恩田陸のレビュー一覧

  • 祝祭と予感

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    登場人物ひとりひとりにスポットが当てられ更に人物と物語に深みが生まれました。
    たくさん読めると思ったら本の半分はエッセイで肩透かし……かと思いきや、エッセイを読むことで恩田陸先生がどのように常日頃から音楽と親しみ、今回の小説を書くにいたったかがわかり、これまた更に物語に深みが生まれました。「蜜蜂と遠雷」好きにはたまらない一冊です。

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    2024年12月30日
  • 夜明けの花園

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    理瀬シリーズのキャラクター一人一人に焦点を当てた短編集。
    黎二と麗子の過去など本編に描かれていないことが盛りだくさんで比較的楽しむことができた。
    しかし「麦の海に沈む果実」以外の内容はほぼ抜けていたため一部、ん?あなた誰?となる部分もあった。
    読む前に一度シリーズを再読しておいた方がスラスラ頭に入るかも…

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    2024年12月22日
  • ブラック・ベルベット

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    神原恵弥シリーズの第三弾。
    久しぶりにこのシリーズを読んだけれど、やっぱり面白い。
    気になった部分が全て明かされるわけではないけども、読後はスッキリする。
    T共和国行ってみたいな。

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    2024年12月21日
  • 灰の劇場

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    ネタバレ

    ①2人の女性が心中したという事件が心に引っかかって、それを小説家しようとする作家、②その作家が書いた2人の女性を題材にした小説、③その小説が舞台化されることになったときのこと、の3つを並行して書くお話。

    ①のパートは具体的な現実の事象がたくさん出てきて、妙にリアルな書き方なので、ものすごくノンフィクションっぽいのだけど、実際どこまでフィクションなのだろう。

    分かりにくいところもあったけど、各パートそれぞれ印象に残る場面はあって結構面白かったです。

    最後のところで、ノンフィクションがフィクションに飲み込まれるようになるのが良かった。

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    2024年12月19日
  • まひるの月を追いかけて

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    恩田陸は人の心の鬱屈というか無意識下、生々しい暗さを上手く具現化し表現するのが非常にうまい。

    旅の中でほぐれていく心の様が繊細でまるで自分の心も解きほぐされていくような気持ちになれた。

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    2024年12月19日
  • 夜果つるところ

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    『鈍色幻視行』の印象で、もう少し耽美的で不気味なイメージの作品かと思っていたけど、思ったより直接的な死や血みどろシーンがあって、日本のお化け屋敷みたいな作品だった。
    意外にしっかり種明かしがある怒涛のラストに向けて、登場人物の描写がもっと分厚かったら、それぞれに感情移入できて更に余韻が深くなったかもしれない。
    まあ作中作という位置付け上、あまり分厚い大作にはしたくなかったのかなとは思う。

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    2024年12月18日
  • 愚かな薔薇 上

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    専門用語や謎が散りばめられていて、下巻を早く読みたくてしょうがないです。

    不穏な空気を漂わせて終わってしまったので、これがどのような終わり方を迎えるのか楽しみです。

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    2024年12月17日
  • 愚かな薔薇 上

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    ネタバレ

    現代が舞台かと思ったら、ちょっと違う。多分SF?
    外海に旅立つ「虚ろ舟乗り」を育てるキャンプに参加する少女の話。
    あらずじを読んで面白そうと思い購入。
    恩田陸さんの本は夜のピクニックを昔読んだのと、NHKでちらっと6番目の小夜子を見たくらい。
    最初から村の風習とか出て来るけど宇宙船があったりで色々盛り込まれててグイグイ引き込まれました。
    最後に出て来る政治家マジクソ。邪魔するなと思いました笑

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    2024年12月16日
  • 黄昏の百合の骨

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    淡々と、だけれど確実に引き込まれていく1冊だった。祖母の遺言ときょうだい達のそれぞれの目的。
    別冊のシリーズ内の別の登場人物の面影も物語に深みを与えてくれる。
    探偵がいないミステリーがお好きな方に。

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    2024年12月15日
  • 鈍色幻視行

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    ネタバレ

    秀作。
    大人版真夜中のピクニック。
    特別何が起こるわけでもない。登場人物の意識が変わって行く過程を綴っている。長文で大筋とは関係ない内容が多く、途中いやになってくる。だけど、無駄と思われる文章に恩田陸さんならではのセンスの良さ、エッセンスが盛り込まれていて、名文が多くハッとさせられる。

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    2024年12月14日
  • まひるの月を追いかけて

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    奈良、明日香、橘寺。
    奈良を巡る奇妙な関係性の不思議な旅行の物語。
    自分も奈良を旅してみたい。
    古墳、寺、沢山の遺跡に死と生が同時に在る感覚を味わい、生きる意味と死ぬ意味を自分の中に見つけられたらいいなと思う。

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    2024年12月13日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    蒔生と節子の回想と森の中を進む4人の描写が交互に展開されます。

    節子が1番冷静にみんなを見てるのが意外でしたね。
    憂理がもっと重要な役割を果たすのかなと思っていましたが、いまいち彼女は地に足がついていないというか、メインの4人より現実味がなく存在が薄く感じました。

    殺人事件が起こるわけでもなく、全体的に静かでしっとりしたお話でした。
    でもすごく人間をちゃんと描写してるというか、こういう人いるよね!とか、こういう気持ち私もなったことがあるけど上手く説明出来なかったんだよね、といったことが多くて全然飽きませんでした。
    人間の深いところが書かれているというか。

    次は黄昏の百合の骨にいきます!

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    2024年12月12日
  • 夜果つるところ

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    ああ、恩田さん。
    大好きな恩田さん。
    秋には必ずこの人の小説を一冊は読まなくては、と思ってしまいます。
    主人公の「びぃちゃん」は娼館に暮らし、
    三人の母親はそれぞれの距離で、憎しみで、愛情で、ビィちゃんに接します。
    そして暮れて咲く花のような館での、不思議な日々。
    それはいつしか立ち込め、色を濃くしていく硝煙に、血の色に、
    やがて終焉がやってくるたしかな足音を聞いているのに、
    それでも火は灯され続けていく。
    夜の濃い、そして人の激情の匂い立つ、お話でした。

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    2024年12月11日
  • 夜明けの花園

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    『麦の海に沈む果実』の登場人物にまた会える。

    本編では見えなかった感情、裏話、その後。
    少しだけでも垣間見えたことで、救われる気持ちがあったことは確かだった。

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    2024年12月10日
  • 祝祭と予感

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    蜜蜂と遠雷のスピンオフ作品。

    蜜蜂と遠雷が濃厚なスイーツとしたら、それと共にいただくストレートティーのような感じの作品。

    清々しく読めて、かつ本作に描かれている登場人物達の違う側面が知ることができる。
    本作を読んでから続けて勢いよく読める物語。

    本作の演奏描写が素晴らしいため、この作品は読み応えがないとの反応も多く、軽さは否めない。
    が、この軽さがゆえ、ストーリー展開は読者側の想像力(=妄想力)に委ねられるところもあり自由度があるかも。

    今でも登場人物たちが世界のどこかで奏でているような気がした。

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    2024年12月09日
  • 麦の海に沈む果実

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    閉鎖的な主人公の環境と相対するように変化していく外界のコントラストが終始美しい。
    魅力的なキャラクターが絡み合い、複雑な模様を作っていくような感覚だった。
    けれども気持ち悪さがないのは、きっと少年少女の清らかさゆえな気がする。
    不安、安堵、焦り、平穏の描写に飲み込まれていく文章だった。

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    2024年12月09日
  • ネバーランド

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    一人一人の抱える背景がとても複雑でびっくりしてしまったが、彼らのキャラクターが静かに魅力的で、真っ直ぐで、引き込まれてしまった。松籟館で生活を共にするなかで、各々が自己開示していき、深い関係になっていく様が他では得られない宝物であり、彼らの人生を支えていくのだろう。

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    2024年12月07日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    こういうタイプの本は、ほぼ読んだ事がなかったのですが、列車の旅を題材にしていたのが、気になり手にとりました
    ななつ星に乗った気分で、それぞれの旅を経験させてもらいました

    お値段もそこそこで、この先乗れることもないであろう列車ですが、様々な主人公を体験でき、切ない気持ちになりました

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    2024年12月03日
  • ドミノin上海

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     今回も楽しませて頂きました。人に保護されている動物までテラーとして登場するとは斬新さを感じましたし、キャラ設定も抜かりないところが秀逸に感じました。身も心も強い女性達は頼もしく優しい面が事態をより楽しい方向に導く点は面白い。
     映画の描写ではゾンビとキョンシーが登場するので、どちらも流行った時代を知っている身としては鮮明に絵が浮かびました。でもその動きはマイケルジャクソンのスリラーもよぎりました。

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    2024年12月01日
  • 私の家では何も起こらない

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    恩田陸のホラー。たしかに何も怒らなかった。何も怒らなかったけど、怖い。すごいな。何かが起こるわけでもないのに怖いって。筆力がありすぎる。起こった何かにフォーカスするというよりも、その場所で起こったあれこれを掘り下げていくという意味ではちょっと小野不由美の「残穢」っぽい感じもあるかも

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    2024年11月29日