恩田陸のレビュー一覧
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「三月は深き紅の淵を」から始まる、水野理瀬が登場するゴシックホミステリー。
ある英国貴族の屋敷に招待客が集められた。
表向きは主人の誕生日に伝説の聖杯を披露するとのことだが、裏では主人に対する脅迫が届いていた。
その屋敷には英国留学中の水野理瀬も招かれていた。
彼女に対して、この家の息子アーサーは彼女に対する警戒心を強めていた。
一方、世間では胴体だけの死体が遺跡の列石に置かれていた死体遺棄事件で話が持ちきりだった。
しかし、それを模した状況の死体が屋敷の林で見つかった。
しばらく恩田陸の小説から離れていたが、登場人物たちの探り合いのミステリーが恩田陸の真骨頂だと思う。
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Posted by ブクログ
作家の筆で描き出される目の前の風景を味わうのが、紀行文を読む楽しみ。
人によって旅の目的はさまざまであり、興味の対象、目に留まるものもそれぞれ違うことが新鮮である。
旅という異界の中にちょっとずつ自分を置いてくるという。自分のかけらは今も異国の地にあるという夢見るような感覚は、行った人でないと分からないのだろう。羨ましいことだ。
付録として、恩田さんの愛読する「旅の本」の紹介、土地ならではの地霊を感じて書かれた恩田さんの作品の紹介も載っている。
これからの読書の案内にもなる。
『ロンドンで絵を買う』
同行者から「イギリス児童文学の挿絵を専門に扱っているギャラリーがあるのでそこに行きたい」と言 -
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早速ですが質問です。あなたは、次のどちらを選ぶでしょうか?
『A. 八〇万円もらえる。
B. 一六〇万円もらえるが、五〇パーセントの確率でゼロになる可能性がある。』
いかがでしょう?私なら『A』を選ぶような気がします。『八〇万円もらえる』ことが確約される方が良いかなあ…と。では、次の質問はどうでしょう?
『A. 八〇万円損する。
B. 一六〇万円損するが、五〇パーセントの確率で損失ゼロになる。』
さて、どうでしょうか?先ほどの質問と似てはいますが、今度は『A』を選ぶと『八〇万円損する』ことが確定してしまいます。う〜ん、これはなんだか『B』を選びたくなってきます。一か八か -
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恩田陸のデビュー作「六番目の小夜子」の主人公である秋の父親・関根多佳雄を主人公に据えた、本格ミステリ短編集。
元判事で大のミステリ好きの多佳雄が安楽椅子探偵さながらにさまざまな謎を解いていく連作短編12篇。
それぞれがバラエティに富んでいて飽きさせず、小さな違和感から論理的思考によって謎を解き明かしていく過程がたまらなくゾクゾクする。
多佳雄もさることながら、検事である息子の春(しゅん)のキャラクターもいい。
江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」、「パノラマ島奇談」や中原中也の「北の海」、アンセル・アダムスの「エルナンデスの月の出」など小説や芸術作品をテーマに盛り込んだ話も多く作者の知識の広さは -
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「『蝙蝠』が上海に入った」。豫園からほど近い路地裏の骨董品店に緊張が走った。門外不出のお宝が闇のルートで輸入されたのだ。虎視眈々と狙う店主だが、なぜか問題の品は、人気急騰中のホテルの厨房に流れ着いていた・・・。かつて東京駅で数奇な運命を共にした面々に、一癖も二癖もある人物たち、さらには動物園脱出を目論むパンダも加わって、再び運命のドミノが倒れ始める!予測不可能、爆笑必至のパニックコメディの金字塔!!
前作から随分たちますが面白さはパワーアップしていて本当にあっという間にぐいぐい読みました。ダリオや厳厳など動物目線のパートも違和感なく、むしろ人間以上に感情移入してしまう筆力とテンポが素晴らしい -