夜果つるところ

夜果つるところ

1,980円 (税込)

9pt

執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。孔雀の声を真似し、日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。表情に乏しく、置き物のように帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。※電子版はリバーシブル・カバー仕様ではありません。

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夜果つるところ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月20日

    読んでいると絵が浮かんでくる。

    「わたし」のひとり語りで語られる墜月荘での思い出話は、夢か現か幻かわからない摩訶不思議なことぼかり。
    全てが薄暗くはっきりしないが、ところどころに鮮やかな色が見える。
    全てが曖昧で自分が何者なのかわからないまま過ごした日々は突然終わる。

    文字を追いながらドラマを見...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月11日

    恩田陸さんの本であってそうでない本。
    「鈍色」を読んでこちらを読むと、また「鈍色」を読み返したくなる。幾重にも楽しめる読書の醍醐味を感じさせてくれる。

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    Posted by ブクログ 2024年01月14日

    山奥の孤立した墜月荘は奇妙な人種であることを許される場所だった。不穏な予感を常に秘めていて世にも醜悪で世にも美しい、おぞましくも惹きつけられる墜月荘。その墜月荘(遊郭である)で暮らすビイちゃんは、3人の母がいる。産みの母と育ての母と名義上の母である。ビイちゃんはの世界はここだけであり、何故か閉じ込め...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月17日

    艶かしくて、儚げで、美しい。
    そして飯合梓のイメージ通りの世界観。彼らと同じように、この作品を映像で見てみたいと思った。
    壮大なメタフィクション。

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    Posted by ブクログ 2024年04月21日

    真鍋姉妹が惹かれ沼るほど、なんだか示唆的でオタクがいがある小説

    章立ての通し番号とノンベルが昭和初期発行のようなっていて芸が細かい
    中タイトルと奥付も

    こっちだけでも独立して本当に唆られる作品。なるほど映画化のしがいがあり、密かに興味を持たれ続けの魅力がある。

    同時進行で読みました
    『鈍色~』...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月11日

    恩田陸さんは、間口が広いですね。
    夜のピクニックや蜜蜂と遠雷をイメージすると、その違いに驚かされます。
    しかし、文調は彼女の優しいわかりやすいものでした。中盤からは一気に読んでしまい、今日は寝不足気味です。
    この作品が使われる鈍色幻視行を読むのが楽しみです。

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    Posted by ブクログ 2024年03月14日

    後付けに恩田陸ではない著者名とか、1975年初版とかなっていて何のことやらと思ったら、実は恩田陸の別の小説の中に出てくる幻の小説を実際に単行本化したのが本書らしい。そのことは何も知らずに読んだけど、独立して楽しめる内容でした。でも、知っていて読んだらより楽しめるのかも。
    主人公が自分の幼少期の記憶を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月12日

    小説の中の小説。
    設定も結末もわかった上で読んだのだが、それでも面白かった。
    2冊合わせて読んで楽しかった。

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    Posted by ブクログ 2023年12月22日

    『鈍色幻視行』に出てくる小説ということでどっちから読もうか悩んでこちらにしました。
    幻想的で本当に夢の中の物語のようでした。
    表紙も裏表に作られていて架空の作家「飯合梓」の名前が記されています。奥付けにも。

    語られている内容は生々しくきな臭いことなのですが、全体を包む空気がふわふわと夢のような感じ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月27日

    初め独特の文体に読みにくいかもと思ったが、段作品の不吉でどこか官能的な世界観に段々とのめり込み、すぐに読み終えてしまった。

    最後のどんでん返しは全く想像できていなかったもので驚いた。

    え、著者恩田さんじゃないの!?と驚いたがそうゆうことなのね、鈍色も読んでみたいと思います。

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