恩田陸のレビュー一覧

  • まひるの月を追いかけて

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    恩田陸作品だから一筋縄でいかない事はわかっている。わかってはいるものの、この作品に関してはどういう事なのか、様々な疑問が残る。
    わかりやすい答えを探すような作品ではない。むしろ謎そのものを探しながら、こうではないか、ああではないか、と考える作品でもある。
    物語の流れはシンプルだし、なんという難しい事はない。中盤以降の展開に関しては唐突すぎて異世界にでも紛れ込んだような気分になる。
    ハッピーエンドともバッドエンドとも取れない、むしろ安易な答えを出させないような展開は沼か、あるいはどこか別の世界への扉でもあるかのよう。

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    2026年04月24日
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編

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    ネタバレ

    面白かった。
    小説を読んでるというより、仕事をする上で大事な考え方とかも学べた気がする。

    続編も決まってそう?なので、発売されたらまた読みたい。

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    2026年04月23日
  • 愚かな薔薇 下

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    恩田さんの作品で好みのものは、独特な世界観、空気感を感じる。内容というよりも、香りに近い感覚。加えて共通するのが土地のノスタルジー。今回もそんな独特な世界を感じた。荒唐無稽というか、世界終末論にも通じるが、何が起こるかわからない今の時代、あり得ないこともないのでは、、、。ジュブナイルな世界観もある。恩田さんが描く10代は大人びており潔い。

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    2026年04月23日
  • 黒と茶の幻想(下)

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    ネタバレ

    密度の濃い小説だなぁ。でも恩田陸の文章ってこう、しっとりして密度がある、一定のイメージを想起させるよね。本作もテーマからもうかなり恩田陸っぽいなと思った。

    学生時代からの友人である4人の男女がひょんなことからY島にJ杉を見に旅行に行くことになる。気の置けない友人同士だが4人の間には過去に消えた一人の女の影がちらついた。彼らの間に横たわる美しい謎を紐解き、過去を見つける4日間の旅についての物語。

    本当に個人的な感想ではあるけれど最初の利枝子の章がとにかくきつくて時間がかかった。恋愛というものが人生の基本構造として語られるのって違和感があるので、全然理解できない人間のみっちりした内面に触れるのって嫌なもんなんだなぁと思った。人間適度な距離が大事なんだね。でもそういう感想を抱かせる恩田陸の手腕には本当に舌を巻く。彰彦以降は恋愛感も薄れるので(完全には消えないけど)、だいぶ読みやすくなる。利枝子以外は全員それなりに共感できるものがあった。

    憂理と蒔生と利枝子の三角関係、彰彦と姉の確執、その姉と蒔生の暗い繋がり、彰彦と節子のさっぱりした関係、節子の事情……等々。人間って色々な場所で色々繋がっているし、人には思わぬ事情や深みがある。誰もが森を持っていて、本作ではそれを丁寧に拾い上げて描いている。物語の構造上、場面とともに、過去の振り返りと内省がえんえんと続く。内省って面白く読ませるの難しいと思うんだけど、割とずっと面白かったなぁ。

    ●あらすじ
    華麗にして「美しい謎」
    恩田陸の全てがつまった最高長編

    ――目の前に、こんなにも雄大な森がひろがっているというのに、あたしは見えない森のことを考えていたのだ。どこか狭い場所で眠っている巨大な森のことを。
    学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子。卒業から十数年を経て、4人はY島へ旅をする。太古の森林の中で、心中に去来するのは閉ざされた「過去」の闇。旅の終わりまでに謎の織りなす綾は解けるのか……?
    (講談社HPより引用)

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    2026年04月21日
  • 愚かな薔薇 上

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    ノスタルジー、不穏、ファンタジー、ミステリー、伝承、帯にもあるように、まさに恩田ワールド盛り盛り。やっぱこうでなくちゃねぇ。正統派、夜のピクニックやチョコレートコスモスよりも好みですわ。今回は吸血鬼もどき?下巻に向けて、それだけじゃあ終わらないでしょう、きっと(笑)

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    2026年04月21日
  • 月の裏側

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    ぞわりとする余韻が味わえるホラーSF小説?私はミステリだと思って読んでたのでびっくりした。しかし心とは、自分を自分たらしめるものとは一体何なのか。何があれば人間あり自分であると自信を持って言えるのか。そういう哲学的な面を考えさせられる小説でもあった。
    途中から面白くて一気に読んでしまう。どんな結末を迎えるのかどきどきしながら読めた。

    恩田陸の書く話は、斬新な観点に触れられるのでおもしろい。合わせて「不連続の世界」も読みたい。

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    2026年04月21日
  • 酒亭DARKNESS

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    酒場が舞台の怪談を集めた短編集。ひと言で言うと「孤独のグルメ」のホラー版。怪談話といっても、日常のちょっと不思議な話が多く肩の力を抜いて読めた。全国各地の実在するお店が出てくるので、機会があればぜひ訪れてみたい。

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    2026年04月20日
  • 六番目の小夜子

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    恩田陸さんのデビュー作ということで手に取った1冊。

    代わる代わる色々な人物の視点から物語が進んでいって面白かった。

    学校とそこにいる生徒の捉え方が個人的に深く刺さった。

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    2026年04月19日
  • 三月は深き紅の淵を

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    先日出雲・松江を旅行し出雲大社や小泉八雲記念館などを周った。そういえばこのあたりが出てくる好きな作品があったなと、ふと思い出したのが本書。

    前回読んでから10年以上、初めて読んでからも25年以上たっているが、私の読書人生と読書趣味のなかに色濃く影響を残し続けてる作品だ。4話の中編からなる本書は、「三月は深き紅の淵を」というタイトルの謎の小説を巡る話。

    その本は、著者も内容も謎で、自費出版で僅かな冊数が出版され配布されたがのちに謎の男に回収されてしまい、いまは世の中に流通していない。なんともそそられるこの設定と、入れ子式の物語構成と、登場人物たちのおしゃべりや食事がとても魅力的なのだ。

    1話目では、若い男が金持ちの老人の館に招かれ2泊3日の休暇を過ごす間に、館の何処かに埋もれているというその本を探す。合間合間に出てくる老人たちの談義と食事が何とも楽しそう。

    2話目は、女性編集者2名が寝台列車に乗って出雲を目指し、その本の著者であろう人を尋ねようという話。寝台列車でワクワク遠足気分からの、地方×真夏×じわりと忍び寄る謎の真相、の不穏さがいい。

    3話目は、女子高生の家庭教師をしていた女性が、その女子高生が亡くなった事故もしくは事件の真相を明らかにし、いつか三月は紅の淵をという小説を書こうとする話。一番まとまりがよく別の作品のようなテイストでもある。

    4話目は、ある小説家がまさにその本を書こうと執筆に試行錯誤する話。執筆中の作家の頭の中をのぞいているようなカオスで断片的な文章のまにまに覗く、物語の生まれる瞬間たち。

    そして全ての作品のなかに、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が、謎めいた空気を醸し出すモチーフとして登場する。小泉八雲にこのような役割を負わせるセンス、好きだ。

    どの話もおもしろいのだが、恩田陸ファンは別の楽しみ方もできる仕掛けになっている。物語のなかの人物たちが語る様々な小説作品、架空かと思いきや、その後恩田陸が発表する作品たちなのだ。黒と茶の幻想や、麦の海に沈む果実や、ロミオとロミオは永遠にや、おそらく、夜の底の柔らかな幻など…。

    それらの作品が生まれる前に、本書のなかで未来の作品たちの断片が語られているのだ。恩田陸をほぼ出版順に追いかけてきた自分としては、作品を超え時空を超えワクワクを何度も本書で味あわせてもらった。数年に一度読み返すと、当時読んでいたときは気づかなかったあの作品の兆しがすでにここにあったのか…!なんて楽しみ方もできる。何重にもおいしい、いぶし銀な作品である。

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    2026年04月18日
  • 酒亭DARKNESS

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    ネタバレ

    酒亭DARKNESS

    基本的に全国各地の飲み屋を題材とした短編集。
    ラインナップは以下の通り。
    ○跡継ぎの条件〜東京・大森の空席
    ○夜のお告げ〜神奈川・野毛の都橋商店街
    ○昭和94年の横丁〜愛知・名古屋の日めくり
    ○風を除ける〜東京・代田橋の沖縄タウンのマブイ
    ○黒の欠片〜長野・松本の天守閣
    ○曇天の店〜富山・高岡のフェーン現象
    ○三味線の音〜新潟・古町の二口女
    ○笑うカピタン〜長崎・浜町の絵とナイフレスト
    ○歌うカステラ〜長崎・ある住宅街のあんと
    ○祖父の墓〜栃木・日光東照宮
    ○白の迷路〜兵庫・姫路城の白のマダム
    ○アトランダムな神々〜大阪・新世界/曾根崎
    ○空飛ぶ梅〜東京・湯島、稲妻と梅の木
    *ムーン・リヴァー〜ななつ星の暗号を解く
    ホラーとありますが、ちょっと不思議な話などもあり、趣があって好きです。
    恩田さんが飲みたい一心で立てた企画だということが良く伝わってきます。
    竹蔵は、昭和94年の横丁とかアトランダムな神々が好きでした。

    竹蔵

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    2026年04月15日
  • spring another season

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    恩田陸さんのスプリングを読みたいと思っていて、スピンオフ小説集を先に読んでしまい、本編気になるし、海外の映画観ている気分になりました。人間関係や内容で分からない所もあるので、最初は本編を読んでからスピンオフを読むことをオススメします。
    バレエ物語は初心者ですが、切磋琢磨して上を目指していく話なんだろうと思ったので、本編を読むのが楽しみになりました。

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    2026年04月14日
  • クレオパトラの夢 新装版

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    前作メイズから間を空けずに読み進めました。

    メイズもそうでしたが、実際の史実が出てくるので読んでいて背筋が凍る様な瞬間が多々あります。
    今作の舞台は日本という事もあり、その瞬間はメイズよりも多くありました。

    今作は恵弥視点で書かれているため、言い回しなど面白い所もありつつ、着々と物語が進んでいく不気味さ。
    恩田陸さんの本を読んだ時にある「霧の中を彷徨う様な不気味さ」がずっと続き、メイズ同様ページを捲る手が止まりませんでした。

    結末もやはりメイズと同じく予想の斜め上。
    楽しませてもらいました。

    3部作目の次作も間を空けずに読む予定です。

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    2026年04月14日
  • MAZE 新装版

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    久しぶりに一気読みした一冊でした。

    恩田陸さんの著書は多く読んできましたが、新しい一面に触れた気がします。

    人はなぜその建物に入ると消えるのか。
    そんな非科学的な事をどう解決してまとめるのか。

    気になってページを捲る手が止まりません。
    最後の結末は想像の斜め上でしたし、なるほどと思わず唸る内容でした。

    シリーズ3部作という事もあり、次の本も読み進めたいと思います。

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    2026年04月14日
  • ネクロポリス 下

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    評価に迷う作品。上巻に比べて物語が動いたのと、ラストがダーク過ぎなかったので4。にしても、スゴい世界観でしたわ。コックリさんが出てきたかと思えば、死者の世界と融合とか、世界の始まりとか、、、八咫烏は別の作品にも出てきてましたよね。異世界物語は昨今けっこうあるようだけど、複雑摩訶不思議なのは恩田さんならでは。

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    2026年04月11日
  • 月の裏側

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    終始ドロリと粘っこい黒い液体が身体にまとわりついてくるような作品でした。
    ホラー耐性が強くない自分には、グロテスクなシーンを想起させる文脈も多く登場して、なかなか辛い部分も。
    そして途中から、どうやらホラーの要素だけではないことにも気付きました(遅い)。
    一体どこにどうやって着地させるのか、と気になりながら読み進めましたが、なるほど、恩田陸はそこに着地させたかと、ウンウン唸りながら本を閉じました。
    シリーズ作品ということなので、続けて読んでいこうと思います。

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    2026年04月10日
  • 蒲公英草紙 常野物語

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    常野シリーズ第2弾。
    前回は短編でしたが今回は長編で個人的には今回の方が良かったです。

    不思議な力を持つ常野から来た人々。

    主人公は東北の村に住む峰子。
    峰子は旧家槇村家の末娘聡子のお話し相手となる。
    峰子は生まれつき病弱で学校にも行けず、ずーっとお屋敷での生活を強いられている。

    槇村家のお屋敷には色々な人たちが出入りする。
    そんなある日、常野から来た家族がやってくる。

    前半は峰子と槇村家の家族、そしてそこに出入りする人々とを穏やかに進んでいくが、台風襲来から話は一気に緊迫感が増して聡子が大胆な行動に踏みきる。

    物語は二十世紀が始まったばかりの明治時代。
    この後、日本はどんどん暗い時代に突入していく。
    だから尚更、前半のお話が良き日本の時代という印象が強く感じられた。






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    2026年04月06日
  • 麦の海に沈む果実

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    ネタバレ

    読後はなんだか言いようのない喪失感を味わいました。
    ラスト2章は急展開で感情が追いつかず、黎二の死と、主人公の変貌と、主人公の黎二への扱いにショックを受けました。
    特にラストに黎二への思いが書かれていますが特別な人というより踏み台の一部、ちょっとした私物をを無くしたくらいの痛み程度に書かれていて、「本当にもう、、」とやるせなくなりました。
    色々なんだかんだあったけどハッピーエンドになることを想像していただけに、、
    でも面白いですね

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    2026年04月03日
  • 愚かな薔薇 下

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    恩田陸さんの作品は何冊か読んだことあるけど自分には合わない作家さんだなと思ってた、だけどこの愚かな薔薇は吸血鬼SFホラーミステリーみたいな感じの話で面白かった日本が舞台だけど西洋の吸血鬼との相性も良くて雰囲気も凄く良かった

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    2026年04月02日
  • 夜明けの花園

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    とある全寮制学校、その中や卒業生に起こる事件を短編集として描いている。その学校には様々な事情やバックグラウンドを持つ生徒たちが所属しており、学校側にも多大ないわくがありげである。そのため全編に共通して不穏さや緊張感が漂っている。特に意識しなくとも面白く読めるが、ミステリとしても楽しく読めるであろう作品もあり、読み応えがある。

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    2026年04月02日
  • 光の帝国 常野物語

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    ツル先生の戦時中の話が悲しくて1番印象に残った。この話から物語に惹き込まれていった。

    回収されない謎も多いと思ったけど、続編が2冊あると知って納得。

    章が沢山あって、登場人物が多いから、名前が覚えられず何度も見返した。少し苦労したけど、章を超えた繋がりを発見する瞬間が楽しかった。

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    2026年04月01日