槻博士が関わっていたと見られる「クレオパトラ」を探すことだった クレオパトラとはなんなのか?博士、和実、本妻の慶子、その親戚の多田、意味深な登場人物が次々と現れ、より分からなくなっていく…
何時もながら恩田さんの本は面白い。3部作の最後を読み真ん中を読み、始めを読んだが、それですら謎解きをしているようで面白かった。
とても面白かったー。 神原恵弥シリーズ。さくさくと読み進んであっという間に読み終わった。MAZEよりわかりやすかったかも。
何回読んだかわからないくらい好き。北海道を舞台に、亡くなった人が残した兵器を追う話。登場人物それぞれのスピンオフも読んでみたくなる。
彼氏(既婚)を追いかけてH市まで引っ越した妹を連れ戻しに、ついでに妹の彼氏が追っていた「クレオパトラ」が何か確認しに行ったがH市へ着いたところで連れて行かれたのは妹の彼氏の葬儀で…
恩田陸がこのような作品を書くのかと感心した。全く、違ったテイストだ。 主人公の神原恵弥のキャラクターがユニークだ。医学部を卒業し、外資系製薬会社に勤め、事業のシーズハンターである。精悍でタフだが、姉三人と双子の一人で、もう一人は女。都合四人に囲まれて育ったので、お姉言葉を話す。記憶力抜群で、一度...続きを読む見たら覚えてしまい忘れない。映像記憶能力が高い。 双子の一人、菅原和見は、東京の大手弁護士事務所の弁護士であるが、医学研究者の若槻慧と不倫をしていた。若槻が、北海道に移転することで、追いかけてH市に移転した。そんな和見を連れ戻すために、神原恵弥はH市にやってくる。 恵弥がH市で、和見に会った時には、若槻は死んで葬式だった。そこから、和見、そして、若槻の妻、慶子、さらに国立感染症研究所の多田直樹と繋がりができていく。 若槻慧の手帳には、クレオパトラという文字が書かれていた。そして、神原恵弥と会う約束もあった。そのクレオパトラとは、一体何なのか?が、この物語では追いかけられていく。 和見は、医者に対して、惜しみない慈愛を持って接しているのはわかるが、どこか偽物くさい違和感がある。患者にこんなに慈愛を持っている私を愛してる医者がいる。エセ医者らしい雰囲気を若槻にも感じていた。 天然痘は、1980年世界保健機関(WHO)によって、根絶が宣言されている。感染症で根絶が成功した唯一の例である。牛痘は、牛にかかるウイルスだが、人間にも感染する。しかし、牛痘は人間に感染しても、軽い発熱や水疱が出るだけで、軽い症状であり、天然痘に免疫もできる。そのため、牛痘を使って、天然痘の免疫を作ることができる。 天然痘の歴史は古く、紀元前1100年代のエジプト王朝のラムセス五世が天然痘で亡くなった。ローマ帝国のアントニヌスの疫病も天然痘とされ、350万人が死んだ。アメリカインディアンの絶滅に天然痘が大きな役割を果たした。アステカとインカ帝国の滅亡の要因に天然痘が関与したという説もある。 日本には、佐賀藩の藩主、鍋島直正が、最初に種痘を実施した。1849年だった。 本書では、択捉島でロシア人に捕まって、シベリアに抑留され、その後種痘療法技術書を北海道に持ち帰り、翻訳されたのが1820年。幅広く種痘がなされた。北海道には種痘技術が受け継がれていた。 その若槻慧の書いた「クレオパトラ」は、牛痘なのか?天然痘なのか?を神原恵弥は追いかけていく。制約会社にとっても、大きなビジネスチャンスでもある。 H市には、小高い丘があり街が眺望でき、近くには五稜郭もある。ただし、H市は海岸に面して、山に囲まれていて、火事が起きやすい。海上からの風で火災が起こりやすい。そのことも、一つのミステリーともなる。気楽に読めて、神原恵弥の場面の切り替え方のうまさを堪能できる。
女言葉を使う美青年というキャラが立ってた。最初頭の中でイメージが組みあがらなかったが、慣れると印象がすごい。 サスペンスなのか、歴史ものなのか、宝探しなのか、SFなのか、メロドラマなのか、いろいろ要素があって楽しめた。
夢から覚めると何も残っていない。寂しさすら感じる読み終わりが、なんとなく冬のH市のイメージにしっくりくる。 途中会話や態度がまどろっこしく若干苛つきを覚えてしまったが、歳を重ねて狡さばかりが育ってしまうと、特に身近な人に対しては素直になれなくなってしまうもんかと腑に落ちた。 登場人物の印象が進むにつ...続きを読むれてどんどん変わっていくので、一息で読んで欲しい作品。
外資系製薬会社に勤める恵弥は、双子の妹、和見を不倫相手から引き離して東京に連れ戻すために北海道に行く。 その相手はちょうど亡くなっていたが、彼が研究していたのは天然痘ウイルスらしく、製薬会社から防衛庁まで複数の人たちが、そのありかを探してうごめくという、スリリングなストーリー。 恵弥が女性言葉を使い...続きを読むながらも(多分)イケメン、和見がむしろ男性っぽいサッパリタイプという設定や二人の掛け合いも面白く、ワクワクしながら読み進めた。 こんな兄、ほしいなぁ。。(笑)
- ”オネエキャラ”ってなんですか? それはね、ある種の見せ物や芸能ということを分かった上で、男性でありながら女性っぽい言葉を用いる人たちのことを言うんですよ。 - 女性っぽい言葉ってどんな感じですか。 『なあによ。感じ悪いったら。』 『ねえ、このコートはまずいかしら?あんた、何かまともなコ...続きを読むート持ってない?』 『フン、何よ、たまに会うとみんな冷たいのよねえ』 『何よ、あんたったら、随分突っかかるわね。何が言いたいのよ、さっきから』 『じゃあお願いしようかしら。送り狼は無しでよろしくね』 …というような感じですね。聞いたことがあるでしょう?テレビで強烈な印象を放っている、あの芸能人、この芸能人の姿が目に浮かびませんか? - 面白そう。そんな”オネエキャラ”が登場する小説ってありますか? はい、自信を持ってご紹介しましょう。「クレオパトラの夢」。恩田陸さんが描く”オネエ”な主人公が大活躍する物語です。 『駅のホームに降り立った時、神原恵弥 (かんばらめぐみ) はこの上なく不機嫌であった』、そして『なによこれ、寒いじゃないの』と呟く恵弥。『中肉中背、すっきりと髪を刈り上げ、精悍、端整、酷薄とでも形容すべき顔』、『黒革のパンツに黒のブーツ、黒のムートンのコートという隙のないいでたち』の恵弥。『今回、彼が大嫌いな酷寒の地、H駅に降り立ったのは幾つかの理由がある』というその時、『恵弥』と呼びかける声。『和見。お久しぶり』という数年ぶりの兄妹の再会。『髪、随分伸びたのね。見違えちゃったわ』、『そう?昔から長くしてたことが多かったじゃない』という『ちょっと見には、三十代半ばのカップルに見える』二人。しかし『二人の会話に耳を澄ましてみたなら』、それは『まるっきり女子高校生どうしの会話か、仲のよい姉妹の会話としか思えない』という二人。『神原家は、女系家族』であり『恵弥もすっかり女性たちの生活に馴染』み、『レースやリボンや香水瓶のような、綺麗なもののほうが好きだった』という恵弥は『周囲からさんざんその女言葉をからかわれた』生活を送るものの『自分が自然に思える、女言葉を遣う生活を選んだ』という結論。『恵弥、今日はゆっくり飲もうよ』という誘いに『そうね。その前に、目の前に横たわるあんたの問題を解決しなきゃならない』と答える恵弥。和見は『大丈夫。じき解決するから。恐らく今夜』と他人事のように答えます。『どうしても外せない』という和見が言う知人の告別式にまず赴くことになった恵弥。『坂を上ろうとして、和見が付いてこないことに気付いた』恵弥。『どうしたの。早く済ませようよ』と言う恵弥に『あたしは行けないの。恵弥、あたしの代わりに行ってきて』と突然言い出す和見。混乱する恵弥は寺の看板に目をやります。『故 若槻慧博士告別式会場』という見覚えのあるその名前。その瞬間『背中を波のような戦慄が駆け上が』ったという恵弥。『ちょっと、和見。本当にそうなの?これがあの彼なの?』と問う恵弥。『言ったでしょう、今夜終わるって』という『その声には、疲労と孤独が滲んでいて』愕然とする恵弥。『しかし、決してこの夜は、全ての終わりではなかったのである』、とH市を舞台にした物語は大きく動き出すのでした。 『神原恵弥』という“オネエキャラ”が縦横無尽に活躍するこの作品。恩田さんの作品群では『神原恵弥シリーズ』三部作とされ、この作品がその2作目となります。私はシリーズ第1作の「MAZE」を既読ですが、読後の正直な感想としては、神原恵弥という強烈な”オネエキャラ”が活躍するというだけで、直接的な繋がりもなく、読む順番が違っても全く問題ないと思いました。恩田さんの小説では、キャラの濃い登場人物が多数存在しますが、この神原恵弥はその中でも筆頭格間違いなしなので、いずれにしても強烈な印象が残ります。ただ「MAZE」は異国の地の丘の上に立つ謎の白い建物が舞台ということもあってそのキャラ感が設定の中に埋没しそうな感がありましたが、この作品の舞台は北海道のH市という日本国内、つまり普通の日常に登場する分、インパクトはとても大きいです。ただし、不思議なのが『H港をぐるりと囲むようにして市街地が広がっている』、『世界三大夜景とも言われることで有名なH山』、そして極めつけに『明治維新の終結した場所…土方歳三が近くで最期を迎えた』G稜郭がある…という伏せ字だらけのそのH市。ここで取り上げた記述だけであの都市のことというのは丸わかりです。それを敢えて伏せ字にする意味が、これは最後までよくわかりませんでした。ただ、伏せ字の方がミステリー感は増すような気はします。そうです。これは恩田さんのミステリー小説です。恩田さんの作品を読まれたことのある方は、作品の結末を読者に任せるような、読者を突き放すような終わり方の作品が多々あり、ここが賛否両論分かれます。私は他の作品のレビューで”途中の世界観を楽しむ読書のススメ”と書いていますが、恩田さんの作品は雰囲気を楽しむ小説なので突き放されても構わないと思っています。でも、一方でそれに不満を訴える方の気持ちもわかります。そして、この作品は強烈な”オネエキャラ”の活劇を楽しめる一方で、きちんと決着した結末も見せてくれるので、”ミステリー小説”ということでも安心して楽しめると思います。 なお、他の作品繋がりということでは、この作品の直前に、偶然にも短編集「朝日のようにさわやかに」を読みましたが、そちらに登場する〈冷凍みかん〉のお話がそのまんま登場します。恩田さんの作品も読む順番が結構重要ですが、「MAZE」→「クレオパトラ」でなくても大丈夫ですが、「朝日」→「クレオパトラ」の方が楽しめると思います。この情報は少なくとも私はどこにも見たことがなかったので、ご参考までお知らせしたいと思います。 この作品は兎にも角にも”オネエキャラ”である神原恵弥なしでは語れません。現実世界で活躍する”オネエキャラ”には当然ながら人によって好き嫌いはあるでしょう。この作品の神原恵弥も、読み始めてしばらくはその話し言葉に対する違和感がどうしても拭えませんでした。それは、作品に登場する人物の戸惑いにも現れています。『恵弥のようなタイプを拒絶する男性は多い。彼の話す言葉を聞き、露骨に嫌悪感を見せる者もいる』という記述は、恩田さんがそんな読者の戸惑いを予想してかの如きものです。しかし『彼には不思議な吸引力があって、嫌悪感を覗かせていた者も、彼の相手をしていると、しまいには彼のペースに巻き込まれ、彼の流儀を認めてしまうことになる』と恩田さんは続けます。実際、作品を読み進めるに従って、読者は神原恵弥という登場人物の人懐っこさになんだかどんどん気を許してしまう、そして、その活躍を応援したくなる、そんな気持ちに感情が変化していることに気づきます。私は、”オネエキャラ”というのはあまり得意ではありません。でも、恩田さんの描く神原恵弥という”オネエキャラ”にはすっかりハマってしまいました。恩田さんの筆の魅力には勝てない、そう感じさせてくれた作品でした。 『クレオパトラは毒蛇に自分を噛ませて自殺した』と伝えられるその謎の死。そしてそんな『クレオパトラ』という名のつく何かを探し求めるこの作品。謎が謎を呼び、誰が味方で、誰が敵なのか、最後の最後まで予断を許さない緊迫感のあるストーリー展開。そして、そんな作品の舞台の上で大立ち回りを演じる”オネエキャラ” 神原恵弥。「蜜蜂と遠雷」や「夜のピクニック」のイメージとは似ても似つかない恩田さんによる極上のエンタメ・ミステリー。気軽に楽しむ恩田さんの一冊、そんな作品でした。
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